【人】 焔の魔術師 ベアトリス見回りを譲に任せると、華夜は職員室から美術室へと向かった。 ヒールの踵で床を軽く叩きながら廊下を進み、三階の一番端にある部屋へ。 美術部員たちは全員帰宅している。 華夜が目指すのは美術室の奥にある倉庫だ。 ポケットから取り出した鍵を使い扉を開くと、キャンバスやらの画材が雑然と並ぶ中を奥に向かう。 移動しながら華夜は片手を軽く挙げ、本来の姿へと変身を遂げた。 熊切華夜から、ベアトリス・カヤックへと。 (13) 2023/10/12(Thu) 16:56:30 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス「仔猫ちゃん、待たせたわね。」 掃除用の縦長ロッカーにも鍵はかかっている。 華夜が中を確かめるとそこにはーー猿轡を噛まされ、両腕を胴体後ろに縛られ、足首も拘束された少女の姿があった。 「さあ、今日こそ 仲間の居場所と正体、 そしてあなたたちが知る限りの 宝石の情報を吐いて貰うわよ。 ーー良いかしら?」 不敵な笑みを浮かべるベアトリスに少女はどんな顔をするだろうかーー。** (14) 2023/10/12(Thu) 16:57:38 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス仲間が発した音波をかき消そうとしたのだろうか、囚われの魔法少女は唸りながら暴れている。 勿論そんな風にしようと、魔力を込めた縄は簡単にはほどけはしない。 「お仲間が心配してる みたいねえ? 私は別にあなたの命まで 奪いたいわけじゃないの。 宝石さえ手に入れば いいのだから。 ねえ、仔猫ちゃん?」 しゃがみこみ、サアヤの顎をぐいと持ち上げる。 (24) 2023/10/12(Thu) 21:20:26 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス 「どうしようかなあ… 可愛いあなたで 少し遊びたいのよね?私。」 真っ赤な口紅を塗った唇で猿轡を咥え、引き摺り下ろす。 声を発する前にキスで口を塞いだ。 「屋上に行って もう一匹の仔猫ちゃんも 捕まえてもいいんだけど…。 ね?」 ねっとりした声で耳元に囁く。薔薇のように赤い唇を、そのまま彼女の首筋に這わせた。 暫く遊んでからゆっくり屋上に向かおう。 きっとあの魔力音波を彼も捉えたはずだからーー。* (25) 2023/10/12(Thu) 21:20:35 |