【人】 癒し手 イクリール― ちょっと前 ― [あーうーと言いたげな、罰の悪い表情を浮かべてしまう。>>171 こうして話して、冷静になってきて、確かに腹が立ったが、自分の方も随分不躾な事をしてしまっている。 その為である。] 確かに、腹がたったけど…私もね…… [そこのところは言葉を濁す。 あまり口にして面白い事ではないしからと。] 迷惑って…たぶん、大丈夫だと思うわよ。たぶんだけど…。 ほ、ほら、報酬とか、突然の方向性の浮彫で揉めたりとか、そんな事はよくある事だしね。 [もめ事でなくても、お酒が入ってのなんてこともあるだろうしと、 ここだけの話と酔った酔ったモモイさんが、マスターの愚痴を言っていた事があるらしいよなんて事をこっそり話したりもする。] ええ、ありがとう。 [グラスを差し出される。その意味は…。 自分の分はない。ちょっと待っててと、取に行くのは果実水が入ったグラス。 それを持って戻ってくると、グラス同士を合わせるのである。] (175) 2023/12/06(Wed) 21:26:31 |
【人】 マスター キロン[側のグラスが割れたりもした>>38が、誰かの悪戯だろう。 人も随分集まってきているし。 人が集まれば、何が起きてもおかしくないが、それは余興にでもしてしまえばいいだろう。 見渡せば、酒が出だしているだけでなく料理も並び始めている。 ボアの肉のステーキ。兎肉が入ったシチューの鍋。チキンステーキ。 つまみになるような、チーズにナッツ類。 サラダに、果物など、パンも白に黒とどちらもそろえているようだ。 食い盛りでもある冒険者どもにこれは足りるのだろうか。 食い足りなければ酒を出せばいいか。 あとは、サプライズの準備も出来ているだろうと、モモイに確認の視線を向けるのであった。*] (177) 2023/12/06(Wed) 22:07:28 |
【人】 飼われ賢狼 アルブムームルイジの許へー [先程、後輩と喧嘩していた彼のことは僕も知っている。 二か月前>>7 ダンジョンに潜ったまま戻らないという新進気鋭のパーティの救出>>88に僕も駆り出されたから。 風の精霊とはいわば空気のある場所ならば普遍的に存在するもので、彼等の協力と僕自身の五感はこういう探索任務では重宝されていた。 …あの場所の惨状は、僕も覚えている。 生き残りがいたのは、最早奇跡に近い。 あの状況で『攻略』判定をギルドが出したことにも少し驚いたけれど。それ以上に『ファングス』が解散しないこと、あの惨劇の生き残りの彼が、二か月で復帰すると言い出したのも驚きだ。] …ぽふ。 [てちちち…。 忍び足にもならない足音を立てて、彼に近づく。 鳴き声がくぐもっているのは、 口許に手土産代わりの葡萄酒の瓶を咥えているから。 酒代は……宴の経費かマスターのツケということで。] (178) 2023/12/06(Wed) 22:19:10 |
【人】 飼われ賢狼 アルブム[ちゃんとお互い顔を見たことは数えるくらいだし、向こうからすれば僕はギルドで飼われている駄犬だろう。 たぶん、歯牙にもかけない存在。 そんな僕ではあるが持参の葡萄酒は受け取ってもらえたか。 受け取ってもらえなければ彼の近くのテーブルに置く。] わっふ、わっふ。 [あまり、あの子のこと怒らないであげてね。 根はそんなに悪い子ではないんだよ。 彼の顔を見上げて訴えてはみるけれど、正直伝わる気は微塵もしてない。 でも、伝えようとしなければ本当に何一つ伝わりはしないだろう。 ――…それに。] (179) 2023/12/06(Wed) 22:20:26 |
【人】 飼われ賢狼 アルブム[昔、マスターやモモイ、ウルと一緒にこのギルドに連れてこられたとき。 パーティの中に一人、優秀な癒し手がいた。>>33 まだこの街に来て日が浅く、人を怖がる僕に日頃からなにかと構ってくれたその人は、突然やってきた『ファングス』に当然のように引き抜かれ、彼等と共に活躍し、そして、不幸に見舞われた。 亡くなってしまったことは悲しいと思っている。 でも、『ファングス』に引き抜かれたことも、 それで元居たパーティが存続不可能になったことも、 そのことで以前の仲間たちから恨みを買っていることも 全部、本人が飲み込んだうえで参加していたことも 僕は知っている。 そして何より、後悔することをあの人は嫌っていたから。 あの不幸を、僕はどうこういうつもりはない。 …どうして、こんなふうに人の恨みを買ってまで、彼が上へ上へと行こうとするのかは、前からほんの少しだけ疑問に思っていたけれど。]* (180) 2023/12/06(Wed) 22:23:22 |
【人】 蛇 ムルイジ[ 始まりは4人だった。 世界の理どころか世間の何たるかも知らない少年たち。 夢を見た。 英雄譚に謳われる戦士たち。 魔物を駆逐し人々の称賛を浴びる栄光の物語。 鍬の代わりに剣を持てば自分たちもそうなれると信じた。 何の根拠もなくただそう信じた。 その幻想こそが自分達の未来と。 それから長い旅路の先で冒険者になれたのは二人だけだった。] (181) 2023/12/06(Wed) 22:40:26 |
【人】 蛇 ムルイジ[ 幻想は現実の前に無力だ。 少年は、泥水を啜り地べたを這い回り生き抜いた。 そうして上を目指した。 なぜ目指すのかも曖昧に、遠い日に抱いた夢さえ忘れて。 ただ上を目指し続ける。 一人になった今でも変わらない。 己が名を世に知らしめるために。]* (182) 2023/12/06(Wed) 22:41:22 |
【人】 蛇 ムルイジ……くそ、またやり直しだ。 [ ベッドに身を投げ出して天井を見上げる。 ギルドに確保した部屋も7つが空いて、今はこの部屋ただ一つが残るだけ。] まだだ。 まだ、俺は生きている。 [ 4人が2人になっても。 2人が1人になっても、生きてる限りは負けではない。]* (183) 2023/12/06(Wed) 22:52:53 |