【人】 二年生 田邊 夕鶴……なーんだ、最初に言ってよ! すごい勢いで、びっくりしたじゃない。 [男の子に指名手配(?)された理由がわかれば、 ほっと胸を撫で下ろしながら、文句を言って。 おどおどした態度がすぐに引っ込んだのは、 私が男兄弟に挟まれて育ったからとか、 元気いっぱいな男の子の雰囲気が話しやすそうに感じたとか、 そんな理由もあったけれど。 一番はやっぱり、 お気に入りの真新しい自転車を褒められたから。 そう。 私の自転車は、褒められて然るべき逸品。 誰彼構わず自慢したかったというのが、本当のところ。 聞けばあのお店の息子さんだと言う彼に、 さすが、自転車屋さんの子はわかってるなあ。 なんて感想を抱いて。] (213) 2021/07/22(Thu) 11:29:46 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ところで、彼は自分の自転車に乗って来ていただろうか。 もしそうなら、自転車屋さんの子供は、 どんな自転車に乗ってるのかなと、 私の目が向くのは自然な流れだったと思う。 もしそうなら。] …………… …………… [塗装が剥げていたか、型落ちしていたか……>>206 は、関係なく。 私の視線が釘付けになるのは、そこにあるべき補助輪が、 きれいさっぱり取り払われているその部分。 同じ年くらいだと思ったのに…… 裏切られた…… なんて感想を、抱いてしまったかもしれない。 私の自転車に、彼が乗ってみるという話になっていたなら、 代わりに彼の自転車を借りて、 補助輪なしを試させて貰えたりもしただろうか? 背の高い私にも、背伸びしたいお年頃はあったのだ。]* (215) 2021/07/22(Thu) 11:33:08 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a61) 2021/07/22(Thu) 11:35:39 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 続・提灯の飾り付け ― [脚立を運ぶ最中に、掛けられた声に振り向けば。>>216] あ、篠田さん。 篠田さんも手伝いに来てたんだね。 [そうか、そういえば名前があったような。 社務所でちらりと見た名簿の中身を思い出しながら、 改めて、お疲れ様、と挨拶をした。] 手伝ってくれるの? ありがとう。 高い所のは大体終わらせたと思うんだけど、 まだ提灯残っていたはずだから、 そっちもやっちゃおうかと思って。 手が空いてるなら、一緒にやってくれたら助かるな。 [脚立運びは、戻しに行くだけだから大丈夫だよ。 と、そう伝えるけれど。他の仕事でも構わないのなら、 それじゃあ、一緒に提灯取りに行こうか。 と言って、提灯置き場に案内しよう。] (228) 2021/07/22(Thu) 13:47:02 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんな感じで、私としてはすっかり顔見知りの反応だ。 仮入部に来てくれた事は勿論、 部員一同大歓迎した事もしっかり覚えている。 入部して貰えなかったのは残念だけれど、 見学に来てくれただけでもありがたいくらいなので、 特にしこりなどが残るわけもなく。 大体、とても行儀の良い仮部員だったように記憶している。 試しに書いて貰った書にも、真面目に取り組んでくれて。 丸みのある文字を覗き込みながら、] 可愛い字だね。花びらみたい。 篠田さんの雰囲気にぴったり。 [と感想を述べたのだけれど、篠田さんの反応はどうだったか。 もし、格好良い字を目指していた?ような事を聞いたなら、 可愛い字だって個性だし、私は好きだよ。 というような事を伝えていたはず。] (229) 2021/07/22(Thu) 13:48:24 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[それにしても、しっかりした後輩である。 今だって、上級生に自ら手伝いを申し出て。 やはりお店の手伝いをしているからなのだろうか? と、篠田屋さんの事を思い浮かべる。 仮入部に来た新入生の 実家まで知っているのには、理由があって。 お店の屋号でわかるって?そうなんだけど、どうか最後まで聞いて欲しい。 あれは確か、篠田屋さんの店先に 浴衣が並んですぐの事だったはず。] 「ねえねえ、あそこの服屋さん、 和服も扱ってるんだって!」 [と言って、書道部の先輩が部室に駆け込んで来たのは。] (230) 2021/07/22(Thu) 13:50:21 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ここで一旦、話は遡るのだけれど。 時はユニフォーム戦国時代。 新入部員獲得に各部がしのぎを削る中、 今の三年が抜ければ廃部寸前の我が書道部は、 春の部活動紹介において、袴姿にたすきを掛けて、 華やかな書道パフォーマンスを披露する事で ぜひとも我が部に、と一年生を勧誘していた。 うちに入れば、こんな事できますよ、の他に。 こんな格好ができますよ、というのは、 動機としては少々不純かもしれないけれど。 あの部もその部もこの部だって、 しっかりアピールしているわけで。 つまりどういう事かというと。 通販で購入した洗いやすさが取り得の上下セットは、 和装という物珍しさはあっても、 華やかさなんてちっともなくて。 運動部と変わらない……どころか、 防具を着けた弓道部員と比べると、格好良さでは数段劣る。 これではいけない!と頭を悩ませた先輩部員達は、 文化部ならではの、何かこう…… 文化的なユニフォーム用の袴セットを欲していた。] (231) 2021/07/22(Thu) 13:51:53 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんな書道部に朗報が。 なんと、良心価格で和服を取り扱うお店があるらしい。 正確には浴衣だったのだけれど。 例え和服を取り扱っていたとしても、 部活用ユニフォームの注文なんて、 受けて貰えるかどうかもわからなかったけれど。 駄目元で交渉に行った部長と、付き添いの顧問と、 彼らの持ち帰った返事はどうだったっけ。 返事はどうあれ、そんな事があったので。 仮入部に来てくれた篠田さんが 篠田屋さんの娘さんだという事は、 私を含めた書道部の皆が知っていて。 花一高書道部の者です、この間はお世話になりました。 なんて言いながら、お店の方にお邪魔して、 お手頃価格のTシャツを数枚買って帰ったのはつい先日の事。 帰り際、綺麗な浴衣を眺めて。 私には似合わないだろうなあ、と、 手に取る事はせず通り過ぎたけれど、目に楽しかった。 ほら、着丈とか。男物の方が合いそうな予感すら…… (232) 2021/07/22(Thu) 13:53:20 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そういう事もあったから、 そちらの印象の方が強く残って、 私が篠田さんの仮入部の事は覚えていないかも? なんて思われているとしたら。 そんな事はない、ちゃんと覚えているよって、 話す機会があったなら、そう言うのだけれど。]* (233) 2021/07/22(Thu) 13:54:23 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a65) 2021/07/22(Thu) 14:00:26 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― かつて、トキヤくんとのこと ― [特に、性別を隠していたわけでもなく。 かと言って、特に、訂正するでもなく。慣れていたので。 そんな感じで、どっちかなー?と思われる事は>>222 度々あったかもしれないけれど、私は無頓着だった。 小さい頃は、どうにも『私』という一人称が気恥ずかしくて、 自分を名前で呼んでいた事も、 色々と拍車を掛けていたかもしれない。 今思うと、自分を名前で呼んでいた事の方が ]よほど恥ずかしいのだけれど。 小さい子供の言う事だから許されていたと信じたい。 そう、信じて、記憶に蓋をして、 この話は蒸し返さないようにしよう。そうしよう。 (248) 2021/07/22(Thu) 15:24:37 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[食い気味の返事に圧されながらも>>223 どうぞ、と自分の自転車を差し出して。 嬉しそうにペダルを漕ぐ姿を見られたなら、 私は満足げな顔で、ニコニコと見守っただろう。 代わりに差し出された、補助輪なしの自転車に、 乗れる?と尋ねられれば、神妙な顔をして。] ……やってみる。 [キリッと言いながら、頷いた。 脳裏に浮かぶのは兄の顔。 補助輪付きなんて、まだまだだな〜。お子様だな〜。 と言いたげなあの顔を思い浮かべると、 俄然やる気が漲ってきて。 そうだ、家族に面倒を見てもらわずに、 自分で補助輪なしの自転車を乗りこなせるようになったら、 どんな顔をするんだろう? それはとてもいい考えに思えて。 だから、練習をしようと広場に誘われたなら、 二つ返事で草むらまでついて行った。] (249) 2021/07/22(Thu) 15:25:42 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[運動神経は、悪い方じゃないけれど。 一日二日で乗りこなせるようになるほど、良くもなく。] ……教えてくれる? [と頼んだら、何かコツを聞けたり、 後ろを支えて貰ったりもしただろうか。 子供同士じゃ支えるにも限界があって、 一緒に転んでしまった事もあったかもしれない。 もし怪我をさせてしまったなら申し訳なくて、 すごく謝ったと思うけど。 それでも家族には内緒にしたい、とお願いしたら、 我儘を叶えて貰えたかな。 そう、あの頃から身長はぐんぐん伸びていて。 あの年も。あの年も。 私の方が背が高かったのを覚えている。] (250) 2021/07/22(Thu) 15:26:34 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[でも、さすがに薄情だったなと後日後悔したのは、 出会った年の夏休みの終わり、私が家に帰る時。 トキヤくんに伝えるのを、すっかり忘れていた事。 毎日のように遊んでいた相手が突然姿を消したら、 さすがのトキヤくんも、うちの祖父母に確認に来ただろうか。 言い訳をすると。 私にとってはもう、恒例行事のようなものだったから、 毎年、来るのも帰るのも当たり前になっていて。 誰かに連絡するという発想自体が抜け落ちていたのだ。 次の年、ごめんなさいを言おうと、 私から会いに行ったのだけれど。 久し振りって声を掛けた時、 トキヤくん、どんな顔していたっけ。]** (253) 2021/07/22(Thu) 15:30:20 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a68) 2021/07/22(Thu) 15:37:34 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 続・提灯の飾り付け ― [脚立を無事元の場所に戻し終えたら、 一緒に来てくれた篠田さんと、>>241 残りの提灯飾りを分配して。] うん、これで最後みたいだね。 それじゃ、一気にやっちゃおうか。 [と言って、次の飾り付け場所に移動した。 私がさっきやっていた場所と違って、低めの配置。 脚立は無くて済みそうだけれど、 私には十分手が届く範囲に見えても、 篠田さんにはどうだったかな。] あ、これはね、こんな感じで……。 [と、飾り付け方の質問をされれば、>>245 近くで手本をひとつ見せ。 もし高さで難儀するような事があれば、 ちょっと貸してみて、と 横から手を伸ばしてみただろう。] (303) 2021/07/22(Thu) 21:48:24 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そうそう、浴衣の話をした時に、 書道部のユニフォームの事にも話が及んで。 部員の金銭的負担なども考えた結果、 篠田屋さんへの注文は、上着の方のみ、 という事になっていたのだけれど。 その代わり、袴に合わせた 着物の色柄などを(予算内で)しっかり検討して。 秋にまた着る機会があるから、 それまでに、という納期の話はどうなっていたか。 もし難しければまた来年の春までに、 となっただろうけれど、 引き受けて貰えていたら、現在進行形で、 お家の方を忙しくさせてしまっていたかもしれない。] (306) 2021/07/22(Thu) 21:52:33 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[篠田さんからは、お祭りの服装の事や、 明日の予定などの話は聞けただろうか。 だとしたら、きっと楽しくお話できたと思う。 私の方は結局、浴衣を用意してはいないのだけれど。 いいんだ、見せる相手も特にいないし……。 そう、私は今のところ、お祭りぼっち参加の予定なのである。 思い出して、浮いた気持ちがちょっと、しょんぼりした。] (307) 2021/07/22(Thu) 21:53:52 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんな感じで、ほのかに浮いたり沈んだりもしたけれど。 提灯を全て飾り終えた頃には、 花一高校のお手伝いの時間も、 そろそろ終わりに近付いていただろうか。] お疲れ様。ここはもう大丈夫。 他もそろそろ終わる頃かな? [そう声を掛ければ、篠田さんはどうしただろう。 まだ終わっていない所があれば、 そちらに向かう事も考えつつ。 私は、帰る前に一度、 本殿にお参りして行こうかなあ、などと考えていた。]* (308) 2021/07/22(Thu) 21:54:55 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a79) 2021/07/22(Thu) 21:58:52 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― かつて、鳥仲間の友達と ― [そうだ、何もトキヤくんまで 秘密にしておく理由は無かったはずで。>>257 でも子供同士、大人に秘密の話を共有する事は、 少しの後ろめたさと、それ以上の楽しさがあって。 私はいつも「この事は内緒ね」って念押しをした。 草むらの秘密基地で、秘密の特訓をした日々。 開けた場所が秘密基地だなんて、 今思い返すと、なんだかおかしいけれど。 いざ補助輪が取れて、秘密にする必要も無くなったら、 私はちょっと、つまらないなと思ってしまって。 すいすい乗れるようになった事、 トキヤくんはとても喜んでくれたのに、 私は「ありがとう」と笑いながらも、 どこか不満そうなのが態度に出てしまっていた。] (330) 2021/07/22(Thu) 23:20:54 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[お揃いの、鳥の名前には、私も目を丸くして。] わあ、お揃い!すごい偶然だね。 朱鷺ってどんな鳥? [鶴も朱鷺も、日常で本物を目にする機会は無かったから、 私は上手く説明できなかったけれど、 朱鷺也くんはどうだっただろう。 妹さんの名前も教えて貰ったら、 それはどんな鳥?とまた聞いてみたりして。 私は私で、兄弟の話をして。 うちは、兄が少し年が離れていることとか。 弟は二つ下なんだとか。 そんな中で同い年なことは判明したと思うので、 ]この辺もきっと、二年目以降の話だったよね。 (332) 2021/07/22(Thu) 23:22:59 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[男の子じゃないってわかったら、 思い切り謝られたのは解せなかった。] なんで謝るの? 何か悪い事した? [と首を傾げて。 くんもちゃんもどちらでも、無くたって構わないけれど、 夕鶴、と親しげに呼んでくれるなら、 私もいつの間にか、お揃いの呼び方をして。] 朱鷺也!待ってたよ。 早く行こう! [そんな風に。 気軽に遊びに出掛けられる友達が出来た事、 嬉しく思っていたはずなのに。] (333) 2021/07/22(Thu) 23:23:49 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[>>261その節は、本当に、ごめんなさい。 深く反省している。 翌年顔を合わせた時の朱鷺也の反応に、 そこまで驚かなくても、と思ったけれど。 一瞬、その顔が歪んだように見えて、>>262 それで私も、なんだか悲しくなってしまって。 申し訳ない事をしてしまったと、心から思った。] 自転車はもう完璧。 もう少ししたら、弟にも教えてあげるんだ。 [お姉ちゃんだから、先生をしてあげないとね。 なんて偉そうに言って。 秘密の特訓がいらなくなって寂しく思ったの、 朱鷺也が気付いていたかどうかはさておき、 自転車が無くても遊んでくれるなら勿論嬉しくて。 でもそんなの当たり前だよねって顔をして、 私はその年の夏も、元気に走り回って遊んだ。] (334) 2021/07/22(Thu) 23:24:58 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんな交流が、いつまで続いたんだったかな。 中学生になるまで、同じように親しくしていてくれたなら 私は今度こそ、きちんと会いに行ったはず。 真新しい制服を着て。 多分、朱鷺也には見せた事の無かったスカート姿。 似合わないでしょ、と笑って言って。 小学校と中学校では、学区も微妙に違っていたりして、 朱鷺也も私も、交友関係に変化があったんじゃないかな。 私の制服は、朱鷺也の中学とは別のもの。 私、バレー部に入ったから、 夏の間も練習で、あまりこっちに来られないかも。 そう、ちゃんと伝えていたはずだ。] (336) 2021/07/22(Thu) 23:27:29 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[それじゃ、またね。の次の、久し振り。 私はいつ言えたんだろう。 同じ高校に入って、同じクラスになったら、 名前を確かめなくても君に気付いたけれど。 私の方は随分、変わった気がしていて。 だから、] 蓮見くん。 [今の私は、君をそう呼んでいる。]* (337) 2021/07/22(Thu) 23:28:13 |
(a85) 2021/07/22(Thu) 23:33:35 |
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