人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:人

全て表示


【人】 軍医 ルーク

[ 耳を撫でる指から伝わるあたたかで柔らかな感触。
 自分もいつもよりもずっと、
 柔らかな表情をしていたことには気付かない。
 少しいいかなと指を伸ばされ、驚いてぱちりと瞬き一つ、
 こくりと小さく頷いた。

 頭の上の白い耳に、左手の指が触れる。
 ひとに触られるどころか、
 フードの外に出ることも慣れていない耳は、
 擽ったさにぴくりと動き、
 ひゃ、と思わず声が出て、
 背中の後ろで、尻尾がぶわりと膨らむ。]


  ……嫌じゃないけど、慣れてない。


[ 指が離れる前に引き留めるように、
 咄嗟に言い訳みたいな声が出たのはどうしてか。]
(56) 2020/05/24(Sun) 21:32:22

【人】 軍医 ルーク

[ このうさぎの方は
 耳に触れられることもあったみたいだけど――と、
 以前医務室に彼の部下たちが、
 見舞いに来ていた時のことを思い出す。>>0:280
 楽し気な歓談の声を、
 聞くともなしに遠くで聞いていたときのこと。
 いまにして遡れば、そのときの自分が何を感じていたのかも
 朧気に分かってくるようで、
 あー、と呻きそうになった。

 けれど、触れられているうちに、
 耳と尻尾は落ち着きを取り戻し、耳の震えも止まり、
 長い尾は、背の後ろで心地よさそうに揺れ始める。
 
 こうして触れていられる今は、
 足を踏み外せば、真っ黒な穴に吸い込まれて
 落ちてゆきそうな不安と背中合わせで、
 けれど、どうしようもないほどに、大切で。
 ――確かめるように、触れていた。]
(57) 2020/05/24(Sun) 21:33:40

【人】 軍医 ルーク

[ タブレットを取り出せば、彼は驚いたような顔をする。
 相手が自分だということには、
 気づかれていたのか、いないのか。
 少なくとも自分が日記の主の正体を『知っていた』ことは
 想定外だったようで、
 穴でもあったら潜りたいような顔をしている。
 ……うさぎってそういうところあるよね、と、
 きつねの習性を棚に上げて思ったりもして。]


  ひとつ、教えてやろうか。
  君は自分で思ってるより隠し事が下手。
  

[ それに、きっとそれだけではなくて。]
(58) 2020/05/24(Sun) 21:34:17

【人】 軍医 ルーク

  でも、他の誰かだったら、
  きっとわたしは気付かなかった。
  君の日記だったからだ。


[ もし誰か他の物が書き記した文章を
 目にする機会があったとしても、
 それが誰のものかなんて、分からなかったに違いない。
 見張りに見つかった話をすれば、
 この期に及んで此方のことばかり心配する彼に、
 もどかしいような、それでいて暖かな感覚がある。]
(59) 2020/05/24(Sun) 21:34:48

【人】 軍医 ルーク

[ 自分の書いたものを自分の前で読まれるというのは、
 気恥ずかしさ、というのを感じるものだろうか。
 頬のあたりが熱を持っていて、
 下ろした指が自然と握り込まれているのは、
 もしかしたら、そうなのかもしれないけれど。
 それでも、伝えたいという気持ちが勝った。

 ――“いなくなること”への怖れ。
 自分がそれに気づいたのは、
 表現の端々が気にかかったからではあるけれど。
 この日記の主が彼であることが分かったとき、
 強い確信に変わった。

 通信機を探しに行った時のこと。
 記憶を取り戻すことへの不安がにじむ口調、>>1:314
 通信機を見つけ出したときの、
 いつもとは明らかに違っていた様子。
 そういったものを、はっきりと覚えていたから。

 だから、やはり、
 この日記を書いていたのが彼だったから、
 自分は気付いたのだろう。]
(60) 2020/05/24(Sun) 21:36:10

【人】 軍医 ルーク

[ 離れたくないと、手をとっていたいと、そう願いながら、
 ざわりと騒がしくざわめく空洞は、
 彼のことを“心配”してのものであったけれど、
 それだけではない不安が、片隅にある。
 拒絶への怖れ、そう名付けられるものだろう。
 それでも、手を伸ばすのをやめることは考えられない。
 拒まれることの痛みなど、
 何もできずに手を離してしまうことに比べれば、
 比較にもならずに押さえつけられる。

 それでも、“もう君も、僕からは、”と、
 告げられかけた言葉の続きを察せば、紫の目が揺れる。
 泣きそうな顔で、何度も口にしようとする彼に、
 吐息が喉の奥で、引き攣れるような音を立てた。

 ――… きっと、その先を口にしようとしているのは、
 身を案じてくれて、いるからなのだろう。
 そのような顔をさせてしまっていることへの辛さ、
 拒絶への怖れ、
 そして、その言葉が最後まで聞こえなかったことへの
 ――“嬉しさ”
 そのようなものたちが、ぐちゃぐちゃになって、
 指で触れて名前を付けるのが、追いつかない。]
(61) 2020/05/24(Sun) 21:38:28

【人】 軍医 ルーク

[ タブレットに、最後まで文字を綴り終えて。
 離すまいと抱きしめながら、
 背に回される、手の感触を感じる。
 まるで泣く子供をあやすように優しく撫でていた手に、
 不意に力が篭り、強く抱きすくめられる。

 白い尻尾が、ふるりと跳ねる。
 涙が、止まらない。
 強く、強く、力を籠める。
 
 わたしは、強くはない。
 行かないでと、自分の心をぶつけながら、
 それでも、縋るだけの両手にはなりたくなかった。
 この心と体のすべてで、
 出来ることがあるなら何でもしたいと、
 願いと決意を込めて、腕に力を込めている。

 ――鼓動の音がする。]
(62) 2020/05/24(Sun) 21:39:09

【人】 軍医 ルーク

 
  離れて、と、
  言わないでいてくれて、嬉しかった。
  分かってるんだ、
  どうしてそう言おうとしていたかは。
  それでも、わたしは、
  そう言わないでいてくれて嬉しかった。


[ 一緒にいてくれるなら、それが一番いいと、
 言葉にしてくれたことが。
 いつの間にかこんなにも、彼が特別な存在になっていた。
 それでも思い返せば――そう。]


  いつからかな、
  ……うん、最初から。
  自分のことなんか気にしようとしない君を見てた。
  ひとの輪の中にいながら、
  皆が笑うのを見ていながら、
  どこか、自分のことを度外視してるみたいに見えて。
  きっと、怒っていて。
  心配、していたのだと思う。
  ……でも、いまは、それだけじゃない。
  

[ 検査のことも、治療のことも、誰が患者であったとしても
 同じことを主張していたはずだけれど。
 それでも、そのような思考とは別の所で、
 自分の中で何かが動き始めていた。]
(63) 2020/05/24(Sun) 21:41:02

【人】 軍医 ルーク


  わたしのことも、
  聞きたいと言ってくれて、ありがとう。
  でも、いまは、
  君の話を聞かせてほしい。

 
[ 誰にも話せずにいた話。
 それは翻って、その話の重さを物語る。
 誰かに話すには重すぎるなら、ひとりで抱えるのは尚更だ。
 日記の返事にも幾度も書いたように、
 自分の望みは、彼が抱えているものに、
 立ち向かわなければならないものに、
 “一緒に”立ち向かうことだから。]
(64) 2020/05/24(Sun) 21:42:07

【人】 軍医 ルーク

[ ――それでも、
 堰き止められていた水が溢れ出すように語られた言葉に、
 これ以上ないほどはっきりと突きつけられる現実に、
 恐怖に、目の前が暗くなる。

 “全て思い出した時、僕は僕で居られるのか”

 時間がないというその言葉は、
 本当に、その通りだったのだろう。
 次に眠れば、もう次はないかもしれない。
 そうして目を覚まそうとしていたとしても、
 人はいつまでも眠らずにはいられない。
 顔を上げて顔の様子を見れば、
 やはり、もう既に長いこと眠っていないことが分かる。

 けれど、いま一番不安なのは誰なのかを思うなら、
 泣き崩れてしまいそうになる全身を励まして、
 必死にその話に耳を傾ける。]

  
  ……黙っていたことがある。


[ 流れ落ちた涙をぬぐうこともなく、
 自分もまた、顔を上げる。
 この話をすることには、躊躇いもあった。
 突きつけてよいものか、分からなかったからだ。
 けれど、何も分からず不安定な場所にいるだけでは、
 次に踏み出すことも出来ない。]
(65) 2020/05/24(Sun) 21:43:27

【人】 軍医 ルーク

 
  通信機を探しに行ったときのこと。
  君は頭痛の後に、通信機を見つけてくれた。
  そのとき君は、
  通信機が機獣のどの部位に格納されているか、
  どちらに飛んだか、
  知っている口調で、話をしてた。

  この話は、誰にもしなかったから、
  まだ、基地には知ってる者はいないけれど。
  ……きっと、その頭痛はそういうことなのだと思う。

  その暫く後、検査に携わる者に
  総司令からの通達があった。
  頭痛は記憶の兆候だろうと。
 

[ それは、不安を現実にしてしまう、
 そういった情報でもあっただろう。
 けれど、それだけでは終わらせず、続きを口にする。]
(66) 2020/05/24(Sun) 21:45:08

【人】 軍医 ルーク


 過去の君の記憶が、今に追いつこうとしているとして。
 それが夢という形で、見えているとして。
 それは、君の身体に刻み込まれたものなのだろう。

 でも、だとしたら、
 『今の君の記憶だって、
  その体に、同じくらい、刻み込まれてるはず』
 わたしは、そう思う。

 記憶障害の症例は個人差があるから、
 はっきりしたことは言えないけれど。
 君がこの基地で過ごした時間は、感じたことは、
 いまの君を、形作るもののはず。

 ――… 不安に違いないのに、
 勝手に知ったようなことを言って、ごめん。
 でも、君がここで皆を守るのを、日々を過ごすのを、
 わたしは、見てた。

 それに、いまは……、
 わたしに向けてくれた、いくつもの言葉とか、
 心を、知ってる。
  
(67) 2020/05/24(Sun) 21:46:21

【人】 軍医 ルーク

[ どちらが本来の彼か。
 最初の記憶? 違う、それだけじゃない。
 きっと、『どちらも』だ。
 それは、希望的な観測かもしれない、
 願いであったかもしれない。
 けれど、只の気休めのつもりもない。
 記憶が囁くというのなら、いま目の前にいる彼の記憶だって、
 何が変わるというのだろう。]
 

  最初の記憶が戻ったからといって、
  今の記憶が泡のように消えてなくなってしまうなんて、
  絶対に、思うものか。


[ 両手が包まれる。
 あたたかな手、冷たく固い義手の手、
 最初はきっと、守るためのものではなかったはずなのに、
 皆を守り続けていた手。
 使うべきではないと思っていることは、
 今も変わらないけれど。

 暫くの間、そうしていた。]
(68) 2020/05/24(Sun) 21:47:44

【人】 軍医 ルーク

 
  それでももし、なにかがあって。
  君が寝坊してたら、たたき起こしてやろう。
  あまり寝過ごすようなら、
  起きたらそれはもう、
  苦い物でも飲ませてやろうかな?

  ――… 絶対に、そのときは、
  わたしがいる。
  この手は離さない。  


[ わたしも、と、指を動かす。
 そうして、手がほどけたなら、
 今度は自分がその両手を自身の手で包もう。
 冷たくて、人に触れたら悲鳴をあげられてしまうような、
 そんな手だ。
 それでも、いまはいくらかは、熱が灯っていて、
 あたためてくれた温もりがある。

 両の手に強く力を込める。
 向けてくれた穏やかな笑顔に、
 大丈夫――と、語り掛けるように、
 笑顔を、返した。]
(69) 2020/05/24(Sun) 21:49:38

【人】 軍医 ルーク

 
  ああ、そうだ。
  時間は全くかからないから、ひとつだけ。
  わたしのはなしを、伝えようかな。


[ 秘密にしているものではない。
 記録を見れば、誰だって気付く。
 その機会は滅多にないだろうから、
 まあ、知る者はあまりいない、ということになるだろうか。
 
 タブレットの画面を開き、指を滑らせた。]* 
(70) 2020/05/24(Sun) 21:51:34
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a7) 2020/05/24(Sun) 22:01:04

【人】 軍医 ルーク

[ 言葉にするうちに、自分がどれだけ彼のことを見ていたのかを
 改めて理解してしまう。
 最初は当たり前のように、
 自分が此処にいない方が良いと思っているに違いないと、
 そんな風に考えていたけれど。>>1:236
 そう言われたことは、今思えば一度だってなかったのだ。
 いや、苦い薬から逃げようとはしていたけれど。
 義手を使って倒れて担ぎ込まれて、目が醒めた途端、
 窓から逃げようとしていたことなんかはあったけれど。

 それでも、“姿が見たい”と、
 そんな風に探してくれていたとは、
 ほんとうに、思っていなかったものだから。]


   ……、
   それは、物好きだと思う。


[ この期に及んでそんなひねくれたことを、
 言ってしまいもする。
 口ではそう言いながら、微かに綻んだ口元は、
 どう見ても“嬉しそう”に見えただろうし、
 背の後ろで白い尻尾がぱたり、と揺れたりも
 しているのだけれど。

 自身の目で見てくれていたから、
 噂に偏見を持つこともなく接してくれていたのだろう。]
(169) 2020/05/25(Mon) 21:00:28

【人】 軍医 ルーク

 
  君に個人的に関わろうとするなって、
  念を押されたこともあるんだ。>>0:305
  仕事に徹しろと。
  いまにして思えば、
  わたしには知らされていなかったけれど、
  上の方もある程度は、
  君に対しての予測や警戒があるのかもしれない。


[ “天”の向こうには何者かがいるということは、
 知る者は知っている事実だ。
 第二研究所には、彼女がいた――カイキリア。

 最初の襲撃の際に現れた、
 身元が分からず極めて戦闘能力が高い、だれか。
 可能性としては、当然考えることだろう。
 彼もまた、天の向こうから来たのではないか――と。
 そうであるならば、治療の体面すらかなぐり捨てつつある、
 実験めいた検査の理由もわかる。
 到底、納得できるものではないけれど。]
(170) 2020/05/25(Mon) 21:01:58

【人】 軍医 ルーク

 
  “葬儀屋”が関わったところで、
   迷惑だろうってね。
  そのシロップ、ずっと作ってはいたけれど、
  きっと渡せないだろうと思ってた。
  でも、結局、ダメだった。
  関わらないようにするなんて、出来なかった。
  

[ 通信機を探しに行くときに、
 研究班に声をかけるやり方だってあったはずなのだ。
 あの研究馬鹿たちなら、捜索に加わる者もいたかもしれない。
 そのことに、思い至らなかった理由。
 真っ先に思い出したのが彼だった理由。
 司令直々に念を押されながら、従うことが出来なかった。

 自身の感情を理解するよりも先に、
 きっと、心が歩き出していた。]
(171) 2020/05/25(Mon) 21:03:11

【人】 軍医 ルーク

[ 通信機を探しに行ったときのこと。
 それを口に出すのは、やはり恐怖もあった。
 今はもう、何が引き金になるか分からない状態だ。

 それでも、状況も分からず手探りで立ち向かうことと、
 自身の状態について何らかの知識を持って臨むこと――
 どちらがより安定していられるだろうかと考えた。
 何より、他ならない彼自身のことなのだから、と、
 そう思って伝えることにしたのだ。

 ――重なるような鼓動の音が、
 先ほどまでよりも落ち着いて聞こえたことも、
 その理由であったかもしれない。
 
 それでも、痛む素振りで頭に当てた手に、
 咄嗟に息を呑み、手を伸ばす。
 頭に触れた手の上から、そっと添えるように。]
(172) 2020/05/25(Mon) 21:04:41

【人】 軍医 ルーク

  そうか、総司令に――
  あの通達は、それでか。

  あのひとは、多分、目的のために
  自分が必要で最適と判断したことは、
  きっと、何でもする。
  情がないとか感情で動くとか、
  そういうことはなくて、
  私利私欲で動くということもなくて。
  目的はきっと、“前線の死守”。
  先の先を考えていることも
  あるかもしれないけれど、
  そうだね、わたしにも、本音は見えない。
  

[ 総司令と関わる頻度は彼と似たり寄ったりだろうけれど、
 ここに来る前から多少の面識はあった。
 学問所にいたころの父の後輩だったと聞く。
 判断は下していない、というのなら、
 きっとその通りなのだろう。
 いつかその『判断』が下されたとき、
 それが承服できない内容であったなら――
 もう、目を閉じて耳を塞ぐようなことはしない。]
(173) 2020/05/25(Mon) 21:06:22

【人】 軍医 ルーク

  じゃあ、起こすときは念のために、
  とびきり苦い薬も準備しておく?
  びっくりして飛び起きるくらいの。
  シロップかあ。
  それで目が覚めるなら、
  どれだけ君は甘党だということになるな。
  ――考えとく。


[ そのとき何が起こるかということも、
 どうすればよいかも分からない。
 それでも、“手を握ってくれていれば”と、
 そう伝えてくれた言葉が。>>55
 今もこの足元に深く広がる、底のない不安と恐怖に、
 立ち竦みそうになる足を励ましてくれる。

 ひとよりはひどく遅い足だけれど、何処にでも行く。
 この手で出来ることは、何だってする。]
(174) 2020/05/25(Mon) 21:07:01

【人】 軍医 ルーク

[ 名前をタブレットで告げたのは、
 言葉で話そうとして、少しだけ躊躇ったから。
 いざ口に出すのが、どうしてか――
 そうだ、これは気恥ずかしいというやつだ。
 “大きな秘密”、“宝物”なんて言われて、
 実際にその名を口に出してもらったなら、
 泣きすぎて赤くなっていた顔が、またすこし、
 かっと赤くなってしまう。
 咄嗟に俯いたから、
 向こうも微かに顔を赤くしていたとは気づかない。
 それでも、やっぱり顔を上げて、]


  うん……、
  わたしも、普段通り呼ばれる方が慣れてるな。
  ありがとう、シュゼット。


[ 名前一つ呼んだり呼ばれたりするのに、
 どうしてこんなに心臓がうるさい。
 すこしだけ緊張したように、
 けれども嬉しそうに笑い返した。]
(175) 2020/05/25(Mon) 21:08:07

【人】 軍医 ルーク

[ ――記憶のこと。
 彼が考えていた内容は、自分も心の何処かで
 あるいはと思っていたことだった。>>120

 一番新しい日記に記されていた内容。
 零れた写真へと手を伸ばす、その姿は、
 他ならない“彼”のものであるように、見えたのだ。
 旅の中、朽ち果てた亡骸が握りしめていた一枚の写真。
 それを“大事な宝物”として持ち続けていたのは。]


  最初の機獣を君が倒したというのは、
  確かに、事実だと思う。
  公的な記録がそうなっているというだけじゃない、
  わたしの参照した残骸の記録とも、
  矛盾なく一致するから。
  君は、機獣とともに降りてきたのに、
  下にいたひとたちを殺そうとすることはなかったと、
  わたしも、そう信じたい――…
  ううん、信じている。


[ “信じたい”
 それは、“下にいたひとたち”を――
 父を殺したのが彼だったと、思いたくないから?
 もし万が一そうだったとしたら、
 自分はきっと、ひどく葛藤もするし、苦しみを感じる。
 それは否定が出来ないことだ。
 けれど、信じていると言った理由はそうじゃない。]
(176) 2020/05/25(Mon) 21:10:13

【人】 軍医 ルーク

[ あの日記に綴られていた言葉たちが、
 いまも強く語りかけてくる。
 感情がなかった彼が、はじめて強く感情を感じた、
 その瞬間の記憶。
 その記述を読んだ時に、貫くように胸を打った何かを、
 言葉で言い表すことなんて、できやしない。
 だから――信じている。]


  そうだね、きっと――
  君は、君だ。
  

[ 自分を信じてみる、と彼は言う。
 怖れを知らない勇敢さではないだろう。
 それどころか、怖がりなところもあって、
 苦手な薬にぷるぷると怯えてしまうこともあるくらい。
 自分が自分ではなくなるかもしれない恐怖だって、
 想像してもしきれないものだろう。
 怖さを知っていて、感じていて、
 それでも立ち向かう。
 ―― それは、本当の意味で勇敢ということだと思う。
 その真っ直ぐな眼差しに、目を細めた。 

 だから、自分ももう、逃げない。
 この先へと、歩みを進めてゆく。]
(177) 2020/05/25(Mon) 21:13:17

【人】 軍医 ルーク

  連絡手段か。
  うん、わたしも一応自室はあるけれど、
  あまり戻らないしな。
  どうしようか。


[ 首を傾げていると、ぺんぎんがくいくい、と
 彼の服の裾を引っ張る。
 まかせて、と胸を張った。
 胸を張る――というか、
 どこまで胸でどこからおなかなのか微妙な丸さであるから、
 おなかをぺんっと突き出したような体勢ではあるけれど。]


  ああ、どうか。
  基地の中ならぺんぎんに頼むといいんだ。
  こいつら、何かこう、
  独自のネットワークがあるから。
  手近なぺんぎんに聞けば、
  どこにこのぺんぎんがいるか、
  そう待たないうちに分かるはず。


[ 本当は、次にいつ会えるか分からないのは、
 ひどく不安でもあった。
 次に眠ればどうなるか分からないと、
 そう聞いてしまえば猶更だ。
 けれど、此処が前線基地で、
 互いにしなければならないことがある以上、
 ずっとこうしていることは出来ない。]
(178) 2020/05/25(Mon) 21:15:00

【人】 軍医 ルーク

[ 何かあったならすぐに駆け付けると、
 そう心に決めて。
 医務室を去る後姿が、角を曲がって見えなくなるまで、
 扉を閉めずにそこに立っていた。]


 

[ 敵の総攻撃の情報が、
 前線基地の総員に伝えられたのは、翌朝の事。
 攻撃の日は、  ]
*
(179) 2020/05/25(Mon) 21:16:14
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a12) 2020/05/25(Mon) 21:18:11

【人】 軍医 ルーク


  『ああ、探した探した!
   そこの兎君、えーと、ゼット!』


[ 皆がせわしなく動きまわる前線基地を、
 ぱたぱたと走る人影がある。
 一斉攻撃の情報が齎されて後、基地内の空気は一変した。
 当初は絶望に近いものでもあっただろう。
 一度の降下で一体の機獣を倒すにあたり、
 犠牲を出さずに済むこともあったけれど、
 これまでどれ程の死傷者、損害を重ねてきたことか。
 けれど、此処は最前線にして最後の砦であるという認識は、
 否応なしに、基地にいる者皆が感じていることでもある。
 
 廊下で第一攻撃部隊隊長に声をかけてきたのは、
 技術班長、ジルベール。
 賑やかに両手をぶんぶん振って、駆け寄って来る。]
(181) 2020/05/25(Mon) 21:48:46

【人】 軍医 ルーク

 『君に渡したいものがある、
  暇かい?
  あはは、愚問だったね、
  いまこの基地は、年中行事を袋詰めして振り回して
  ごちゃまぜにしたような有様だ、
  窓を開けたら年始の祭りの飾りが仮装して
  菓子を強請り始めたっておかしくない。
  けれど、いくら暇じゃなくたって、
  これは来てもらわなきゃいけない』


[ そう言った彼女は、彼をぐいぐいと
 武器倉庫に引っ張ってゆくだろう。
 天井が高い堅牢な倉庫には、
 整備された通常の装備に加え、
 新たに運び込まれているものがある。]


 『実戦への投入はまだ先の予定だったのだけれどね、
  “いま使わずにいつ使う!”っていうやつさ。
  技術班総出で、徹夜突貫で整備した。
  機獣から回収された装備を元に開発したものだ。
  各部隊長に支給して回っているところだったんだが、
  実際、今この基地の最大戦力は君と言っていい。
  最大の戦力に出来るだけ火力を集中するのは、
  理にかなったことだよ、うん』


[ 一画にある金属製の筒を、ずるずると引きずって来る。
 彼女の腕力でぎりぎり動かせるくらいの重みのようだ。]
(189) 2020/05/25(Mon) 21:58:54

【人】 軍医 ルーク

  『それに、こういうのを軽々持ち運べるのは、
  馬鹿力の連中のなかでも
  そう多くはないだろうからね。
  携帯式対機銃弾発射器といったところか、
  反動はかなりのものだが、君のそれと違って、
  物理的な反動だけだ。
  つまり一言で言うと、筋肉でなんとかなる!』


[ 義手の解析に携わったこともある彼女は、
 彼の義手の性質もある程度は心得ているようだった。>>2:65]

  『それからこっちは、対機獣の手榴弾。
   爆発の威力は前方にだけ収束するわけじゃなくて、
   周囲にも爆風が来るから、
   離れたところから投げるんだ。
   機体に吸着して爆発する。
   立ち回りによっては中々の効力を発揮するだろう。
   それから――』


[ 部隊長のみならず、
 部隊全体への一通りの追加装備について説明をした後、
 彼女は顔を上げる。]
(190) 2020/05/25(Mon) 21:59:38

【人】 軍医 ルーク

 
  『ルースに頼まれた。
   通信機を運んできてくれたときにね。
   君のその義手の代わりになる、
   身を守れる武器が何かないかと。
   わたしもその考え方には賛同する。
   最大戦力が行動不能になるような武器は、
   実に非効率的だから』


[ 自分たちの発明品を嬉々として解説する彼女の様子は、
 状況分かってるのかこのひと、と、
 装備の確認に訪れた他の部隊の兵士たちの
 胡乱な視線を受けていたけれど。
 気にせず、にやりと笑う。]
(192) 2020/05/25(Mon) 22:00:11
 




情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:人


トップページに戻る


←↓■□フィルタ

注目:ルーク 解除する

生存者 (17)

ルーク
96回 残----pt

兎さん耳もふもふ

シュゼット
79回 残----pt

狐尻尾枕もふもふ

神置 穂村
13回 残----pt

 

メルキオール
3回 残----pt

 

楊 宇静
13回 残----pt

 

ミア
67回 残----pt

 

アーサー
60回 残----pt

おそくなりました

七嵐 春生
0回 残----pt

いえやすもふもふ

花続木 弥
0回 残----pt

いえやすをじぃ…

アロイス
0回 残----pt

 

渡辺 春嗣
7回 残----pt

(・×・)もえ

雨宮 千夏
42回 残----pt

墓==光速=⇒墓

渡辺 入矢
27回 残----pt

(・3・)ぴと

五十鈴 雨音
24回 残----pt

雪也くんーー

相星 雪也
22回 残----pt

あまね

カミラ
4回 残----pt

いつかどこかで!

少女
0回 残----pt

 

犠牲者 (1)

或る日記帳(2d)
0回 残----pt

 

処刑者 (1)

エーリク(4d)
0回 残----pt

ご参加心より感謝

突然死者 (0)

舞台 (0)

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
舞台
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















(0.16 CPUs)
運営 moonpupa
人狼物語 by あず/asbntby
人狼議事 by ななころび
トップバナー画像 by naomyplum
人狼物語画像 by Momoko Takatori
Schwarzwald(黒い森) by hagios
トロイカ TYPE:А / 哀愁のタタロチカ by かえるぴょこぴょこ/あさくら
ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
madparty by シロクマ
rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
ぐれすけ・ぷらす by 純
ニューホライズン by youden
バーバチカ / プトロレ by たべ
ユメツナギ by 天瀬春日
StarGazer / LittleStar by CONBE
御常紀学園 by HS_29
オハナシノクニ by オハナシノクニ制作委員会
Fragment of Jewels by 粉海月
花園女学院 / 他種族孤児院 by はこみ
xxxx組 by サイコ瓦
おりふし学園 by めんるい
Fairytale Syndrome by hTuT
Salute by むくっこ
Le parterre by イヌバラ
Troopers by 人類管理連合
お野菜キャラセット画像 by 無料素材倶楽部
Siuil a Run by 匈歌ハトリ
紫煙をくゆらせ by 空砂
RocketPencil by 山本羅刹
エトリエ / エトリエ・戦国 by とり
ボワボンボン by あとらそふと
古の迷宮 by とり夫
JEX Online by katarazu
煌夜の決闘 by ジュエルセイバーFREE
こだわりアイコン by fatcow
トランプ画像 by しろま空間
リンソン by moonpupa