【人】 悪食 キエ>>50 ミズガネ 「当たり前だろ?君が頼んだのは“此の謎を明かす事”だけなんだから。其れ以上の事を身体張って調べる必要が何処にあるんだい? 其れに誤解だなんて言い掛かりだなァ。君達が知ろうとしなかった、の間違いだろう。 僕ァ君の親や教師じゃあない。口を開けて待っていれば餌が貰えると思っているなんて……まるで鳥の雛だねェ。 知識は与えられるものではなく、求めるものさ」 ねちねちとした言葉にきっちりと返せば、腹を摩り呆れた様に貴方を一瞥する。 よく見ればキエの身体付きが丸く、今は女であると判るだろう。 ??? と会話してから性別は其の儘であった。「…… 子供も産んだ事が無い癖に 産後なんだから 君、そんな調子だと子供が独り立ちしてから捨てられてしまうよ?」 色々と誤解を生む表現だが、キエとしてはそう認識している。 (52) 2021/10/25(Mon) 17:37:52 |
【人】 悪食 キエ>>63 ミズガネ 叱りつける様な貴方を嘆息混じりに見下ろした。 ちなみに第一子の名前はゲイザーである。 「 うるさっ ……人間ではないのだから休む必要なんかあるかい?僕ァあんな軟弱では無いけど 初産は流石に堪えた ってだけだよ」性別が可変である事を伝える必要も無いと思った為に、キエは何も言わなかった。館に滞在するならいつか耳にする話だろう。 「君ァ暫く居るんだろう? 食欲が戻ったら貰いに行くから、其の時は損な役回りをした僕へとびきりの労いを頼むよ」 そう言うとすい、と時計塔を見やる。次の行き先は其方であるらしい。 貴方が何を言っても聞き流して立ち去りそうな気配であるし、実際に其の通りだろう。 (73) 2021/10/26(Tue) 21:18:32 |
【人】 悪食 キエ>>94 チャンドラ 彼処は 果て だろう。喧騒から離れた夜空に揺蕩いながら、月を見上げていた時だった。 「……今晩は、チャンドラ君」 思っていたよりも間近で声がしたものだから、キエは一度瞬きをした。 しかし夜の一族というくらいなのだから、此方が本来の貴方なのだろう。そんな軽い認識をして向き直った。 「課題の方は順調かね。短い間ではあったが……きっと今まででは考えられない程、様々なものを見聞きできた筈だ。 予想くらいはできた頃合いかな?」 声をかけられた理由で想定されるものは、課題の答えか、別れの挨拶か、若しくは両方か。 キエはどれでも良かった。どうでも良い、ではなくどれでも良い。 (95) 2021/10/27(Wed) 21:18:02 |
【人】 悪食 キエ>>96 チャンドラ 「勿論だとも。 ……其れに答えは決して変わらぬもの、という訳でもない。 時と場所、そして立場によって変わるだろう。 たったひとつの冴えたやりかたなど存在しないからねェ」 正義とは幾つも存在し、また真相は幾つも隠れ潜んでいるとキエは考える。 どんな答えであろうと、キエは頷きをひとつ返し満足するだろう。 「どんな答えでも──……自身で考え、思い、見つけ、選ぶ。 此れ自体が、僕が人に望む事だからね」 停滞は何も産まない。希望どころか絶望さえも産み出さない。 だから。 キエは、進む事を促す。 何方へ向かおうと、其の歩みが誰かの心を良くも悪くも動かすのだ。 (97) 2021/10/27(Wed) 22:02:54 |
【人】 悪食 キエ>>98 チャンドラ 「……そうか。 共に立つ事で見える景色もあるだろう。 隣にいなければ聞こえない音もあるだろう」 キエは満足そうに頷いた。遮蔽物の無い月明かりが瞳へ刺さっても、キエの視線はしかと貴方を捉えている。 「自分の本当の気持ちさえ、人は案外気付かないものだ。 其れに気付き言葉にできた君は、今確かに成長したのさ。 どうか今抱く想いを忘れずに。 選ぶ事のできる君は、誰かの標に成れる」 キエは其れが地獄への道である事を望んでいるけれど。 現を変える事ができるのは、生きて夢を見る貴方達だけであるから。 どんな歴史が編まれようと、夢の浮橋からは何の手出しもできない。 「いつか答えが変わる日が来るかもしれない。 もし上手く言葉にできず悩んだら、眠る前に僕を思い出すといい。 ……きっと会いに行くよ」 (101) 2021/10/27(Wed) 23:26:51 |
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