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【人】 二年生 田邊 夕鶴[さっきまで、あんな顔で笑っていたのに。 また、私の知らない顔を見せて、 そんなのずるい。 もっともっと、君の事知りたいと思っているのに。 私の方だって、逸らせるわけなくて。 ――言葉は無かったけど。そんな、私の答え。 でも振り向いて、近付いて、 二人の間に花火さえ映り込む隙間がなくなったら、 ……ああもう、これ以上見ていられない!!! ] (41) 2021/07/27(Tue) 23:17:05 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― ドクダミの花の頃 ― ……やっぱり、いらないよね? そうだよね…… [とほ、と肩を落とすのは、もう何度目の事だったか。 教室で、廊下で、あるいは別の場所で。 人と話す機会があったなら、隙を見てその話を。 私は、とある物の引き取り手を探していた。] (129) 2021/07/28(Wed) 23:11:34 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[祖父母の家の、ご近所さん。 私の祖母とは、夕食のおかずをお裾分けし合う仲で。 祖父母の家に通う私の顔も知られており、 会えば挨拶をして、軽く世間話する相手。 ……そんなお家の庭で、 ドクダミが爆発的に繁殖してしまったと 嘆く声を聞いたのが、数日前の事。 それが、私とドクダミの全面戦争の始まりだった。 腰痛で撤退して行く兵士達に後を任され、 私は、庭を埋め尽くすドクダミを抜いては抜いては抜いて…… それは大変だったけれども、なんとか勝利を収めた私は。 帰り際になぜか、ビニール袋いっぱいに詰め込まれた 大量のドクダミを渡されていた。] (130) 2021/07/28(Wed) 23:12:32 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[…………???? え、草、どうしろと。 そう思ってしまった私は浅はかだったようで。 そのまま困惑しきりで祖父母の家に戻ったら、 ドクダミを受け取った祖母はニコニコと笑い、 お茶にしたりなんだりと有効活用していた。 ただの草じゃなかった!?と驚いた私。 しかしさすがに量が多かったため、 祖父母宅では消費しきれないのが目に見えており。 かと言って、独特のにおいのあるそれを 引き取ってくれる人も限られていて。 かくして、なぜか私が、 学校でドクダミの引き取り先を募集するという ちょっと不可思議な事態に陥っていたのだった。] (131) 2021/07/28(Wed) 23:13:19 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ところで、とある女子生徒の話。 彼女にとっての私はおそらく、 『その他大勢』の中にいるような、 そんな存在だったのではないかと思う。 同じ学年の彼女の、少し変わった言動。>>0:13 それを見た私の反応は、他と似たようなもので。>>0:185 例え近くで話を聞く事があっても、 どう反応して良いものかわからずに、 少し困って首を傾げ「そうなの?」と 控えめに尋ねる程度の。 私にとってはそれ以上、近付く事の無い相手だった。 だけどそんな中でも、彼女の噂は、私の耳にも入って来て。 それで、ドクダミを配り歩く私は思い出したのだ。 有名な話。彼女のお茶の事。>>0:23] (132) 2021/07/28(Wed) 23:14:26 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴鳳さん。あの、少しいいかな? もしよかったらなんだけど―― ドクダミとか、いらない…………? [お茶にもできるドクダミを、 鳳さんなら受け取ってくれるんじゃないか?と思って。 それはもしかしたら、 失礼な提案なのでは………… と、どこかで思って、 おそるおそる声を掛けた私に。 あの時、鳳さんは何と言ったんだっけ。] (133) 2021/07/28(Wed) 23:15:11 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[その後。 一度抜いたくらいじゃへこたれなかったドクダミと、 第二・第三次大戦なども勃発し。 鳳さんがドクダミを受け取っていてくれたなら、 再び声を掛けたりもしただろう。 そのうち、彼女の花壇の話なども 聞けるようになるのなら。>>0:22 私は、祖父母やご近所さんの庭で、 手伝いをする時の悩みなんかを相談したりして。 「この間、花についた害虫を 割り箸で取っていたんだけど――」 なんて。 花の女子高生が集まって、花の話をしているというのに、 微塵も色気のない雰囲気に なってしまったかもしれないけれど。 でも私は、何も構える必要なんかなくて。 手をあげて、「鳳さん!」と気軽に呼びかけ、 笑顔で話す事のできる、あなたはそんな相手なのだと。 いつか知るような機会は、私に訪れただろうか?]* (134) 2021/07/28(Wed) 23:16:31 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[書道パフォーマンスは、 大きな紙に複数人で同時に向かい、 大きな筆とバケツ入りの墨を使って、 一気に書き上げて行くというもの。 音楽に合わせた動きをするので、 春>>0:231と秋の二回、披露の際には、 普段はゆるい書道部も、気合いを入れて練習していた。] ……お疲れ様でした! [さて、そんな演技も終了し、 集まった部員達は一時解散。 私はこの後、部活動展示の受け付けに回る予定だった。 そもそもこのパフォーマンスは、 そちらの宣伝、集客も兼ねていて。 今日の演技の、出来はそこそこだったものの、 客席の方は97%くらいの埋まり具合。 展示の方にも、人が来てくれればいいのだけれど…… と、考えながら、私は部室の方に向かった。] (155) 2021/07/29(Thu) 2:15:40 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴はい、こちら、書道部の展示です。 どうぞ、ご自由にご覧下さい。 [と、このような感じで。 私は部室の入り口で、袴姿はそのままにたすきを解いて、 見に来てくれた人をご案内。 そんなに声を掛けるような場面もないので、 わりと、こう、暇な仕事ではあるけれど、 一応、人の動きなどチェックはしていた。 展示内容は、手本を元に書いた臨書から、 それぞれが好きに選んだ文字の作品まで、様々だ。 その辺りは、普段のゆるさを反映しているのだけれど、 その代わり台紙に拘ってみたり、水墨画を添えたりと、 書道にあまり興味のない人にも、 目で楽しめるような展示になるよう工夫している。 今年は少し部員が減ってしまったので、 過去の作品も一部展示していて。 私も複数枚作品を出しているのだけれど。 ……ちらりと、そのうちの一枚、 一年生の時の作品を見る。 飛翔する鶴の絵が添えられた、その一枚。] (157) 2021/07/29(Thu) 2:20:26 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そう、去年の夏、落川先生に教えて貰ったあれだ。>>0:287 その後練習して、一番良い出来のものを選んだのだけれど…… 部内での評価は35点だった。 (※鶴は心の目で見てね) 先生、去年は、展示見にきてくれたんだっけ? 感想は……どうだったかな。 もし今年覗きに来てくれるようなら、 私はまた、しっかりお礼を言うつもり。 ちなみに、肝心の書の方は、 飛ぶ鶴に合わせて書くものを決めるという 本末転倒?な事になっていたけれど。 その内容に、深い意味は無いので。 ]無いったら無いので、何かあっても偶然なので。 そもそも何か勘付きそうな人は、 多分これ、読めないんじゃないかと思っている。(勝手に) (158) 2021/07/29(Thu) 2:24:22 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ところで、そもそも私が、 どうして書道をやろうと思ったかというと。 高校に入って、バレーを続ける気はなくて。 じゃあ何か部活をやるなら、何がいいかなと考えた時、 祖父の趣味の事を思い出して。 そう、書道は元々祖父の趣味だったのである。 私は、小さい頃から祖父の字が好きだった。 自慢ではないが、田邊 夕鶴という、 画数の差が物凄い私の名前を、 世界で一番綺麗に書けるのは、祖父だと思っている。 その祖父曰く。書に写るのは人の心であると。 現代の文字は、スマホの画面をフリックすれば、 どんな画数の字だってあっと言う間に完成する。 それを思うと、自分で書く文字の方が、 効率という点では圧倒的に劣るのだろうけれど。 でも、線の一本一本。 その勢いや、はね、はらいの伸び。 その全て、時間をかけて綴るからこそ、 書き手の想いが自然、そこに滲み出るのだと。 その祖父の考えが、私は好きで。 それから、ただの文字が特別なものに見えて。 だから私は、高校では書道部を選んだ。] (159) 2021/07/29(Thu) 2:27:20 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そうして選んだ毎日は楽しい。 放課後の墨のにおいも、 こうして人の書を眺めるのも、 そして誰かに文字を綴るのも、好きだから。 もし、落川先生が展示を見に来てくれて、 そういう感じの話をする事ができたなら。>>0:166 私は目を輝かせて、 祖父の話や、自分の思いについても、 ぺらぺらと喋ってしまったかもしれない。 ……それから、先生に向かって熱く語りすぎてしまった事。 恥ずかしくなって、すみません……と少し赤面し、 小さくならない図体をどうにか縮こめようと、 もぞもぞしていたかも。 とにかく、私の文化祭は、こんな感じで過ぎて行った。]* (160) 2021/07/29(Thu) 2:29:17 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 回想:隣の君へ綴る文字 ― [私が、そんな思いを持って書に向かうようになったのは、 高校に入ってからの事だから。>>159 勿論その事を、朱鷺也が知る事は無かったのだろう。 少し、記憶を遡って。 私達が、隣の席だった頃の話。 隣同士交換で、プリントや何かを 採点し合うような事、時々あったと思う。 そんな時、私ね。 君は知らないだろうけれど。 君が私を見なくなった分、 他の人と同じように、笑って話をしてくれなくなった分。 君の字の中に、何か、隠れていないかなって。 そんな気持ちでいつも、君の字を見つめてた。 ……授業の答案の中に、そんなのあるわけないのにね。 反対に、君には。 その、……正直、そこまで成績良くないでしょ?>>1:-52 時々大丈夫かなって、心配になる事もあって。 そっけない顔は保ちつつ、私は丸付けだけじゃなく、 時間の許す限り、正しい回答とか書き込んだ。 誰にでもそうしてますって顔でね。お節介だったかな。] (161) 2021/07/29(Thu) 3:06:08 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[それからね。そういう時。 採点者の名前の、記入欄があったら。 君が家に持ち帰るはずのプリントに、 いつもよりも丁寧に時間を掛けて、 私は自分の名前を書き込んだ。 君には、ただの文字でしか無かったかもしれないけれど。 これはきっと、君の知らない、ちょっとした私の秘密。]** (162) 2021/07/29(Thu) 3:07:17 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 夏・お祭りの後の話 ― [話は少し戻り。 夏祭りのあの日、浮かれた気持ちで家に帰った私は、 それはもうふわふわと浮かれていたので、 そういえば、お手伝いに行った時の願い事>>1:190 あれも、叶っちゃうんじゃないの? だって、ほら、うまく言葉にならなかった願いの方は 予想もできないくらい綺麗に、はなひらいてくれたのだし。 そんな事を考えて、ニコニコと弟に話しかけたら 「何、ウザいんだけど」 撃沈した。 はなひらの神様!……調子に乗ってすみませんでした。 でも、お祭りの帰りにちゃんと引き取りに行った、 堂本青果店のキュウリはおいしそうに食べてくれたから それで良しとする。食べ物だけが私達を繋いでくれる。 堂本先輩、ありがとう。] (210) 2021/07/29(Thu) 19:41:08 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[なお、その時、先輩は忙しそうで、屋台にはいなかった? ……とにかく私は直接話せなかった、と思うので。 対応してくれたのはおじさんか牡丹さんか、 受け取りの時に少し話をして。 私が青果店に行った時、聞き逃した言葉。>>1:305 多分、おじさん達には聞こえていたんじゃないかな。 それについて、私がもし何か聞く事ができたなら、 私はこの次青果店に行って、堂本先輩と会った時には 「明菜ちゃん」と呼んでみようかなって。 それはそれで、今更少し気恥ずかしいけれど、 明菜ちゃんを寂しくさせておく方が、私は嫌だから。 やっぱり未だに、お姉ちゃんには弱いので。 袋に書かれた「ゆづるちゃん」の字、 嬉しくて、帰りに撫ぜた。 ] (211) 2021/07/29(Thu) 19:43:09 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[余談。 弟は数年後に身長が伸び彼女が出来て 無事私とも仲良くしてくれるようになりました。 はなひらの神様!!ありがとうございました…… と、私は後日しっかりお参りに行った。 ちなみに弟が私に冷たくなった原因。 兄弟で一番、私の背が高かったとか、 兄弟で一番、貰ったバレンタインチョコの数が多かったとか、 色々、複雑な理由……?があったみたいだけれど。 どうやら止めを刺したのは、私が中三の時。 弟が憧れの先輩に玉砕した、直後のバレンタイン。 その先輩からのチョコが、 私の貰ったチョコの中に紛れていたそうで(兄に聞いた) 義理なのに。私は悪くないと思う…… でも、終わりよければ全てよし。 ちなみに弟の身長は、私を抜いた。よかったね。]* (212) 2021/07/29(Thu) 19:45:32 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 夏・初めての恋人の事 ― [祭りの日の夜、私はふわふわした気分のまま眠りに就いた。 「今日はありがとう。おやすみ」なんて、 寝る前にわざわざ、朱鷺也にメッセージを送ったりして。 そんな感じだったのに。一夜明けると、] ……! ……!? …………!!! [昨夜の自分を思い出して、 私は、朝から顔を覆って転がる羽目になった。 どうしてだろう。 夜はあんなに、幸せな気分でいっぱいだったのに。 昨日の自分の行い、夕方からの事も含め、 日の高い今になって思い返すと、あまりにも恥ずかしい。] (213) 2021/07/29(Thu) 19:46:41 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[だからと言って、前言を撤回する気は勿論ないので。 学校で朱鷺也に会えば、普通に……普通……? 少なくとも、フレンドリーに声を掛けるのだけれど。 掛けた、つもり。] お、お、おはよう朱鷺也。 あの今日も良い天気だね。それじゃ。 [……今までの態度に比べれば、 まだ親しげだった、はずなので。 多少の挙動不審や、どうしても視線が泳ぐのは、 もう少しの間見逃して欲しかった。 駄目かな? 今の私達には、二人の時間がたくさんあるわけで。 普通に話せるようになるまでに、 今度は、そう長い時間も掛からないから。] (214) 2021/07/29(Thu) 19:47:25 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ちなみに。 私、お付き合いをするのは初めてなので。 恋人って具体的に、何をどうして どんな風に過ごせばいいのか、わからなくて。 普通に話せるようになったらなったで、 私の方からは、特別仲の良い友達くらいの態度で…… なんというか。ぼんやりした交際期間?のような、 そんな時期が私にもありました。と思う。 あくまで私の方は、の話だけれど。 (お祭りの夜の大胆さはね) (きっと、今まで積もりに積もったものが) (花火みたいに、弾けたせいで) というかね。 多分、普通に話せるようになった事だけで、 しばらくの間、私は胸がいっぱいだった。]* (215) 2021/07/29(Thu) 19:49:15 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 夏・お祭り後の篠田屋さんで ― [お祭りからそう日も空けずに、 私は篠田さんの姿を探して、篠田屋さんに顔を出していた。 借りたリボンを返そうと思っての事である。 その後すぐに会う事が出来たか、 数度目の訪問になったか。 私は篠田さんの姿を見付けると、明るく声を掛けて] 篠田さん。この間はありがとう。 お仕事中にごめんね、これ返しておかなきゃと思って。 [そう言って、あの日のリボンを差し出した。 他のお店の人、ご家族かな、 そちらとも目が合えば会釈をして。] (216) 2021/07/29(Thu) 19:50:43 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[それから少し、話せる時間はあっただろうか。 それなら、] 篠田さん、お洒落の力ってすごいね。 なんというか……私が勇気を出せたの、多分、 篠田さんのリボンのおかげもあるんだろうなって。 あ、こっちの話。でも本当に、ありがとうね。 [と、篠田さんには何の話かわからなかったと思うけれど、 私は笑顔で、しみじみとお礼を言っただろう。] (217) 2021/07/29(Thu) 19:51:19 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[……ところで私は、あの時>>66どころか、 この時に至るまでわりと、こう、 ある人物の前では挙動不審に陥ったりしていたので。>>214 どうかな、篠田さん、察しが良さそうだから。 それか、稲出くんから何か聞いたりもしただろうか。 (私も、その後の二人の関係について聞く事はできた?) 私が直接、篠田さんに理由を聞かれたのは いつのタイミングだったかな。] え?!あ、あのお祭りの時の事? あ、あ、あの時はそのー…… ……えーと。あのね。あの時、すす好きなひとがね、 他の子と一緒にいるの、見ちゃって……。 いや、その時の事はもう、大丈夫なんだけど。 私、そんなに変だったかな……? 恥ずかしい……秘密にしてね。 [と。お世話になった篠田さんだから、正直に答えた。 その相手が篠田さんだった事は言わなかったけれど。] (218) 2021/07/29(Thu) 19:52:33 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんな感じで。 私と篠田さんの間には、 仮入部の時の事とか、お店への注文の事とか、 それ以外、それ以上の何かができたかもしれなくて。 だから私は、服を買いに行く時、 お店で篠田さんを見掛ければ、アドバイスを求めたり。 雑談しても構わないなら、他にも色々な話をして。 それから、こんな事も。] あのね、大分気が早い話なんだけど。 来年こそは、浴衣、着てみたいなと思っていて。 大きいサイズの注文って、 いつくらいからしておけばいいのかな? オーダーメイドで結構、高くなっちゃったりする……? [おそるおそる尋ねてみたのだけれど、 その返答によっては、私はこれからの一年、 色々なアルバイトに励む事になったかもしれない。] (219) 2021/07/29(Thu) 19:53:35 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[なので、とりあえず疑問をぶつけた私に、 稲出くんが協力を求めてきたのを受け。] ……あー、うん、ニヤニヤね……うん、わかる…… そういうの好きそうだもんね……。 そうかー……、なるほど…… [私は、遠い目になりつつ。 内心、自分の過去について考えていた。 ……あの頃、私にはそんな顔見せないくせに、 他では楽しそうにしているのを見て、 腹を立てていた事もあったなあ……って。 うん、そうだね。稲出くんのためなら、うん。 いいよね。協力するだけだから。 そう、これは稲出くんのためなので。] (241) 2021/07/29(Thu) 22:18:04 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴わかった。 私に何が出来るのかはよくわからないけど、 とりあえずその写真、全部貰うね。 今、連絡先教えるから、 あとでデータ送ってくれる? [私はそう言って、良い笑顔でスマホを取り出した。 枚数のほどがわからなかったので、 送受信はWi−Fiの方が良いんじゃないかと思い、 今はとりあえず連絡先の交換を申し出て。 そんなわけで。 黒柴に釣られたわけではないのだけれど。 しばいぬ 可愛いね。モフモフ。もふもふ。よーしよしよしよし!ふふふ。] (242) 2021/07/29(Thu) 22:20:00 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[それから私は時々、一人の時とか、暇な時とかに、 貰った写真を眺めてはニヤニヤしている。 例の画像を見ると、まだ吹き出しそうになるので、 それだけはちょっと、気を付けているけれど。 画像を受け取った次の日には、 なかなか朱鷺也と目を合わせられなくて困った。 何でもないよ、と言ったけれど、信じて貰えたかどうか。 うっかり一回だけ、] 輝神……ふっ。ふふ。 [と小さく漏らしてしまい、慌てて口元を押さえたっけ。 いやでも、そういう事なら、 >>195バレてしまった方が稲出くん得ですか? なお、一番のお気に入りは、無防備な写真の方。 暇があれば、何回も見てしまう。 稲出くんの動機はともかく、私は心から感謝した。 本当にありがとう稲出くん。 今度お返しするね。 (244) 2021/07/29(Thu) 22:26:50 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 文化祭の前、九月のある日・朱鷺也と ― え? [と、最初に尋ね返したのは、仕方なかったと思う。 だって、それは予想外の答えだったから。>>177 秋頃にもなれば、デートだって何度かしてた私達。 と言ってもお互い高校生の身、 例えば放課後の花巻庵で和菓子を買って、 近くの公園で食べるような、そんなのもカウントしてた? あれっ……じゃあそれはデー……>>88う、ううん私はきっとその話知らないから…… ともかく、その日は何かの帰り道で。 去年の事、笑い話のつもりで話した。 あの頃名前呼んでくれなかったから、 私はしっかり下の名前まで書いたんだよって。 それから、成績、最近どう? って、そのまま流れていく話題だと思ったのに。] (266) 2021/07/30(Fri) 0:02:10 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[その後、文化祭の話になって。>>179 君の照れ隠し、私は最初気付いてなくて、 普通に応じていたのだけれど。] あれ、なんで鶴の絵の事知って…… あ、もしかして、去年見に来てくれてた? 朱鷺也も実は、書道に興味持ってたりする? [藪蛇だったんじゃない?>>175 君も、 それから私もね。 だって。私は。 下手なりに、一生懸命、描いていたんです! 二回言われるほど……いやもうそれ四回言ってない?ねえ? それほどだったって、もし君の口から聞いたなら、 しかも、君の方が上手く描けるって???聞いたのなら、 ……どちらにせよ。今年も、私は鶴の絵を用意している。 一年前に35点と言われ、あれから再び練習を重ねたのだ。 今年は更に、(38)1d65点ほど加点されるはずなので!] (268) 2021/07/30(Fri) 0:07:15 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴今年はもっと頑張るよ。 良かったら、見に来て。 あ、ステージでパフォーマンスもやるんだ。 袴着るんだけど、今年は着物の方新調して、 篠田屋さんにお願いしてるから、 今から、着るのが楽しみなんだよね。 [そう話して、笑いながらお誘いもしてみた。 もし朱鷺也が来てくれると言うのなら、 自分の担当時間がわかったら、真っ先に伝えただろう。] (269) 2021/07/30(Fri) 0:09:02 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ところで。 そんな時間の、どこかのタイミング。 他愛ない会話の中の、一つの話題のように。] そういえば朱鷺也って最近、 何か欲しいものとか、好きなものってある? [そう聞いてみたのだけれど。 ……あからさまだったかな。 でも、もし何でって聞かれても、 別に。って私は答えるから。 君の誕生日くらい、もう知っていたよね。 ]* (270) 2021/07/30(Fri) 0:09:59 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 文化祭・篠田さんと ― [ あ、そこ見られ…… いや撮られ!!?>>172 ている事に、私は気付かない。そう気付かなかったのです。 演技の後、客席から篠田さんが 大きな拍手を送ってくれた事には、勿論気付いた。 舞台を下りる前の一礼に、やっぱり笑顔を乗せて返す。 その後、展示の方にも来て貰ったから、 そこで改めてお礼を言って。>>173] 篠田さん!こっちにも来てくれたんだね。 今日はありがとう。手を振ってくれたの、見てたよ。 拍手もすごく嬉しかった。 あ、勿論このユニフォームも! みんなとても気に入っていて。 これのおかげで私も、すごく気合いが入ったし。 本当にありがとうございましたって、 ご両親にもまた伝えて貰えたら嬉しい。 [先に他の部員と話をしているのも見えたので、 部員達の感想はもう、聞いていたかもしれないけれど。 その後は、せっかく来てくれたのだし、 何か質問があったりすれば、私が答えようと。 作品を見る篠田さんの方を、私も見守っていた。] (273) 2021/07/30(Fri) 0:13:26 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[またもう少し後の話。 篠田さんに割引券を貰っていたので、 一人の時間ができたら、私も茶道部の方に寄らせて貰った。 どうせなら篠田さんのいる時間に行きたいと、 券を貰った時に担当時間を聞いておいたので、 その時間に合わせて。] 篠田さん、来たよ。 さっき言いそびれていたんだけど、 今日の和服姿も、すごく素敵。 ねえ、私も写真撮らせて貰っちゃ駄目かな? [と、和服についても感想を。 私も先ほど、舞台の上から、 写真を撮られている事自体は気付いていたので、 お返し……というわけではないけれど。 篠田さんが頷いてくれるなら、何枚か撮らせて貰って。 その場でこっそり、その帯、誰かさんに横流ししましょう。 添える文面は「もう見た?」で。 こっちはお返しになったかな?>>244 そんな事もあったかなかったか。 ちなみに、私のお茶の出来については、 40点という所だったもよう。]** (274) 2021/07/30(Fri) 0:15:29 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[書道については、ばっさり言われてしまって。 だよね……、わかってはいたけれど、ちょっと意気消沈。 でも、見に来てくれると聞けば、すぐに気を取り直す。 当日、顔を見せてくれたら喜んで迎えたし。>>309 ]そこはバッチリ見なくて良かったんだけどね!? ねぎらいの言葉には、ありがとうとお礼を言ったし、 作品を見てくれたら、あれこれ説明もしたかな。 朱鷺也はやっぱり、 そんなに興味無かったかもしれないけれど。 「私、手書きの字って好きなんだよね。 今度、朱鷺也も何か、手紙でも頂戴。」 と、冗談半分、期待半分で言ってみたりもして。 (327) 2021/07/30(Fri) 18:54:17 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[好きなものが自転車だと聞けば。 さ、さすがにそれは予想外……というか、 贈りたくても贈れない。と内心頭を抱えた。 だってそれなりの自転車の価格は…… 高校生の誕生日プレゼントでそれを贈ったら、 かなり重いかなって。さすがの私にも、わかって。] そ、そっか。変わってないね。 そういえば、初めて会った時も 自転車見に来たんだもんね。懐かしいな。 [なんて、思い出話に繋げて。 たい焼き、は頭の片隅に留めたけれど、 それはそれで、うーん。ううーーん。 でも、昔の朱鷺也を思い出すと微笑ましかったので、 そっちはそっちで、笑いつつ。 私の悩みは一旦置いておいて、 その日は普通にお喋りをして、終わったんだと思う。] (328) 2021/07/30(Fri) 18:55:31 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 十月一日 ― [月の始め、その日の前日に。 私は朱鷺也に「明日の放課後少しいい?」と、 予め約束を取り付けておいて。 自分の方は、部活の休みを取っていた。 いざ放課後になったなら、 朱鷺也には公園で待っていて貰い、 私は花巻庵で、ほかほかのたい焼きを買って来て。] 今日、誕生日だよね。おめでとう。 これ、プレゼント。 多かったら、つぐみちゃんとかにも分けて。 [そう言って差し出した。 …………だって、他に思い付かなくて……。 だけど、心ばかりの贈り物。 たい焼きとは別に、小さい紙袋を一つ、添えていた。] (329) 2021/07/30(Fri) 18:56:38 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[私はこの数日間、お裁縫に挑戦して。 篠田屋さんで買った和柄の端切れで、お守り袋を作っていた。 袋が完成したら、中に入れる紙に、一筆したためて。 祖父にお願いして、すごく良い匂いのする、 一番良い墨を貸して貰って、自分で磨った。 朱鷺也の願いが叶うようにと、 丁寧に想いを込めて書いた字は、ほんのりと香り立ち。 それから、二羽の鳥の絵も添えて。 鶴と朱鷺……ぎりぎり判別可能、だと思う。 お守りを開ける事ってそんなに無いと思うから、 朱鷺也がそれに気付くかどうかはわからないけれど。 私は別に、気付かれなくてもいいと思って。 丁寧に丁寧に、それを作った。 神社のお守りと違って、特別な御利益は無いけれど。 でも他に何も用意できなかった分、 せめて気持ちだけは、いっぱい詰め込んで贈ろうと。] (330) 2021/07/30(Fri) 18:57:59 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんなお守りを入れた紙袋を、 朱鷺也がその場で開けるなら] あの、自転車はちょっと、 さすがに用意できなかったから。 朱鷺也のお願い叶うといいね。ってお守り。 ……効果のほどは、保証できないけど。 き、気持ちだけでごめん……。 [そう説明する。 それから、やっぱり『ナシ』なプレゼントだったかなあ…… と、朱鷺也の反応を窺っただろう。] (331) 2021/07/30(Fri) 18:58:55 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[朱鷺について、調べた事があって。 その時、朱鷺色というのは、東雲色や曙色の、 夜明けの空に近い色なのだと、そう書いてあって。 朝焼けの朱鷺 に、夕暮れの鶴 。その色合いは、どこか似ている。 私達の名前にまたお揃いを見付けたような気がして、 私は、なんだか嬉しくなった。>>0:258 私の浴衣のオーダーは「朝焼け色」。>>220 その意味をわざわざ、自分から語る事はしないけれど。 朝の色か。夕の色か。それとも朱鷺色か。 君がこの色を見てどう思ったかわからないけれど。 私はどれだと言われても、「そうだよ」と答えるだろう。 朝焼けを飛ぶ鶴。夕暮れを飛ぶ朱鷺。 それから、君の名前の色。 私はどれでも、構わないから。] (372) 2021/07/30(Fri) 21:54:10 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そうして今年も、また屋台を巡ろう。 商店街のみんなの所にも行って、 あれやこれやと買い込んで。 花火を見るのは、またあの階段で。 今年は浴衣なので、急に走り出したりしませんよ? みんなが花火を見てるから。 私はこっそり、君に手を伸ばそう。 さすがにもう、手を繋ぐくらいでは 挙動不審になったりしないけど。 でも、一年前の事を思い出すと、 少しだけ、私の頬は染まり。] (374) 2021/07/30(Fri) 21:56:14 |
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