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【人】 松場 雪奈[目が覚めれば、一人だけ。 昨夜の事は、夢か幻かと思いたいが、身体の重さも、違和感も、それが夢ではないと教えてくれる。 だけど、一人残された…それが答えと。 流されるまま、うんと言えればよかった。 だけど、それはいろんなものから目を背けての事だと思った。 そしていつかそれは──。 これは遅かれ早かれ…ただその違いだけだと… もしかしたら、目を背けた先よりはましなのかもしれない。 そう…そう思いたいのに……。 罪悪感が押し寄せる。自己嫌悪が溢れていやになる。 そんな事はない。そんな事はないはず……。 何か──言い訳をして、でも会いに行く勇気がなくて、一言だけメッセージを送る。 柊と…。 何を言えば良いのか解らず、ただ縋るように名前を送る。] (3) 2024/01/10(Wed) 22:01:47 |
【人】 松場 雪奈[──でも、返事はなかった。 それが答え。 求めて、求めて…自分の恋心を汚しても、求めたけど、やはり無理だったと。 決定的に、振られたと自覚するしかなかった。 何もかも粉々になってしまう覚悟は、あったつもりであった。 だけど実際そうなったら、覚悟なんて何もなかった…。 胸に穴が開いたようで、身体にも力が抜けるような喪失感。 泣くのは違うと思っても、失ってしまったものが大きすぎて、涙は止まらなかった。] (4) 2024/01/10(Wed) 22:02:16 |
【人】 松場 雪奈[その後…もしかしてと、朝、合わせていた時間に出社してみたが、その扉が開く事はなかった。 メッセージも何もない。 ──避けられているんだと、嫌でも解った。 避けられるのは、悲しくて苦しい…でもそうなる事をしてしまったんだと改めて、思い知らされる。 それでも忘れられない。 それどころか、柊の背中を追いかける夢、あの日の事の夢…でもどちらも最後は柊が消えてしまう、そんな夢。 何度も泣いて起きて、そして自己嫌悪と罪悪感に苛まれる。 それでも消えない。なくならない、彼への想い。 避けられても、嫌われたと思っても…それだけ呆れるくらいずっと想ってきたから。 ───私は、柊に何をしてあげられるだろうか。 そう考えて出した答え…。] (5) 2024/01/10(Wed) 22:03:00 |
【人】 松場 雪奈[柊と会えなくなって、半月がたって、休みの日、不動産屋に訪れていた。 隣と言う距離。避けていたとしても、近い距離。 意識するつもりが無くても、意識してしまうだろうから…と新しい部屋を探そうと思って。*] (6) 2024/01/10(Wed) 22:03:16 |
【人】 松場 雪奈[今の部屋を見つけた時、すんなり見つけれたから、すんなり見つけれるものと思ったがそうではなかった。 離れるべき…そう思っても、離れてしまったら、それこそ何もかもなくなる。 そう思うと、怖くて、無理だと思っても、縋ってしまい一歩が踏み出せない。 傷は癒える事はない。 時が癒してくれるというが、自分にはそれが当てはまらない。 失ったものが大きすぎて……。 夢を見て、泣く頻度は減っていくが、もうずっと笑っていない。 笑い方なんて、忘れてしまった。出来るのは愛想笑い位。 ──あれから半年。 半月会えなくても、辛かった…半年も経てば、会えない事が当たり前になっていた。 それでも、彼の事を考えない日などはなかった。 いつも、考え、もしかしてを期待し、これではだめだとあきらめて…。 半年たって、改めてこれではだめだと思った。 だから改めて、部屋を探す。 半年も会っていない、言葉も交わしてない。だからいなくなっても、何も思わないかもしれない。 でも何も言わずに、引っ越すのも、傷つけるような気がしてしまう。 そう思いたい、思う事で、奮い立たせる、ただのけじめだったのかもしれない。] (8) 2024/01/11(Thu) 20:45:50 |
【人】 松場 雪奈[だから手紙を書く。 メッセージだと読んでもらえないかもしれないから。 …手紙でも同じだが、それでも電子の文字より、自分で書き綴った文字にしたかったから。] (9) 2024/01/11(Thu) 20:46:05 |
【人】 松場 雪奈[書きたい事は、いろいろあったのに、結局書けたのは、用件だけであった。 それでも、何度も書き直す、涙が落ちたり、震えたりしてしまったせいで。 その日は、ちょうど休みの日。 手紙を柊の部屋のポストに投函すると、部屋の内覧の為に出掛けたのであった。*] (10) 2024/01/11(Thu) 20:47:28 |
【人】 松場 雪奈[内覧した部屋は、今のアパートと会社までの距離は一緒だが、 会社を挟んで逆側。 そこに決めてしまえばいいが、もう少し他もと言うのは、やはり未練。 その未練を断ち切るように、手紙を入れたのに、いざ決めてしまおうとすると躊躇してしまう。 夕方…帰ってきた時、彼の部屋前で足を止めてしまう。 会いたい…そう思って、何度足が止まった事か。 でも何か出来るわけではなく、とぼとぼとした足取りの、自分の部屋に戻る。 引っ越しの準備とばかりに、片づけるが、これは…とか、何かについて浮かんでしまう。 本当にこの部屋には、柊との思い出が溢れていると、改めて実感させられる。 会わなくなって、半年も経っているのに、いまだふっと思い出しては、泣けそうになる。] (11) 2024/01/12(Fri) 21:32:42 |
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