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【人】 転校生 矢川 誠壱[ 誰かにとって強く印象に残る存在に なることが、それを自身で認識することが とても、怖かった。 誰かにとっての特別になることが 誰かを、特別に思うことが、怖い。 だからいつだって飄々と。 温厚で、ノリよく、「普通」で。 いつか、この日々を誰かが思い出して そのとき己がもうそこにいなかったら そのとき名前が挙がることもなくていい。 挙がったとしても、ただ「元気かな」で 話が終わるくらいの存在でいたい。 思い出は自分の中には閉じ込めるから。 「ぜったいわすれないからね」 「ずっとともだちだよ」 そう言った子たちから 徐々に届かなくなる手紙。 途切れていく連絡。 少しずつ忘れられていく それがわかるのはもう、嫌だった。 (206) 2020/06/19(Fri) 13:26:37 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ 引っ張り出した椅子はふたつだったけど、 須藤は腰を下ろさず柵に身を乗り出して ステージを見つめていた。 そんな姿は微笑ましくて、それでも多少は心配で 時折引っ張って椅子に座らせては水分を補給させた。 須藤が持ってきたお茶はキンキンに冷たくて、 俺も貰って飲んだ。 めちゃくちゃ美味かった。 必死になって歩いている時に、彼女がいるのかと 聞かれてうるせぇ黙って歩け、 そういうお前はどうなんだと矢継ぎ早に 答えたを思い出して、 ] さっきの答えだけど彼女がいりゃあ 今こんなとこでお前と二人で座って 茶ァ飲んでるかよ… [ なんてぼやいては爆笑して、 照明係に睨まれたりもした。 ] (210) 2020/06/19(Fri) 13:32:35 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ Two wins。 知ってる。 編入してきた一年の時に見たから。 パワーのあるサウンドに加えて、 万人受けするルックスのせいか、 周りのやつらはキャーキャー言ってて。 やさぐれてた俺には眩しすぎて、 カッコよくて、 羨ましくて、 直視出来ないような気がしたんだった。 ] あれ、矢川じゃん。 [ 間違えようもない、その長身のベーシスト。 矢川だ。 そうか、このバンドにいたのか。 ]* (211) 2020/06/19(Fri) 13:36:57 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ 二曲目の始まりを、ギターが告げる。 鳩尾のあたりが、ギュッと軋んだ。 ボーカルの声が、滑らかに伸びて、 俺に、届く。 ] 忘れないで、今までの道のりに、 自分の足跡があるんだから。 [ あ、やばい。 (213) 2020/06/19(Fri) 14:27:12 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗『自分のこれからを見つけるとき どうかまた息を吸って、 君の人生は君が作るんだから。 一歩踏み出すことに意味がないなんて、 誰が言った?そんなわけないだろ。 生きることは、愛することなんだから。』 [ 堪えきれずに天井を見上げて、目を閉じる。 腕で、顔を覆った。 ] (214) 2020/06/19(Fri) 14:31:39 |
【人】 次期生徒会長候補 赤羽 神一―― 幕間 ―― [ふとスマホの画面を見ると 光明からのメッセージ。 「赤羽くんが気にしてたこと 彼にLINEしておいたから大丈夫だよ。」 光明は積極的に人と会話することが ほとんどないと思っていたが よく人を見ていた。 ふんどしを締め上げている時に光明に聞いた話。 旧校舎の理科室を通りかかると コーヒーのいい香りがしたこと。 ちらっと外から覗いた時の様子。 その話を聞いた時に赤羽は 少しだけ胸に引っかかったことがあって 眉を下げた。 その様子を見逃さなかった光明は 彼にLINEをしていたようだった。] (216) 2020/06/19(Fri) 14:46:26 |
【人】 次期生徒会長候補 赤羽 神一[LINEは続く。 「そう言えば雨宮先輩、スーツだったよ。 ふんどし姿見たかったなぁ。 女子の注目間違いなしだったよね。」 3年の委員長に聞いてLINEした 💩を送ってきた先輩か。 綺麗に染められた前髪を揺らしながら にやにやとからかう雨宮先輩を思い出し>>1:17 ふんどし姿を想像して笑った。 顔を上げ、椅子を探していると ちあはこちらに気づき ぺこりとお辞儀をした。>>199] 隣いいかな?* (217) 2020/06/19(Fri) 14:55:26 |
【人】 絵描き 要歌詞は(多分、恐らく?)英語で、何言ってるか、よくわかんなかったけど。 さすがに全部覚えてGoogle翻訳する訳にも行かないから。 って言うか無理だから。 何となくニュアンスを感じ取る。 きっと、大事な意味が、あったような、 気が、したから。 途中、ちょっと、先輩の雰囲気が変わったような気がしたけど>>214気にしないことにする。 うーん。 やっぱり雰囲気で読み取るのにも限界がある。 まあ後で、矢川先輩に意味聞いてみよう。 それに意味がわからなくても、感動できる音楽って、 やっぱり凄い。 その辺、絵画とかと似てるかも。 気がついたら、隣にいた先輩>>215 「落ちんなよ」 と注意されたけど。 「僕が落ちたら先輩が拾ってくれるでしょ?逆もそうだけど」 なんて、さっきと少し雰囲気が変わった先輩にいたずらっぽく笑いかけてみる* (218) 2020/06/19(Fri) 15:10:19 |
【人】 絵描き 要ぬう。なんと言う不平等。 まあ先輩がはしゃいで落ちる姿なんて想像も出来ないけど。 落ちたら、泣きながら引っ張りあげるであろう自分が容易に想像できる。それが少し悔しい。 「じゃあ僕はせいぜい落ちないように頑張りますよーだ」 と不貞腐れたような顔を作る。 別にほんとに不貞腐れてるわけじゃないけど。 ん。 大丈夫そうか?と尋ねる声。 この人はやっぱり優しい。普段は、こう、そんな素振りも見せないのに。 こういう、ふとした時に見える優しさに、惚れる女の子も少なくないよなあ、なんて考える。彼女がいないなんて信じられない。 こくり、と頷いてから、それじゃあ見にくいかもしれないなと、言葉を付け足す。 「凄い、いい場所貰っちゃったみたいですね。人の顔は見えないけど雰囲気は感じられる。ちょっとだけ、あの中に混ざりたいって気持ちは無くはないですけど、うん。大丈夫ですよ」 「あの中に混ざりたいって気持ちだけが強くならないのは、きっと、雨宮先輩が一緒についてきてくれたから。だから、ありがとうございます」 「あ、先輩も下に行きたくなったら、いつでも行っていいんですからね?」 と自分ばかりはしゃいでいたことに気づいて、 多少申し訳ない気持ちになり、言い出してみる。 どう受け取るかは知らないけど、これもれっきとした僕の本心だ* (220) 2020/06/19(Fri) 17:00:12 |
【人】 無表情 トオル「いよいよ時間だ!行くぜ!」 [威勢の良い開幕の発声に、更衣室内はにわかに活気付いた。そんな中でもまだ頭を抱えて座ったままのトオルに、光明と呼ばれていた男子生徒が声をかける。] 「行きたいところがあるなら行っていいんだよ。」 [トオルは一瞬考えたが、覚悟を決めることにした。…行こう! それは、幼い頃から病気を持っていたことで小学校もろくに通えず友達もおらず人と関わらずに生きてきたトオルの、初めての一歩への覚悟だった] [舞台の上に立つと、手足が震えた。和太鼓の演奏自体は授業の課題になっていたため、練習したことがあった。熱気に圧倒されながらも、音に合わせて手が動くのに任せて、必死に叩いた。 次第に薄れていく緊張感。それと同時に、今までに感じたことの無い高揚感を感じていた。] (222) 2020/06/19(Fri) 17:56:27 |
【人】 無表情 トオル[ 演奏を終えても、高揚感に包まれたままのトオル。更衣室に戻って着替えていると、あのハンカチが目に入った] ( うっかり忘れていた…!もう文化祭も終わってしまう…!彼女を探さないと…!) [トオルは、校舎の方へ走って行った。無意識に足は美術室の方に向かっている]* (223) 2020/06/19(Fri) 17:59:42 |
【人】 絵描き 要「ん。行ってらっしゃい」 自分で言っておきながら、少し、寂しさを感じたけれど。 僕は大丈夫。 「次の出し物はなんだろ……」 なんて何気なくつぶやく。 その頃には、先輩はあの人混みの中に紛れるのだろうか? もしかしたら先輩の頭なら見つけられるかもしれないけど。 ……流石に無理か* (225) 2020/06/19(Fri) 18:08:48 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−移動中− [ ライブを楽しんだあと、 どうやら何か他の演奏があるらしかった。 舞台の袖がガヤガヤと忙しく 機材を撤去しつつ、 舞台上を整備していたから。 どうしようかと考えつつも、 彼は約束を果たすために、 体育館を後にした。 もし、出番があのタバコの香りを 纏っていた生徒だと分かっていれば、 そこにもう少しだけいたかもしれなかったが。>>221 雨は、少し落ち着いていた。 それでも、微妙に風が吹くと顔にかかる。 それもまぁ、甘んじて受けとめれば 彼は待ち合わせ、とまではいかないけれど 約束していた朝会った展示室へと 彼は向かった ] (226) 2020/06/19(Fri) 18:17:54 |
帰宅部 雨宮 健斗は、メモを貼った。 (a26) 2020/06/19(Fri) 18:28:35 |
絵描き 要は、メモを貼った。 (a27) 2020/06/19(Fri) 18:36:23 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−理科準備室− [ 彼女はまだ来ないだろうと思い、 少し片付けの手伝いを始めることにした。 化学教師の馬渡が、化学部の研究ショーの 片付けをしていたのが目に入ったのも ひとつの理由である ] 「懐かしいなぁ。バスケ部だった青柳が、 まさか化学部の手伝いしたときのこと、覚えてるか?」 忘れた。 「市川、すごく楽しそうだったなぁ」 先生、マジで…… 「あれを見て、入部決めたやつもいたんだ。 だから、お前たちには感謝してもしきれない」 ……唄も、休みがちなのに部長させてくれた先生にいっつも感謝ばっかり言ってたよ。 「あれは、部員の総意だったから私がどうの、ということじゃぁない。少しでも楽しんでくれた、市川がうちの部の象徴になったわけで」 [ もし玄森が声をかけてきたら、 彼は適当なところで片付けを切り上げて 彼女に近くのだろう ]* (228) 2020/06/19(Fri) 18:50:16 |
教育実習生 青柳 慶は、メモを貼った。 (a28) 2020/06/19(Fri) 18:51:48 |
【人】 絵描き 要隠したはずの、感情を読み取られて 悔しいような、嬉しいような 複雑な気持ちがおしよせる。 僕にだって、少しくらい、カッコつけさせてくれればいいのに、なんて口を尖らせる。 でも何を言っても格好がつかない気がして。 まあ先輩だから仕方ないんだけど。 仕方ないんだけど。 「タピオカ、待ってる」 一度、飲んでみたかったけど、行列が怖くて飲めなかったんだ、なんて 付け加えて、彼を見送る* (229) 2020/06/19(Fri) 19:00:30 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ 体育館はまださっきまでの興奮で、 むっとする熱気に包まれている。 息苦しいような気さえするその場所で、 不思議に落ち着いている自分は、 ちょっと場違いな感じがした。 機材がまだ残るステージ上ではスタッフが 慌ただしく動き回り、上手では ひっこんでいたピアノを役員と先生で動かして、 セッティングしてくれている。 幕裏でそれを眺めて時を待つ。 跳ね回りそうな心臓をなんとか宥めていると 演奏を終えたTwo winsのメンバーが 見えたりしただろうか。 頭ひとつ飛び出した、友人の姿も。 もし、見えていたら、 すげぇ、かっこよかった。と、 声を出さずに口を動かして。 左手で、 親指を立てるだろう。 ] * (230) 2020/06/19(Fri) 19:08:42 |
【人】 美術部 雨蓮 しずく― ぽつんと― …… [ しずくは、ハンカチが見つからなかったことに気が大きく沈んでいた。 ] (けど、絵は描かなきゃ…) [ 須藤要に出会ったしずくは久しぶりに前向きになれた。 学校で人と会話をしたのが部長いらい本当に久しぶりだったのだ。 楽しい会話も久しぶり。だから、前を向くために絵を描き切ると決めたのだ…。 足は自然と美術室へ 向かっていた…]* (231) 2020/06/19(Fri) 19:10:34 |
美術部 雨蓮 しずくは、メモを貼った。 (a29) 2020/06/19(Fri) 19:11:44 |
【人】 転校生 矢川 誠壱 ──ライブ── [ 3曲目。 観客からのコールのあるこの曲。 簡単に呼びかけて練習する。 声を出して一緒に楽しんでほしい、と 言い出したのもボーカルの祐樹だった。 突拍子もないことを言い出すのはいつだって メインボーカルだった。それを理性的に とめつつも叶えるのがギター。 穏やかに見守るのがドラム。 バランスの良いチームだと思う。 祐樹が言い出した提案に、 ならこの曲はと挙げられたそれは、 満場一致で決まった。 ボーカルの右手が挙がる。 それを合図にコールが始まる。 はじめは小さなそれも、煽ると だんだんと大きくなっていく。 最高潮で二度、三度、繰り返したらば、 そこにドラムが、ギターが加わり、 重なる音に、ボーカルの声が足されて、 がなった。 そして、吠える。] (232) 2020/06/19(Fri) 19:27:03 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ 白旗だと呼ばれても掲げたその旗を、 揺れる船の上からでも切り開く。 負け犬と呼ばれたって、 この曲の主人公はきっと、 挫けることなどないのだろう。 確かな強さを感じる。 ステージの上からでもわかる。 やはり、このバンドはかっこいい。 クールで、熱くて、強い。 今この場所に立てていることが、 本当に誇りだとおもった。] (233) 2020/06/19(Fri) 19:27:24 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ そして、4曲目。 はっきりとしたメッセージの響く、 この曲もまたきっと、誰かへの応援歌。 ありのままの己を認める、 それがどれだけ難しいことか そんなことわかり切っているけど。 指の間をすり抜けていくように、 人生がうまく掴めないときだって。 間違いごと誇りに思って、 自分自身を愛してあげることが。 ───俺も、出来てるとは思えないな。 わかってたって、怖いじゃないか。] (234) 2020/06/19(Fri) 19:27:54 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ それでもいつか、いつの日か。 全てを持って己を愛せる日が来たら、 ───誰かを特別に思えるのだろうか。 きゅ、と唇を結ぶ。 コーラスが響いた。 ドラムが鳴り、余韻のように 残ったエコーが体育館を駆けて、抜ける。 歓声と、拍手が聞こえた。 息を吐く。暑くてたまらない。 またペットボトルをひねって開け、 口に含んで、流し込んだ。 ぐい、と手のひらで前髪をあげる。 深く息を吐いた。] (235) 2020/06/19(Fri) 19:28:16 |
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