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【人】 アウローラ―― 朝/自室にて ―― [ 鳥の声が聞こえる。 ] ……ん。 [ 遠く小さく、囀るそれに薄らと目を開ければ カーテンの合間から挿し込む光が朝の訪れを告げていた。 ] (45) 2022/05/20(Fri) 11:38:30 |
【人】 アウローラ(朝……) [ なんだか、頭が痛い。 それに、何か、嫌な夢を見ていた気がする。 昨日は、どうしてたんだっけ……? 確か、裏庭に誰も来なくて。 一人では中庭に行く勇気がなくて、 それで図書館から、ダンスパーティーを見て。 ええと、それから……。 ] (46) 2022/05/20(Fri) 11:40:57 |
【人】 転生者 アウローラ…――〜〜〜〜!! [ そのときのわたしの感情は、ちょっと言葉にならない。 声にならない叫びと共に、 パンッと反射的に彼の頬を平手打ちした。 うん、思い出した。 ゆうべ、あの図書館で、わたしは……* ] (50) 2022/05/20(Fri) 11:49:47 |
【人】 転生者 アウローラ―― 回想/夜の図書館にて ―― [ 正直、訳がわからない。 だってこんなこと、ゲームの中では起こらなかった。 ] ……。 [ 床に倒れ込んだまま、見上げれば。 青みがかった光が差し込む図書室の中、 その部屋の奥の暗がりから、此方を見下ろす赤い瞳。 血のように赤い瞳が暗闇に浮かび上がるその光景に 恐怖を感じてもいいはずなのに。 不思議と、それを恐ろしいとは感じなかった。 ] (51) 2022/05/20(Fri) 11:50:41 |
【人】 転生者 アウローラ……だれか、 [ そこにいるの?と問うより先に、 暗がりがほんのわずか蠢いたように見えた。 それが巨大な生き物のように見えて 息を呑んだのは ほんの一瞬。 すぅ…と暗がりから現れたその人影は、 わたしの前に膝をつくなり頬に触れて涙を拭う。 ] ……ッ [ びく、と身体を震わせたのは、 突然のことだったのもあるけれど、 触れられたところから感じる冷たさと、 ……なにか、内心を見透かされたような 居心地の悪さを感じたから。 ] (52) 2022/05/20(Fri) 11:53:03 |
【人】 転生者 アウローラ……だめですよ、そんなこと。 [ 握りしめた手を胸に添えて呟く。 たとえこの世界がわたしを必要としていなくても、 誰に選ばれることがなくても、たとえ愛されなくても、 ……大好きな人たちが幸せでいられる今のこの世界を 彼女が懸命に紡いだであろう美しい物語を 否定したくは、ない。 ] (54) 2022/05/20(Fri) 12:01:09 |
【人】 転生者 アウローラ……。 [ 胸の前で握りしめたまま、もう片方の手を添える。 握りしめた手に痛みはない。 だけど、視界の端に映った手は 薄暗がりでもわかるくらい血の気もなく白く染まっていて。 自分でも気づかないうちに、 力を籠めすぎていたのかもしれない。 それでも、胸に添えた手を下ろすことも、 握りしめた手を解くこともできないまま わたしは、眼前の彼に向き直った。 ] (55) 2022/05/20(Fri) 12:02:07 |
【人】 転生者 アウローラ……貴方が何者なのか、 貴方が、本当に『闇の精霊』なのか わたしには、わかりません。 [ ぽつりと、呟いた此方の言葉は。 だけど外の喧騒が一切掻き消えた今は、 この仄暗い青い闇の中に、自分でも驚くほどよく響いた。 さっき、このひとは『闇の精霊』と名乗っていた。 もし、それが本当ならば、 目の前にいる彼が、わたしの知る、 あのゲームの中の災厄そのものだというのなら …わたしは、止めなければならない。 少なくともこのまま見なかったことになんて、できない。 ] (56) 2022/05/20(Fri) 12:05:09 |
【人】 転生者 アウローラお願いです。 この世界を、壊すなんてしないでください。 ……どうか。 [ 彼女が、何年ものあいだ懸命に救おうとしてきた あの人たちが幸福でいられる優しい世界を。 わたしの言葉ひとつで、 簡単に壊したりなんかしたくない。 ] (57) 2022/05/20(Fri) 12:06:46 |
【人】 転生者 アウローラ[ そうして立ち上がろうとしたとき ] ……ぁ、れ……? [ くら、と。 眩暈とともに、目の前の景色が歪む。 ……なんだか、ひどく身体が重い。 でも、それ以上に頭が重く、ズキズキと痛みはじめて 眼を開けていられなくなる。 ] ―――…。 [ かくん、と膝が折れて前に倒れそうになったとき、 再び床に倒れそうになった身体が ひんやりと冷たい水のようななにかに 支えられるような感覚があった。 眼を開けようと重い瞼に力を込めても、 そこに見えるのは、ただ、暗闇ばかり。] (58) 2022/05/20(Fri) 12:11:32 |
【人】 転生者 アウローラ……。 [ なんだか、ひどく眠い。 そういえば最近、あまり眠れてなかったな、なんて ぼんやりとした頭でそんなことを思う。 でも……このままわたし、眠ってしまったら このひと、世界を滅ぼしてしまいやしないかしら そんなことを、思ったとたん。 さっきと同じく、声が聞こえてきて。 ……。 そのまま、闇に包まれたままわたしは意識を手離した。 ]* (59) 2022/05/20(Fri) 12:14:08 |
【人】 転生者 アウローラ―― 朝/自室にて ―― [ そうして、今に至る。 ] ……。 [ 昨晩のことを思い出して、息を呑む。 いろいろと、気になることも聞きたいこともたくさんある。 どうして、わたしの部屋にこのひとがいるのか。 そもそも、このひとが本当にあの『闇の精霊』なのか。 あとこの部屋が防音仕様になってて本当によかったとか いつの間にか差し出されたマグカップを手に 警戒しつつ、彼のほうへと視線を向けた。 ]* (60) 2022/05/20(Fri) 12:16:19 |
【人】 転生者 アウローラ[ 言われておそるおそるマグカップを口に運ぶ。>>61 ほんのりとバニラの香りがした温かなそれは 口に含むとほんのりと牛乳と卵の甘い味がした。 ] (……、エッグノックだこれ) [ なんだか、色々意外な気がして マグカップのそれを飲みながら つい上目遣いで相手の顔を伺ってしまう。 まだわたしが小さい頃、風邪を引いたときに シスターが作ってくれた味を思い出す。 まさか、エッグノックを作るラスボス(暫定)が いるなんて思わなかったけれど。 もし、彼と視線が合えばきっと、 気まずいような照れくさいような顔をして そっと目を逸らしただろう。 ] (78) 2022/05/20(Fri) 22:41:15 |
【人】 転生者 アウローラ[ わたしの知っている『闇の精霊』は。 こんなふうに言葉を交わせる存在ではなかった。 遠い記憶の中にあるのは、いくつものスチル。 世界に絶望したマティルダが、破滅を希い そうして、この世界に顕現した巨大な多頭龍。 身体から生やした蛇のような触手と、 胴から生えた巨大な黒い翼と鱗から覗く無数の赤い瞳、 この世界の既存の魔物たちに似た、 しかし全く色彩の異なる、無数の黒い眷属たちを従えて 王都や学園、この世界の各地を襲う災厄。 ] (80) 2022/05/20(Fri) 22:52:12 |
【人】 転生者 アウローラ―――…。 [ 正直、実感が湧かない。 記憶の中の彼は、目の前の青年とは あまりに異なる姿をしていたから。 強いていうなら、 昨晩、闇の中に浮かんでいた赤い瞳に その面影を見出せるくらい。 何より、あの災厄が人と同じ姿で言葉を話して エッグノックを作ってくれるなんて思わなかった。 ] なにを、のぞむって……。 [ その瞳が、此方を覗きこむように 品定めをするのように、わたしを見つめる。>>66 ひんやりとした指先と、 彼の瞳の色に正直、気圧されそうになる。けど。 ] ……、ひとつ、聞かせてください。 逆に、どうして世界を滅ぼそうとするんですか? (81) 2022/05/20(Fri) 22:53:25 |
【人】 転生者 アウローラ[ 記憶の中では……確か。 ] 「―――全部! 全部!! 貴女も貴方たちもわたくしも 全て、消えてなくなればいいのよ……!!」 「―――…嗚呼、主よ!! どうか、わたくしの望みを叶えてくださいまし!!」 [ 彼が姿を現したのは、物語の最終盤で、 世界に絶望したマティルダが彼の降臨を望んだから。 ゲームの中では、マティルダがラスボスである彼に 唆されたような描写だったけれど。 実際は、どうだったのだろう? 流石にこればかりは、 今、この世界で確かめようもないのだけれど。 少なくとも、目の前の彼から悪意は感じなくて。 (喜々として破滅を語るようなところはあるけど)>>0:190 交渉の余地がないようには思えない。 ]* (82) 2022/05/20(Fri) 22:56:58 |
【人】 転生者 アウローラ[ 記憶の中では……確か。 ] 「―――全部! 全部!! 貴女も貴方たちもわたくしも 全て、消えてなくなればいいのよ……!!」 「―――…嗚呼、主よ!! どうか、わたくしの望みを叶えてくださいまし!!」 [ 彼が姿を現したのは、物語の最終盤で、 世界に絶望したマティルダが彼の降臨を望んだから。 ゲームの中では、マティルダがラスボスである彼に 唆されたような描写だったけれど。 実際は、どうだったのだろう? 流石にこればかりは、 今、この世界で確かめようもないのだけれど。 少なくとも、目の前の彼から悪意は感じなくて。 (喜々として破滅を語るようなところはあるけど)>>0:190 交渉の余地がないようには思えない。 ]* (83) 2022/05/20(Fri) 22:56:58 |
【人】 転生者 アウローラ[ 本当は、わかってる。 わたしが、なにを願っているか。 でも、それを認めるのは、怖い。 『愛されたかった』 その一言を口にして、なにかを壊してしまうのが ただ、恐ろしかった。 ] (97) 2022/05/21(Sat) 7:23:19 |
【人】 転生者 アウローラ……わたしは、選ばれなかったんです。 [ さっき、エッグノックのお礼を言ったときよりも更に小さな声。 どうして、そんなことを言ったのか。 自分でも、わからない。 ] (98) 2022/05/21(Sat) 7:24:31 |
【人】 転生者 アウローラ……えっと、そうですね。 [ 誤魔化すように咳払いを一つ。 ] もし、貴方がわたしの望み……願いを、 叶えてくれるというのなら。 (99) 2022/05/21(Sat) 7:25:36 |
【人】 転生者 アウローラ―――…。 ありがとう、精霊さん。 [ どうして、彼はラスボスなんだろう。 目の前のこのひとは、此方が吃驚するくらい とても、優しいのに。 ] (139) 2022/05/22(Sun) 5:22:48 |
【人】 転生者 アウローラそれからえっと、 わたしの名前はアウローラです。 平民の生まれですから、姓はありません。 精霊さんのお名前も教えてもらっていいですか? もし、嫌でなければの話ですけど。 [ 友達になるのなら、 闇の精霊とか、魔王とか、 そういう二つ名っぽい呼び名じゃないほうが いいんじゃないかなと思う。 なければわたしが考えようとも思うけど。 以前孤児院で飼ってた 金色の目とピンクの肉球を持った白猫に 『ハムエッグ』と名付けて以来 「ネーミングセンスが最高にダサい」との評価を いただいているから。 ……やっぱり、あるならそちらの名前で呼びたい。 ] (140) 2022/05/22(Sun) 5:25:13 |
【人】 転生者 アウローラじゃあ、約束です。 [ そっと、小指を差し出して 彼のそれと 絡めるようにしてから ゆびきりの歌を歌った。 彼を悲しませたり、傷つけたりしないように。 彼は確かに闇の精霊で、人ならざる者で、 …いつか、この世界を滅ぼすラスボスかもしれないけど。 人の姿になることも、言葉を交わすことも 他人の物語を気にかけてくれる、 優しいひとだと、知ってしまったから。 わたしも、彼にとって善い友達でありたいと思う。 ] (141) 2022/05/22(Sun) 5:29:08 |
【人】 転生者 アウローラ[ 指を離したところで、ふらふらと眩暈に襲われる。 もう少しだけ寝ておけと諭されてベッドに入れば ] ……えっと、もう少し元気が出たら。 わたしと街に買い物に言ってもらえませんか? [ お友達と一緒に買い物って、 実はとても憧れていたんです。 王都、もとい学園では、 学友と呼べる人はいても 友達なんて呼べるような間柄には 誰ともなれなかったから。 そうなったら、楽しみだなぁなんて ぼんやり夢うつつに呟いて、そのまま眠りについた ]* (142) 2022/05/22(Sun) 5:31:38 |
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