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【人】 闇の精霊 アルカード―― 学園寮/屋根の上 ―― ……ここにいたか、娘。 [夜闇に紛れて、ゆらりと 我が姿を現したのは学園寮の屋根の上。 部屋から気配が消えたので何処へ消えたかと探していれば。] まったく。 これで風邪を引いたらどうするのだ。 我は看病などせぬからな。 [言いながら、手にしたマグカップの片方を娘に差し出す。 屋根の上に座り込む娘の傍らに腰を下ろせば、 羽織っていたマントを娘の背にかけた。 これで少しはマシだろう。] (4) 2022/05/25(Wed) 23:01:41 |
【人】 闇の精霊 アルカード――…それで、どうした? [ 娘がこうしてふらりと屋根の上に昇ろうとするときは 大抵何かを悩んでいるときだいうのが、 ここ数か月のあいだに学んだことの一つだった。 マグカップの紅茶を一口飲んでから、 覗き込むように首を傾げて娘の顔を見やる。 ]* (5) 2022/05/25(Wed) 23:02:04 |
【人】 闇の精霊 アルカード (40) 2022/05/28(Sat) 5:22:58 |
【人】 闇の精霊 アルカード…はぁ。 [ 仕方がない。 此方の肩に身体を預ける、杏子茶色の髪にため息を一つ吐くと、 娘の身体を姫抱きに抱えて、部屋まで運ぶ。 いつか、初めて出逢った夜のように 娘をベッドまで運んで、身体を横たえさせれば そのまま、ゆるやかに寝息を立てる顔を覗き込む。 ] ……。 (41) 2022/05/28(Sat) 5:23:31 |
【人】 闇の精霊 アルカードなぁ、娘よ。 [娘の杏子茶色の髪に触れる。 ―――…お前が望むなら、命尽きるそのときまで傍にいよう。 人の子の寿命は我や我らより遥かに短く、それまで共にあることなど造作もない。 そう、口にするのは容易いはずなのに。] …。 (42) 2022/05/28(Sat) 5:30:38 |
【人】 闇の精霊 アルカード[それが憚られたのは。 人ならざる自分と共に在ることが「愛されることで温もりを知りたかった」という>>35 娘の願いを叶えることから遠ざけてしまうような、そんな気がしてしまったから。 傍にいることを願われて、嬉しいと。 自分の中にある感情を知って、驚きはすれど嫌な思いはない。 だが同時に、命尽きるそのときまで己と共にあるということは。 良い意味でも悪い意味でも純朴で人の好いこの娘から「愛し、愛される」という人並みの幸せを奪うことになるのではないか。 そんなふうに思えてならなかった。] (43) 2022/05/28(Sat) 5:32:54 |
【人】 闇の精霊 アルカード[白い手袋越しに、彼女の髪に触れていた手を頬へと滑らせる。 擽ったさに小さく身を震わせるのが、面白い反面もどかしくもあった。 我は、この娘に触れられない。 直に触れれば彼女を凍えさせ、我自身は娘の光に灼かれてしまう。 それでも、娘に触れていたくなる。 この感情を、なんといえばいいのだろうか。 この娘と出逢ってから、名前の知らない感情が己の中に増えていく] (44) 2022/05/28(Sat) 5:35:24 |
【人】 闇の精霊 アルカードおやすみ、娘よ。 [ちゃんと、あたたかくして寝ろよ、と。 その身体に毛布を掛け直すと、娘の部屋から朧気に姿を消した]** (46) 2022/05/28(Sat) 5:35:55 |
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