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【人】 電球 フィラメント*電球は鼻歌を歌いながら、廊下を歩いています。 *電球はいつでも上機嫌で居ますから、るんるん気分で館を散歩中です。 *ふと、この館の主の部屋の扉に通りかかり。 *そういえば、今日は姿を見ていないような気がします。 *一日姿を見せずにいるのも、なんだか変な気分ですから。 *寝る前に一言、おやすみなさいを言うために主の部屋の扉をノックします。 *しかし、待てども待てども返事は帰ってきません。 *いつもでしたら、まだ寝るには早い時間のような気もします。 「……主さん?寝ていますか? ……失礼しますね」 *ドアノブを捻ってみれば、なんの抵抗もなく扉は開きます。 *部屋は、どうやら電気などは付いていないようで。 *ああ、眠っているんだなぁと。 *であれば、ひとつ寝顔でも見て退散しようかと、ベッドで眠っているように見える主へと近付きます。 *彼の頭は電球ですから、なるべく小さい明かりにして、部屋の電気は消したまま。 *ベッドの横まで行って、主の寝顔を確認します。 *ああ、よく眠って―――、 (0) 2022/07/17(Sun) 22:43:25 |
【人】 電球 フィラメント「――――――、?」 「ぇ、ゎ、――、」 「 ひ 」「 ア ァア!! ゥワア アァァアア!!??!? *―――そこで見たのは。 *頭から、止め処無く紅を垂れ流す。 * 変わり果てた、 主の姿でした。 *開けっ放しの扉からは、彼の叫び声と。 *突然の出来事に、制御できなくなった電球の明滅が、バチリバチリと光り、消えを不規則に繰り返すのが見えました。 (1) 2022/07/17(Sun) 22:48:58 |
フィラメントは、すれ違った者がいれば、其の時に。部屋にいる者には、部屋へと声をかけました。寝ている子は、起こさずに。 (a9) 2022/07/18(Mon) 0:51:40 |
【人】 電球 フィラメント「……クロ、私は大丈夫ですから」 *明滅も収まり、いくらか落ち着いたようです。 *最初に発見したのは自分だからと、口を開きます。 「――主さんは、ベッドの上で頭から血を流して死んでいました。 恐らく、誰かに殴られたようです。 足元に、酒瓶のようなものも転がっていましたから」 「事故ということは、ありえないかと」 *若干の声の震えを抑えることが出来ず。 *だって、だって。 *犯人が、恐らく此の中にいると思われるのですから。 *それは、口には出しませんでしたが。 (40) 2022/07/18(Mon) 17:13:00 |
【人】 電球 フィラメント「お客さん、が」 「――そんな、誰の目に見てもバレバレな風に殺したり、するんでしょうか。 私が同じ立場なら、――もっと、分かりづらく……」 *そこまで言って、口をふさいで明かりを落とします。 *間違っても、自分は主を殺したりしませんから。 *――変に疑われるようなことを、言うべきではないでしょう。 「……、私も部屋へと戻ります。 皆さん、戸締まりはキチンと。 ……今はまだ暗いですから、明るくなってから、私は色々と調べてみます」 *そう言い残し、部屋を立ち去ろうとします。 (45) 2022/07/18(Mon) 18:39:16 |
【人】 電球 フィラメント*電球の彼は、主の部屋に居ます。 *電気も付けずに。しかし、彼の電球が輝いているので、視界には困りません。 *見たいものも見たくないものも、全て明瞭に見えてしまいます。 「……主さん」 *小さく呟いて。 *床に転がったままの酒瓶を、屈んで観察します。 *赤く赤く塗られたソレは、何度も何度も殴りつけたように、多量の血液でコーティングされていて。 *――そこまでして殺してしまうほど、主は恨まれていたのだろうか、と。 *ただただ、そんな考えしか浮かばずに。 *じぃ、と酒瓶を眺めています。 (62) 2022/07/19(Tue) 20:06:50 |
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