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【人】 天原 珠月私の方はね、向こうに落ちたらすぐアスルさんっていう……ペルラさんの恋人の、飛行機乗りさんと合流したの。 雅空兄ぃみたいなメガネかけてない代わりにめんどくさがりな髭を生やしてて、30歳くらいかなぁ。 最初生き別れのお兄さんかと思っちゃった。 [とてもよく似ていたから。 そう言って、見慣れた幼馴染をじっと見つめた。] すぐにペルラさんがどうにかしようとしてるならって考えてくれてね、力が伝わりやすいところに向かうことになったの。 そこまでは飛行機で旅して、途中水上都市に寄ったり。 [幼馴染はペルラから向こうの世界の概要は聞いているようだから、生き生きと自分の体験した感想のほうを語っていく。 飛行機から眺めた景色、空の青さ、雲の中を突っ切ったこと、風の柔らかさ、あと本当は最初結構怖かったことも。] 野営っていうの……まぁキャンプみたいな感じかな。 景色も良いし寝にくくはなかったけど……、 うーん、保存食だからなー。 [なんて食い意地の張った感想も溢れだすのだった。*] (112) 2023/03/12(Sun) 16:04:03 |
【人】 天原 珠月[ふたりだけの秘密。>>121 自分から言い出したくせに心臓が跳ねて変な心地がした。 コタツの中でもぞもぞと足先が動いてしまう感じ。 表情が分からないようにマグカップに口をつける。] 雅空兄ぃが行きたくなっても、ひとりではダメだからね。 [たしかに破格の旅行体験ではあった。 語りながらも瞳にはきらきらした輝きが浮かんでいただろう。 ただビシッと指さした台詞には必死さも少しあった。] うんっ、和食が良いな。 向こうじゃお米は見なかったから。 炊きたてのふっくら白ご飯の美味しさを布教し損ねた……! 雅空兄ぃの浸けた梅干しも最強だからなぁ。 [洋食だけじゃない料理の腕に唸るばかりだ。>>122 ミニカステラと聞くと途端にもう放り込みたい口になってしまうのだけれど、話途中なので良い子の我慢。] (128) 2023/03/12(Sun) 20:21:34 |
【人】 天原 珠月……へ? [髭と眼鏡。>>123 美容の話はするけれど、こういう質問は珍しい気がする。 だって散々もさいと言い続けていても、幼馴染が完全にコンタクトにすることはなかったからだ。 まぁ自分も実は――オシャレな眼鏡を探したことはあれど、贈ったことはないのだけれど。 似ていると言ったアスルのことを想像したのだろうか。 珍しく数秒間、長考という程じゃない長考をする。] 雅空兄ぃは、うーん。 [最近でこそないが、昔はなんども寝起きドッキリ並の突然さで朝の襲撃を仕掛けたこともある。 その時は当然眼鏡オフだ。髭はどうだったっけ。] その……眼鏡のことは散々言ってるけどさ、……似合わないわけじゃないし、……その姿嫌いでもないし。 [ああやっぱり素直にはなりきれない。] (129) 2023/03/12(Sun) 20:21:45 |
【人】 天原 珠月まぁ、髭はない方が好き! そもそも雅空兄ぃはその辺ちゃんとするじゃん? [伸ばしっぱなしの姿は見たことない気がする。 それからまたもごもごしてから。] 眼鏡はね、うん、レンズ越しに瞳を見るの慣れてるし。 そうしてくれてたほうが、いつも雅空兄ぃなんだなって感じが刷り込まれちゃってるというか? ……安心、するかも。 [反対に安心できないというのはどういうことなのか。 そこは説明しようがないので答えないぞ、のつもりで、ああもう恥ずかしいこと言わせないでよ、とジト目になった。 なんだか少し熱いのはコタツのせいだ。] (130) 2023/03/12(Sun) 20:21:50 |
【人】 天原 珠月[それからは順調に寝る準備を進めていった。 順調と思っているのはこちらだけかもしれないが。] 雅空兄ぃ、今何してんの? [さっき頼っても良いなんて言ったから、とは自分談。 思う存分に甘える感覚は幼い頃からしっかり覚えているので、こうなったら遠慮なんてするはずもない。 今は何をしているかというと、風呂場のドアの脱衣所側に背をくっつけて座り込み、皿に盛ったカステラを頬張っている。 ――風呂に入っているのは誰かって? ひとりしかいない。] 湖で消えたんだもん、お風呂でも消えそうじゃん。 [水音を聞きながら結局明日まで我慢できるはずもなかったカステラに舌鼓をうち、そのわりにちゃんと100数えるまで浸かりなさいよ!と指示するのだった。 なお自分がお風呂に入るときも居てもらうように頼んだが、幼馴染の反応はいかに、である。] (131) 2023/03/12(Sun) 20:21:57 |
【人】 天原 珠月[お風呂を上がり、甘えて髪を乾かしてもらって、ちゃんと寝る時用に持ってきていた服に着替えた。 なんてことない白の三本線の入ったジャージの上下だ。 そのまま夜の散歩にだって行ける服。 まだ火照って熱いため、上のファスナーは閉めずに、中のTシャツに書かれたゆるキャラのイラストを覗かせていた。 幼馴染より先に急な階段を上っていく。 手を差し伸べて、掴んでもらって、離して。] うん、やっぱり夜の天窓はいいね。 [ランプをつける前にベッドから上を見上げる。 あわい月明かりが差し込み、遠くに夜の森の音がしていた。 お互いの声だけがはっきりと優しく届く空間だった。] 雅空兄ぃはもうここで寝た? [深く考えた問いではなかったはずで。 でも言葉にした後に、幼馴染とペルラという女性がコテージにふたりきりで数日過ごした事実が心に浮かんできた。*] (132) 2023/03/12(Sun) 20:22:04 |
【人】 天原 珠月[自分は仰向けの幼馴染を見つめてしまっていた。 こういうところは正直で、消えてしまわないか心配だからと理由をつけながら、結局夜空より幼馴染を見ていた。 向こうがこちらを見る。 ――視線が交わる。 続けられた台詞に、問いに、ひゅっと息を吸った。 これまで積み重ねた幼馴染との記憶が頭に浮かんでは消えた。 しかし頭の中が混乱する一方で、何故だろう、幼馴染の言いたいことはまっすぐに伝わってくる。 一緒に育ったからだけじゃない、幼馴染がいつも何を言いたいのか、何を考えているのか、知りたがってきたからだ。] どういう、いみ……ううん、それはいいや。 [分かっているのに聞いた。 だからすぐに自分で首を振る。] (152) 2023/03/12(Sun) 22:49:53 |
【人】 天原 珠月それはさ……私を安心させるよりも……そういう意味で、ドキドキさせたいってこと? [じいっと見つめる。 喧嘩の時のように視線は逸らさない。 強気な自分はそうしたら負けだって思うから。] 雅空兄ぃは、そうできるって思ってるの? [やな言い方しちゃった、と瞬間的に思う。 雅空兄ぃにできるはずないなんて言いたいわけでは全くなくて、そうじゃなくて、ここにきて本気で慌てだし。] ち、違うの、ええとね。 …………私に、そう想われても、いいのかなって……。 [急に弱気さが表に出てしまって。 みるみるうちに顔が真っ赤になり、瞳に涙がたまる。 まってまって、幼馴染は決定的なことを言ったわけではなくて、まだ冗談かもしれない――そんなことはないと自分が1番分かっていながら逸る心に言い聞かせる。] (153) 2023/03/12(Sun) 22:50:32 |
【人】 天原 珠月もう……っ [いきなり何言い出すの、雅空兄ぃのばか。 うわーんと泣き出したい、本当に。 でもその時にしがみ付くのは目の前の幼馴染しか――彼しか想像できないのだから、どうしようもないのだけれど。] こんなこと話してると、さ。 これまでみたいな幼馴染でいるの、難しくなっちゃうよ。 ……いつもの顔、できなくなるもん。 [両手で顔を覆うと、ここで初めて視線も表情も全部隠し、関係が変わりそうな恐れまでも一緒に隠そうとする。 ただひとつ。] ……………………嫌じゃない、と、思う。 [時間差の答えは、分かりやすく素直でない一言だけ。*] (154) 2023/03/12(Sun) 22:51:21 |
【人】 天原 珠月[幼馴染の彼>>155>>156はゆっくりと話してくれる。 慌てて何言ってるか分からない自分を待ってくれる。 そういうところに、私の優しいお兄ちゃん、とだけ思えなくなったのはいつからだったろう。 先に逸らしてしまった視線。 負けちゃったなぁ。 最初から勝ち目なんてなかったと思うけれど。 自分の幼馴染は穏やかでなんでも許してくれるように見えるかもしれないが、実はこういう時に折れたりはしないのだ。 こちらのことを分かっているからこそ。 強がりも、弱気さも、ちゃんと受け取るからこそ。] ……信じるに決まってる。 雅空兄ぃは絶対私のこと待ってくれてるって。 [だって、自分が何より幼馴染の元へ帰りたかった。 そして幼馴染と自分ははなんの躊躇いもなくそう信じさせるように、ずっとずっと向き合って時間を過ごしてきた。 今伝え合っているこの気持ちは隠していたとしても。] (163) 2023/03/13(Mon) 1:50:53 |
【人】 天原 珠月[変わって悪いことにはならない。>>156 そろりと手の指の間から幼馴染の方を見たら、向かいのベッドに腰掛ける姿が思ったより近くて肩が跳ねた。] ……うん。 [くぐもった声が返事をする。 そしてぐずぐずとみっともなく鼻が音を鳴らした。 とことん幼馴染の前では格好がつかない。] もしも、もしも……そういうのじゃないなって、違うなってなっても、幼馴染だったのは、なくならないもんね。 雅空兄ぃのこと大事なのは……変わらない、から。 [そうして少し落ち着いて話せたかと思えば。 呼び方を聞かれていた>>157のが突如判明して。] なっ、あ、あれは、つい! 兄ぃってつける余裕なかったの。 [顔を隠しているからと気遣われたとまで思い至ることはなく、でもちょうど良かったと真っ赤になった顔を隠す。] (164) 2023/03/13(Mon) 1:51:06 |
【人】 天原 珠月……。 …………じゃあ、これからは。 [声がかすかに震える。 怖いからではない、心が、震えているから。] 幼馴染で、幼馴染じゃなくなるかもしれない、関係? [なんてふわふわと、不安定で。 安心だけじゃない、ドキドキと隣り合わせの関係だろう。] (165) 2023/03/13(Mon) 1:52:02 |
【人】 天原 珠月[そろりと手を外していく。 寝転がったまま、赤い目元に、まだ惑いと気恥ずかしさが揺れながらも逸らさない瞳が、 幼馴染を――雅空を映す。] あの、私、結構どうしようもないやつだけど……って。 [いや、全部知られてた。 むしろ自分自身より知っていそうだ。 もうこれどうすればいいのか分からない。 そもそも同じ部屋でこのまま寝られる? あれ? 急にバタバタと、布団に丸まろうとし出したのは雅空にはとても分かりやすかっただろう。*] (166) 2023/03/13(Mon) 1:52:33 |
【人】 天原 珠月[言い切る声の強さ>>205が胸を打つ。 言い聞かせるあやすような響きじゃない。 こちらの背を押しながらもしゃんと真っ直ぐさせる響き。 そんなことあるわけないじゃないかって思うことが出来る。 弱気な心が彼への信頼と自分を信じる心に変わる。 よし、って。ちゃんと立ったところで。 足を踏み出そうとしたら、恋人関係>>206と今度は来て。] こっ、こここ、こい……こい、びと……! [口がぱくぱくしそう。 良かった、顔を隠していて良かった。] 言われてみればそう、じゃないしっ ピーマンは苦いのが悪いし、雅空兄ぃが作れば良いし! 火は起こすの上手いって言うから焼くのもって、そうしたら勝手に焦げるんだし……生でお腹壊しても困るし……! 寝起きはビックリさせてやろうってのはあるけど、……いや、それだけだからっ [反論しようと思えば全部に言い連ねられるけれど、結局全部の終着点や理由が恥ずかしいことになる予感がする。] (210) 2023/03/13(Mon) 21:05:27 |
【人】 天原 珠月……雅空兄ぃは、……もう実績過多だよ。 そういうのはちゃんと分かってるもん。 [どれだけ大事にしてもらってきたかなんて。 反抗期を過ぎて以来、自覚しすぎるほど自覚している。] 私だって、その……。 [さすがに実績があるという言葉には出来ない。 自信がないのではなく、羞恥心の問題だ。 こういうところ、この幼馴染はきっぱりはっきり言葉に出来るのが心臓には悪く、心はぽかぽかになる。] ……うう。 [布団の中が熱い。自分が熱くなっているだけか。 ちょいちょいと叩かれる感覚>>207は昔から慣れ親しんだもののはずなのに、知っている強さとどこか違う気がした。 これも受け取る自分の想いのせいなのかもしれない。] (211) 2023/03/13(Mon) 21:05:34 |
【人】 天原 珠月……。 [見慣れた、いつもの、レンズ越しの群青色。 天窓からの月明かりに柔らかく光る、優しい銀白色。 すうっと深呼吸。よし、いける。] 私だって、雅空に……の、恋人になりたいんだからね! [言ってしまった。 真っ赤な顔で言い切ると、睨むように見つめて。] (213) 2023/03/13(Mon) 21:05:52 |
【人】 天原 珠月わかった? 今夜は怖いのが理由だけど、つまりそういうつもりで、そのことをよーく念頭に置いて、一緒に寝なさいよ。 あと私は絶対落ち着けないと思う。 ……でも一緒がいい。 [これまでと状況が違うのだから仕方ない。 でもどんなに安眠できなかろうが同じ布団に寝ると腹をくくったなら行動は早く、急に飛び起きた。 そして雅空の隣をたたっとすり抜けるように駆けて、彼が今まで寝ていた布団に自分が先に潜り込むのだ。] ほら、早く来ないと半分分けてあげませんー。 [明らかに赤い頬で、鼻先まで赤い顔で、にやにやと悪戯っぽく笑うと隣をポンポン叩いてみせた。 仕方ないなぁ、幼馴染で雅空は心配性なんだから。*] (214) 2023/03/13(Mon) 21:05:58 |
【人】 天原 珠月[やっぱりこういうところ雅空>>216の方が大人なのかなって思う一方で、単に彼の性格でもあるんだろうと思う。 なんとなく悔しくて、とてもむずむずする。 いつも通りの幼馴染が、いつも通りではない雅空に感じた。 ただほんのり早口>>217に聞こえたのは気のせいだったのか。 自信がなかったけれど、落ち着かないと正直に教えてもらったから、そっか、同じなんだなぁとまたむずむずする。] 私も知らなかった。 雅空兄ぃがそんな積極的なんて? [叩いた位置より近くに寄ってくるものだから。 赤くなる顔の熱さが引くタイミングがなくなって。 近い!と足先で雅空の足を蹴りながら、昔は自分が寝にくい!と言われるまで引っ付いていたのが頭の隅に。 これってもう恋人、なんだ。 そうか、想いを伝え合って、確認しあって。 どちらも好きなんだから、うん。 映画や劇のように綺麗に綿密に飾られたセリフじゃない。 日常の延長線にある言葉の応酬で、それは自分たちらしく、なによりもスッと心に届く気持ちの表し方で。 その分、後からずっとドキドキしてしまう告白だった。] (219) 2023/03/14(Tue) 1:15:07 |
【人】 天原 珠月恋人……になったら、なんか、照れる……。 [我慢して抑えていた感覚が大きすぎるのかもしれない。 これじゃしばらくまともにくっつけなさそうで、幼馴染だけの時の方がくっついていたことになりそう。 なんてこっそり、しょんぼりしていたら。] ……きゅ、急になんか、やること変えてくるし。 [どうせ頬をむにられるんだと思っていたら、違った。 近づいた手は頬を素通りして、いつも何より頑張って手入れしている金色の髪を優しく撫でる。 すべらかな感触が伝わればいいと思う反面、正直に身体は驚きと動揺に揺れるし、心臓が暴れた。 そうしたらまた距離が縮まる。>>218 握られた手が汗ばんでいるのもバレバレだろう。] (220) 2023/03/14(Tue) 1:15:18 |
【人】 天原 珠月近い。あつい。狭い。 ……雅空兄ぃ、あったかいね。 [こんなに落ち着かなくて、ドキドキしているのに。 ぬくもりを感じるとどこよりも安心していられる。] 私の最初に買った、このピアスさ。 [視線を伏せて握り合った手を見つめて。 もぞもぞと足を動かしては彼との距離をはかりながら。] 店で見つけた瞬間に宝物にしようって思ったの。 つけてたら、そばにいるみたいだなーって。 まぁ半分ふざけてるんだけどね、でも、半分は本気だった。 [ピアッサー片手に押しかけたときはビックリさせただろうが、最初から病院に行くつもりなんて欠片もなかった。 ピアス穴を開けて欲しがった理由を考えると、もしかしたら自分は過激で重い素質があるのかもしれない。] (221) 2023/03/14(Tue) 1:15:29 |
【人】 天原 珠月高校生くらいの頃かな。 雅空、のこと、……す、好きだなって……気付いたの。 [ぎゅうっと目を瞑った。 恥ずかしすぎてここまでにしよう。] 寝てる間に蹴ってきたら、……頭突きするからね! [枕投げからの変化だった。*] (222) 2023/03/14(Tue) 1:15:38 |
【人】 天原 珠月[実は夜中に一度、目が覚めていた。 ふわふわした意識の中であたたかさを感じる。 幼馴染の体温が自分より少しだけ低くて、寝息が静かで、隣が心地良いのは昔から変わらなかった。 熱を出したときに気持ちいいと引っ付いて、ケロリと回復したときには幼馴染>>218の額が熱いなんて良くあった笑い話だ。 寝る前のやりとりを思い出す。 今なら少しだけ落ち着いて受け止められた。 雅空>>224も同じ頃に自分を意識しだしていたこと。 そんなところまで一緒で、呆れてしまうし、嬉しかった。 なんだか夢みたいだ。 朝起きたら幼馴染がいつも通りなんじゃないかって。 でも、ちゃんとそんなことないとも思えている。 だって、心臓がドキドキしているから。 今眠っている雅空の手はきちんと自分の背中に回され、巻き込むようにくっつけられていた足>>223もそのままで。 そこに幼馴染へだけじゃない想いが感じ取れる。] (265) 2023/03/14(Tue) 20:41:34 |
【人】 天原 珠月[そうっと瞼を上げる。 天窓から差し込むあわい月の光に雅空の横顔が浮かぶ。 いつの間にか彼の方を向いて眠っていたらしい。 意識のない間まで焦がれているみたいで気恥ずかしいけれど、やっぱり自分は自分に嘘をつけないんだなぁと諦めである。 メガネをかけていない寝顔。 普段優しげに下がっている眉はすっと引かれていて、群青色は瞼に遮られ、笑っているときは緩んだり意地悪につり上がったりする唇はほんの少しだけ開いていた。 頼むからいきなり起きないでよ、と願う。 ここであの青色と合ったら多分本気で一瞬心臓が止まる。 私にはずっとカッコいいんだから。 これからも、私にだけモテてれば良いんだ。 用心深いから、寝ていたって声に出してやらないけれど。] (266) 2023/03/14(Tue) 20:41:39 |
【人】 天原 珠月……。 [そろりそろり。 指先を伸ばして、雅空の鼻先をちょんとつついた。 あ、むずむずしたらしい。 眉根が寄ってる。ふふっ。] あーあ、何かしちゃったな。 [何もしなくても、なんて雅空は言っていたっけ。 それを受け取るには素直になりきれないから、照れ隠しの悪戯をひとつ、そうして傍にくっついて目を閉じた。 日常と、変化。 でも朝の目覚めはきっと穏やかになる――] (267) 2023/03/14(Tue) 20:41:47 |
【人】 天原 珠月[――穏やかさどこいった!!? が朝のこと。] ……。 [誰が蹴るか、あんだけ近くて寝相悪くできるか! お互い成長したなーなんて言われたら変に意識して恥ずかしくなっている自分の方がおかしいみたいだ。 じゃなくて、なんで、>>226] コンタクト持ってきてるなんて聞いてないし……ッ [メガネをしないで安心させない云々の話はあった。 今後の覚悟も決めようとしていた、けれど。 昨夜の今日からなんて思わなかった。 実は普段から持ち歩いてたのかと疑い、すぐに湖に潜ったという話を思い出したけれど、落ち着く薬にはならない。] メガネとったくらいでね、私をドキドキさせようなんて百万年早いんだから、思い上がったらダメ。 [だれだけ長い付き合いだと思っているのか。 メガネをつけ始める前から幼馴染なのだ。] (268) 2023/03/14(Tue) 20:42:11 |
【人】 天原 珠月……。 [隣同士で歯を磨くとき、鏡を見るときに微妙に目を逸らしていたのはバレバレだったことだろう。 でも自分は自分、結局いつもの通りでもあって。] 朝ご飯、なに? なに? [幼馴染でも恋人でも、彼のご飯には敵わない。 敵うつもりもない。両手で万歳してお手上げだ。 回りを片付け、コタツテーブルを拭き、洗い物を適宜挟んで、湯飲みに熱い緑茶を淹れる準備は手慣れたもの。 時々手元を少し離れて覗き込みつつお腹を鳴らした。 少しずつ出汁と鯛の上品で食欲をそそる良い匂いに、お味噌汁のほっとする朝の匂いが重なって鼻をくすぐり、卵の殻を割るかろやかな音、卵焼きを作るじゅうじゅうという音が耳から美味しいぞ!と伝えてくるからたまらない。] この蓋を開ける瞬間、たまんないよね〜。 [鍋用の座布団をうやうやしくコタツテーブルの中央へ。 雅空が土鍋を置き、見つめる先で蓋を開けていく。] (269) 2023/03/14(Tue) 20:42:41 |
【人】 天原 珠月うわぁぁ……! [おいしそう、早く頬張りたい、それしか浮かばない。 耐えきれずに料理人の肩をぱしぱし叩いたら、呆れられたのか苦笑されたのか、まぁいつものことである。] すごい。最高の朝ご飯。 雅空兄ぃは良いお嫁さんになる! [まだまだ呼び方を変えるのは気恥ずかしいし。 こうしていると、自然といつもの軽口に兄と出てくる。 それはそれで、悪くないんだろうと思う。 雅空も嬉しそうに笑ってくれるから。] おいしい!! [笑顔で顔を見合わせよう。これは幸せな日常のひとつ。] (270) 2023/03/14(Tue) 20:44:29 |
【人】 天原 珠月……あ、でもさ。 お嫁さん、じゃなくて、旦那さんが料理上手もいいよね。 [お代わり中の箸を止めて、ぽつり。] なんでもないでーす。 ほら食べ終わったら温泉行くんだからね! 湖の周りも散歩したいし! [これからもこうして、雅空と過ごしていきたい。*] (271) 2023/03/14(Tue) 20:44:54 |
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