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【人】 曳山 雄吾─ とある晩、とあるバーで。 ─ [ カラン、とドアベルの音をさせて馴染んだ扉を開く。 見知った客と軽く挨拶を交わしつつ、スツールに腰かける。 バーカウンターの奥にはマスターの姿のみがあった。] おや。時雨くん、今日は休みか。 まあ、その方が都合がいい。 [ 不在を認めて声にしつつ、その内心を表に出す。 コースターが差し出されると、 ジン・トニックを。 注文を投げて、調製を待つ間に数枚の名刺を取り出した。 雄吾自身のものではなかった。] マスター、ちょっと前にも話したかと思うんだが。 ……やっぱり、あそこの店、締めちまうんだってな。 [ コリンズ・グラスに一口付けて、それから少し小声で彼は言う。この繁華街では名の通った店の一つだった。マスターにとっても、良い関係の同業者だったのだろう。幾分寂しげな表情を見合せ、先を続けた。] もし、人手が足りてなかったらの事だが。 誰か引き取らんか? まあ、マスターの方が先にそういう話、聞いてるかも知らんが。 [ す、と名刺を押しやり、グラスをぐいと傾ける。 マスターがどんな返事を返したか―― あるいはどんな表情を見せたかは、 また別の夜に語られるべき話だろう。]** (82) 2020/07/21(Tue) 23:38:38 |
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