人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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視点:人


【人】 旅人 J

 
[互いに流れる血の半分は同じと。
 聞かされた夜は娼婦のように兄の上に載ったが
 その後は自分から求めることはしなかった。

 最初の一度で見事に孕んだ女の薄い腹は
 どんどん大きくなっていった。

 期待もされていないだろうが
 商いの手伝いなどは自分の頭では無理だ。
 料理や掃除や洗濯など
 マリエルに聞き覚えながら身の回りの世話をした。
 そんなことしか、出来ない。]
 
(0) 2022/03/25(Fri) 22:41:28

【人】 旅人 J

 
[衣食住に困ったことがなければ
 肉親の手で目を潰されたこともない。
 自分は、間違いなく果報者だった。
 その間も兄は独りで苦労をしていたと思うと
 胸がぎゅうぅ……っと締め付けられた。

 食卓には故郷の味を良く並べた。
 あったかも知れない兄妹としての時間を
 取り戻せたなら良いと願いそうするのは
 自己満足に過ぎなかっただろうが。]
 
(1) 2022/03/25(Fri) 22:41:53

【人】 旅人 J

 
[もし、彼が体調を崩し高熱を出すことがあったなら、
 何度も額のタオルを絞って替え、身体の汗を拭き、
 はちみつを落とし温めたワインを飲ませた。]


  
ジュダス様……兄さん……

  
元気になって下さいまし……



[自分なら人が沢山居ても
 心細くて堪らなかっただろうこんな時も
 彼は独りで耐えてきたのだと思うと
 いつもよりは熱いかも知れない手のひらを握り
 ぽたぽたと涙をこぼした。]


  
いまは……、いまだけは、私が傍におります



[拒まれない限り献身した。
 そうして時は過ぎ、膨らみ切った腹は小さくなり──…*]
 
(2) 2022/03/25(Fri) 22:43:54

【人】 旅人 J

 
[彼が財力で雇った兵士達の士気は充分だ。
 そういうのを見つけるのも心を掴むのも上手いのだ。
 術で操られる敵の兵士らは彼と自分の瞳の力で打ち消し
 方法によってはこちらの味方に取り込むことも叶うだろう。

 そうして巨大な勢力となりながら侵攻すれば
 アンペールの領地を取り戻すばかりか
 永き時をかけて拡げてきたあの男の支配の地すべて
 奪うことも、きっと叶うだろう。]
 
(3) 2022/03/26(Sat) 10:18:30

【人】 旅人 J

 
[達すれば、いよいよ女の存在は無用の長物となる。
 それを理解しながら、女は協力を惜しまない。
 身を守る為に覚えた剣で他人の生命を散らし
 真白な髪も肌も赤黒く染めながら事を成すまでは止まらない。]
 
(4) 2022/03/26(Sat) 10:18:36

【人】 旅人 J

 
[貴方の奥さんになりたい願いが聞き入れられた後。
 優しくされなくて、よかった。

 もしも騙されていたと気付く前のように
 優しくされていたなら私は
 馬鹿で救いようのない世間知らずの私は
 貴方の想いを手に入れたと勘違いしてしまったと思うから。
 偽りの愛の言葉もない獣のようなまぐわいで
 少しも想われていないと
 何度も何度も身体に教えて貰えたのはよかった。

 それもWうれしいWことだった。]
 
(5) 2022/03/26(Sat) 10:19:17

【人】 旅人 J

 
[大義名分を与えるつとめを果たしたあと
 女は子を連れて彼のもとを去る。

 妻である誓いを、破ってはいないと思う。
 ただ家出をして戻らないだけ。
 近くにいて出来るのは家事くらいのもので
 代わりはいくらでもいる。
 貴方以外の男を知ることも
 知ろうとすることもなく貞淑を貫く。

 貴方も自由にひとをすきになるべきだわ。
 私が、そうさせて貰ったように。
 愛する貴方の近くに居させてくれてありがとう。
 間違いなく私は。幸せだったから。
 貴方にもそうして欲しい。]
 
(6) 2022/03/26(Sat) 10:20:17

【人】 旅人 J

 
[大陸は横断した。
 外に出てみるのがいいかしら。
 船には乗ったことがない。

 近しい血の交わりで
 苦労をするだろう我が子と
 色々な世界を見て回ろう。]
 
(7) 2022/03/26(Sat) 10:22:01

【人】 旅人 J

 
[妻という肩書きだけの
 何者でもない私は
 貴方にとって何者にもなれなかった。

 だけど遠く離れても
 夫であり兄である貴方の幸せを
 命ある限り願っている。**]
 
(8) 2022/03/26(Sat) 10:22:23

【人】 旅人 J

 
[門に差し掛かるとき立ち止まり
 前に抱える赤子をぎゅっと引き寄せた。
 使用人すら起き出す前の時間を狙ったのに
 全て筒抜けのように彼はそこに居た。]


  裏切ってないわ


[困ったように目を細めて、
 しかしはっきりと否定した。]
 
(12) 2022/03/26(Sat) 19:51:02

【人】 旅人 J

 
[愛しているという言葉が
 彼の心を冷やすのならもう使わなかった。
 その代わりに用意する温かい食事や
 夜寝る時にシーツを肩までかけてあげること
 辛そうなとき近くで付き添うこと
 身体を乱暴に掴む手を優しく握り返すこと
 強く吸われる唇を甘く重ねること
 そんな日々の行動で愛を伝えてきたつもりだ。
 妻としての愛。妹としての愛。
 一年以上経っても、彼はどちらも受け取らなかった。
 受け取り方がわからないようでもあり
 知ることを拒んでいるようでもあった。
 問題があるとすれば自分なのだろう。
 与えるのが自分ではダメなのだ。]
 
(13) 2022/03/26(Sat) 19:52:25

【人】 旅人 J

 

  私もこの子もこの先ずっと貴方のものです
  それはどこに居ても変わりません

  貴方は……貴方自身が
  大切だと思えるひとを見つけるべきだわ
  私とこの子が近くにいると邪魔にしかならない

  私もこの子も貴方にとって
  特別な存在にはなれなかった
  力不足で……、……御免、なさい……


[謝罪を伝える声は震えた。
 愛を返してくれぬ男への愛は冷めるどころか
 月日を重ねるごとに増していた。
 彼に愛を教えてくれるひとは必ず居るだろう。
 だけどどうして自分はそれになれないのだろう。*]
 
(14) 2022/03/26(Sat) 20:02:51

【人】 旅人 J

 
[女は決して弱くない。
 魔女の力に目覚め元々の俊敏さは増し怪力を得て
 実力で降るとすれば其処な男くらいのもの。
 赤子と二人生きていくにしても
 誰かに侵されることなどない。
 だが彼は、出ていくことを許さないと言った。
 糸が地面を弾き砂塵が舞いドレスの裾と長い髪が揺れる。]
 
(17) 2022/03/26(Sat) 22:14:39

【人】 旅人 J

 
[哀しげに顔を歪める。
 殺すと言われたのが辛いのではない。
 少しも大切ではないのに近くには置きたい、
 そして近くに置けないなら壊す、
 その不器用過ぎる選択肢が切なかった。]


  ……目の届くところにないと不安なの?


[彼はまるで初めて手に入れた玩具の
 握り方が分からずに壊してしまう子供のようだ。]
 
(18) 2022/03/26(Sat) 22:15:23

【人】 旅人 J

 
[女にとっては、どちらも同じことだった。
 彼の視界に入らぬ所で生きるのも、ここで死ぬのも。
 土地や金や民などよりもっと得て欲しいものを
 彼に与えてやれぬ自分に価値はなく
 捧げられるのはその機会だけ。]


  ……いいわ。


[目を閉じて息を深く吸い、吐いて。
 また目を開ければ首を縦に振った。
 即決できなかったのは母としての自分がいたから。]
 
(19) 2022/03/26(Sat) 22:15:52

【人】 旅人 J

 
[確認>>16が、その選択をさせるなと
 訴えているようにも聞こえていたが……、
 彼の心は自分には到底掴めないものだ。]

  、、、
  ここよ。両目を同時に確実にね
  でないと、痛いばかりで死ねないわ


[自らの双眼、そして子の双眼を二本指で示した。
 哀しげに微笑い、裁きを待つ。
 心で願うのは愛するひとのこと。
 貴方が大切なものを見つけられますように。*]
 
(20) 2022/03/26(Sat) 22:18:51

【人】 旅人 J

 
[彼の母が彼にしたのと
 同じことをしろと言うのは酷だっただろうか。
 無防備に両目が潰されるのを待ったが
 覚悟したものは訪れなかった。]


  ………………。


[彼が通り過ぎていけば
 子が泣き出し、よしよしとあやした。]
 
(23) 2022/03/26(Sat) 23:26:29

【人】 旅人 J

 
[去る彼に言われた言葉を思い出す。

 貴方を捨てていない。
 裏切っていない。
 この先も裏切ることはない。

 彼に愛されていない妻は操と
 彼に愛されていない子を守り続ける。

 互いの愛の形が異なり過ぎて
 受容しあえなかったように
 裏切りの形も違って理解し合えないのだろう。

 半分は同じ血が流れてるのにね。]
 
(24) 2022/03/26(Sat) 23:26:49

【人】 旅人 J

 
[風が吹く。
 真白な髪が揺れる。

 男と逆方向に歩き出し、距離は離れていくばかり。

 引き留めることが愛だった男。
 離れることが愛の女。

 もう、逢うことは────────…。*]
 
(25) 2022/03/26(Sat) 23:27:31

【人】 旅人 J

 
[────私はまた間違えたのかしら?]
 
(26) 2022/03/27(Sun) 10:37:28

【人】 旅人 J

 
[旅立って何度そう自分に問いかけたことだろう。
 答えは見つからない。]


  「また考え事? スープが冷めちゃうよ」


[ごめんと言いカトラリーを動かす
 女の視線の先には灰色の髪の子供が行儀良く座っていた。
 立った状態で抱き締めると胸の位置に顔がきて
 恥ずかしいやめてなんて暴れ出すほどに成長した我が子。]


  「そんなに僕って父さんに似ているの?」


[……そうね、と頷く。
 でももっと父さんの方が格好良いわ。
 というのは音に出して聞かせぬ心だけの声。
 子は日増しに面影を強くするが胸をときめかせるのは
 あの十字が刻まれたあのひとの顔だけだった。]
 
(27) 2022/03/27(Sun) 10:37:36

【人】 旅人 J

 
[子はアンペールの力を濃く宿した。
 いまは気の抜けた顔でパンを頬張っているが
 命知らずの輩が母に寄ってきた時などは
 勇ましく前に立ち守ろうとしてくれる。
 あまり目立ちたくないので
 流血沙汰になる前には抱えて逃げるのだが。]


  ジャン。次はどこに行こうかしら?


[旅の相談。
 立ち寄る町での給仕のバイトの稼ぎや
 返り討ちにした盗賊から拝借したものを路銀とする旅は
 具体的な目的もなければ緩やかなものだった。]
 
(28) 2022/03/27(Sun) 10:37:53

【人】 旅人 J

 
[パンを慌てて飲み込むのを
 ゆっくりでいいわと見守る。]


  「大陸って、他にもあるんでしょ。
   べつのところに行ってみたい。
   母さんの……しってるところとか……」


[連れて行くのは母も全て初めて訪れる地だったが
 そうではないものが見たいらしい。
 自分のルーツが気になるのだろうか?]
 
(29) 2022/03/27(Sun) 10:38:09

【人】 旅人 J

 

  ……。


[暫し悩む母を緊張した面持ちの子が見守る。]


  ……そうね。じゃあ船代を稼がなくちゃね


[前向きな返答に、子が表情を輝かせた。

 ああ、自分は。あのひとにこんな顔を
 させてあげられるひとになりたかったのだと。
 嘆かぬ日はないし、そんなひとと出逢い共に在るのを
 願うことしか自分には出来ない。**]
 
(30) 2022/03/27(Sun) 10:40:20

【人】 旅人 J

 

  ……っす、すぐに、用意するわね……っ


[固まっていた母子のうち先に動き出したのが母で
 背中を向けたのだが、手伝う、とついてきた子が
 「泣いてるの?」と涙をばらしてしまう。
 この部屋くらいならどこに隠しても
 彼の瞳には見つけられてしまうのだけども。]
 
(38) 2022/03/28(Mon) 9:45:48

【人】 旅人 J

 
[聡い子は、珍しく落ち着かない様子の母と
 顔を知らぬ、だが自分とよく似た容姿の父を交互に見て
 大体のことを察したようだ。

 話を、したい。船代は、予定より稼がなくちゃ。
 宿を少し大きいのに変える必要が?
 どうやってみつけたの。
 驚くことではないって、驚かずにいられるわけがない。

 何から手をつけてよいのかも、
 愚かな女にはわからなかった。

 ただ間違いなく、この混乱はWうれしいWことだった。*]
 
(39) 2022/03/28(Mon) 9:45:51