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【人】 看護婦 清水 花枝「ええ、火鉢って思ってるより暖かいのね。 お布団もフカフカでぐっすり眠れたわ。」 かみさま。 そう思うと緊張してしまいそうになるから、私はあくまで 霞くん として、同年代少し年下の男の子と接するようにしてみる。>>0:56それは、名前ではなくて"お姉さん"と呼んでくる霞くんの呼び方にも起因していた。 そちらの方が彼もやりやすいんじゃ無いかしら、なんて。 もしかしたらかみさまなりの気遣いかもしれないから、敬意だけは忘れないようにするけどね。 >>0:57言われたように少し分厚い羽織に袖を通して外に出る。足元は履き慣れないけれど足袋と草履。外に出るなら足先を守る履き物が良いかもしれないけれど、今借りているのはこれだけだ。 ──もっと言えば下着も腰巻きだったからちょっと下半身が心許ない。後で布を頂けたら針と糸を借りて簡易的な下着を作ろうと思う。胸は諦めるにしても、ショーツもないのは心許ないにも程があるから。 差し出された手に一瞬戸惑い目を瞬かせた。 けど、そっとその手を取る。 あくまで緩く、振り払えば外されてしまうくらいに柔い力なのは、それなりに異性と手を繋ぐことに抵抗があったからだ。 (3) 2023/12/24(Sun) 9:59:36 |
【人】 看護婦 清水 花枝抵抗というより、照れと言ったほうが正確だけど。 「貸切の温泉、…家族風呂みたいなもの? 露天風呂も風情があって良いわね。 あ、お猿さんが入ってたりもするのかしら?」 人間の姿が少ないけれど、野生の動物は共存しているのだろうか。 雪国では有名なあの光景を思い出してつい口にする。 洞穴の方へと視線を向けた。 一番の見どころ。それなら、機会があれば帰る前に見てみるのも良いかもしれない。 (4) 2023/12/24(Sun) 9:59:52 |
【人】 看護婦 清水 花枝「見所…、洞穴の中に何があるの?」 この周囲を歩くだけでもかなり幻想的に思えるのに。 雪に包まれ、人里離れた田舎よりもさらにシンと静まりかえる空気は冷涼さも伴って静謐さすら感じさせる。 雪は全てを覆い隠してくれる。良いことも悪いことも全て。そんな物語の一節を思い出していたけれど…。 問われた事に少し俯いた。 繋いだその手に少しだけ力を込める。 (5) 2023/12/24(Sun) 10:00:07 |
【人】 看護婦 清水 花枝「来るときに着ていた制服の通り… と言っても、こちらでは一般的ではないのかしら。 看護師として働き始めて一年目です。 家族はいません。だいぶ前に、事故で。 田舎の小さな診療所で働いていて 来るのは高齢の方ばかりだけど のんびりして居心地の良い場所でしたね。 恋人もいないから、お見合い話されるのだけは ちょっと辟易してたけど…。」 うちの息子に、いやいやうちの息子にと。 若い看護婦は仕事上つらく当たるわけにもいかないから、その表面上の優しさや穏やかさ、献身さから田舎の高齢者のそう言った標的になり易いとは聞いたことがある。 それを思い出して少しだけ苦く笑った。 (6) 2023/12/24(Sun) 10:00:23 |
【人】 看護婦 清水 花枝「恋人や結婚とか、興味がないわけじゃないけど 今までは両親がいないのもあって 早く自立するためにと勉強を頑張ってきて 今はまだ仕事一辺倒…と思っていたけれど。 こうして、のんびりと空白の時間があると …他に何かしたい事があるかしら。 趣味もほとんど無かったなあ、なんて。 霞くんは、のんびりする時は何を?」 自分でも薄っぺらい人間だなあと思う。 でも叔父の家は居心地が悪くて、早く自立したくて。 ──叔父の舐めるような視線、いつ一線を越えられてしまうか肝を冷やしよく眠れなかった過去を思い出したくなくて、無理矢理に話を彼に振った。 だって、私の話は掘り下げればくだらないし本当に真面目に頑張るしか無かったから。 それよりは、彼は何を好きかのか聞きたかったけれど。 (7) 2023/12/24(Sun) 10:00:42 |
【人】 看護婦 清水 花枝「──あ。」 ふと。対価のことを思い出す。 矢張り私が話したほうが良いのかなと思い直して、けふん、と下手な咳払いをした。 (8) 2023/12/24(Sun) 10:01:05 |
【人】 看護婦 清水 花枝「最近は、のんびりするイコール寝るになるけど…。 昔は本を読むことも好きだったし 折り紙も好きだったのよ。 今は鶴と手裏剣と蓮の花しか折れないけど。」 本を読めば、作り方を教えて貰えば折れるけれど。 それ以外の作り方は忘れてしまったなあ、と眉を下げて笑った。 遠い遠い、子供の頃の記憶。 それはまだ両親が生きていた頃の。** (9) 2023/12/24(Sun) 10:01:21 |
【人】 看護婦 清水 花枝「…いえ、確かに両親はいなかったし 養い親の叔父とは合わなかったけど それなりに生きてきましたからね。 それより、消えちゃうって。 そう言うのはどうかなあ…。 私が名前を覚えているだけでも 霞くんは信仰を得られるとか、ある?」 さて、それはそれでどうだろう? 神様は信仰をなくしたら力をなくすとはよく聞く話だけど、消えてしまうのは悲しい気がする。 何かの本にあったかな、霞と名のつく神様の話。 「まあ本は実用書?というか、勉強の本がメインで 救命とか感染症とかの本が多いかな…? 仕事に結びつきすぎだから 趣味、とも違うかもしれないけど。」 (17) 2023/12/24(Sun) 19:10:08 |
【人】 看護婦 清水 花枝今は、自分の趣味よりも彼の存在の方が気になってしまう。 >>14紙を持ってきたなら、との言葉にはもちろんと笑顔を見せたけれど。 鶴はさまざまな神社に飾られてる印象がある。 私の他にも飾った人がいたのだな、とどこかしんみりしながら。 唐突にも思えるその問いかけに瞬いた。 「…願いとか、叶えたい事? そう言えば従業員の方も言っていたけれど あんまりこれと言って…無いかもしれないわ。」 懸命に生きて。懸命に学んで働いて。 家ではこっそりと息を潜めて。 そんなふうに暮らしてきたから、生きるために学んで働いてきたから、夢らしい夢はなかったかもしれない。 看護師になったのは就職に強いからであって、立派な志があったわけじゃ無いし。 でも。 (18) 2023/12/24(Sun) 19:10:34 |
【人】 看護婦 清水 花枝うーん、と小さく唸って。 「平和に、幸せに、生きられたら良いかなあ…。 人並みに恋をして、結婚できたら さらに良いかもしれないけど…。」 ふ、と小さく吐いた息が白く染まる。 そして彼を見つめて小さく笑った。 「好きな人には。 私より先に逝ってほしく無いくらいかな。」** (19) 2023/12/24(Sun) 19:10:57 |
【人】 看護婦 清水 花枝「藤の花の神…素敵。って、私の? じゃあ子供の頃お詣りした場所かもね。」 >>20今住んでいる場所の近くにもあるかもしれない。けど、小さな神社なら行った事がなく、あえて私の存在を知っているなら…なんて思った。 神様にとっては今の私も過去の私も似たり寄ったりに見えるのかもしれないからね。 もちろん今住んでる場所の近くにもあるかもしれない。 >>21それにしてももっと私のことを知りたいだなんて。 ちょっとドキッとしてまったわ。 男性から告白されたこともない私は、恋愛もした事がないからそう言う体制は薄い。やらしい目を受けての防御はできるけど。 だけどそうよね、私は人間。神様とは違う。 霞くんは人間を知りたいだけなんだと思うのよ。 >>23だから、私がせめてもの願いを口にするとそんなことを言うのね。 素敵な人だと言いながら、その願いは人間と叶えるべきだと。それはそうよね、確かにそう。 花のように綻ぶ笑顔にきゅんとしながら、ちくり、となにかが胸に刺さる。 でもそれは当然、当たり前のこと。 神様と人間だもの。──。 (25) 2023/12/24(Sun) 22:34:30 |
【人】 看護婦 清水 花枝「そうね、…でも、まさかお湯にも入るの? 流石にその用意は持ってきてないし …その、恥ずかしいけれど?」 単純に中を覗くだけなら入りたい。 けれど、お湯に浸かるのなら遠慮したいと言うか…それもお付き合いならば仕方がないけれど。 (27) 2023/12/24(Sun) 22:35:03 |
【人】 看護婦 清水 花枝「…それとも、それをご所望ですか? 霞くん。」 こそ、と囁きながら頬が赤くなる。 何となく彼の方を見れずに、それでも手を離さずにいた。 一度は一緒に入った仲だ。それに、混浴がメインらしいし、お湯に浸かるというのなら別に彼の場合はお湯自体が良いからと誘ってくれてるのだと思う。 でも、まさかそんなことありませんよね…と。 誘うような、確認するような。 笑い飛ばしたいような、…よく分からない気分。 かみさまに不敬かしら、 でも、…お風呂に向かうってそう言うことかなと警戒する気持ちも知ってほしいのよ?** (28) 2023/12/24(Sun) 22:35:19 |
【人】 看護婦 清水 花枝>>31そうよね。そう思う。 私の願いは何かの代償に叶えてもらうような、そんな願いとは違った。 >>30この辺りを案内すると言う気持ちも、純粋な新設心だったのではないかと考えている。 ──でも。 なら、なぜ私に願い事や叶えたい事の有無を聞いたのかしら。 神々の戯れがあるかも知れず。 代償に──何を求めていたと言うのかしら。 何の代償もなく、ただ願うだけでそれが叶うとは思えない。 対価に努力や何某かの価値のあるものは不可欠で、なのに彼がそれを聞いた理由は? そう思い至れば…繋がれた手の力が少し強くなったのも、何となく察しがつく。 たとえそれが不敬なものであったとしても。 (32) 2023/12/25(Mon) 21:24:57 |
【人】 看護婦 清水 花枝「…嫌じゃないよ。」 私からも手を少しだけ強く握る。 視線は合わせない。頬が染まり、繋いだ手のぬくもりがやたらと熱く感じて。 「ただ、私はさっきも言ったように 恋愛経験とかないからね。 そう言うのは知識としてしかないし、 出来れば …恋人みたいに接してくれたら嬉しいかな。 お姉さん、じゃなくて、花枝、みたいに。」 神様相手に恋人になれるとは思わないけど。 羞恥心は人並みにあるし、恋愛はそう言うものじゃないとも思う。けど。 もしそう言うものを求められるのなら。 (33) 2023/12/25(Mon) 21:25:15 |
【人】 看護婦 清水 花枝それこそ戯れに。なんて言うのも烏滸がましいかな? でも試しにそんなことを言ってみる。 嫌じゃない。嫌じゃないけれど──。 「…この世界でも一人きりは寂しいし。 霞くんは優しい、から。」 少なくともそう思えた。 人に優しい彼なら、と。 それは誰に対してもかも知れないけれど。 わざわざ叶える必要もない願いことを私に聞くくらいには、私のことが気になるのなら。 それは、自惚れかも知れない。 でも。 視線を彼に向け直して、ほのかにわらった。** (34) 2023/12/25(Mon) 21:25:36 |
【人】 看護婦 清水 花枝そこは、釣り灯籠がある事で決して暗くはなく、けど明るくはない。 薄闇の中に照らし出される灯籠、灯りのうちにある朱色がどこか神秘的で。 言葉少なに一歩一歩降りていく。 少しだけ不安になって、霞くんに寄り添うようにしながら。 そして辿り着いたその先は──。 「わぁ…!」 とても広いそこは湖のようで。 灯籠の灯りが岩肌や湖面を照らし、自然の荘厳さと共に整備された美しさもまた兼ね備えていて。 そんな場所に二人きり。 >>37ましてや使うなら、なんて言われると…美しさに圧倒されていたのに、ポッと頬が赤く染まってしまった。 気になって、誘いをかけてみたのは私。 普段ならそんなことはしない。する余裕もなかったし、むしろそうした視線は避けてきていたけど。 赤く熟れた頬のまま霞くんを見上げる。 (39) 2023/12/25(Mon) 23:11:57 |
【人】 看護婦 清水 花枝はく、と唇を動かして何か言おうとして──躊躇って。 「…。」 こくんと頷いた後。 そっと瞼を下ろして顎を軽く上げてみた。 数秒待って、求める感覚がなければ瞼を上げて苦笑いするだけだけど。 もし求めた感覚が得られたなら。 きっと私はそのまま、未知の感覚に身を委ねるだろう。** (40) 2023/12/25(Mon) 23:12:29 |
【人】 看護婦 清水 花枝呼ばれ方に"さん"がついても私は構わない。 呼び捨てでもどちらでも、好きに呼んで欲しいと思う。 >>42それより、目を閉じていると肩を掴まれてどきりとした。 咄嗟に動けなくなって、そのまま春の訪れを待つ。 柔らかな感覚が唇に触れるのは私にとっては初めてのことで…ゆっくり離れていくと私も薄ら瞼を上げた。 真正面に霞くんの顔。当たり前だけど、見つめられ抱きしめられてより顔が赤くなる気がした。 多分彼は初めてではないと思う。私より長く生きているはずだし、私よりさまざまな経験をしていると、思う。 でも私は人間。 人の子で、これが私にとっての初めてだから。 きっと私はこれで良いと思えたの。 …可愛いなんて言われて嬉しくなってしまうから。 (44) 2023/12/26(Tue) 22:04:03 |
【人】 看護婦 清水 花枝「お湯…浸かっていきましょうか。 せっかくだものね。 ──貸切にする連絡は、霞くんがしてくれる?」 他の人に、神に、肌を晒すのは忍びない。 況してや擬似的?契約的?仮にも恋人のような振る舞いなのなら尚更だ。 恋人みたいに、と私は言った。 ──本当の恋人になれるかは、分からない。でも今は、そのように接して欲しいと望んだから。 「ここで脱いで良いのかしら…?」 尋ねてから、帯をしゅるりと解いていく。 羽織を脱いで、帯をたたんで。 彼に背を向け浴衣を脱ぐ直前。肩越しに振り返って。 (46) 2023/12/26(Tue) 22:04:34 |
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