【人】 二年生 鳳 凛〜回想:心の綺麗な幽霊のお姉さん〜>>249>>250 [凛が持っていたのは貧乏神の伝承本。 これは町の図書館で借りたものだが、凛が図書館で本を読むことに関しては嫌悪感をあらわにする人が一定数居たため、静かな場所―時には神社の外れまで足を伸ばすこともあったかもしれない>>96―を探して、そこで読書をしていた。] 本はいつでも読めるし、邪魔、違います。 はい、紅葉さんはこの神社の奥のほうに行ったことありますか? この前、凄く静かで、綺麗な場所見つけたのです。 [普通の他愛のない話を紅葉としながら、どうしも確認しておきたくて、半分つぶれた顔を凛は見た。] 紅葉さん、痛くないですか? [きっと、この姿は事故をしたときの、紅葉の最後の姿。 でも、彼女は今、怪我なんてないかのように振る舞っている。 痛くないならそれでいいのだが、どうしても心配だった。] (271) 2021/07/24(Sat) 15:08:11 |
【人】 二年生 鳳 凛────…寂しい… [その言葉に思わず眉根を下げた凛に謝る紅葉。 どうやら何故、そのように感じるのか本人にはわからないらしかった。] ( …紅葉さんは自分の事、、 事故のことも忘れてるのかな…… ) [紅葉の話を聞きながら、凛は思う。 ぽつぽつと話される、紅葉が好きなことは、自分のことよりもみんなが喜ぶことを一番に考えていることが伝わるもの。 その奇麗な心につい目頭が熱くなってしまって、あの時はもしかしたら凛のほうが紅葉を驚かせてしまったかもしれない。] お支払い、しなくてもいいのですか…? [お金の無い凛への紅葉の提案に心配そうな顔を向ければ、彼女は大丈夫と言ってくれただろうか。 それからはひそひそと声を潜めて、あれもこれもと具体的な計画を立てた。 それは、ふたりだけの内緒内緒の“悪巧み。” 計画実行の日まで、凛は毎日のように紅葉に会いに行ったのだった。]** (272) 2021/07/24(Sat) 15:08:13 |
【人】 二年生 鳳 凛── 出店 オルゴール店── ……? [歩き始めてふと、祭囃子に交じって微かに聞こえる他の音色に凛は気付く。] …オルゴール…? [食べ物の屋台が並ぶ場所とは向かいのほうから聞こえてくる。 つい気を取られて歩いていくと、櫓から少し離れた一角に、地面に布を直に敷いて、掌サイズのオルゴールを並べた店があった。] ────…綺麗… [凛は店の前に屈むと、目を閉じて、そのメロディに耳を傾ける。 賑わいの中に、目立たず静かに流れる音楽。 茜色から藍色へと変わりゆくグラデーションに星が瞬き始めていた。]** (283) 2021/07/24(Sat) 16:25:34 |
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