人狼物語 三日月国


181 忘却の前奏曲、消失の1ページ

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到着: 朝日元親

【人】 朝日元親



ボクは─────。

   

(16) 2022/10/21(Fri) 1:15:28

【人】 朝日元親



[ 先生の偉そうな熱弁が聞こえる。
  VとBの発音の話は十分を超えた。

  そんなくだらない話は聞こえるのに
  いざ声をかけられると気づくことが出来ない。
  それぐらい深く心の奥底へ沈んでいく
  そんな思想に耽る時がしょっちゅうあるんだ。

  朝日が地球の裏側に沈んでしまえば
  その先は感傷を駆り立てる、薄暗い夜なのだ。]



(17) 2022/10/21(Fri) 1:18:44

【人】 朝日元親



[ 四限の息の根を止める鐘が鳴ると
  淀んだ薄暗い世界から強制送還される。
  
  ふと覗い窓際の席からは四季の映りがよく見えた。
  季節外れに半袖の生徒、無駄に暑い気温、
  夏はドジっ子なのか忘れ物が随分多い。  ]


   (……まいった。頭が重い。)


[ 夏どころか時世にまで置いていかれたボクには
  此処教室はあまり居心地のいい場所ではない。
  此処地獄は居るだけで体力が削られる毒沼だ。

  ボクは此処から消え去るように席を立って離れる。
  混んでしまう前にさっさとパンでも買って
  邪魔者が居ない屋上にでも逃げてしまいたかった。]


(18) 2022/10/21(Fri) 1:20:52

【人】 朝日元親



[ でもここ屋上にはいつも先客がいる。>>9
  彼女がいる時はいつだってこの世界は夜だ。
  太陽が陰り、夜が我が物顔でふんぞり返り
  頼りない、しょぼくれた朝日が空に添えられる。>>7

  高嶺の太陽には、似つかわしくない朝の光。



   ごめん、邪魔した?


[ もう何度目にもなる太陽の夜想曲。>>9>>10
  悲鳴にも似た音色が耳を掠めて、>>8
  それでもその場を立ち去ろうとしなかったのは
  そこに居たのが
ハツナ恋人
だったからだ。]*


(19) 2022/10/21(Fri) 1:22:32

【人】 朝日元親


***

[ ボクは独りが怖かったのだろうか?

  違う。ボクが本当に怖かったのは
  誰とも仲良くなる魅力なんてないと
  ボク自身が思い知らされてしまうことだ。

  誰かと行動を共にしていれば
  認めたくない事実が大手を振って訪れる。
  ボクが無価値な人間であることがバレてしまう。

  相手にそんな気はさらさらないと
  頭では分かっているのに。分かっているのに。

  頭の奥から心臓へと伝う真っ赤な涙が
  傷つくことを強く恐れて、拒絶し続けてしまう。]



(20) 2022/10/21(Fri) 1:25:45

【人】 朝日元親




[ ボクは独りでよかったんだ。>>12
  誰にも構われない。誰にも邪魔されない。
  後ろ指を刺されようとも。笑われようとも。]




        [ ボクは影でありたかったんだ。
          息を、感情を、自分を、殺して。]


  
(21) 2022/10/21(Fri) 1:27:36

【人】 朝日元親




 [  それなのに。

        太陽の元に影があるのと同じで
        影の傍に太陽がやってきたんだ。>>13




(22) 2022/10/21(Fri) 1:29:27

【人】 朝日元親




   ダメって言っても座るんでしょ。


[ 胃のむかつきのせいだったんだと思う。
  八つ当たりのように
  つい、ぶっきらぼうに答えてしまって。>>13>>14

  その後すぐにごめんと謝った言葉は届いただろうか。
  分かってる。こんな思い込みで偏見を押し付けるから
  ボクという人間は嫌われるのだ。



(23) 2022/10/21(Fri) 1:32:11

【人】 朝日元親



  ボクは遠足には行かないよ。
  その日は所用の腹痛があるからね。


[ だからおやつも買わないと答えた。
  どうせボク一人欠けたところで世界は何も変わらない。
  仲の良いグループが勝手に楽しんでくるだけだから。

  こんなことを聞いたってこの人には
  何の得もないだろうに。変な人だと心底思って。>>15


(24) 2022/10/21(Fri) 1:33:08

【人】 朝日元親



   どうして、そんなこと聞くの?


[ いつもは絶対に続けないはずの会話を
  この時だけは続けてしまった。

  気になってしまったんだ。
  太陽と呼ばれるくらいの子が>>0
  こんな下民に話しかけるなんて。

  ドッキリくらいしか有り得ないだろう。
  それか焼きそばパンでも買わされるのだろうか。

  仮初の平穏を壊される可能性があったから
  ボクとしては気が気じゃなかったんだ。]*


(25) 2022/10/21(Fri) 1:33:40

【人】 朝日元親



[ 僕の心は誰かを目で追いかける余裕すら
  持ち合わせていない。>>26

  露骨にみんな集中を切らし始めて
  定位置を探してさまよう魚達のような目の中に
  確かにこちらを見つめる光があることも
  今の僕には気づくこともできない。

  それでもこうして巡り会ってしまうのだ。
  でも、本当にたまたまなんだけど
  なんて言っても誰も信じてくれないんだろう。]

  
(37) 2022/10/21(Fri) 22:47:47

【人】 朝日元親



   ボク以外に屋上に住み着く人がいるなんて
   驚いたのはボクの方だよ。


[ この場所はいつも人気が少ない。
  わざわざ友達を連れてくる場所じゃないし、
  あるのはせいぜい安っぽい青春イベント。

  ボクが居ることにも気づかず愛の告白をして
  見事に玉砕した気まずい空気にも慣れてきた。

  空気が悪くないと思えたのは、ハツナがいた時だけ。]


   他に話すことがないんでしょ。


[ 先生に対する辛辣な感想を零すと
  ハツナの誘いに乗るようにパンの袋を開けて
  食べる?と差し出してみただろう。

  今日のパンもいつも通りメロンパン。
  なんとなく、分け合いやすかったんだ。


  
(38) 2022/10/21(Fri) 22:48:46

【人】 朝日元親



[ ボクがいることで空気が悪くなる。
  その可能性を考えない程ボクは大人じゃない。

  お昼を食べようと誘うハツナが
  いつかボクの前から居なくなってしまうことも
  ボクには想像がついている。

  この時間を好きだと思ってくれる彼女には
  こんなボクはあまりに相応しくない。]



(39) 2022/10/21(Fri) 22:49:35

【人】 朝日元親



[ 頭の中に黒いもやがかかる。

  ボクなんかがハツナと一緒にいちゃいけない。
  でもこの時間を手放す勇気も持てない。

  決して振り払えない強い感情の濁流に
  ボクはただ、流されていくだけ。
  留まることも許されず、逆らうことも許されず。]



(40) 2022/10/21(Fri) 22:50:26

【人】 朝日元親



[ ハツナの隣で考えに耽けようとすると
  戒めるように携帯が震えた。

  画面を見ると、
  何に必要かも分からないクラスラインに
  五限が自習である連絡がきていた。

  つまりボクら生徒にとっては至福のひととき。
  クラスのみんなは今頃バカ騒ぎということだ。]


   次、自習だってさ。


[ まさかの自習にボクは思わず小さく笑って。
  ハツナに画面を見るように促しもしたのだった。]*


(41) 2022/10/21(Fri) 22:51:05

【人】 朝日元親


***

[ 誰ともいられない孤独は目に見えて分かるのに
  誰とでもいる中の孤独は目には見えない。>>30

  仲良しグループという安全圏で浮き足立つ
  そんな大衆心理から抜け出そうとするみたいに
  この地に足をつけ、立ちたいという思いが
  本来噛み合うはずのない二人を引き寄せていく。]


   だって、そんな顔してる。


[ エスパーじゃないしただ思い込みが強いだけ。
  ご機嫌な様子の惜別さんにボクは困ったように
  頭を抱えてしまうだろう。>>32

  想定できないリアクションには
  誰だって困る。そうじゃない?


  そしてどうやら今度は
  ボクが彼女を困らせてしまったみたいだ。>>33


(42) 2022/10/21(Fri) 22:51:46

【人】 朝日元親



[ ボクが居ないことで彼女に影響があるなんて
  当時はまだ付き合うどころかまともに会話もしない
  関係だったんだから分かるはずもない。

  人当たりのいい可愛らしい女の子が
  孤立した惨めな男子に声をかけてるだけ。

  しかも謎に思わせぶりな台詞付きで。 >>34>>35>>36


  こんなの疑うなという方が無理な話だ。]


   惜別さんは物好きなんだね。


[ 理由を尋ねることに意味が無い事は分かった。
  ゲテモノ食いにミシュランの星の数なんて
  到底理解できないだろうし、
  マックのチキンナゲットがいくら粗悪品でも
  ある人は喜んで20ピースも平気でたいらげる。

  クチコミにも流されず自分の思う物を食べる。
  惜別さんはそういうタイプの子なんだと思っていた。
  自分の商品価値のなさを伝えたところで
  きっと、彼女にはこれっぽっちも関係ない。]

(43) 2022/10/21(Fri) 22:55:10

【人】 朝日元親



[ でもきっとボクをからかうやつがすぐに現れるだろう。
  そこに彼女が混ざっているかどうかは別として。

  傍から見た朝日元親はキョドり、気持ち悪いと
  周りから引かれるくらいがそれっぽい。
  求められる朝日元親のイメージはそう。

  けどこの時はなんとなく、
  思い通りにシナリオを描いていくのが
  腹立たしく思えて仕方がなかったから。]



(44) 2022/10/21(Fri) 22:56:56

【人】 朝日元親



[ しばらくボクは黙って、
  先生が話し始めたタイミングを見計らうと。]


   なんてね。
   サボりなんてやめた方がいいと思うよ。
   惜別さんには何もいいことなんてないから。


[ ボクはその先の惜別さんの言葉も聞かずに
  視線を彼女から正面の黒板へと移した。

  こんなのはただの言い逃げだ。
  相手の想像を裏切る言葉を吐き捨てる
  典型的な天邪鬼のような仕打ち。


  肘をつきながら授業を聞き流すボクは
  その時はもう何も返事はしなかったんだ。
  これ以上彼女と関わるのが、怖かったから。



(45) 2022/10/21(Fri) 23:01:01

【人】 朝日元親



 [ そんなやり取りをして日が浅かった時に

   それがまさかまさかの屋上でコンサートを
   盗み聞きする羽目になったなんて。

   神様の悪戯にしては
   やりすぎだと思うんだよ、ボクは。]**


(46) 2022/10/21(Fri) 23:04:55

【人】 朝日元親



[ いつだったか直接文句を言われたことがあった。
  ハツナと僕の関係が知れ渡ってからすぐ、
  知りもしない女子に呼び出されて屋上に行くと
  複数人の女子に囲まれて、言われたんだ。>>50


   「どうしてハツナと付き合ってるの?」



[ 私もあなたが好きだったの、って?
  いいや、そんな優しい展開ではない。

  なんでお前なんかがハツナと付き合えるのか。
  お前といるだけでハツナが可哀想になる。


          さっさと別れてよ。あの子の為に。



  つまりボクの方から手を引けと。
  ボクが可愛い彼女を理不尽に振った
  クソ男の汚名を被って、ハツナの立場を守れと。

                  そういうことだ。


(62) 2022/10/22(Sat) 0:52:43

【人】 朝日元親



[ 美しい肖像も、素晴らしい小説も全て
  ベタベタなヘドロのような感受性で塗りつぶす。

  悲哀も、激情も、官能も、情緒も。
  積み上げられた芸術作品のように美しい
  ハツナという存在でさえ、
  ベタついた感性で全てをドロドロに壊してしまう。

  そしてそれを友情、優しさなんて耳触りのいい言葉で
  取り繕った見てくれだけの劣悪サービス。


  女という生き物の最も嫌悪すべき性質。
  ボクが今ぶつけられているのは、そんな物だ。]


(63) 2022/10/22(Sat) 0:54:54

【人】 朝日元親



[ けど、痛いところはちゃんと突いてくる。
  ボクなんかがハツナには相応しくないと。

          認めたくないけど、それは真実。]


(64) 2022/10/22(Sat) 0:56:16

【人】 朝日元親



[ 身長も器も小さいからこそ見えるのだろう。
  ボクの中で何かが壊れた気がした。
  そんな音が聞こえたかのように、女子達を
  取り巻く空気が静かに凍りつく。

  分かってるらしい。
  人の地雷を踏んだという事も。
  ボクが常識も何も無い人間だって事も。

  強い劣等感を抱いた人間は
  そこを刺激されると何をしだすか分からない事も。


(65) 2022/10/22(Sat) 0:57:22

【人】 朝日元親




   アドバイスありがとう。
   一応お返しに伝えておくんだけど…


         ボクは…あまり優しくないからね?



(66) 2022/10/22(Sat) 0:58:09

【人】 朝日元親


   
[ 次は無い。

  それは決して人に対して向ける目ではない
  明確に軽蔑を示した目。
  そして、ハツナには決して向けることのない目。

  女子達が逃げていったのを確認すると
  身体の力がどっと抜けて金網にもたれかかって
  思い詰めたように大きな溜息をついたんだ。

  願わくばハツナには見られたくないと祈りながら。]**



(67) 2022/10/22(Sat) 0:59:50

【人】 朝日元親


***

   まぁね。


[ 嫌になることの方が基本だ。>>47
  ハツナですらそう思う時があるのだから
  思ったことが一度もない人間なんて
  いたりなんてしないだろう。

  そこに在るべき平穏と安寧に
  ボクという要素は必要なのだろうか?
  考えたところで口にしない以上答えも分からず。



   先生が少し不憫な気もするけどね。
   ん、ありがと。


[ のおにぎりを貰いながら
  話を聞き流される先生に安い同情を向ける。
  面白い授業が出来ない先生のせいだと
  思わなかったわけではないんだけどね。>>48

(68) 2022/10/22(Sat) 1:01:13

【人】 朝日元親



[ 自習と聞いて飛んできた提案は
  列記としたサボり行為。>>51

  いつか実験室で話してた時を思い出す。
  なんとなくあの頃と状況が似ている気がするから。]


   ハツナ、不良みたいなこと言ってる。


[ 冗談めかして言えるのは
  自分の方が素行がダントツで悪いと知っているからで、
  ボクは彼女の提案に首を縦に振った。

  あの場所教室に戻るのは
  出来れば避けたかったし。
  何よりボクが、この時間を手放したくなかったんだ。


(69) 2022/10/22(Sat) 1:02:44

【人】 朝日元親



[ 二人の意見は一致したということで
  晴れて五限は二人仲良くおサボりに決まる。

  金網を背もたれに寄りかかると
  メロンパンのお供に買っておいた
  ココアの蓋をあけようとするのだが、

  しかし上手くあかずに奮闘していると
  ハツナからさっきのことを聞かれて。]


   うん?いつものことだよ。
   ボクって性根がネガティブだからさ
   しょっちゅう被害妄想が止まらなくなるんだ。


[ こんな話をハツナに出来るようになったのも
  つい最近、やっとのことだ。

  そこには確かな信頼があって
  それだけボクが甘えていることを意味していた。]

(70) 2022/10/22(Sat) 1:05:24
 




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