【見】 3-A 矢川 誠壱[ かすかな音だった。 気づかれるかどうかも曖昧なほど。 だから、返した踵。 たぶん、邪魔しちゃいけないやつだ。 そう、思ったのに、あっけらかんとした 声が背中にかかるから、動かした足を止めて、 ゆっくり振り返った。 髪で頬を覆うようなポーズで呼びかけた 昨日知り合ったばかりの後輩は、 髪を離して、ぶんぶん手を振った。>>145 はらりと髪が落ちる。 彼女の頬が赤らんでいるのがわかった。 気まずげに振り返った友人に、>>156 表情そのまま視線を向けて、逸らして。 後輩の方を見ながら困ったように眉尻を下げ、 「あーー」と小さく唸ってから、 誤魔化し笑いを浮かべる。] (@24) 2020/11/28(Sat) 8:53:10 |
【見】 3-A 矢川 誠壱いや、なんか、人影が見えて [ 半分本当だけれど、半分は嘘だ。 人影は見えたけれど、ここにいるのは、 彼らを探していたから。 だが、本当にそういう関係ならば、 邪魔をするのは野暮というものだろう。] 2人、付き合ってんの?しらなくて、 あーー…邪魔してごめん、じゃあ、 [ ずく、と何かが痛む。 ───教えてもらえなかったからか。 いや、友人にもプライベートはあるだろうし なんならもしかしたら昨日とか、今朝とか、 この林間学校で付き合い始めたのかも しれないし…だとか、頭をぐるぐる巡らせ ぺこ、と高すぎる頭を下げて、一度その場を あとにしようとするだろう。]* (@25) 2020/11/28(Sat) 8:53:28 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 付き合ってないのか、と思うと なぜか胸が撫で下ろされたけれど その理由はいまいちよくわからないまま、 別段考えようともせず。 ちなみに、男女が一緒にいたら 「付き合っているのか」と探りを 入れられるのが不快だという意見には同意だ。 己にも覚えがあることもある。 だが、今回ばかりは2人の距離がかなり近く、 腕まで掴んでいたのだから正直、 睦み合っているところに邪魔を入れた、 と思ってしまったって仕方がないと思うのだ。 もし彼女に言われていればそう答えただろう。] ええと、少女漫画は…わかんねえけど… [ ひとまず、揃って否定したのだ。 誤解した自分が悪いことは明らかであるから 「ごめん」と一言謝ろう。] (@26) 2020/11/28(Sat) 18:16:47 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 雨宮がポケットを探るのを見ながら、止める 近藤さんと同意見だと言わんばかりに頷く。 それから彼らの方に少しだけ近づいた。] お願いしたこと? [ 彼女の言葉に頭を捻る。 付き合っていない男女がなにやら 密接に体を寄せ合って、何をお願いしたのか。 なにやら苦しげに呻くように聞こえた 雨宮の言葉に余計、頭の中に クエスチョンマークがひしめいていく。 大袈裟に顰められた顔が、下手くそに笑った。 なにかを誤魔化しているのはわかった。 踵を返して立ち去ろうとする雨宮に 状況が飲み込めていないままの己は、 またさらにクエスチョンマークを増やし。 がさがさ音を立てる落ち葉を見下ろして、 それを踏んでその背中を追う彼女を見る。 なんとなく、そのまま行かせてはいけないのは わかったから、彼女の手が雨宮の首根っこに 届かなかったとしても、己が手を伸ばして 引っ掴んだことだろう。] (@27) 2020/11/28(Sat) 18:17:26 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 続けられた近藤さんの言葉を聞く。 それからまた首を傾げて。] ええと、ごめん、わかんないんだけど、 なんか、整理して良い? [ と眉尻を下げた。] とりあえず、俺は、近藤さんと雨宮が 付き合ってないってのはわかった。 で、付き合ってないなら、友達に なんの報告もされなかったことへの もやもやがあったのはまあ、晴れました。 だから2人で話し合うことはないんだけど… で、さっき2人がなんかすげえ 距離近かったのは見えてたんだけど、 それが、近藤さんのお願いに関係あって んでそれは、雨宮じゃなくて、 俺でも聞くことができる、ってこと? [ 一度整理して確認し、間違いが ないことがわかるならば息を吐き。] (@28) 2020/11/28(Sat) 18:17:46 |
【見】 3-A 矢川 誠壱とりあえず、ここから雨宮が立ち去るのも 近藤さんが立ち去るのも変なので、 俺が後から来たわけだし、で、 ええと、お願い?ってのは、 俺が協力できることならするけど …だから、聞いてもい? [ そう彼女の方に向き直った。]* (@29) 2020/11/28(Sat) 18:18:01 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ そのとき、彼女の表情が変わる。 ぐ、と身を乗り出すのが見えて、 手を伸ばすのが見えて、 向き直った体をくるりと翻し、] うぇ、雨宮!!?!? [ こちらも手を伸ばす。 彼が倒れるなら、あるいはふらつくなら、 支えになれる位置にまで届いたはずだ。 その肩が腕に収まったならば、 ほ、と息を吐いて。] え、大丈夫かよ、 [ と眉尻をまた下げるのだ。]* (@30) 2020/11/28(Sat) 18:22:28 |
3-A 矢川 誠壱は、メモを貼った。 (t2) 2020/11/28(Sat) 18:25:17 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ だまって彼女の言葉を聞いていた。 失礼だとは思わなかった。 なるほど、恋話に耐性があるかどうか、 という点を除けば、ではあるが。 そして続いていく言葉に、全く驚かない わけではない。一般的ではない考え、 なのだとはおもうけれど。 「自分を大事にしたほうがいいよ」だとか 「もっと違う方法はないの」だとか そんな言葉はかけるつもりはなかった。 ふ、と一度瞼を伏せるようにして、 落ち葉を見つめて、もう一度、あげる。 言葉を発しようとしたそのとき、 ぐらりと傾いた雨宮を支えようと手を伸ばし。 腕にかかる重みに、ほ、と息を吐いた。] いや、うん、大丈夫だけど 無理すんなよ。 [ 座らせてくれという彼に頷いて、 そっとその体を落ち葉の上に下ろす。] (@31) 2020/11/28(Sat) 20:34:13 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ それから、彼女の方に向き直り。] 事情はわかった。 …俺で協力できるならするよ。 近藤さんが、相手が俺で、 嫌じゃないならってかんじだけど。 [ そう眉を下げる。 もう不要だと言われるなら、 それならそれで構わない。 雨宮の様子を見つつ、よくなるまで ひとまずそこで待つだろう。]* (@32) 2020/11/28(Sat) 20:35:02 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 恋愛は、あまりしてきてはない。 誰か特別な人を作ろうと思わなかった。 誰かの特別になろうともしなかった。 いついなくなるかもわからない場所で 新しくなにか深い関係を築くことは、 しないようにしてきたから。 それでも、どうしてもと押し切られて 付き合ったことくらいはあるし、 キスくらいはしたことがある。 特別な人を作らないようにしてきた、 それを、もうやめると決めた。 だが、決めたからといってできるわけじゃない。 告白されたことはあるけれど、断った。 だから今現在もまだ、浮いた話はないまま。]* (@33) 2020/11/28(Sat) 20:35:15 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 世話を焼く彼女の様子をぼんやり見て、 少し思い立って羽織っていたパーカーを 脱いで、彼の膝にかける。 「羽織ってても良いから」と告げて。] ───安全性、ね。 [ 彼女の言葉を聞いて、困ったように笑う。 まあ、安全性は保証しよう。 何か変な気を起こす、なんてこと、 正直はっきりないと言える。 ───場所も、場所だし。 そう思っていたのは近藤さんの方も同じ だったのだろう。倣うようにして 雨宮の方を確認した。 気まずいか気まずくないかでいえば、 そりゃあもちろん気まずい、のではあるが。] (@35) 2020/11/28(Sat) 21:24:51 |
【見】 3-A 矢川 誠壱…でも、かといって改めて 別の場所で、なんていうのも 変な話だろ。 それに、近藤さんのこれからにとって 必要な確認作業なんだから、まあ、 うん、……俺は、いい、です。 [ そう肯定を示せば、彼女と向き合うだろう。 なんだか変な感じだ。 顔を上げて、目を閉じたその表情を見て。 そっと雨宮の方に視線だけを向ける。] 雨宮、目閉じるか、顔伏せろ。 さすがに見られんのは気まずい。 [ そう、眉を下げて笑って、 律儀に待ってくれる彼女に一歩、近づき。] (@36) 2020/11/28(Sat) 21:25:07 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ ───昨日は、肩が触れるのも気をつけた。 体を折ると、かすかに香る甘い匂い。 変なかんじだな、と思いながら ふ、と眉を下げて。 右手を彼女の口元を覆うように頬に添え。 左手で手首を緩く掴み。] ……バニラか。 [ その香りの答えを囁くように呟いて。 彼女が止めたり、雨宮が声を上げたり しない限りは、そのまま、 少しかさついた唇が口づけを落とすだろう。]* (@37) 2020/11/28(Sat) 21:26:48 |
【見】 3-A 矢川 誠壱 ──裏生徒会とは? [ 枝を拾い集めている時、 自己紹介の時から気になっていたことについて つい尋ねてしまう。W裏Wなんてついているし、 なにか闇の組織的な要素があるのかとか 影の暗躍者的な感じがあるのかとか いろいろ思うところはあるけれど。 堂々と自己紹介で名乗ること そしてなにより、彼女自身の優しさや 気遣いの深さを考えるならば、 聞くこともまずそうな、関わってはいけない組織 とかではないのだろうと踏んでのことだった。 なにやらあらかじめ用意されていたかのような セリフから始まった説明に手を止める。>>147 ちなみに問いかけには、「フルネームに W同級生Wってつけて呼ばれたの初めてだな」 なんて全然関係ないことを考えていたから 答えることはしなかった。] (@38) 2020/11/28(Sat) 21:57:16 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ そうして黙って話の続きを聞いていた。 ───なるほど、全てをきちんと理解 できているかと問われれば微妙ではあるが。] つまり、こう、なんでも親切団、 みたいなかんじなわけだ。 [ と頷いて見せた。 ───それで、己がなんとなくであっても 理解していることが伝わったかどうかは 定かではないが。] すげえな、なかなかできないよ。 人のためになにかするってさ。 (@39) 2020/11/28(Sat) 21:57:48 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 「入江さん、親切だしなあ」と 昨日のカレー製作時を思い出しながら へらりと笑う。] 「裏」とかいうからやばい組織かと 思ってたけどあれみたいだな、 忍者っぽいかんじすんな。 [ そんなことを落として。 また、枝拾いを再開するだろう。 「かっこいいな、入江さん」と呟いて。] (@40) 2020/11/28(Sat) 21:57:54 |
【見】 3-A 矢川 誠壱 ───昼間・森にて [ 口づけを落とした。 ふに、と触れた唇に、全くどきどき しないわけではない。…ときめき的な 意味とかではなく純粋に、久々すぎて これで大丈夫かな、的な意味で。 嫌になるかもしれないしな、なんて 考えながらかすかに触れるだけにとどめていた 唇は、予想に反して彼女の方から 強めに押し付けられた上に、 首裏に回された腕によって引き寄せられるから、 ぐ、と前のめりになるようにして余計背を折った。 片膝を軽く曲げたそのとき、湿り気を帯びた 舌先がちろりと合わせをなぞるから。 驚きで軽く眉が寄り、思わず少し仰反る。 触れていた唇が離れて、瞼を薄く開いた。] (@42) 2020/11/28(Sat) 22:08:27 |
【見】 3-A 矢川 誠壱あー…と [ 一瞬迷って、視線を左右に動かして、 それからまた彼女の方を見つめて。] …続き、必要なら そのまま目閉じて、 んで、薄く唇、開いて。 必要ないなら、腕、解いて。 [ と眉尻を下げる。 どこまで必要なのか、それは彼女次第だ。 確認作業なのだから、結果がわかるのは 彼女しかいない。必要ならば続けるが。 雨宮の方は、なんとなく、見れなかった。]* (@43) 2020/11/28(Sat) 22:08:43 |
【見】 3-A 矢川 誠壱 ───おにぎり作り ───はあ。 [ おはぎっぽい、と口にしたのはなんとなく。 小豆を煮る、と言われても正直おはぎよりも ぜんざいのほうが先に浮かぶのだけれど。 まるっところっとしたその姿が 一昨日食べたおはぎを思い出させたから。 で、目の前には突然語り出した下級生。>>157 しかもあんまり話したことのない女子。 悩ましげなため息まで付属していれば、 間抜けな返答しか出なくても許されたい。 その上、手をとられ、目を輝かせて 世界を目指そうと言われれば、 そのトンデモ発想に なんだかおかしくなってきて。 「ふは」と破顔して笑ってしまうだろう。] (@44) 2020/11/28(Sat) 22:24:03 |
【見】 3-A 矢川 誠壱日下部さんおはぎ好きなんだね [ 「美味いよな」とくすくす肩を震わせて。] …飯盒で炊いたもち米は気になる。 うまく炊けるかはわかんねーけど なんかやってみる価値ありそうだな。 [ うんうん、と頷き。 「いつかやってみてもいいな、 日下部さんの怪我が治ってから、だけど」 なんて冗談を交えた返答をして、 眉尻を下げてみるのだった。]* (@45) 2020/11/28(Sat) 22:24:16 |
【見】 3-A 矢川 誠壱いや、嫌とかじゃない。 ちょっとびっくりした。 [ そう素直に口にする。 これいっそ技能を問われてないか? と思ったのは言わないけれど。 上手い下手を言われたことはないが、 つまりは可もなく不可もなく、だろうし。 こちらの問いかけに迷わず、 もう一度目を閉じて、薄く開かれた唇。] ───ん。わかった。 [ こくりと頷く。 雨宮と彼女がすでに口づけを交わしていた、 なんて事実を己は知らない。 それを知ることがあったなら、なにか 気づくこともあったかもしれないが。 結んだ唇を少し舌先で湿らす。] (@47) 2020/11/28(Sat) 23:01:47 |
【見】 3-A 矢川 誠壱雨宮、耳、塞いで。 [ そうお願いを落とし。] 無理だと思ったら突き飛ばして。 [ 呟くように伝えてから、 優しく彼女の唇を、頬を包んだ右手の 親指でゆっくりとなぞり。 優しく、すべきだよなと考えながら、 額に、目尻に、鼻先に、頬に、口角に キスを落としていく。 薄く開いた己の唇を重ね、下唇を食んだ。 ちゅ、とかすかにリップ音が立つ。 風で木々が揺れる音しかしない森の中で、 体調の悪い友人がすぐ近くにいて、 いったい何をやっているんだ、と 冷静に問いかける自分もいたけれど、 無視をした。 ───きっと、必要なことだと思う。 彼女の、これからに。]* (@48) 2020/11/28(Sat) 23:02:31 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ そのまましばし続けた口づけ。] ───は、 [ 吐息をこぼし、唇を離す。] …あー…確認、できそう? [ と不安げに問いかけて微笑み。 腕をとっていた左手の親指で口端に残った 唾液をかるく拭った。 技能不足ならば、申し訳ないなと思いつつ。]* (@49) 2020/11/28(Sat) 23:04:24 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ おにぎりは、美味しかった。 空腹はかなりきついほどになっていたのも きっとあるのだろうが、 佐藤さんにもらったおにぎりはとくに、 ほどよく粒立った米が残っており、 手に持っても崩れないのに、一口 噛むとほろりと解ける。 専門店のものにも勝るとも劣らない代物。 あのスピードでなんというクオリティだ… とまじまじ見つめてしまった。 ちなみに己のおにぎりは、 見栄えはかなり良くできているが、 握りすぎで米の粒は潰れているし、 正直上手いとは言えなかった。 やはり米に関して発揮される能力は 幻だったらしい。] (@50) 2020/11/28(Sat) 23:44:34 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ なんだかんだありつつ、 なんとか終えた散策のあとは、 風呂に入る。サウナで我慢大会、 なんてものも開催されてはいたが、 この図体でもしぶっ倒れでもしたら 迷惑をかけるから、と遠慮しておいた。 風呂から出れば、次はバーベキューらしい。 「肉なにがあんだろー」なんてわいわい いいながら向かっていく人の波に逆らって、 昼間来ていたパーカーを羽織ったまま、 ぼんやりと歩く。 辿り着いた先は自販機横のベンチ。 コーヒーを一本購入して、座る。 息を吐きつつ、プルタブに爪を引っ掛け、 かこん、かつん、と音を立てた。]* (@51) 2020/11/28(Sat) 23:45:05 |
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