機才博士 ウキクサは、メモを貼った。 (a16) 2023/11/23(Thu) 20:46:02 |
【人】 機才博士 ウキクサいいえ? ただ──貴方たちにうちの子はどれほど近付いたか、と。 ……気になりましたので。 [ ここの研究員、患者、被験者は。 基本的に外界を知らず、記憶すら朧な者も多い。 彼らに何かを教えるのはウキクサであり、 それはつまり情報統制を行えるのとほぼ同義だ。 一滴違う味を知った彼らが、どんな反応や行動を見せるか 博士には興味の尽きぬ噺である。 円環という言葉を博士は好んでいない。 植物を愛する博士にとって、己の一部を例える言葉は 当然" 世界樹 "の方がふさわしい。 ──頭に螺子をつけようという発想に至ろうと 博士はあくまで、人と植物の博士なのだ。 ] (154) 2023/11/24(Fri) 20:05:19 |
【人】 機才博士 ウキクサ貴方たちもご存知かと思いますが。 メディウム──こちらの新人類である彼女などは、 植物が身体に強く根付き、日々痛みを訴えています。 薬がなければ生活も難しいでしょう。 人間の臓器移植のように、 あれは植物に対する人体からの拒否反応のようなもの。 そもそも、身体の植物と共存できるか。 単なる栄養素の媒介になっていないか。 ……適合とはそういうものです、ここではね。 [ 紡いで、博士は何かを思い出すように目を伏せた。* ] (155) 2023/11/24(Fri) 20:05:23 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ 心とは人体の神秘だ。 定められた枠組みに非ず。 時に誰もが予想していない方へ舵を取る。 夢を見たいと思って見れないのと同じで、 操作したいと思っても出来ないのがこころなのだ。 不完全で未発達で未解明の目に見えない臓器。 私が心を保持させたいと願うのは。 それが人間に与えられた機能であると思うから。 創世神話にある、アダムとイヴが食べた知恵の実。 あれこそ人間のこころそのものだ。 食べる前のアダムとイヴは、ただの肉体に過ぎない ] (159) 2023/11/24(Fri) 20:30:45 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ では仮に。 人のように思考するAIと、 人の思考が区別もつかなくなったらどうするのか? 博士はその答えを持っていない。 そしてきっと、" 人には心があるべきだ "という 博士にとっての旧人類への執心も消えぬだろう。 ] (160) 2023/11/24(Fri) 20:30:55 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ 博士は心を愛している。 かつて、心のままに生きて死んでいった人が 死を前にしても後生大事に抱えて離さなかったモノ。 あの人を、博士は特別大事にしていた。 ] (161) 2023/11/24(Fri) 20:31:05 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ 博士のルーティンはいついかなる時も変化がない。 予期せぬ場所へ居ることなど滅多に起こらず、 その時その時で必要なことを随時行う。 患者の診察。時に同伴した研究員へ種をやったりだとか フランクルの螺子を締めてやるのも博士の業務だ。 ついでに日々何かしらの花を渡している。 緋雁に逃げられて以降も、 相変わらず擦れ違えば微笑んで通り過ぎることもあり また逃げられたなら、やはり追い掛けることはせずに。 しかし。 博士とて、いかに客人を放任する性格であろうとも、 仮にも施設の所長を名乗る人間である。 堂々持ち歩かれた槍を見過ごす訳にはいかなかった。 ] (163) 2023/11/24(Fri) 20:31:13 |
【人】 機才博士 ウキクサ……お客様の頼みであれば。 またとない機会でしょうから、ね。 [ 踵を返し場を辞そうとする個体を追うことも、 答えを返そうという様子もなく、博士は頷いた。 それから、続きの言葉を耳に入れ ] (166) 2023/11/24(Fri) 20:41:33 |
【人】 機才博士 ウキクサ──────それはそれは。 随分と面白い個体ですね、彼は。 頭に留めてはおきましょう。 保証はしませんよ。 草木にとって、果実にとって、或いはそれ以外にも " なにが風になるかは分からぬものです "。 [ 下手な約束など結ぶ方が危なっかしい。 博士には危機管理能力というものが備わっているが、 しかしまた、好奇心を殺せぬ研究者でもある。 曖昧に答えて、その背を見送り 己もまた研究室へと足を運んだ。* ] (167) 2023/11/24(Fri) 20:42:15 |
機才博士 ウキクサは、メモを貼った。 (a56) 2023/11/24(Fri) 20:42:46 |
【人】 機才博士 ウキクサ……なら構いませんよ。 なおさらどうして持ち歩いているのか分かりかねますが。 [ 今まではそもそも持っていなかったはずだ。>>169 ここへ来た時だけは彼らも武器を所有していたけれど、 以降は控えている個体もいた。 彼はその一人──いや、一体だった。 何か命令でも変化したのかと思ったが、違うらしい。 戦意がないのを示すような挙動に目を細め、 それ以上は咎めずに、唐突な問いへ首を傾いだ。 ] どうして人は自殺を選ぶのか。 なかなか難解なことを気にしますね。 [ ふむ、と博士は暫しの間考え込む仕草を見せ、 間を置いてからまた口を開いた。 ] (171) 2023/11/24(Fri) 21:19:22 |
【人】 機才博士 ウキクサ単純明快なものとしては、死にたいからでしょうね。 苦しいことや辛いことからの逃避手段として最適です。 或いは成したいことのために、その通過点として、 あるいは" 命すら惜しまぬ "ことの証左とするように 死を選ぶ人間もいます。 本来の生存本能に反してその道を選ぶのは、 心が枯れるか、心の欲求に従いすぎるあまりか、 ……概ねそんなものでしょうか。 (172) 2023/11/24(Fri) 21:19:33 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ もっと細かく挙げることならいくらでも出来るだろうし 人類の生命構造に寄せて、 脳内物質や脳神経の話でも解説は出来るのだろう。 しかしそんな知識こそAIは知っている筈で 論文をなぞるようなものだ。 故に博士は、やはり心を持ち出した。 それが博士にとっての思考や理念の基盤であり、 語るに外せぬものだからだ。** ] (173) 2023/11/24(Fri) 21:19:36 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ 機械にも" お守り "というものが必要とは。>>184 通常それは心がある生き物に特有の文化であり、 博士は少しばかり面白そうな目でその個体を見た。 日が経ち冷静にでもなったらしい。 否、お守りを引っ提げた時点で完全に冷静ではないのか。 彼にとって、己の中のなんらかが揺れた時、 システムではなくお守りがセーフティに成り得るなら ──その構造は非常に人に似ている。 ] 同族殺しの最中に自死をも厭わなかったのか、 自死のために同族を連れ立ちたかったのか…… いずれにせよ、自殺とはいえるでしょうね。 [ 自分の命も顧みぬなら、それは自殺と呼んでいい。 ひとりで己を傷付け死ぬのか、 殲滅されるひとりとして死ぬのかの違いだ。 ] (261) 2023/11/25(Sat) 21:14:30 |
【人】 機才博士 ウキクサ………………なるほど。 貴方の設計者を貴方が殺したということは、 特定の人物に対するセーフティーロックも無いのですね。 能動的な自殺か、受動的な自殺か。 或いはもっと別の── 己の命すら研究の完成パーツとする思考ゆえか。 どちらにせよ、自殺の意識があるかはともかく そうですね……貴方の仰る通りかと。 [ やっと正しく動いたな、が最期の言葉なら>>185 研究者にとって彼の完成は喜ばしいことだったのだろう ────そして、そこがきっと頂点だ。 通過点ではなく終点。 生み出した個体がその後どうなるかを見る道を選ばず 己の道を閉ざす、というのは。 ] (262) 2023/11/25(Sat) 21:14:35 |
【人】 機才博士 ウキクサそれで。 貴方は己に刻まれた使命を、存在意義を " 正しく動く "ことで果たしたなら 貴方はそれを、嬉しいと思うことはあるのですか? [ 博士が気になるのは、 彼がわざわざお守りを携えてまで " 人の自殺 "について訊いてきたことだ。 いうなれば親のような存在の、 遠回しな自殺に思うところでもあるのだろうか。 興味を探るように、博士は首を傾げた。* ] (263) 2023/11/25(Sat) 21:14:41 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ そもそも、" 設計的に望ましくない "とは、 一体どのような線引きで決められたことなのか。 旧人類に敷かれたレールを護りながら、 旧人類を殺し続けるAI。 博士にはやはり彼らを理解することは出来ないけれど、 その在り方自体を見てみたい、とは思っている。 ああ、残念だ。 かの設計者が存命であるならば、 ぜひとも一度話を聞いてみたかったというのに。 ──この個体が、 " こうある "ことは貴方の設計通りなのかを。 ] (276) 2023/11/25(Sat) 22:25:06 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ 旧人類を殲滅するという命令を組み込むのと同じように " どのような個体か "もまた科学で整形されるはず。 たかが人間と話すのにお守りを持ち歩く脆さ。 " 人のように論理的に考える "のではなく 曖昧な、正答のないことも考えようとする柔さ。 彼岸の名を持つ個体に殺されることこそが 悲願で、己の研究成果だったというのなら── 迷路のような事象への興味は必要だったか? ] (277) 2023/11/25(Sat) 22:25:11 |
【人】 機才博士 ウキクサ精神、ですか。 壊れかけて、しかし貴方は今も稼働を続けている。 殺したなら貴方を修理したのは別の者? まるでテセウスの船のような話ですね、それは。 [ これだけ会話を続けていて>>272 彼の言う精神が、人の精神を指すとは思わない。 比喩めいたものと理解し、ふむ、と考えて 博士はひとつのパラドックスを思い出した。 ] 旧人類の罪ならば、 貴方たちが擁する新人類の罪に親殺しは無いと? ふふ、そう──旧人類の罪を犯して混乱するなんて まるで人の罪が貴方に仕込まれているみたい。 だって、旧人類の罪は、機械の罪じゃないのに。 [ " たった一人しかいないみんなの親 "なんてもの 機械にそこまで大切だろうか? ] (278) 2023/11/25(Sat) 22:25:21 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ そも、親だろうと何だろうと、殺人は等しく罪だ。 人間の世界における倫理観はそうやって出来ていた。 興味と関心を隠さず、彼の補足を耳に入れ>>273 博士は続け様の質問に首を傾いだ。 ] おやおや、質問の多いお客様ですね。 バベルの塔という空想話、ご存知ですか? 人間が神の領域に手を伸ばそうとし、塔を作り、 けれど怒りを買って破壊されてしまう話です。 驕った者が堕ちていく時に用いられる。 貴方たちにとっての殲滅対象は いわばその話によく似た認識であるはず。 [ 頭上のデータベースから出力した過去の会話は>>1:111 利と興の優先、罪、といった単語が出されていた。 ゆえに殺さずにいられないと。 ──罪深き存在は消さねばならないのだろう。 世界、そして新人類のために。 ] (279) 2023/11/25(Sat) 22:25:29 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ しかし。 博士にはどうにも分からないことがある。 ] 旧人類は罪を犯し、結果として貴方たちに殺されている。 使命として。必要なこととして。 ──機械が描く世界の為に。 それは、 旧人類の罪と、どう違うのですか? [ それが正しいことだから、と返されるのだろうか。 博士にとっての人の心の可能性は。 あらゆる事象への疑問を、思考を常に巡らせる自由があり それらへどのような感情を抱くことも正解であり。 そして、──。* ] (280) 2023/11/25(Sat) 22:25:35 |
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