いつも通り。……いつも通りに相違ないように見えるだろう。
ただし、声を発することはなく。

誰かが置いていかれないように、いつも通り、最後尾を。

シトゥラの悲鳴が聞こえる。最後尾だから、殊更よく聞こえた。
アラートも聞こえた。

振り返って、迷う。　……参加させなければいけないけれど。

「誰も希望しないなら、またアタシ最後にするわよ」

いつも通りの声が、いつも通りに告げる。
誰かが希望するなら、ムルイジが否を唱えることはない。

皆が傷をつけていく。赤色が流れていく様を見る。
緩やかな失血、というのは……死ぬまで時間がかかって苦しいだろう、と思った。
それでも笑おうとしているらしい様子も、なんとなく。

ヒールを鳴らして、近付く。
溢れる血に何ら躊躇することなく、ヌンキの目の前に片膝をついた。

同じく何も躊躇なく、片腕でやんわりと抱き締める。
頬に口付けて、　反対側の脇下から短剣を突き入れた。

短剣を抜いた後は暫く抱き締めたまま。やがてゆっくりと身体を離し。
いつも通りの様子、いつも通りの所作で離れて。

ヌンキが事切れるまでを目に収めるつもりだ。

これはただの我儘オネエ。

これは何度でもねちっこく白チャでテンガンを責める我儘オネエ。

「……カストルだよー…」

カストルではない。

「アタシがいっぱい……！？」

困惑オネエ。

カストルでさえあんなにベコベコだったのに。

「……議論って難しいわ…」

ぽつり。罪は罪深さが気になるのでサイダー^drinkを注文してみた。

これは議論で頭が疲れたというより、喧嘩腰の言葉を発することにストレスを感じているオネエ。
いやしがほしい。でも深夜のカロリーこわい。

>>c33 >>68 罪を示唆する者
「う……うぅ……唆す念やら声やらが……」

誘惑……誘惑が……！


>>69　罪


罪を受け取ってしまった！

「…………」

陥落。

>>+25　救世主
口の中がぽさぽさしてきたところだった。
差し出された紅茶を飲み、完全になった。

「おいしい………」

時計からはずっと目を逸らしている。

「ハァイ、ヌン……キ？」

どかーーーーんな現場目撃。
数秒の間。

「……元気そうで何よりだわ」