情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 転校生 矢川 誠壱まただ… [ まただ。そう、また、なのだ。] 完全に出遅れてる。 [ 体を動かすと、ギッと唸るスプリング。 青年は黒髪をくしゃくしゃ右手で混ぜながら 枕のすぐ隣にある携帯電話のアラームを止めた。 …正確にはきっと数度目のスヌーズを止めた。 3回くらいみた。なにかの見間違いかと。 部屋の時計とも見比べた。 カーテンの外もみた。 けれど、スマートフォンが示す時間と 部屋の時計が指している時間は同じだ。 外は薄暗くて一瞬期待を持たせるのが たちが悪い。聞こえるのは、雨音。] (32) 2020/06/14(Sun) 11:38:13 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ 出遅れてる?いいや、ちがう。 そんな曖昧な言い方をすべきではない。 遅刻だ。 絶対間に合わないというかもうすでに 学校の始業のチャイムは鳴っている時間だ。 ここまでひどいといっそ諦めがつく… なんていってる場合ではない。 今日は、今日だけは本当にまずい。 文化祭当日の準備を手伝わずして、 どの面を下げて参加できるというのか!] ……終わった… [ だがしかしそんなことを言っている 場合ではないのだ。ばたばたと準備を始める。 腕を通すのは前の学校の制服… つまりは詰襟だが仕方ない。] (33) 2020/06/14(Sun) 11:38:55 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ 寝坊癖あるのは今に始まったことではない。 実のところ昨日も遅れて登校した。 こっそり、こっそり忍び込むようにして 入った学校の校舎は、広すぎて そりゃもうすぐ迷った。 しばらく彷徨ってうろうろしていれば 「なんで他校の生徒が?」なんて ひそひそと囁く声だって聞こえるってものだ。 父の仕事の都合でこの学園にきたのは ほんの1ヶ月ほど前のこと。 卒業生の制服を譲ってもらえるという 話だったのだが、履いたズボンの丈が 短かったのはまあ仕方ない。 寝る子は育つ…のだ… というわけでしばしこの制服で 過ごしてくれといわれてかれこれ もうすでに1ヶ月が経ってしまったわけだが] (34) 2020/06/14(Sun) 11:39:24 |
【人】 転校生 矢川 誠壱正直文化祭までにはほしかった… [ そんなことをいったって 仕方のないことではあるが。 小さくため息をついて準備を進める。 なんとか終わらせて、家を飛び出す。 それから猛ダッシュで到着した学園は すっかり準備が進められていた。 休むという選択肢はあった。 まだクラスに馴染めているとは思えない。 雨に濡れて重くなった詰襟を はずして、腕にかける。 そっと教室の扉を開いて、中の様子を見た。] (35) 2020/06/14(Sun) 11:40:48 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ はじめはなんだかこう、厳格な雰囲気の学園だと 思っていた。名前、フランス語だし。 だがそれは1ヶ月も経てばある程度 気のせいだったらしいと気づく。 コスプレカフェ、なんて俗っぽいものも 模擬店として許されるのだから、 そりゃあもう。] …おはよう、 ございます [ 遅刻の罪悪感で小さくなった声。 ただでさえも図体がデカくて きっとこわがられているだろうから、 準備はある程度力仕事に徹してきた。 今日ももちろんそのつもりだし、 だからこそ朝くるべきだったのだが。 『お客さんきちゃうよ』と急かす クラスメイトの声が聞こえる。>>30 そちらを一瞥してから、 そおっと足を踏み入れた。]* (36) 2020/06/14(Sun) 11:41:40 |
転校生 矢川 誠壱は、メモを貼った。 (a12) 2020/06/14(Sun) 11:46:48 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ 小さく挨拶をして気まずげに 足音を立てぬようそうっと 入った教室だったけれど、 すぐに近くにいた女子生徒に捕まった。 やっとクラスメイトの名前を 覚えてきたところなのだ。 彼女はそう、たしか…] 田中さん… 「おはよう、遅刻の矢川くん」 …すんません… [ そう小さく謝ると彼女は困ったように 片眉をあげて、肩を上げて、下げて、 ふう、と小さくため息をついた。] (46) 2020/06/14(Sun) 15:30:54 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「とりあえず。職員室には行った?」 いや、まだ… 「なら先に行ってきなよ。 届出出してから帰ってきて。」 …ごめん… 「いーからはやくね!」 [ そういって頷く彼女に一礼して 一度教室をでる。でる、つもりだった。] (47) 2020/06/14(Sun) 15:31:10 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ まあ、弁解という弁解もないから 仕方のない話ではあるのだが。 ちら、と目線を落とした。] せっ きゃく まにゅ ある… [ 小さく唸りそうになるのを、 こぼれそうなため息を、堪えて。] (49) 2020/06/14(Sun) 15:32:11 |
【人】 転校生 矢川 誠壱* [ ひとまず職員室へ向かうことを 許されたのだから、その通りにしよう。 接客などやったことがないし無理だと 伝えるのはそのあとにしたほうがいい。 どうせ今断ってもすぐに却下される。 ───参加しないという選択肢がなかったわけではない。 準備にはじめから参加していたわけでもないし ものすごく中途半端な時期に、その上 3年に上がってからの編入生なんて。 編入後1ヶ月で文化祭なんて。 物好きだと思われたって仕方ない。 だけど、参加したかった。 人生で限られた数しかないから。 それが思い入れのあるものでも、 ないものでも、構わない。 その場所に自分がいた、それだけで。] (50) 2020/06/14(Sun) 15:33:55 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ ああ、接客じゃなくてせめて キッチンスタッフにしてくれないだろうか。 そんなことを考えながらぼんやり歩く。 廊下から覗き見えるさまざまな 教室には展示も準備されているらしい。 とても広い学園だし、きっと 全てを見ることは叶わないんだろうなと 思いながら、背中に負ったベースのケースの 肩紐をくい、と引いた。]* (52) 2020/06/14(Sun) 15:35:14 |
【人】 転校生 矢川 誠壱 ──職員室── うげ… [ 職員室に到着すれば、なにやらそこには 列ができていた。それも外まで。>>58 遅刻するたびにお世話になっている この場所であるから、馴染みはあるが、 こんなにひとが並んでいるのは正直 今まで見たことがないから、驚く。 だが、仕方ない。 この図体で目立たないなんていうのは むずかしい話ではあるが、ひとまず そっと最後尾につけた。 ポケットでスマートフォンが震える。 右手で取り出して、すう、とその 無骨で長い指を画面に滑らせる。 バンドのメンバーで構成されている グループにメッセージが届いたという通知。 数度タップしてみてみれば、どうやら トラブルがあって、リハーサルの時間が 予定より遅れそうだという連絡だった。] (85) 2020/06/14(Sun) 20:47:33 |
【人】 転校生 矢川 誠壱『りょーかい』 [ と一言送る。 バンドのメンバーはいい奴ばかりだった。 ベースは、ずっと前からやっている。 幼い頃から転勤族で、色んな場所を 転々としていた自分にとって、 人と距離を詰めるためのツールであり 拠り所のような存在。 今のメンバーに声をかけられたのは たまたまだった。 この街に引っ越してきてすぐ。 弦を買おうと楽器屋に行った。 その場所で「ベースが、受験を理由に 3年に上がってすぐやめてしまった」と 愚痴っているこの学園の生徒を見たのだ。] (86) 2020/06/14(Sun) 20:48:00 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ 仕方ないとはわかっていた。 だからこそ、引き留めることも できなくて、くやしい、悲しいと。 ああ、そうだよなあ、と ぼんやり上部だけで話を聞いていて。 まさか、そのあと学園で再開して。 その上向こうがこちらを覚えていて。 入ってくれと頼まれるなんて思っていなかった。 元ベース担当のやつにも会ったし、 話をしてきちんと引き継いだ。 で、即席ながら無事バンドメンバーと なったわけなのだけれど。 今日が、最後になるんだろうか。 腐っても受験生だ。 あまり長く続けられないことは 重々承知だけれど。 やはり、一人で弾くよりも断然 誰かと演奏する方が楽しいし、 誰かに聞いてもらえるのも嬉しい。 最後は、寂しいな、なんて。 自分が言えたことではないのだろうけれど。] (87) 2020/06/14(Sun) 20:48:31 |
【人】 転校生 矢川 誠壱あー……いや、 なんかこう、最後なんだなって ちょっと思っただけです、 俺が、感傷に浸るのも変すけど [ と続けて。くしゃ、と手の中で 音を立てた紙に目線をやる。 そして、思い出した。 ああ、うん、バンドの方に意識が 向いてはいたがそうだった。 もっと憂鬱なのはこちらだったな、と。] ……最後に、恥は残したくないっす…ね… [ そんな呟きを落とし。]* (89) 2020/06/14(Sun) 20:50:05 |
【人】 転校生 矢川 誠壱…あ、いや、こちらこそ… [ そうこちらからも一言謝って、 教室の中へと足を踏み入れる。 そこでちょうど田中さんに捕まったのだった。 彼がした提案をまだ知ることはない。 知っていたなら、こちらからも 提案したはずだ。自分も楽器ができるの だから、ぜひ演奏側に回らせてくれと。 そうすればきっと、今こんなふうに 接客マニュアルを見ては 不安を煽られることはなかっただろう。]* (93) 2020/06/14(Sun) 21:53:50 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ そうして落とした呟きに、 かけられた言葉にまた少し顔を上げて。 …一瞬、話すかどうか迷う。 だが、どう言葉にする? 実は自分のクラスがコスプレカフェ なるものを出店するのだが、 遅刻で裏方を手伝えなかった代償に 表で接客をさせられそうになっているが それを避けたい、ので力を…貸してください…? いやいや。 それはなんていうか、あまりにも。] (107) 2020/06/14(Sun) 23:56:49 |
【人】 転校生 矢川 誠壱…恥は、かきたくないっすけど、 先生に頼りすぎってのもちょっと あれなので、…うん、 とりあえず自分で話してみます。 その、クラスが模擬店するんですけど 接客、苦手ってだけなんで… ほらこの図体ですし。 …怖がられるかも、しれないですから。 [ そういって、手に持ったプリントを 折りたたんでポケットに仕舞う。 だが、気遣いは嬉しかった。 味方になってくれようとする人が いるっていうのはやはり、 どんな状況だってうれしいものだ。] どうしても困ったら、 また頼らせてください、青柳先生。 [ そういって、ぺこりと頭を下げる。 つづいてふと思い立ったことに「あ」と 小さく声を上げた。] (108) 2020/06/14(Sun) 23:57:26 |
【人】 転校生 矢川 誠壱それより、先生、 肩代わりっていうか… 手伝ってほしいことがあるんすよ。 [ と言ってから、背中にある ベースのケースをちら、と見て それから視線を彼の方に戻す。] バンドで、ライブ出るんで。 …盛り上げ役としてぜひ、 見にきてください。 …後悔したくないんで。 [ そう彼の言葉を借りて、笑った。] (109) 2020/06/14(Sun) 23:58:10 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ ちょうど前のやつが職員室に入っていく。 ひとり、ふたり、出てくる。 次は己の番だろう。 ポケットでスマートフォンが震えた。 職員室の扉をくぐる。 入りざま、振り返って、彼をまた見て。] じゃ、せんせ、またあとで。 [ と約束を交わしては、足を進めた。]* (110) 2020/06/14(Sun) 23:59:24 |
【人】 転校生 矢川 誠壱 ──教室── [ やはり、断ろう。 そう心に決めながら足早に教室へと戻る。 先程はさすがに言えなかったし、 どのみちすぐはぐらかされるか、 却下されるに違いなかったけれど。 善は急げである。 図体の大きな違う制服の男が 廊下を闊歩する様子は きっとひどく目立っただろうけれど それどころではないから仕方ない。 教室の前まで来た頃には 軽く肩で息をしていたが、 それもお構いなしに扉に手をかける。 そのときだった。微かだが確かに 柔らかなピアノの音色。>>98 そんなもの、さっきはなかったはずだ。 つまり、誰かが弾いている? そのまま静止していれば、 怒号が続いた。その声はそう、 ついさっきぶつかりかけた───] (113) 2020/06/15(Mon) 0:24:27 |
【人】 転校生 矢川 誠壱雨宮くん…? [ 彼も間違いなく接客を嫌がっていた。 それが今はピアノを弾いている? つまりは、もしかして、これは 何か楽器が弾けたら逃れられるのでは? そっと背中のベースに触れる。 それに、弾いてみたい。 彼のピアノは、きらきらと、 どこか煌めきがあって。 それを拾い集める大きな布になれる。 きっと、ベースなら。 楽しいに、ちがいない。 だがだめだ。彼が弾いている曲の雰囲気と 今ここにあるエレキベースでは合わない。 いや、大丈夫かもしれないが、 それよりももっと───] (114) 2020/06/15(Mon) 0:26:53 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ スマートフォンを取り出す。 学校の軽音楽部室に置かせてもらっている 自分のもう一つの楽器。 メンバーに連絡すれば「鍵は開いてると思うよ」 とすぐに返事が返ってきた。 迷いなく踵を返す。 そうしてまっすぐ向かった部室の角。 置かれたケースを手に取ってまた、 教室へと戻っていく。 今度は、手を止めないまま。 扉を思いっきり開けた。 軽く、息が上がっている。 クラスメイトの視線を感じた。] (115) 2020/06/15(Mon) 0:27:14 |
【人】 転校生 矢川 誠壱───ぁ、 え、っと [ なんて、話せばいいのか、 言葉に詰まっていれば、 田中さんがこちらにずんずんと 向かって歩いてくるのが見えた。] 『遅かったじゃない。 矢川くんもはやく、着替えて。』 あ、の、そのことなんだけどさ 『できませんは通用しないよ?』 いや、そうじゃなくて、その、 [ そういって、手元に持ったケースを ずい、と目の前に差し出す。] (116) 2020/06/15(Mon) 0:27:38 |
【人】 転校生 矢川 誠壱俺、も楽器できるから。 雨宮くんと一緒に演奏するのは どうかな、スーツは、着るからさ。 [ 提案を続ければ目の前の彼女の顔は 訝しげに歪んで、こちらの顔と、 手元のケースを交互に見比べては、 「ええー」と不満げに唸った。] 接客はたぶん、向いてないよ、 やったことないしさ、でかいし、 邪魔になると思う。 「そんなことはないと思うけど」 [ そう隣から入ってきたのは委員長だった。 ああ、うーん。やはり受け入れては もらえそうにないのだろうか。 そう苦虫を噛み潰したような顔に なるのをなんとか堪える、が。] (117) 2020/06/15(Mon) 0:28:03 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「まあ、弾いてみて、いい雰囲気に なりそうならいいんじゃない? 二人で急に、なんてできるのか わかんないけど」 …あ、りがとう [ 彼女の言葉に救われた。 ふう、と安堵のため息を落とす。 ちら、とピアノの前に座る雨宮くんの方を みてはゆっくりそちらへと向かった。] ごめんな、勝手に進めて [ そう彼に一言謝ってから 己の楽器を取り出そうか。] (118) 2020/06/15(Mon) 0:28:42 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新