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【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[何も考えてないわけじゃない。 ううん、きっといつも考えてる。 私以上に彼は、ずっと。 口に出すとこはないけれど、 その眼で見たものを、その耳で聞いたものを、 敏感に受け止めて、 彼は、彼なりにいつも動いているように見えたから。 身を隠すように留まっていた屋根裏部屋。 朝焼けの中で見た笑顔は>>99、 太陽と同じくらい温かく思えた。 手放したくないと、思った。 ぎこちなく表情を変える彼をもっと見ていたい。 その言葉を、信じてもいいのなら、 この手を離しても――『大丈夫』だろうか。] (277) 2022/12/24(Sat) 19:02:06 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[そう思った時、不意に違う声が聞こえた。>>193 思考に巡っていた意識が、 ぱちんと、風船が割れるように現実に戻る。] ……あ、エト。 [エトは星を詠むという、その名の通りの『星』の人。 どこかぼんやりしている人で、 そんなところは少しプロセラと、 近い印象を持っていたかもしれない。 これは直接本人に聞いたわけじゃないけれど。 プロセラが洋館に来ることになった理由に、 彼が関係していたことは、 世話人同士の噂話で聞いたことがある。 それをプロセラが、どう思っているかは、 聞いたことがないけれど。] (278) 2022/12/24(Sat) 19:02:17 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク……え、 [悲しい顔をしていると言われて、思わず頬を抑えた。>>195 そんなに表情に出てたかな。 言われるまで、気づいていなかった。 不安だと言う言葉を、 どう受け止めていいのか、分からなかった。 私のプロセラに対する不安が、エトにも見えていたのか。 エトの視線がプロセラに向くのを、静かに見つめる。 ――『塔』は『星』の目の前で処刑されました。 教典の一文をまた思い出した。 『星』が『塔』を求めているのか。 かつて友であったという二人。 友達になりたいと、今伝えるエトを。 どうしても教典に重ねてしまう。] (279) 2022/12/24(Sat) 19:02:50 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[そのエトが、口にした言葉は>>197、 私が不安を抱いているものと同じような気がした。 すごいな。 これが星詠みの力なのかな。 彼自身の持っている"何か"なのか、分からないけれど。 エトの言葉に後押しされるように。 握り返された手をもう一度、強く握って、 プロセラを見つめた。 ねえ、プロセラ。 私だけじゃないんだよ。 あなたを心配してくれる人が此処にもいる。 (280) 2022/12/24(Sat) 19:03:18 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[そう教えてくれたのは、奇しくも、 かつて『塔』が友と認めたひと。 そばにいるから>>103。 その言葉を、そのまま受け止めてもいいよね?] ……プロセラ。 [世界の混沌を見せる中継機の、 放送されていた言葉の中に、彼の名前があった。 『嵐』はまるで彼の心の中を表すよう。 見えない表情の奥で、幾つもの壁を纏ってる。 そう、あなたが名乗った名前を、呼ぶ。] (281) 2022/12/24(Sat) 19:03:37 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[ ときに『嵐』が起こらなければ、 『太陽』は人を焼き尽くしてしまうだろう。 それならば、あなたが居なくては。 私には、あなたが居なければ。 **] (282) 2022/12/24(Sat) 19:06:16 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[見上げた視線の先、赤いプロセラの瞳が、 少し眩しそうに細められて。 何か、伝わったんだって確信した。 滅多に動かない彼の唇が開いて、 彼がゆっくりと言葉を紡ぐ。 それは、私への心配だった。] ……え、…… [考えていなかった。何もかも。 プロセラの言葉で>>303、はじめて思い至る。 二十二人揃ったことで世界が崩壊しかけたこと。 それはたしかに、世界の人々を混乱させるだろう。 暴動も起きるかもしれない。] (401) 2022/12/25(Sun) 15:00:41 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[でも、世界は壊れなかった。 壊れなかったのなら、大丈夫だろうって思ってた。 私達が何かをしたわけではないけれど、 崩壊しかけた世界の理由を、私達は知っている。 知っていることが、 また、世界の人達を不安にさせてしまうだろうか。 そうしたら、私はまた。 昔のように石を投げられたりもするのだろうか。] (402) 2022/12/25(Sun) 15:01:03 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[――――怖い、と思う。 畏怖の眼よりも、何よりも。 憎悪の眼を向けられることが。 それは時に攻撃的なものに変わり、 人を傷つけてしまうから。 世界は不安なのだ。 不安だから、探してしまうのだ。 行き場のない感情をぶつけられる対象を。 広告塔の仕事をこれからも続けるのだとしたら、 いつしかは、きっと、ぶつかるだろう。 綺麗な感情だけじゃない。 人々の抱えきれない想いに、 『証持ち』への様々な感情を抱いた気持ちに。] (403) 2022/12/25(Sun) 15:01:25 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[ぶる、と肩が震えた。 これからのことを想像して。 "傷み"を思い出してしまって、震えたのだ。 一度、覚えた疵は記憶に残るから。 また"傷み"と向き合うことになるかもしれない。 ―――それでも。] (404) 2022/12/25(Sun) 15:01:48 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[助けになりたいと言ってくれる人がいる>>304。 それだけで涙が出そうだった。 ぐっと唇を噛みしめる。 その言葉だけで十分だった。 其処に居てくれるだけでもいいのに。 いつも受動的だったプロセラの、 初めて語られる彼の願いの中に、 私がいることだけでも十分に力になる。 もう、膝を抱えて泣いていた頃とは違う。 今はひとりじゃない。 プロセラだけじゃない。 洋館で過ごしてきた『証持ち』の人たち。 それぞれ、関わりは長くあり短くとも。 それが、私の今、"守りたいもの"だから。] (405) 2022/12/25(Sun) 15:02:09 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[はく、と口を開いて、閉じて。 滲んだ視界で考えを話すプロセラを見届ける。 こんなにたくさん話すプロセラを見るのは初めてだ。 誰かに物事を頼むのも、きっと。 そのきっかけをくれたのは紛れもなくエトだろう。 二人のやりとりを眺めながら、 言いたいことはたくさんあったけれど。 胸が詰まって、言葉にならなくて。] ……ふぇ……、 [吐くように息をしたら、 ぽろっ瞳から何かが零れ落ちた。] (406) 2022/12/25(Sun) 15:03:38 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク……うぇ……、ぁぁん……っ……! ぁぁぁぁぁぁ……っ……、 ["守りたい"と思っていたと同時に、 "守られていた"と知る。 『大丈夫』だと言い聞かせながら、 『大丈夫』じゃなかったのは、私。 気付かされて、初めて気づく。 ずっと、" "を抱えていたこと。 そしたら、ぼろぼろと何かが決壊したみたいに。 溢れて溢れて、仕方なくて。 子供みたいにプロセラの手を握りしめて、 しゃくりあげながら、大声で泣いた。**] (407) 2022/12/25(Sun) 15:04:15 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[ひとしきり泣いて、泣いて。 自分でも止められないぐらいに泣いて。 プロセラとエトを少し困らせたかもしれない。 二人と分かれて、泣き腫らした眼を擦りながら、 調理場で水分を少しだけ摂った。 飲み物を飲めば、少しだけ落ち着いて。 柔らかな息を吐き出して、一息をついた。 プロセラの心配が無くなった分だけ、 不安が少しだけ薄れたけれど。 神様の言葉を聞いたみんなは、 それぞれ思うところがあったのか、 ばらばらに反応を見せていたように思う。 当然のように。 みんな此処に残るものだと思っていたけれど、 そうでない人も、居るのかもしれない。] (462) 2022/12/25(Sun) 21:46:52 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク (463) 2022/12/25(Sun) 21:47:33 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[調理場から駆け出したら、 食堂にまばらに人が集まっているのが見えた。 シトラと、探していたチェレスタと。 その他にも何人か証持ちの人が居たかもしれない。 今は周りを見る余裕もなくて、] チェレスタ……!! [彼女の姿を見つけたら、 飛び出していた椅子にぶつかりながらも、 チェレスタの下に向かっていく。 慌てていたせいか、息が切れて。 眼はさっき泣いたばっかりで赤いままで。 談笑していた彼女たちの間に、 割って入るように、彼女を両肩を捕まえた。] (465) 2022/12/25(Sun) 21:48:03 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[肩で息を整える。 上下する肩を大きく息を吐き出してから、吸い込んで。 彼女と正面から向き合った。] ……大丈夫じゃない!! チェレスタが居なくなって大丈夫なわけない! ……いつも、お出かけしても、 大丈夫なのは……、 チェレスタが必ず此処に帰ってきてくれるから。 だから、大丈夫なんだよっ。 戻ってこないなら、大丈夫じゃないっ。 [箍が外れたのは、 さっき涙を流したせいかもしれない。 今まで『大丈夫』だと伝えていた分を、 すべて吹き飛ばすみたいに、必死に彼女に告げる。 駄々をこねる子供みたいに。] (466) 2022/12/25(Sun) 21:48:45 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[いなくなるつもりはないと、書いてあった。 書いてあったけれど、それよりも前の一文が心に残った。 私に宛てた彼女のメッセージに。 チェレスタが求める言葉を返せたかは分からない。 でも、『証持ち』がばらばらになっていく。 その不安も伴って、焦燥感に駆られる。] ……行ってもいいけど、 必ず、戻ってきてくれなきゃ、やだよ……。 [其処に居たのは、『太陽』でもなんでもない、 華奢な体をした、まだ幼い子供の姿。**] (467) 2022/12/25(Sun) 21:49:56 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[その日は、どうにも感情がめちゃくちゃで。 今までずっと笑っていたのが嘘みたいに、 泣き虫で、脆くて、弱い、子供のような自分が居た。 ――後日、 クロが、 マドカせんせいが、 かみさまと共に、 新しい『箱庭』に行ったことを知った。 クロは置き手紙だけを残して。 マドカせんせいとは、挨拶も出来ないまま。 ゼロが外への世界へ目を向けて、 度々、チェレスタや私に世界のことを尋ねていた。 ゼロも出ていくのかなって、 その雰囲気からなんとなく、感じ取れた。] (490) 2022/12/25(Sun) 22:34:10 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[箱庭にはどれだけの『証持ち』が残るのだろう。 今いる人たちも、いずれは、 旅立ってしまうのかもしれない。] 寂しくないって言ったら、 嘘になるけど……。 決めたことなら、仕方ないよね……。 [彼らの旅立ちの時。 ゼロがくれた飴玉を握りしめて、自分に言い聞かせる。 彼の傍らにはクリスタベルが居た。 彼らのこれから過ごす未来には、 どんなものが待ち受けているだろうか。 少なくとも洋館で過ごしていた頃よりは、 きっと厳しいもののように思える。] (492) 2022/12/25(Sun) 22:34:50 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギクたまには、手紙を書いてね? ゼロの話を、 クリスタベルの話を、聞かせてね。 元気だって、それだけでいいから。 私も、二人に手紙を書くから。 それから――、 (495) 2022/12/25(Sun) 22:35:09 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[言いかけた言葉を、途切れさせて。 緩く首を振った。 きっと彼らには必要ないものだから。 だから代わりに、 満面の笑顔を浮かべた。] (501) 2022/12/25(Sun) 22:37:32 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― *** ―― [――時は過ぎて。 世界崩壊の後は、まだ痛々しく各地に残っている。 『神』は新しい箱庭に去ったが、 残された『証持ち』を政府は未だ保護している。 世界が壊れかけたのは『証持ち』のせいだと、 暴動が起きかけたこともあった。 だが、同じとして。 『証持ち』のお陰で助かったのだという者たちも顕れた。 意見は二つに分かれ、 まだ『証持ち』を災いと恐れる者たちと、 救済者だと新たに『証持ち』を奉ろうとする者も居る。] (554) 2022/12/25(Sun) 23:58:27 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[『証持ち』たちはそれぞれの道を征く。 時に連絡を取り合うものの居ただろう。 永遠に、会うことが出来ないものも。 変わらず洋館で暮らすものも、店を起こすもの。 それぞれ、それぞれ。 大小あれど、あの日に何かが変わり、 何らかの変化があったことは、それぞれの胸の内に。] (556) 2022/12/25(Sun) 23:58:57 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[――とある街。 崩れた瓦礫がまだ残る街路の端、 開けた公園の中央に、広場があった。 広場には人が集まり始め、 広場の後ろには大きな中継機が設置されている。 目を閉じて、気持ちを落ち着かせるように。 深呼吸を一つ、胸を上下させる。 掌に収まる集音機を握りしめて、 顔を上げて、足を踏み出せば。 そこは、観客で溢れた会場の上。] (557) 2022/12/25(Sun) 23:59:13 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク 『みんな〜〜っ!! 今日はヒナギクスーパーステージに 集まってくれてありがとうっ!! 街はまだまだ復興で大変だけれど、 これから一緒に世界の疵を直していこうねっ! 今日は、私が……っ、……』 (558) 2022/12/25(Sun) 23:59:34 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[ステージの上で集音器で話していれば、 不意に何かが飛んできた。 咄嗟に顔を逸らしたけれど、 ガツンッ、と眦に当たった硬いものが骨に響いて。 ぬるりとしたものが頬を伝った。] 『証持ちが何を言っている……!』 『お前らのせいでこうなったのに……!』 [切れた傷を空いた片手で覆って、 頬を伝ったものを、手の甲で拭う。 掌が赤く染まる。 慌てて駆けつけた政府の人たちが、 怒鳴りつけた人間を押さえつける。 世界に疵が出来てから、 こういうことは一度や二度じゃない。] (560) 2022/12/25(Sun) 23:59:48 |
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