人狼物語 三日月国


33 【恋愛RP】Umbrella×School×Love!【R15】

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視点:人


矢川 誠壱は、トオルくん、中の人発言は「独」のタブでするといいよ!
(a1) 2020/06/20(Sat) 7:40:13

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 舞台袖で、動けないでいた。
食い入るようにして見たその光の下。
薄く脱色した彼の髪がキラキラひかる。
自分たちが先ほどステージに立ったときの様に
静寂が訪れることはない。
真後ろでも「あれ誰だ?」と聞こえた。
そっと後ろを向く。そこにいたボーカルが
こちらを見上げるから柔く微笑みを向け。]



   俺が、今一番いい音だと思ってる
   ピアニストだよ。


[ と伝えると「ほーぉ」とメンバー全員が
ハモるものだから笑ってしまった。

彼が首元のネクタイを緩めるのが
上がったグランドピアノの蓋の隙間から見えた。>>2:249
なんとなく、己も息を吸い込んだ。]

 
(12) 2020/06/20(Sat) 17:45:01

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ そしてはじまったのは「猫ふんじゃった」
ぱちくりと目を瞬かせ、そして
続いた初級ピアノの練習曲。
さらに髭の配管工がぴょこぴょこ跳ねれば、
おもわず「ふは、」と噴き出した。

全然、脈絡のない演奏。

きっと後ろにいるメンバーも面食らって
いるのだろうなと予測はつくけれど。

やっぱり、跳ねてる。

 ───君は、スポットライトの下が似合う。


なぞられる、ふたりのセッション。
何気なく選んだ曲が全て続けば

俺も、その隣に立てればいいのにな、
なんて思うだけならきっと許されるはずだ。

ざわついていた音が止む。
体育館に響く音は、教室で聞いた時より、
ずっとずっと、キラキラしていて。
ああ、天の川に似てるなと思った。]

 
(13) 2020/06/20(Sat) 17:45:45

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 「上手いな」と小さくギターの裕也が呟く。
彼から目が逸らせないまま、うなずいた。

何にでも、どんな時間にでも終わりが来る。
その有限を懸命に生きるためにみんな
今を、今だけをみて走っていて。
己はそこに、うまく乗り切ろうともせず
自分勝手に否定して、ずっと逃げてきた。

一瞬の静寂。

拍手が聞こえるよりもはやく、
次の曲が、はじまる。これは───]



  「Goodbye Yellow Brick Road だ」



[ 誰かが小さく、呟いたのが聞こえた。]

 
(14) 2020/06/20(Sat) 17:46:10

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 曲が変わる。
これは、知ってる。よく知ってるよ。]


  I am brave, I am bruised…




[ 小さな声で口ずさむ。
うん、いい曲だ。]

 
(15) 2020/06/20(Sat) 17:47:34

【人】 転校生 矢川 誠壱




    ───…


[ 唇を結ぶ。

半ば俯くようにしてその場を去った。
どうしてだろう。

それはうまく、今は、
まとまりそうになくて。
ただなんとなく、
泣いてしまいそうだったから。]*

 
(16) 2020/06/20(Sat) 17:47:59

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 見にきてほしいとおもった。
それが自己満足だとわかっていて。
全英詞で、うまく伝わるかどうかは
わからなくても、彼に伝えたかった。

その左手がうまく動かなくたって、
君には君の音があって、
ごまかさないで、受け入れて、
本当は全部ひっくるめて愛してほしい

だって俺は言っただろ?
君の音が好きだって


そう、伝えたかっただけなのに、
わかってしまった。気づいてしまった。
それよりも弱い自分のことが、
自分が今まで逃げてきたことが、
───こわくて、目を逸らしてきたことが。]
 
(41) 2020/06/21(Sun) 6:38:30

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 黙って歩いて出た体育館。
広いこの学園で、まだ道も覚えてないから
ここがどこなのかもわからないけれど、
一心不乱に歩いた。
だれもいない場所をさがして。

ようやく見つけた使われていない
教室の扉をひらいて、入る。

人の声が遠く、騒めいて聞こえた。

適当な椅子に座る。
負ったままのベースケースを、
そっと隣に下ろした。


だれの記憶にも残りたくないとおもってた。
褪せて消えていくだけの存在になって
それをただ眺めているだけになるなら
いっそはじめからなければいいと。

だけど、───本当はたぶんわかってた。]
 
(42) 2020/06/21(Sun) 6:39:03

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 本当に記憶に残りたくないのなら
誰にも関わらなければいいし、
音楽なんてしなければいい。
一人で奏でるだけの日々を過ごせば
そこに記憶は存在しなくなる。
ただ、自分だけが覚えていられる。

それでも人に関わるのは
わざわざ音を共に奏でたいと思う
その時間が終わらなければいいと願う
いつかまた、もう一度と祈る
結局のところただ寂しかっただけだ。

見たくなかった、だけで。


本当は誰かの記憶に残りたい、

本当は─── ]

 
(43) 2020/06/21(Sun) 6:39:22

【人】 転校生 矢川 誠壱




   誰かの特別になりたかったんだな


 
(44) 2020/06/21(Sun) 6:39:41

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ はは、とちいさく笑いが漏れる。

己にとって、人との関係は
いつだってうすっぺらくて。
吹いたら飛んでいくようなものだった。

それは、己を守るためで、ただの意地。

だけど、 ───いまは、それが嫌だ。

彼らの記憶に残りたい。
矢川誠壱という人間がいて、
そこに確かに存在していたのだと
途切れない、関係が築きたい。

───いまさら、どうすれば上手くできるのか
ああ、おれは人間と接するのが、
きっと今日できた年下の友人よりも
ずっと下手なのかもしれないとおもった。
前髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。]

 
(45) 2020/06/21(Sun) 6:40:03

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 手を伸ばしたケースからベースを出して。
そのファスナーを開いた。
アンプに繋いでいないエレキベースは
本当に微かな音しか紡がないけれど。
膝の上において、構えて鳴らした。

かっこいいと、すごい、と言ってくれた
彼らに見合う自分で本当に今いられるのか
それはわからない。
かすかに響くGは、壁を伝わない。
ただそこにただ落ちるだけだ。

ひとりって、こんな感じだったっけ

そう、おもいながら
弾き始めるのは、セッションで演った曲。
聞こえないはずの兎が跳ねた。]*

 
(46) 2020/06/21(Sun) 6:40:28

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ しとしと、雨が降り続く。

どうして、この時期にわざわざ
学校行事を持ってくるのだろうか。
それは単純に疑問だった。
その意味をまだ今は、きっと
理解できそうにない。

ぼんやり見つめた窓の外。
どこにも届かない音が床に落ちる。

スマートフォンが震えた。
メンバーからだろうということくらい
安易に想像がつくのだけれど。

どうして黙って出て行ってしまったのか
そう問われるとうまく言葉には
ならないのだろうと思う。]

 
(102) 2020/06/23(Tue) 18:38:53

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ あのステージに立って思った。
誰かの特別になりたかったんだなあ、と。

あのステージから見て思った。
その光の根源にいる人が
この音の渦の中溺れずに立っているはずで。

あのステージを見て思った。
その光を受けた人が
何故だかどうしても眩しくて。

泣いてしまいそうだったから。

踏み出してくれればいいと思った。
彼の描いた世界が好きだったから。
もっと、たくさん触れて欲しかった。
遠く、離れたところからではなく、
直接音に触れたその筆がなにを描くのだろうと。

踏み出してくれればいいと思った。
彼の奏でる音が好きだったから。
もっと、その音を聞かせて欲しかった。
揺れる音の波にきらめきを感じたかった。

そんなエゴに似たなにかが、
彼らを動かしたことが、たとえば
それが特別だというのならば。]

 
(103) 2020/06/23(Tue) 18:39:17

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 特別になりたかった。
ただ、特別になるのは怖かった。
結局たぶん、臆病者なのだ。

彼らは踏み出したのに、
己はここに立ち止まったまま。
その先に進むのが怖かった。

だからひとり、こんなところで
立ち止まったまま、動けなくて。
あの熱気の中にあった音の粒をただ
無機質な床の上に落としていくだけ。

カタン、と小さく椅子が音を立てた。
ベースをそっと近くにあった机に置く。
そのまま足を窓際へと進める。

降り続く雨の音。目を閉じた。]

 
(104) 2020/06/23(Tue) 18:39:33

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 彼にとっても>>1:-151

 彼にとっても>>2:118

 彼らにとっても>>2:166 ]



   ───後悔、か >>1:102


[ 息を短く吐いた。
唇を噛んで、離す。]

 
(105) 2020/06/23(Tue) 18:41:20

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 窓際からそっと離れて、ベースをケースに入れた。

話さなければいけないことがある。きっと。

だから、ここから行かなきゃいけない。

彼らが自分で踏み出したみたいに、
自分もこの足で。

教室を出る。
ここがどこかはわからなかったけれど、
人の声のする方へと足を向けて。

途中、「イチくん」と呼んでくれる
声があった。やめてほしいと思っていた
その声が、少し照れ臭くて嬉しい。
そう素直に思えた。]

 
(106) 2020/06/23(Tue) 18:41:59

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 見えた人影。
心臓が打った。
なんとなく、緊張する。
少しだけ背筋を伸ばして。

後ろからその背中に駆け寄ろう。

そして、とん、と手を肩に置いて。

ああ、うまく言葉になるだろうか。
変なやつだって思われるだろうな。]

 
(107) 2020/06/23(Tue) 18:43:03

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ まあそれでもいいさ。
だっておれは、特別になりたいんだ。

特別なW友達Wになりたいんだよ。]

 
(108) 2020/06/23(Tue) 18:43:25

【人】 転校生 矢川 誠壱





   ────なあ、 あのさ、



**
(109) 2020/06/23(Tue) 18:43:35

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──まだもうすこし先のもしも──

[ くああ、と大きなあくびをこぼした。

相変わらず寝坊癖は治らない。
スマートフォンの着信は2件。
一件は祐樹で一件は裕也だった。

Two winsは「終わらない」と宣言した
祐樹の言葉通り、文化祭の後もライブハウスで
何度か演奏をし、そのたびに盛況を呼んだ。
ただ、相変わらず曲は書けないと跳ね除ける
ツインズにはデビューだとかそういう話は
くることもなく。大学生になってすでに
2年と少しが経った現在もゆるゆると
コピーバンドとして活動を続けている。]

 
(121) 2020/06/23(Tue) 23:01:18

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 祐樹の声は人の耳を引くし、
見目麗しい双子に人気が出ないわけもなく
着実にファンを増やしていっている。
ちなみに、以前のベース担当はというと、
己にその枠をわたして、県外の大学を受験し
あっという間にこのバンドを去っていった。
相変わらず仲はいいし、あのころよりも
ずっと自分とも交流はあるけれど
もう一度バンドをする気はないらしい。
というわけで、間違いなく、矢川誠壱は
Two winsのベース担当なのである。

メッセージがきているのを開くと、
こちらもまた祐樹からだった。


 W次のライブ決まった

  再来週の金曜の夜だけど
      予定大丈夫そう?W


なるほど、おそらく電話もその件だろう。]

 
(122) 2020/06/23(Tue) 23:01:52

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 父の転勤は相変わらずだけれど、
もう一緒に転々とするような歳でもない。
学園から二駅離れたところにある
大学にそのまま進学して、現在21歳。
一人暮らしは気ままなものだ。

もちろん仕送りに足すためにバイトも
しているし、それなりに忙しくはあるが
バーでのバイトは、楽しかった。

恋愛云々に関しては今もからきし。
というか、正しくは好きな人がいる。
…否、好きな人になった、のだ。

バーカウンター越しに誘われることも、
大学の同期やライブ終わりに
声をかけられることもある。
だがなぜだろう。
微塵のときめきも感じないのだ。

ある一人の人間を除いては。

だから、つい1ヶ月ほど前。
高校時代からの年下の友人に話した。
どうやら俺はあいつの事が好きらしい、と。
そのときどんな顔をしてたっけ。
あまりにあっけらかんと話したから、
もしかしたら面食らっていたのかもしれない。]
 
(123) 2020/06/23(Tue) 23:03:51

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ ───同性で、友達だった。


いや、そうだな。

友達なんだけど、特別な人だった。


自覚したのはわりと最近の話だが
それに納得すれば話は早かった。
今までの感情にも整理がつくのだ。

同性を、ましてや友人を好きになるなんて、
もっと悩むべき事なのかもしれないし、
もっと思い詰めるべき事なのかも
しれないのだけれど。

そんな気持ちは微塵もない。
ただ、はっきりしているのは、
間違いなく自分は彼のことが好きで、
自分にはそれを伝える術があって
受け入れてもらえるかどうかはさておき
今のままでは嫌だということだった。]

 
(124) 2020/06/23(Tue) 23:04:35

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 約束していた場所へ向かう前、
先に喫煙所へ寄るとそこには
案の定彼の姿があった。

自覚すれば、その笑顔も、
声も、髪の長さも、指の動きも
伏せられたまぶた、光に当たると
薄く茶色だとわかる瞳の色
くわえたたばこがほんの少し恨めしい程
なにもかもが愛おしく思えるのだから
人間不思議なものだ。

喫煙所の窓越しに手を振る。
目があって、撓む。
こちらに気づいたのがわかった。]

 
(125) 2020/06/23(Tue) 23:04:58

【人】 転校生 矢川 誠壱






[   ───ああ、うん 好きだな。]


(126) 2020/06/23(Tue) 23:05:34

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ それからそっとその扉を開いて、
中へと足を踏み入れる。
この匂いにも随分慣れた。
自分は相変わらず吸わないけれど。

ジジ、と小さく燻る灰の音がした。]



   今日晩飯どっか食いにいく?


[ 形の良い唇が開く。
答えにうんうんと頷いて。
片手にスマートフォンをとった。
返信をしておかなければ、再来週の金曜日。
ついでにバイトに休みの申請を
連絡しておかなければ。

ふと上げた目線の先にあった、
柔らかな髪が、揺れる。
晒された白い首筋に光が当たった。]
 
(127) 2020/06/23(Tue) 23:06:00

【人】 転校生 矢川 誠壱




    そういえば、俺さ、
    雨宮のこと好きなんだよね


 
(128) 2020/06/23(Tue) 23:06:25

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 口から、当たり前のように吐いて出た。
遠くでテニスサークルが打つ
ボールの小気味良い音が響いている。
ロマンチックさのかけらもない。

スマートフォンの画面をタップして、
「りょーかい」と祐樹に返信した。]



    あ、あと次のライブ再来週の
    金曜だけどこれたりする?

    要にも連絡しとくけど
    たぶん体調次第だろうし。


[ そう続けて。
またスマートフォンが震えた。
祐樹からだ。「ちょっときて」と
書かれているからこれはたぶん
曲のことで裕也と揉めたんだな、と頷いて。]

 
(129) 2020/06/23(Tue) 23:07:01

【人】 転校生 矢川 誠壱




    あ、ごめん、ちょっといくわ



[ そういって壁につけていた背を離して、
ポケットにスマホを押し込んだ。
出て行く直前「あ」と小さく落とし、
立ち止まる。いけないいけない。
さすがにさっきの言葉を
なかったことにするつもりはないのだ。

彼の唇にあるタバコをとって。
それに口をつけるか一瞬迷って、
かわりにその唇に自らのそれを当てよう。
かすかなリップ音とともに離せば、
高校の時、文化祭の日に理科室で吸った
タバコの煙たい苦味が思い出された。

あのときは返したそれを、
目の前の灰皿に押し付けて。]

 
(130) 2020/06/23(Tue) 23:07:21

【人】 転校生 矢川 誠壱





    ───さっきの、考えといて



[ と首を倒して笑い、その場を去ろうか。

一度や二度断られたくらいでは
諦めるつもりは毛頭ない。

きっとゆっくりしていては
あっという間に掻っ攫われてしまうから。

彼にとってのW特別な人Wに
今度はまたあのときとは
別の意味でなりたいと願うのは
きっと悪いことなんかじゃないから。

バンドメンバーのもとへ向かう途中。
足取りはなんとなく軽い。
キスをした。だがその唇の柔らかさより
その直後の顔を思い出しては
なんだか笑えてしまった。]*

 
(131) 2020/06/23(Tue) 23:08:09

【人】 大学生 矢川 誠壱

 ──もしものもう少し先の話──


[ 雨が降ると思い出す。
短い期間ではあったけれど、通った母校は
自分にかけがえのないものをたくさん
たくさん、贈ってくれた。
それは、友達だったり、絆だったり、
思い出だったり、約束だったり
───今この手のなかにある、
愛おしい人だったり、するのだけれど。

「文化祭、そろそろだよな」と
呟くと隣にいる男はタバコをふかして
「そうだなあ」と返した。

あの頃は、どうしてこんな時期に
わざわざ文化祭をするのだろうかと
不思議に思っていたものだけれど
今となっては、なんとなくわかる。

これが大人になったからなのか、
はたまた時間が経ってただただ、
美談になっているだけなのかは
わからないのだけれど、
まあひとまず自分にとってあの日の
出来事は何もかもが特別だった。]

 
(146) 2020/06/24(Wed) 20:37:46

【人】 大学生 矢川 誠壱




  そういえば、文化祭の始まりの演目に
  伝統の和太鼓ってあったじゃん

  俺は伝統かどうかしらないけどさ、
  あの日、学園の男子生徒宛に
  送られてきたメッセージ、
  入って1ヶ月くらいだったし、
  俺のところにはさすがに届いてなくて
  それなのにわざわざ祐樹が転送してきてさ


[  あの日、理科室で話している途中。
鳴った着信は、そのメッセージだった。
自分はライブのこともあるし、
あまり目立ちたくはなかったから、
申し訳ないがスルーさせていただいたのだが]

 
(147) 2020/06/24(Wed) 20:38:06

【人】 大学生 矢川 誠壱




   智がさ、あのとき

  「俺ドラムだし和太鼓もやっとくべき?」
   とか急に言い出して、祐樹が
   爆笑しながらやってこいよって勧めてさ

   いや俺もまさか褌だと思わないから
  「いいじゃん」って普通に流したんだけど
   いやもうあのときのさ、智の
   すんげえ気合のはいりようと、
   迫力がさ、忘れらんないよな。

   今もたまにあのときの画像、
   持ってる子いるらしいし。


[ そんな話をしながら、スマートフォンを触る。

1本目のタバコを灰皿に押し付ける
その指の動きをじっとみて、
2本目を取ろうと、箱をトントン
叩いているのもまたじっとみて。]

 
(148) 2020/06/24(Wed) 20:39:02

【人】 大学生 矢川 誠壱

[ そっと箱を左手で押さえて、
触れるだけの口づけを贈った。

まつげの隙間から驚いた顔を
盗み見ては、ふ、と口元を緩め。
またもう一度重ねては、
開いてくれないだろうかと、
舌先でそっと閉じられた合わせをなぞった。

あの文化祭の日。
友人となったこの男は、
紆余曲折の末、現在恋人という関係に
落ち着いているわけなのだけれど。
不意打ちで仕掛けたキスのハードルは、
軽々と超えたというのに、それから先に
どうにもなかなか進まない。

進みたいとは思っているし、
進めようとは思っているのだけれど
なかなかどうして男同士ということもあってか
ガードが固いのは仕方がないのだろうか。

───己に、抱かれる気が全くないし、
むしろ抱く気しかないのも要因なのだとは
薄々感づいてはいるがそこは置いておこう。


離れた唇を、ぺろり、と舐める。
抗議の言葉は聞く気がない。

たぶん、もう一押しなのだ。]
(149) 2020/06/24(Wed) 20:39:35

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ 恋人の指が今度こそ2本目のタバコに伸びる。
カチッカチッと響いたライターの音。
赤く灯った火が葉を燃やして煙を立てた。

そういえば、この間要と話したことを
ふと思い出す。あれもあの日のことだった。]



   そういやあの日さ、要に
   たばこの煙吹きかけたんだって?>>2:16
   こないだちょうどその話してた。

   あのときにさ、なんか、
   喫茶店やってよかったなあって
   思ったんだって>>2:21


[ それだけ聞けば変な話ではあるのだが。
なんとなく、わかる気がした。]

  
(150) 2020/06/24(Wed) 20:40:11

【人】 大学生 矢川 誠壱


[ あの日、年下の友人があそこで
喫茶店を開いていてくれたから。
自分たちはきっといまここにいるわけで。
あの時間が、あの場所がなければきっと
今は存在していなかったと思う。

そう考えると、理科室を使った、
小さな喫茶店が人生の転機になったと
言ったって過言ではないだろう。

あいつにはまたお礼を言わなきゃな、
なんてことを考えながら。]

 
(151) 2020/06/24(Wed) 20:40:40

【人】 大学生 矢川 誠壱




   ───ところでさ、たばこの煙、
   吹きかけるのって意味があるって
   知ってた?


 
(152) 2020/06/24(Wed) 20:41:01

【人】 大学生 矢川 誠壱


[ そういって首を傾げる。
そっと彼の手にあるタバコをとって、
あの日のように吸い込んだ。
今度は咽せたりしない。
肺までしっかり取り込まなければ
平気だということはここ数年で
学んだし、そもそもいまはこの香りが
別に嫌いではないのだ。

ふう、と恋人の顔に紫煙を吹きかける。

それから、軽い口づけを落として、
その指にタバコを返した。
また怒られるなら肩を竦めて笑うだろう。]



    知らないなら、調べてみて。

    ───意味がわかったらさ、
    今晩、飯行こうよ。



[ そんな誘いをかけて。
自分は一旦その場を去ろうか。
ひらひら手を振って、
なんでもないような顔をして。]
 
(153) 2020/06/24(Wed) 20:41:41

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ ちなみにそのあと意味を知った
恋人から焦ったように連絡がくるなら、
男はからからと笑い声をあげるだろう。

どうしてもというなら待ってあげなくもない。
だって、まだまだ時間はある。
友人としてはそれなりに経った月日だが
恋人としては、まだまだ、短い
───否、これから、続いていくのだから。]

 
(154) 2020/06/24(Wed) 20:42:07

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ 雨が降ると思い出す。
短い期間ではあったけれど、通った母校は
自分にかけがえのないものをたくさん
たくさん、贈ってくれた。

なぜあの時期にわざわざ雨の中、
文化祭をしたのか、なんて。
今となってはどうでもいいこと
なのかもしれないのだけれど。
大人になったいまだからこそ、
───振り返ることのできるいまだからこそ、
わかることもきっとある。

そうだな、もし自分が理由をつけるなら。]
 
(155) 2020/06/24(Wed) 20:42:28

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ 雨が降るたびに思い出せるから?
雨が上がれば虹がかかるから?


いや、それよりも。]

 
(156) 2020/06/24(Wed) 20:42:57

【人】 大学生 矢川 誠壱




───雨は、降り注ぐ幸せに似てるから。


 
(157) 2020/06/24(Wed) 20:43:15

【人】 大学生 矢川 誠壱




[ そんなことをいったらあいつらには
「くさいこというなよ」と笑われるのかも
しれないけどさ、いいだろ。

だってきっと、あそこにはたくさんの
幸せがあったはずだと、思うんだ。]**

 
(158) 2020/06/24(Wed) 20:43:31
 




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ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
madparty by シロクマ
rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
ぐれすけ・ぷらす by 純
ニューホライズン by youden
バーバチカ / プトロレ by たべ
ユメツナギ by 天瀬春日
StarGazer / LittleStar by CONBE
御常紀学園 by HS_29
オハナシノクニ by オハナシノクニ制作委員会
Fragment of Jewels by 粉海月
花園女学院 / 他種族孤児院 by はこみ
xxxx組 by サイコ瓦
おりふし学園 by めんるい
Fairytale Syndrome by hTuT
Salute by むくっこ
Le parterre by イヌバラ
Troopers by 人類管理連合
お野菜キャラセット画像 by 無料素材倶楽部
Siuil a Run by 匈歌ハトリ
紫煙をくゆらせ by 空砂
RocketPencil by 山本羅刹
エトリエ / エトリエ・戦国 by とり
ボワボンボン by あとらそふと
古の迷宮 by とり夫
JEX Online by katarazu
煌夜の決闘 by ジュエルセイバーFREE
こだわりアイコン by fatcow
トランプ画像 by しろま空間
リンソン by moonpupa