人狼物語 三日月国


221 Pledge ~sugar days~

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:人


【人】 大守 威優



  [パイプオルガンが荘厳な音を奏でる。
   ゆっくりと扉が開いた。      *]
 
 
(85) 2023/09/01(Fri) 22:23:56

【人】 田臥 志麻

[二人だけの挙式にしたいと言ったのは、自身の方。
 威優もその意図を汲み取ってくれていた。
 
 人に見られるのが恥ずかしいというところから
 始まった挙式への準備。
 二人で作り上げてきた計画は
 ウェディングドレスの素材から式場、
 どれもこれも拘って選んできたものだった。

 威優が「可愛い」と言ってくれたことは、
 己を卑下していた自己肯定にも繋がる。

 当初からの計画が二人で、だっただけに。
 家族には見せることはないと思っていたけれど。

 いざ目の前に家族が現れたなら、
 見て居て欲しいという想いに繋がっていく。

 苦労や心配をかけてきた自身が、
 自ら選んで番となった人と手を取り合っていく瞬間を。
 小さい頃からの夢であった
 「およめさん」になった姿を──。]
(86) 2023/09/01(Fri) 23:16:10

【人】 田臥 志麻

 
  わかった。
  威優とオレが一番気に入ったやつを送ろう。


[長男の門出の涙につられて涙腺が緩んだ
 父の背中を撫でて微笑む。

 威優と父を送り出したら、
 母と莉久が入れ替わりでやってきた。

 メイクを直してもらいつつ鏡越しに莉久と視線が合えば、
 父と全く同じセリフを口にしたので
 また笑ってフェイスパウダーがよれそうになった。

 フラワーボーイなんて出来るのか?と揶揄えば、
 威優から聞いたのだろう役目を誇らしげに語る。
 
 「威優さんの元に辿り着くまでしっかり護るよ」

 庇護の対象だった弟からそんな言葉が出てくるのが感慨深い。]
(87) 2023/09/01(Fri) 23:16:51

【人】 田臥 志麻

[元の唇がほんのりと色づくくらいのピンクのリップ。
 最後に仕上げてもらえば、鏡に映るのは最高の自分。

 祭壇で待つ彼の隣に立っても恥じない姿で、
 胸を張っていられるようになりたい。

 母が目の前に立ち、ヴェールを両手に取った。


 「志麻、夢が叶って良かったわね」

 
 レース越しに見える母が口にしたその言葉に、
 覚えていたのかと僅かに目を見開いた。]

 
  ……もう、メイクを直したばかりなのに。


[外で待つ威優と父を、
 更に少し、待たせることになってしまっただろう。]
(88) 2023/09/01(Fri) 23:17:41

【人】 田臥 志麻

[荘厳な音と共に扉が開けば、
 真っ直ぐ続いていく真っ赤なアイルランナー。
 莉久が散らしていく「清め」の花が絨毯に落ちる。

 隣に立つ父と目線を合わせ、
 腕を添えて、一歩、一歩、進んでいく。
 人生を歩んできたみたいに。
 
 十字架に近づけば母の姿が見える。
 また、震えそうになる唇を引き結んだ。

 愛している家族に見守られながら、
 愛しい番の元へ、導かれて。
 祭壇の前、白いタキシードに身を包む威優と目が合う。]
(89) 2023/09/01(Fri) 23:17:53

【人】 大守 威優

[現在、婚姻関係を証明するのは戸籍であり、
挙式の有無は公的に何も関係しない。

では何故挙式をするのか?

始まりは番の可愛いドレス姿を見たいと思ったところから。
準備をする内に、結婚の実感が湧くという利点を「実感」した。

結婚式について調べる内に、
志麻をここまで育ててくれた家族には
やはり「関わってほしい」という想いが強くなった。
大切な家族を送り出す役割を得ることで
心の整理がつくものではないかと考えたのだ。

花嫁の支度部屋には今、田臥家の4人がいる。
正確にはもうパスポートには"Oogami"と書かれているが、
これが最後の「家族水入らず」だ。]
(90) 2023/09/02(Sat) 0:08:56

【人】 大守 威優

[花嫁の一歩は一年に相当すると言う。

一歩、二歩、三歩、
四歩、五歩、六歩、 ――女の子だと思って生きていた時間。

七歩、八歩、九歩、 
十歩、十一歩、十二歩、 ――男の子の制服に戸惑っただろう。

十三歩、十四歩、十五歩、――体つきが男になって、

十六歩、十七歩、十八歩、――Ωとしての人生になった。

困難を抱えながら受験をして、就職して、]
(91) 2023/09/02(Sat) 0:09:30

【人】 大守 威優

[丁度二十四歩で辿り着いた訳ではない。
だから、二十五歩を数える前に立ち位置を変えた、、、、、、、、
この位なら誤差だと開き直る。

引き継いだ志麻の手を受け止めて、祭壇へと。]


 "Will you love
him
, comfort, hornor and keep him
so long as you both shall live?"
(92) 2023/09/02(Sat) 0:10:48

【人】 田臥 志麻

[自身の人生の数だけの歩幅を歩む。
 
 十九歩、二十歩、  ──まだ藻掻いていた時期。

 二十一歩、二十ニ歩、──妥協を知った。

 二十三歩、     ──全てを諦めたようとした。


 威優が少し立ち位置を変える。

                そして──、]
(93) 2023/09/02(Sat) 1:53:51

【人】 田臥 志麻

[少しだけ足を止めて、目を見合わせて微笑む。
 レースの手袋に包まれた手を彼の腕に添えて。

 二十五歩、二十六歩、その先も。

 これからの人生のように、威優と並んで歩いて。
 
 たった三人しかいない参列者。
 静謐な空気の中で、儀式が行われていく。

 威優が誓いを立てれば、自身の名前を呼ばれた。]


  "Will you love him, comfort, hornor and keep him
so long as you both shall live?"
(94) 2023/09/02(Sat) 1:55:10

【人】 大守 威優

[相手が「彼」なので、一言一句同じ言葉が繰り返される。
そして志麻の口からも、己と同じ言葉が。

万感の想いで、鼻の奥がツンと痛んだ。
ああこれは、どうやら己は泣きそうになっているようだ。
最後に泣いたのがいつだったか思い出せないが、
きっとそうだ。
人は悲しくなくても泣くのだ。

涙こそ出なかったが、喉が熱い感覚がずっと続いている。

神父に促され、ベールを持ち上げて]


 愛してるよ、志麻。


[躊躇なく唇にキスをした。
閉じた瞼裏に、出逢った時のことを思い浮かべながら。]

[讃美歌と共に式が終わる。
扉が開かれ、ガーデンに出るよう促された。]
(95) 2023/09/02(Sat) 19:53:26

【人】 大守 威優



 写真、撮ってもらうか?


[ガーデンには、ミモザのアーチが設置されていて、
そこで写真を撮ることが想定されているようだ。

二人で撮って貰うのは予定にあったが、
折角なので3人とも撮ったらどうかと提案した。

ドレス姿の結婚写真は、
親族には見せることはないかもしれないが、
家族が時折開いて思い出に浸る為には
手元に残しておきたいだろうから。*]
(96) 2023/09/02(Sat) 19:53:41

【人】 田臥 志麻

[同じ方向を向いて、同じ言葉を並べて。
 神に誓いを立てる。

 十字架の奥に海から顔を出す月が見える。

 いつかの日にも見た丸い形をした満月が
 太陽の代わりに、細やかな明るさを齎していく。

 神父の言葉が終わり、彼と向かい合う。
 威優の手がヴェールを持ち上げれば、
 倣って視線を上げ、愛おしい翠緑の瞳を見つめた。

 少し、潤んでいただろうか。
 気づきはしたけれど、自身も同じくらい。
 それ以上に、視界が滲んでいたから笑うだけに留める。]
(97) 2023/09/02(Sat) 21:12:48

【人】 田臥 志麻


 
  オレも、──愛してる。


[何度もつっかえた言葉を、
 今はもう澱みなく伝えられる。

 距離が狭まっていくのに、そっと瞼を下ろして。
 誓いのキスを交わす。]
(98) 2023/09/02(Sat) 21:13:14

【人】 田臥 志麻


[月が海から完全に顔を出して、空に浮かぶ頃。
 教会を出て、ガーデンを歩く。
 夜でも写真が撮れるように照明が点いている。

 家族との記念写真を威優に促され、]


  ……うん、そうだな。
  せっかくだし。


[頷いて両親と弟に声をかけた。
 三人とも笑顔で喜んでくれた。

 ブーケを手にしたままアーチの下に立つと、
 傍らに母が、その隣に父が。
 そして、自身を挟んで反対側に弟が立つ。
 
 プロのカメラマンが撮ろうとする前に、
 莉久がスマホでも撮りたい!と新郎である
 威優にお願いしに行ったことには、
 こらっ!と兄の顔をして叱った。]
(99) 2023/09/02(Sat) 21:14:04

【人】 田臥 志麻

[少し気恥ずかしい、一生に一度の記念写真。
 何枚か納めた後は、家族の代わりに威優が喚ばれる。

 スマホを威優から受け取った莉久が、
 ちゃっかりカメラマンの横を陣取り、
 自身もカメラマン気取りでレンズを構える。


 「ほらもっと、威優さんの傍に寄って。
  新婚らしく、ほっぺにちゅうとかする?

  大丈夫、ここ海外だから!」


 ポーズまで指定してくるはしゃぎっぷりに、
 呆れながらも、誓いのキスとは違う写真用は 
 些か嬉しさよりも、照れ臭さのほうが前に立つ。]
(100) 2023/09/02(Sat) 21:14:17

【人】 田臥 志麻

 

  ……ごめん、莉久が浮かれてる。


[隣に立つ威優を見上げつつ、
 指定通りに隣の距離を詰めながら、
 何とも言えない表情を浮かべて眉根を寄せる。

 
 「せっかくだからリングも見せて!」


 更にもう一つ、注文がついた。]


  お前ね……プロの人に任せなさいよ。


[言いながらも注文に答えるように、
 左手を胸元に持ち上げながら。*]
(101) 2023/09/02(Sat) 21:17:38

【人】 大守 威優

[「愛してる」と言えるようになるまで。
志麻には少し時間が必要だった。

その間、彼の気持ちが違うと思っていたことはない。
言葉には出さなくても、態度で、身体の反応で、
己を愛しているとずっと示してくれていた。

言葉に出来なかった理由は、志麻が話したければ聞くし、
無理に聞きだす心算はない。

大切な場面で、周囲の目が合っても、
淀みなくまっすぐ伝えてくれた。

その事実で充分だ。]
(102) 2023/09/02(Sat) 21:43:49

【人】 大守 威優

[唇を介して心の声が聞こえた気がした。]
(103) 2023/09/02(Sat) 21:44:36

【人】 大守 威優

[ガーデンでは、荘厳な空気から解放されたからか、
義弟がいつも以上にはしゃいでいた。

4人家族の写真をスマホで撮れば、
撮影係はお役御免で花嫁の元に促され。

カメラマンを差し置いて色々とポーズの注文をつけるのに、
ケラケラと笑いながら応える。

頬へのキス、二人でハートマークを作る、
お姫様抱っこ、そしてリングを嵌めた手を並べて。

大きな満月が海にゆっくり溶ける時間、
義弟が満足するまで撮影会は続いたのだった。]
(104) 2023/09/02(Sat) 21:44:50

【人】 田臥 志麻

[撮影会は弟の注文のお陰で賑やかになった。
 
 お姫様抱っこは自宅でもされているが、
 人前で、しかも家族の前とあっては
 さすがに照れが勝ってしまう。

 けれど、腕の中で暴れたらドレスを汚してしまいそうで、
 莉久を睨みつけながら渋々大人しくした一場面もあった。

 翌日からは家族は観光に回るという。
 ガイドも威優が手配してくれていたらしく
 それならば、と安心もした。]
(105) 2023/09/02(Sat) 22:17:38