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【人】 一年生 花巻 楓[そのお姉さんは、いつもお友達と楽しそうにしてて でも、あたしたちみたいな年下の子の相手もすすんでしてくれて 寂しそうな子とか、落ち込んでる子とかに どうしたの?って声をかけてくれる、そんな優しいお姉さんだった。 だからあたしは、そのお姉さんが大好きで お姉さんに会えるお祭りのお手伝いが、楽しみだった。 そこでしか、接点はないはずだったけれど うちは和菓子屋さんだったから] 「この注文…あぁ、もう〇回忌になるのか。」 「そうそう、神崎さんちの娘さんのよ。 いいこだったのにねぇ…」 [お姉さんに会えなくなった後に、こんな接点が出来てしまって だから、あたしはお姉さんがもういないこと 会えないこと、本当は分かってた──分かってたんだ] (146) 2021/07/29(Thu) 0:31:31 |
【人】 数学教師 長尾 浩明女子生徒に可愛いって言うことは たぶんほとんどなかったはず。 誰かを特別扱いしたら節度がなくなるから 褒めるなら「素敵ですね」であって 「可愛いですね」ではなくて。 でも、その時は―――― きっと言わずにはいられなかったんだろうな なんでそれを言うに至ったか その理由は見ないふり。* (147) 2021/07/29(Thu) 0:32:41 |
【人】 一年生 花巻 楓[それでもお祭りの間は、ここに来れば会えたから。 あたしは、わざと思い出さなかった、気付かなかった。 そうすれば、またここで会えるから。 でも、今の笑顔は、今まで見ていたそれとは違って ───行かないでって、反射的に言ってしまいそうになったけど 引き留めちゃいけないって、口を噛み締め声を飲み込んでから] たくさん可愛いって言ってくれて、 優しくしてくれて、ありがとう だいすきだよ、 ─── 紅葉ちゃん [目に溜まった涙が溢れないよう、せいいっぱいの笑顔を浮かべて、 あの頃の──小さなあたしが呼んでいたように名を呼んで。 抱えていた食べ物が冷めていくのを感じながら、駆けだしていく背中を見送った。] (148) 2021/07/29(Thu) 0:32:47 |
【人】 一年生 花巻 楓[セーラー服の背中が見えなくなるまで見送って、 そこでもう決壊がきて、声も我慢できないで泣いてしまった。 その時先生はどうしてたかな。 側にいてくれたなら、泣きながら 一緒に食べるつもりだったんですって 手にいっぱい持った食べ物を見せて 大好きだったのって、 とりとめもなく、泣き続けて。 泣き止んだ後、子供みたいに泣いてしまったことを謝りながら 冷めちゃったけどって、 買ってきたたこやきか五平餅を貰って下さいってお願いした*] (149) 2021/07/29(Thu) 0:37:32 |
【人】 数学教師 長尾 浩明――お祭りの最中―― お揃いの仮面で歩く二人を>>73 周りがどう思っていたかはさておいて 危ないとか思われてないことを祈る チョコバナナを渡されれば素直に受け取った。 彼女は生徒ではない、し。 お祭りを楽しむって約束したから。 渡されたチョコバナナをほおばりつつ どこか行きたい場所があるなら、と 言ってみれば、会いたい人を探している そんな返事が返ってきて、 一緒に探そうか、と言ったかな。 そうして、どうやら探し人は見つかったようで。 ちゃっかりと言うべきなのか、 いつの間にかチョコバナナを押し付けられて 彼女はぱあっと駆け出して行った。>>74 (150) 2021/07/29(Thu) 1:39:45 |
【人】 数学教師 長尾 浩明積もる話があるだろうからゆっくり歩いて 追いついたのはちょうど話が終わった頃>>77 チョコバナナを返したら 何故かがしっと肩をつかまれて。 ……それは冗談になっていないような>>78 いや本気、なのだろう。 「 ……分かるよ。 可愛がる理由。 そんなことしないって約束する。 」 口角をあげてゆっくりと微笑んだ。 あぁ、逃げられなくなったな、なんて。 駆け出した彼女に幸あれと、 来世できっと幸せになれるようにと 祈りを込めながら見送った。 (151) 2021/07/29(Thu) 1:40:50 |
【人】 数学教師 長尾 浩明そして幽霊の彼女が会いたかった子… 花巻は泣いていた。>>149 ほっとけるわけもなくて そもそも止まっていた時を動かしたのは 自分だったから、大好きだったのなんて 言われて泣いている姿を見ると 罪悪感さえ、わいてきて。 泣き顔を見られたい人なんてそういないから あんまり見ないようにしつつ でも人にも見られないように、と 少し人通りの少ない、落ち着ける場所につれて いこうとしたけど、ついてきてくれただろうか。 (152) 2021/07/29(Thu) 1:41:23 |
【人】 数学教師 長尾 浩明どちらにせよ、謝られたなら 「 気にしないでいいよ。 泣きたいときに泣けないよりずっといい 」 そういって、嫌がられなければ、 手を伸ばして、背中をトントン、と 軽くさすって落ち着かせようと。 「 もうすぐ、花火も終わりかな… 」 そういって空を見上げながら。 冷めてしまったたこ焼きを食べれば ソースのにおいが広がって。 どこかそれはお祭りの味がした。** (153) 2021/07/29(Thu) 1:41:53 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[書道パフォーマンスは、 大きな紙に複数人で同時に向かい、 大きな筆とバケツ入りの墨を使って、 一気に書き上げて行くというもの。 音楽に合わせた動きをするので、 春>>0:231と秋の二回、披露の際には、 普段はゆるい書道部も、気合いを入れて練習していた。] ……お疲れ様でした! [さて、そんな演技も終了し、 集まった部員達は一時解散。 私はこの後、部活動展示の受け付けに回る予定だった。 そもそもこのパフォーマンスは、 そちらの宣伝、集客も兼ねていて。 今日の演技の、出来はそこそこだったものの、 客席の方は97%くらいの埋まり具合。 展示の方にも、人が来てくれればいいのだけれど…… と、考えながら、私は部室の方に向かった。] (155) 2021/07/29(Thu) 2:15:40 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴はい、こちら、書道部の展示です。 どうぞ、ご自由にご覧下さい。 [と、このような感じで。 私は部室の入り口で、袴姿はそのままにたすきを解いて、 見に来てくれた人をご案内。 そんなに声を掛けるような場面もないので、 わりと、こう、暇な仕事ではあるけれど、 一応、人の動きなどチェックはしていた。 展示内容は、手本を元に書いた臨書から、 それぞれが好きに選んだ文字の作品まで、様々だ。 その辺りは、普段のゆるさを反映しているのだけれど、 その代わり台紙に拘ってみたり、水墨画を添えたりと、 書道にあまり興味のない人にも、 目で楽しめるような展示になるよう工夫している。 今年は少し部員が減ってしまったので、 過去の作品も一部展示していて。 私も複数枚作品を出しているのだけれど。 ……ちらりと、そのうちの一枚、 一年生の時の作品を見る。 飛翔する鶴の絵が添えられた、その一枚。] (157) 2021/07/29(Thu) 2:20:26 |
【置】 二年生 田邊 夕鶴君 多 飛 翼 天 不 頭 鶴 打 雲 座 多 乃 附 尓 者 頭 而 君 た 飛 翼 天 思 し づ ぶ 打 雲 鴨 ま た 鶴 ち に さ づ の つ ね し け ば か て も (L0) 2021/07/29(Thu) 2:21:34 公開: 2021/07/29(Thu) 2:25:00 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そう、去年の夏、落川先生に教えて貰ったあれだ。>>0:287 その後練習して、一番良い出来のものを選んだのだけれど…… 部内での評価は35点だった。 (※鶴は心の目で見てね) 先生、去年は、展示見にきてくれたんだっけ? 感想は……どうだったかな。 もし今年覗きに来てくれるようなら、 私はまた、しっかりお礼を言うつもり。 ちなみに、肝心の書の方は、 飛ぶ鶴に合わせて書くものを決めるという 本末転倒?な事になっていたけれど。 その内容に、深い意味は無いので。 ]無いったら無いので、何かあっても偶然なので。 そもそも何か勘付きそうな人は、 多分これ、読めないんじゃないかと思っている。(勝手に) (158) 2021/07/29(Thu) 2:24:22 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ところで、そもそも私が、 どうして書道をやろうと思ったかというと。 高校に入って、バレーを続ける気はなくて。 じゃあ何か部活をやるなら、何がいいかなと考えた時、 祖父の趣味の事を思い出して。 そう、書道は元々祖父の趣味だったのである。 私は、小さい頃から祖父の字が好きだった。 自慢ではないが、田邊 夕鶴という、 画数の差が物凄い私の名前を、 世界で一番綺麗に書けるのは、祖父だと思っている。 その祖父曰く。書に写るのは人の心であると。 現代の文字は、スマホの画面をフリックすれば、 どんな画数の字だってあっと言う間に完成する。 それを思うと、自分で書く文字の方が、 効率という点では圧倒的に劣るのだろうけれど。 でも、線の一本一本。 その勢いや、はね、はらいの伸び。 その全て、時間をかけて綴るからこそ、 書き手の想いが自然、そこに滲み出るのだと。 その祖父の考えが、私は好きで。 それから、ただの文字が特別なものに見えて。 だから私は、高校では書道部を選んだ。] (159) 2021/07/29(Thu) 2:27:20 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そうして選んだ毎日は楽しい。 放課後の墨のにおいも、 こうして人の書を眺めるのも、 そして誰かに文字を綴るのも、好きだから。 もし、落川先生が展示を見に来てくれて、 そういう感じの話をする事ができたなら。>>0:166 私は目を輝かせて、 祖父の話や、自分の思いについても、 ぺらぺらと喋ってしまったかもしれない。 ……それから、先生に向かって熱く語りすぎてしまった事。 恥ずかしくなって、すみません……と少し赤面し、 小さくならない図体をどうにか縮こめようと、 もぞもぞしていたかも。 とにかく、私の文化祭は、こんな感じで過ぎて行った。]* (160) 2021/07/29(Thu) 2:29:17 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 回想:隣の君へ綴る文字 ― [私が、そんな思いを持って書に向かうようになったのは、 高校に入ってからの事だから。>>159 勿論その事を、朱鷺也が知る事は無かったのだろう。 少し、記憶を遡って。 私達が、隣の席だった頃の話。 隣同士交換で、プリントや何かを 採点し合うような事、時々あったと思う。 そんな時、私ね。 君は知らないだろうけれど。 君が私を見なくなった分、 他の人と同じように、笑って話をしてくれなくなった分。 君の字の中に、何か、隠れていないかなって。 そんな気持ちでいつも、君の字を見つめてた。 ……授業の答案の中に、そんなのあるわけないのにね。 反対に、君には。 その、……正直、そこまで成績良くないでしょ?>>1:-52 時々大丈夫かなって、心配になる事もあって。 そっけない顔は保ちつつ、私は丸付けだけじゃなく、 時間の許す限り、正しい回答とか書き込んだ。 誰にでもそうしてますって顔でね。お節介だったかな。] (161) 2021/07/29(Thu) 3:06:08 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[それからね。そういう時。 採点者の名前の、記入欄があったら。 君が家に持ち帰るはずのプリントに、 いつもよりも丁寧に時間を掛けて、 私は自分の名前を書き込んだ。 君には、ただの文字でしか無かったかもしれないけれど。 これはきっと、君の知らない、ちょっとした私の秘密。]** (162) 2021/07/29(Thu) 3:07:17 |
【人】 教師 落川 禅[あくまで、夢は夢。 大人になるにつれて、嫌でも見える物事の上限に。 そんな長く続かないとわかっているから吐ける、綺麗事。 自分の平凡さを、足ることを知る度に。 そう考えるようになったのは、いつからだろう。] (165) 2021/07/29(Thu) 3:34:12 |
【人】 教師 落川 禅[頭上で鳴り続ける花火の音と、歓声を遠くに聞きながら。 一度伏せられた瞳がこちらを向く。 それは、何かを悟ったように大人びていて。>>71>>72 ほんの少しだけ、胸が痛んだ。] ……ああ。 言ったろ、俺は『先生』だって。 どんなやつでも生徒に頼られれば手を伸ばすし、 いいところがあれば褒めるし、 間違ったことしてるなら叱ることだってする。 ……そうしていつか、 大人になってく生徒を送り出さなきゃならない。 先生だからな。 [そうやってこれまで、数えきれない生徒を送り出してきたし。 これからも、送り出していくつもりでいる。 だから、今なんてのはいつか終わる儚い夢だ。>>70 空に弾けて散っていく、花火のように。] (166) 2021/07/29(Thu) 3:47:24 |
【人】 教師 落川 禅[礼儀正しく頭を下げて、向けられた小さな背中。 卒業するまで甘えていいと言ったつもりだったのに。 生徒として『甘え』るのを拒否されてしまえば、それを強要する権利は俺にはないから。 追いかけることはしない、けれど。] でも、俺はそんな出来た人間じゃあないからな。 懐いてこられりゃ可愛くて少し多めに甘やかしたくなるし、 不味いものを美味いなんて言うほど優しかないし、 用もないのに毎度声掛けるほどマメでもなけりゃ 楽しくもないのに声上げて笑ったりもしない。 (167) 2021/07/29(Thu) 3:47:40 |
【人】 一年生 篠田 小牧いえ、お話聞いていた事ですし。 [ そう考えてくれただけで十分です。有難うございます。 私の方はそれどころじゃないし、言いたくないお願いもあるかもしれないから此方から聞くことはしないの。 激しい鼓動が聞こえてしまわないかしら。 夜に近づく世界は空気が静かになっていくようで 音が響きやすくなってしまっていそうで 届くのが恥ずかしいの。 でも届いて欲しいともおもうの。 私に届いた音は、言葉を促すもの。 顔を赤くしてまずは一つ、頷くの。] (169) 2021/07/29(Thu) 8:16:47 |
【人】 一年生 篠田 小牧[相手の気持ちを知った上ですら、その言葉を言うのはこんなに勇気がいるものなのね。 声が震えそうになるのを必死で抑えて、目に涙がたまりそうになるのを堪えているの。 俯いてしまって、それじゃあダメだと自分を叱咤するの。 顔をあげてみれば また、頭の中が真っ白になって──] (170) 2021/07/29(Thu) 8:18:36 |
【人】 一年生 篠田 小牧 …………き、です。 [ひとつ、零してしまえば 後は堰をきるだけ。] 真面目なとこも 友達といる時の姿も 私の事、ちゃんと待ってくれたのも 知ろうとしてくれたことも 部活動に一生懸命なところも 優しいところも 稲出柊一さん、私は貴方の事が好きです [言い切ってしまえばすっきりしたわ。 何が怖かったのか分からなくなるくらいにするり、とつっかえていた物がとれたの。] (171) 2021/07/29(Thu) 8:21:49 |
【人】 一年生 篠田 小牧 ― 文化祭 ― [>>154私の見たい、という我儘にお応え頂きご招待をして貰った以上は勿論見に行きます。 部員の皆さんが舞台に上がっていく姿を写真に収めつつわぁ、と小さな声をあげたの。 うちの服を着て貰える。 それがキラキラして見える。 それはやっぱり何物にも代えがたい嬉しさがあるのよ。 ほほえみが向けられればはにかんで小さく手を振っておいたわ。 >>155パフォーマンスは凄かったわ。 大きな紙にすっと書き上げれるなんてどれくらい練習すれば出来るのかしら。 大きな拍手を一生懸命送ってすごい、と一生懸命伝えておいたのよ。 なお、席は早めにとっておいていたの。だから前の方に座っていられたわ。 そうしておいて良かったわ。大盛況もわかる位の出来だったもの。 あ、ちょっと躓いた瞬間をうっかり撮ってしまっていたのはちゃんと自分の内だけに秘めますので。 >>156] (172) 2021/07/29(Thu) 8:25:41 |
【人】 一年生 篠田 小牧[勿論展示の方も見て行ったわ。 部員さんに篠田屋の人だって気づかれれば、こちらから素敵に着こなして頂けてありがとうございましたって先手を打ってお礼を伝えて頭をさげたのよ。 パフォーマンス素敵でしたって感想も、田邊先輩に会えたなら満面の笑みで伝えておいたのよ。 ……それは、素敵な物だったわ。>>L0 やっぱり字は綺麗に見えて、描いてあるのは……先輩の絵なのかしら? 可愛らしいとちょっと思ったのは心に秘めておいたのよ。 先輩もよければお茶席来てくださいねって割引サービス券を渡す事はかなったかしら。 なおその日私はずっとちゃんとした和服姿だったのよ。お茶席用ね。 帯に柊の柄が入っていたのは、 気づいた人は気づいたのかもしれないわね。 ]** (173) 2021/07/29(Thu) 8:27:08 |
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