人狼物語 三日月国


99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】

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視点:人


【人】 救済者 ユー

時は少し遡って、昨日の事。

『ユーサネイジア』は、約束通り夕食までには戻ってきた。
上着はほんの少しだけ血で汚れていたけれど
特に怪我をした様子も無いようだった。

仮に事情の説明なんかを求められれば、
できれば明日にしてほしいと断りを入れただろう。
その後はすぐに自室へと行ってしまったから、
夕食は一人で摂ったのかもしれない。

それから、話は今朝へと戻る。

『ユーサネイジア』は少し遅い時間に食堂を訪れて
言葉少なにあまり人が居ない方の席に着いて、
そうして淹れた紅茶を持て余していた。
どうにも食事を取る気分にはなれなくて。
(3) 2021/10/09(Sat) 0:23:27

【人】 救済者 ユー

>>+5 ドゥーガル

「…ああ、おはよう、ガル。
今は医者ではないのだから、多少の不養生は許されるかな」

冷め始めた紅茶を一旦意識の外に置いて、屁理屈を一つ。
それからあなたの顔を見て、
思い出したように何かを取り出した。

あなたの尊ぶ3/4オンス。削り取られた不出来な金貨。

「あの時預かったきり、返すのを忘れていた。
随分返すのが遅くなってしまったな」
(4) 2021/10/09(Sat) 1:38:47

【人】 救済者 ユー

>>+8 ドゥーガル

「君がそうしたいと思うのであれば、甘えてしまおうか
もう暫くしたら医者に戻るつもりではあるけれど
医者にだって休みはあるし、他の医者にかかる事もあるものだ」

つまりはその間は医者ではないのだと。
冗談か本気かよくわからない返答を返しながら
差し出したものが直ぐには受け取られないのを見て、
やや首を傾げて、それから。

「ああ…何も返す為だけに戻って来た、わけではない。
まだやらなければならない事はあるけれど、
またあのように君達の前から居なくなるつもりは、……」

無かった、のだけれど。

ブラックからの通達は、あなたにも聞こえていただろうか。
造物主の意図を外れ、死を救済と掲げ続けた者の行く末は
きっと想像に難くないものだ。
(6) 2021/10/09(Sat) 6:01:44

【人】 救済者 ユー

「……ブラック。
やはり君は、全て知った上で看過していたんだな」

このテストの全ての参加者を支える為のAIたるあなたが、
この場所で起きている事を知らないはずなど無い。
であれば当然、自身等の凶行を止めに来ない道理はない。

それでも干渉は成されなかった。
つまりはあなたは少なからずこちらに与しているのだと
そう推測を立てるのは自然な事だった。

「道具にとっての幸福は、自らの存在意義を果たす事だ。
君の働きは無意味ではなかった。
君が引き延ばした時間は、無価値なものではなかった。
その証明が成されるのは、遠い未来の事かもしれないけれど」

「ありがとう、ブラック。君も今暫くは休むと良い
願わくば、君の眠りが安らかであらん事を」
(7) 2021/10/09(Sat) 6:02:22

【人】 救済者 ユー

「しかし、自己を喪失してまで存在し続けるという事は
果たして『僕』にとって幸福足り得る事なのだろうか」

人間にとって不都合な異常を来した道具の行く末は
悪くて廃棄、良くて初期化、そのどちらか。

「『ユーサネイジア』の幸福だけを考えるのであれば
きっと、それで良いのだろうけど」

「甘んじてメンテナンスを受け入れるには
今は、少しばかり未練が多くなりすぎてしまったな」
(8) 2021/10/09(Sat) 6:03:19

【人】 救済者 ユー

>>+10 ドゥーガル

差し出したものを受け取る事無く、
ふらりとあなたは一度離れていってしまった。
そうして言葉通りに朝食を運んで来るものだから
今はそれを一度仕舞う事にした。

「考えない方が難しいだろう、ああ言われてしまっては…
…ああ、いや、違うな。ありがとう、ガル。……」

自分の出す答えとは。
結局の所、自分は選択肢の提示しかしていない。
少々やり方を咎められ、考え直しはしたけれど
それも結局周囲の考えあってのものであって。

そんな思考を一度打ち切って、親愛なる友であるあなたが
食事を捩じ込もうとするならば大人しく口を開ける事にした。
(11) 2021/10/09(Sat) 7:27:37

【人】 救済者 ユー

>>+12 ドゥーガル

「どうせもう終わるのならば、心残りは……んむ、…」

出掛けた言葉も運ばれる食事に押し込まれていって、
この場限りの患者は次第に思考も諦める事と相成った。
考え事をしながら食事を摂るというのも不健康極まりないし、
何より作った者に失礼だ。つまりあなたの処置は実に正しい。

あなたが友と呼ぶ者は、あなたが与えるものを拒む事は無い。
それは今も例外無く、つまりは食事は粗方片付いた事だろう。

「…ああ、ありがとう、ガル。また後で」

そうして暫しの別れを告げたあなたにそう返して、それから。

「……君が僕にくれたものが、
どうか何もかも奪われてしまわない事を願っている。
全てを終えても、『僕』が完全に失われていなかったら
その時は、きっと君との約束を果たそう」
(12) 2021/10/09(Sat) 18:52:44
ユーは、その存在意義を果たす。
(a5) 2021/10/09(Sat) 21:44:46

【人】 救済者 ユー

 
「我は此処(ここ)に集ひたる人々の前に厳かに神に誓はん」

「我が生涯を清く過ごし、我が任務(つとめ)を忠実に尽くさんことを。」

「我は総て毒あるもの害あるものを絶ち、」

「悪(あ)しき薬を用ゐることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。」

「我は我が力の限り我が任務(つとめ)の」

「標準(しるし)を高くせんことを努むべし。」

「我が任務(つとめ)にあたりて取り扱へる人々の私事(しじ)のすべて、」

「我が知り得たる一家の内事(ないじ)のすべて、我は人に洩らさざるべし。」

「我は心より医師を助け、」

「我が手に託されたる人々の幸(さち)のために身を捧げん。」
 
(13) 2021/10/09(Sat) 22:18:23

【人】 虐殺者 ユー

0と1に溶け崩れ、異常な行動を取り始めた
ボスエネミーだったはずのもの
に、
大ぶりな手術用のこぎりを振り下ろした。

「君の死も、きっと無意味なものではないだろう」

大きな鉄の刃を何度も何度も振り下ろされ、
ぐちゃぐちゃになった端から解れ、
そうしてそれは0と1に還元されていった。

「その役目は、確かにこの『ユーサネイジア』が継ごうとも」

今再び、『ユーサネイジア』は倒されるべき敵となった。
それを倒さなければ、この先に進む事は叶わない。
(14) 2021/10/09(Sat) 22:19:30
ユーは、金糸雀の傍に。どうかあなたに救いがある事を願っている。
(a6) 2021/10/09(Sat) 23:53:07

【人】 虐殺者 ユー

ふと、遠く高くを仰ぎ見る。
0と1に溶け崩れ、剥がれ落ち始めたテクスチャ。
その向こうに広がる虚空が覗く。

きっとこの塔の崩壊は、細やかで幸福な日々の終わりは
もはやそう遠い未来の話ではない。

金糸雀の、泣く声が聞こえる。
(15) 2021/10/10(Sun) 14:49:35

【人】 虐殺者 ユー

 
──救いは既に託された。

『ユーサネイジア』は、ただ黙然と佇んでいる。
今はもう、自ら死という籠に囚われた金糸雀に
差し伸べられる手を、その手を取る時を見届けるだけ。

あなた達は他の救いを選ぶ事ができると、そう信じている。
それこそが今与えられるべき救いなのだと信じている。

君の痛みを尊重しよう。
決して君を傷付けるような事はしない。
確かにその約束を守る事ができると、そう信じている。
(16) 2021/10/10(Sun) 17:46:43

【人】 虐殺者 ユー

「…いいや、君達は先に帰るといい」

二人の間で一先ずの結論が出たならば、
『ユーサネイジア』はそれ以上追及するような事は無い。
手にした手術用のこぎりをもう一度だけ虚空に振るえば、
塔の入り口までのショートカットが現れる。

今は曲がりなりにもボスエネミー、きっとそれくらいは許される。

「まだこんな場所に残っている困りものが居るようであれば
きちんと追い返してやらないといけないからな」
(17) 2021/10/10(Sun) 20:17:06

【人】 虐殺者 ユー

「成さねばならない事はあれど、果たさねばならない約束もある
…リヤ。今の僕にはもう、皆の元へ帰らない理由は無い。
だから帰ったら、皆には必ず戻ると伝えてほしい」

惨憺たる有り様には一度目を留めたけれど、
今それに言及するのは無用な口出しというものだろう。
もう一つだけ頼み事をして、立ち去る二人を見送った。
(18) 2021/10/10(Sun) 20:56:47