103 【身内RP】森奥の工房【R18】
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| [一日中、馬と共に駆けても 大事ないとさらりと言えてしまう美丈夫の、 靭やかな半身が晒される。 >>3 2週間前に巻いた時には 真っ白だった包帯は 彼に染まろうとでもしたかのように わずかに、小麦色に近づいていた。 >>4 新しいものを下ろさずに 洗って何度も使ってくれたのだろう。 町で、里で、草原で… 同じ景色の中を共に過ごして来たのかと思うと なんだか羨ましかった。] (6) 2021/11/29(Mon) 7:35:02 |
| [その包帯が彼から離れ、 露わになった腕の先は少しほっそりとして 理想的な形になっていた。 >>5 芸術品を愛でるように 上から、下へと 両手で包み込むようにして触れて 感嘆の吐息をひとつ、零す。] ああ…、完璧です。 お教えしたとおりに、毎日 巻いてくださっていたようですね。 [込み上げる愉悦に、口の端が上がる。 私が望んだ通りに 彼が自分を作り変えてくれたことに どこかが、何かが、 滲むように満たされていく。] (7) 2021/11/29(Mon) 7:36:25 |
| [ずっと触れていたい。
けれど、 そうも行かないことは理解しているから 惜しみながら手を離すと、短い筒を持ち上げる。]
では、右から採りましょうか。
この中には 熱を加えると固まる性質の液体が入っています。 最初は冷たくて、どろっとしているので 気持ち悪いかもしれませんが、我慢してくださいね。
[様子を伺いつつ 粘度の高い白い液体の中に 断端をゆっくりと沈めていく。
脇の際まで入ったところで とん、と筒の外側を 指先で小突いて魔法を掛けると、
その途端、内に満たされた液体が 透明になりながら、じんわりと温もって 体温より少し高い温度になったところから ぷるぷるとした材質に変化した。] (8) 2021/11/29(Mon) 7:38:28 |
| [離したくなさそうに咥え込む型に なんとなくモヤつきながら 引き抜いていく。
ルーティンワークだ。 今まで、この作業に特別な感情など 抱いたことはないというのに。
包帯といい、 型といい、
彼と関わる時だけは どうしてだか モノにまで冷静では居られなかった。] (9) 2021/11/29(Mon) 7:39:05 |
| [だが、装具の出来に響くようなことだけは 絶対に許せないから、
気持ちを切り替えようと 型に向けた険しい視線を引き剥がし、 穏やかな笑顔を作って向き直る。]
次は左腕ですね。
[日暮れも近づいている。 彼が外での作業に早く取り掛かれるよう 手際よくこなしていった。]* (10) 2021/11/29(Mon) 7:39:34 |
| [依頼の大多数は、医師を介してのもので 既に整形が終わった状態でこの工房へやってくる。 専門家が包帯を取り替えているから 非の打ち所はないけれど、特段 思うことはない。 稀に、直に依頼をしてくださる方が 完璧に仕上げて来てくれることがあっても これなら作業がしやすいな、と思うくらいで こんな風に感情は動かない。 型に対しても 上手く採れたかどうかは気になるが ただ、それだけで…。 心地よさそうな彼の声音に >>15 ぴたりと吸い付いて離そうとしない型に じり、と焦げるような気持ちになったことなど 一度たりとも…、] (18) 2021/11/30(Tue) 13:48:34 |
| [複雑な形状の左腕は 右腕以上に型が離したがらなかったが 小さな風を送り込んで浮かし、引き抜いた。 ぐぷ、ぐぷと鳴る音が 苦情に聞こえたが、 私の方が文句を言いたいくらいだ。] これで、型採りは終了です。 [出来上がりを確認し 頷きながらそう告げれば、 彼は早々に外の作業に取り掛かるようだった。 >>17] (19) 2021/11/30(Tue) 13:50:28 |
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はい、お手数をお掛けしますが よろしくお願いします。
厨房もですが、 そちらの棚にあるものも お好きなように使ってくださいね。
[食に興味は無いけれど 生家から持ってきた食器類はある。 目の覚めるような青から白へ 柔らかなグラデーションを描く大皿1枚とカップが6つ。 この辺りでは珍しい、英国製のもの。
銀のカトラリーや鍋などもあるが、 普段使いの木のマグカップ以外はどれも 埃をかぶってしまっていた。
窯もあるにはあるけれど 本来の役目ではない 素材を焼成することばかりに使われている有様だ。] (20) 2021/11/30(Tue) 13:51:44 |
| では、私も作業に入ります。 [彼が扉から出ていくのを見送って、 >>17 仲よさげに 並んだままのコートを 瞬きふたつ分、見つめてから 仕事に取り掛かった。 そこからは、もう 音も匂いも感じない程に没頭して。]* (21) 2021/11/30(Tue) 13:52:34 |
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