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【人】 教育実習生 青柳 慶/* だから、そういうときは 「文化祭で恋に落ちるなんてこともあるだろう。 それで話し相手が欲しい!なんて思った時は この喫茶店を使ってくれれば、適当でいいなら 相談でも乗るし、話を聞くだけでもできるだろう」 とか適当に書くねん。 (5) 2020/06/20(Sat) 12:19:37 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−叔母の家− [ 学校帰りに叔母の家へ寄った。 重たいハードをリュックサックに入れて。 今回の文化祭は、なにかと重かった。 物理的重量だけではなく、 心の中の気持ち的な話も含めて。 ピンポーン 呼び鈴を鳴らせば、 モニターホン越しに聞こえる 可愛い鈴の音。 扉を開けてくれた可愛い従姉妹を 抱き上げてみた ] (6) 2020/06/20(Sat) 12:30:52 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 久しぶり、紗世。元気にしてた? 「元気にしてたよ!おにいちゃま!」 はー……可愛い。 そういえば、欲しがってたもの、持ってきた。 「いらっしゃい。何やってんの?」 可愛い紗世にゲーム機ゲットしてきた。 「わー……また射的?」 偶然ね。はい、長時間はしちゃいけないからな? 「……!!わぁ!約束する!」 (7) 2020/06/20(Sat) 12:31:25 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ 奥にいるらしい彼女の父親に向かって、 彼女は重たい箱を持って走っていく。 そんな彼女をみて、彼はハッとした。 小さな花束を渡し忘れた。 仕方ないので、目の前にいる叔母に プレゼントをしよう ] はい、叔母さんにも。 「後出しどうも。上がってく?」 いや、いいよ。今日は帰る。 「荒稼ぎはやめときなよ」 はいはい。肝に銘じておきますよ。 それじゃ、また母さんたちと遊びに来る。 「慶くん!ハードもらってよかったのかい?」 勿論。紗世のために頑張って的狙ったし。 (8) 2020/06/20(Sat) 12:32:13 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ 出ていく直前、叔父が奥から現れた。 偏屈な叔母を嫁に従った変わった人。 いや、いや…優しい人、が正しい。 バーンと両手で射的をする素振りを 彼に向かってやると、 うっ、と打たれた人間を演じてくれた。 こう言うノリの良さもあって、 叔母と結婚したのだろうと 彼は笑いながら思った ] 「唄さんの月命日、お参りには?」 行きます。……ちょうど休みなんで。 覚えててくれて、ありがとう叔父さん。 「君が、最後にしたことが少し鮮明だったからね。 それでなくても、彼女は僕の担当だったから きちんと覚えているよ」 (9) 2020/06/20(Sat) 12:32:42 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ そう。奇しくも、心臓マッサージと 蘇生を試みてくれた医師というのは、 目の前にいる叔父だった。 それを知ったのは、高2の春。 唄の付き添いで病院に行った時に、 医師として対面することに。 その時既に叔父は叔母と結婚して、 紗世も授かってしばらく経ったくらい。 故に、対面した時は2人揃って なんで?!なんて言ってたっけ ] それじゃ、またね。 「唄ちゃんによろしくって伝えといてね」 はいはい。 [ 帰路に立つ。 後ろ髪を引かれて何年目かの自分と、 向き合うための一歩を踏み出すために ]* (10) 2020/06/20(Sat) 12:32:50 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−駅前− [ 今日は、晴れている。 文化祭明けの初めての休み。 じめじめと蒸し暑くなってきている この季節に、彼の汗は我慢が利かない。 約束の時間まで、あと10分くらい。 文化祭で初めて会った生徒に渡した紙の中に 場所と時間を書いておいた。 もし、あと10分待って来なかったら、 そのときはその時で、 この小さな造花の花束と、 飴玉のセットを持って彼女に会いに行こう ] あれからもう、2年近くか… [ 彼女の両親からは、新しい人生をと 葬儀の後、笑顔で伝えられた。 それが、彼女を幸せにするから、と。 しかし、彼はすぐに立ち直ることができず、 授業を聞くだけ聞いて、 適度な成績を残して、 アルバイトに行くだけ。 慶の両親も、そんな彼に何も言わなかった ] (23) 2020/06/20(Sat) 19:30:10 |
【人】 教育実習生 青柳 慶「ねぇねぇ、おにいちゃん。どうしてないてるの?」 [ 日陰で約束の時間を待っていると、 小さな女の子がハンカチを持って近づいてきた。 彼は気づかないうちに泣いていたらしい。 4歳くらいだろうか。 紗世を抱き上げていた癖もあり、 彼女のことを抱き上げると、 よしよし と、頭を撫でられた ] 今からね、お兄さん大好きな女の子に会うんだ。 でもね、神様が女の子のことを大好きで、 お兄さんから女の子を貰っていったんだ。 「かみさま、わるい?」 ううん。……悪くない。 「いたいのいたいの、とんでいけ!」 [ 純粋な女の子というのは、 なんと優しいのだろう ] (24) 2020/06/20(Sat) 19:31:49 |
【人】 教育実習生 青柳 慶[ 可愛い子を抱っこしたまま 少し話をしていると、 彼女の母親が焦ったようにとんできた。 彼女は迷子だったらしく、 まさか、知らない人に抱っこされているとは 思っていなかったと、平謝り ] 大丈夫ですよ。僕も、楽しんで話してたんで。 それじゃぁ、奏音ちゃんまたね。 [ 平謝りの母親と対照的に、 彼女の腕の中で笑顔に手を振る天使。 その手の中には、彼の涙を拭いた 木綿のハンカチがしっかりと握られて。 さて、彼の待ち人はこの情景を見ていたのだろうか。 そもそも、ここに来てくれるのだろうか ]* (25) 2020/06/20(Sat) 19:32:01 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−駅前− [ 女の子とのやりとりを見られていたとは つゆしらず。>>47 腕時計を確認してみると、 そろそろ約束の時間になるところ。 休日ということもあり、 人の行き交う駅前は、賑やかそのもの。 彼女は来るのだろうかと、 辺りを見回してみると、 制服ではない、紺色のワンピースを着た 彼女が近くまで来ていた。 彼女の周りは、何故か涼しげに見え、 何故か彼も、ふっと笑みが溢れ、 彼女に向かって軽く手を振った ] おはよう、玄森。* (53) 2020/06/21(Sun) 12:00:44 |
【人】 教育実習生 青柳 慶―墓場― [ 駅前で彼女に会えば、動きやすいスニーカーで 来ていることを伝えられ、少し笑みがこぼれる。>>54 確かに、動きやすい服装とは言っていたので、 その配慮がありがたい。 彼女の手を取って、彼は大切な人のもとへ向かう。 はぐれるとは思っていないが、 何かあった時のために。 目の前に、綺麗に輝く墓石。 名は“市川家先祖代々之墓” 今日は、偶然にも唄の月命日 ] 俺の彼女の……元、彼女か。 今日は月命日でさ。 [ 造花の花束と、飴玉のセット、 そして元担任から預かった飲料を 墓前に添える。 たまに彼女が元担任に買ってもらっていた 酸味のある飲料。 甘酸っぱい、彼らの短い人生のようなもの ] (79) 2020/06/22(Mon) 13:46:07 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 唄、教育実習始まったよ。 文化祭もいつも通り雨でさ、 でも……みんな楽しそうだった。 [ 玄森の反応は、どういうものだろうか。 墓石にひとり語りかける変な人間と、 思われているかもしれない。 彼女の両親が、新しい人生を、といった あの時のことをふと思い出す ] 唄……忘れない。 忘れないから、 一歩踏み出してみようと思う。 あの時の君みたいに、勇気をもって 告白してくれた彼女と一緒に。 [ とはいっても、まずは友達からだけど、 などと笑いながら、玄森の手を握ってみる。 彼女は、握り返してくれるのだろうか ]* (80) 2020/06/22(Mon) 13:51:52 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−いつかの未来の話− [ 教育実習が終わって、 また新しい年を繰り返して、 ついに彼は学生ではなくなった。 新しい春。 彼は新しい場所にいる。 薔薇のアーケードにも似た桜並木。 風が舞うたびに、桜の花びらが空を舞う。 彼は、次の日から働き出す学校の下見を しに来ていた。 広大な敷地は、歩くだけで運動になる。 雇われたのは、中学校。 それでも、併設の高校の方に足を運んでいた ] なぁじいちゃん。 なんで俺とか紗世がこの学校に行くなら 金出すって母さんたちに言ったんだ? [ 彼は、隣に並んで歩いてる祖父に声をかけた。 そう。彼は、母校に籍を置くことになったのだ。 彼の祖父は、ふぅ、っと息を吐いて、 彼の質問に答え始める ] (167) 2020/06/24(Wed) 23:05:28 |
【人】 教育実習生 青柳 慶「婆さんにはいうなよ?」 うわ…… 「実はな、ここの理事長が… このおいぼれの、憧れだったんじゃ」 ……あ、そういう。 でもじいちゃんの歳だと外国人珍しくね? 「彼女はな、フランスと日本のハーフだったからなぁ」 めっちゃいじめられてそ…… 「おいぼれと一緒にいてくれたからな、それはなかったぞ」 はぁぁ?わぁ、もうじいちゃんマジぃ…… [ つまりは、幼少期から一緒だったわけで。 幼馴染み同士の話で、恋仲だったかどうかは このひょうきんなじじいからは 察することが出来ない。 それでも、彼の祖父は理事長と一緒に なるという運命には出会わず、 今に至るというもの。 しかし、不思議なことがもうひとつ ] (168) 2020/06/24(Wed) 23:06:03 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 なんで、この学校のこと知ってたんだ? 「鼻が効くからな、お前さんと違って」 あ、そう……。 [ つまりはそういうこと。 知り合いから、話が流れてきた。 彼の祖父の交友関係の幅広さが、 功を奏したという話。 彼らは高校の校舎を眺めて、 次の場所へと向かった ] にしても、驚いた。 大学建てるとか…… 「コマーシャルが出来ておったぞ?」 残念ながら忙しくて ちゃんとテレビ見てなかったんだよ… 「それで、娘さんはその学校に行くんじゃったか?」 名前覚えてやれよ…… 「はっはっはっ!覚えておるよ。 …今のお前は、明るくて安心できそうだ」 (169) 2020/06/24(Wed) 23:06:56 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ 新しい校舎を見ながら、彼らは話し続ける。 そして、特別待っているという訳ではないけれど、 近くのベンチに腰を下ろして、 時間をつぶす。 とはいっても、 理事長がどんな人なのか、という話が 9割だったので、彼は話を聞くだけだった。 少し経って、賑やかな声が聞こえる。 新大学生たちが、学舎から出てきたのだ ] 「先生!」 いい加減、それで呼ぶのはやめろって言ってるだろ? 仮にも明日から本当に 先生になるっていうやつなんですけど。 「あっ……すみません……」 [ ベンチに腰を下ろしていた彼らに、 もとい彼に声をかけた1人の女性。 黒髪に、薄桃色の襟付き七分袖ワンピース。 大人っぽい見た目とは裏腹に、 彼女の装いは少女のような軽やかなもの。 彼女はワンピースを好むようで、 出かける時も、よく着ている ] (171) 2020/06/24(Wed) 23:08:21 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ そして、そんな清楚な彼女を、 祖父も気に入っているらしく、 遊びに行けばゆうちゃんゆうちゃんと 自分の孫のように可愛がっている ] 「ゆうちゃん、今日も綺麗にしてるなぁ」 「おじいさん!こんにちはっ!」 「うむうむ。元気でよろしい」 新しい校舎どうだった? 「ピカピカで、不思議でした!」 不思議って何その返事。面白すぎ。 [ 彼女の返事に笑いが出てしまい、 彼女は少し慌てて訂正をかける。 新鮮で、楽しみになった、と。 彼女たちが最初の学年だから、 彼女たちが築くことになる大学。 その大学経営のために、 流石にCMを打ち出した影響か、 小中高の受験倍率が更に上がったらしい。 当たり前ではあるが大学の方も、いい感じらしい。 教授たちも百戦錬磨の人物たちを 呼んだようで、話題になっている ] (172) 2020/06/24(Wed) 23:10:07 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 じゃぁ、今日はじいちゃんがどっかで 俺の就職祝いと、玄森の入学祝いしてくれるっしょ。 「老いぼれから搾取とは…!」 「おじいちゃまー!」 「この声は、……紗世!」 [ 何故か、従姉妹の紗世が近くに来ていた。 祖父に抱きついた彼女は、 ふと、横を向いて慶の存在に気づく。 彼女の表情は、 どうしてるという顔をして、 首を傾げているので、 紗世の先生になるかも、と言ってみる。 すると、彼女の表情は一気に明るくなった ] 「……!!おにいちゃま、中等部なのね!」 せーかい。 「お隣の方、だぁれ?」 ………………新しい彼女さん。 「……!?やだやだやだ!おにいちゃま!」 (173) 2020/06/24(Wed) 23:11:07 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ やっぱり嫌々されてしまった。 唄のときもこんな感じだったが、 ブラコンは抜けないらしい。 ありがたいけれど、 紗世は成長して美人になってきている。 つまり、男たちが黙ってはいない人間へと 成長を遂げているということ。 彼は少し悩んで、玄森を紹介するのは また今度にしようかな、と思った ] 「はじめまして、玄森優里です」 「……はじめまして、櫻木紗世…です……」 紗世? 「おにいちゃま、ダメよ! 今は、女の戦いなの!」 あ、はい…… [ 天然すぎやしないか、玄森。 などと脳裏で考えながら、 2人の様子を眺めておく。 彼の新しい人生を 彼女 は、どう思っているのだろう。月命日には、出来る限り手を合わせに行っていた。 馬鹿だなぁ、なんて思ってくれれば、 彼も落ち着くというもの ] (174) 2020/06/24(Wed) 23:11:48 |
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