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【人】 従業員 ルミ[ 寄り道にしては長すぎる時間が経ったころ。 彼のスマホから通知を知らせる音が響き、 「ああ」と理解したようにスマホから視線を外した。 ] 確かにそうかも、ね… ……じゃあシャワーの準備とか、 [ 当初の計画通りに事が進んでいたとすれば 成りすましのメッセージで疑惑を逃れただろう。 パスコードは盗み見て記憶しているし、 彼らしい文章を作ることは造作もない。 しかし今は、そんなことをする必要はないのだ。 ならばひとまず家に行かせる方が良いだろう。 詮索され過ぎても事だ。 ] (2) 2024/05/19(Sun) 22:48:33 |
【人】 従業員 ルミ[ ああ、彼を家に閉じ込め続ける必要がないのなら 出していなかったシフトを出して── ついでに首元が隠れるメイクか制服を探さねばと、 シャワーの提案をしかけて、止まる。 ] ──────…えっ [ じっか。ジッカ。──実家?? 頭の中でまず言葉を変換し、意味を導き出して、 頑張って今理解しようとしています── と言わんばかりの顔で固まった。 さすがの自分にも分かる。 実家へ一緒に行く=結婚の挨拶なのでは? と。 いや、結婚することは確定事項なのだが、 それはそれこれはこれのような……? ] (3) 2024/05/19(Sun) 22:48:41 |
【人】 従業員 ルミ[ が。 常識を知っていてもそれに則る女なのならば、 そもそも監禁未遂など起こしていないはずである。 しばしのフリーズの後、「うん」と頷いて ] い、行く。 ……あ、でも待って、似たような服しかないかも …………とりあえずお風呂済ませて考えよ……? [ 外堀はアスファルトで厳重に埋めるに限るが、 そのためにはマナー通りの服装が必要に違いない。 ひとまずシャワーを浴びて身体を清めてから 一番大人しい服を探そう。 彼にもまだそのくらいの猶予はあるだろう。* ] (4) 2024/05/19(Sun) 22:49:47 |
【人】 従業員 ルミ[ 蜘蛛が手に入れた獲物をすぐ食らい尽くさないように、 恋人になったからといってすぐさま動くことはしない。 獲物がかかるのをただじっと待つのと同じだ。 ──そう、急いては事を仕損じると思っている。 煮詰まった狂気は手に入った充足感でやや薄れ、 帰省程度ならば我慢できるようになった。 どうせこの家からもそう遠くはない。 聞き分けよく笑顔で送り出せる自信はないが。 ] ……いやじゃないけど、…… …………お兄さんってさ 甘えて許して貰おうとする癖あるよね。 [ こちらが惚れた弱みで頷いてしまうのを、 分かってやっているのかはともかく。 ] (7) 2024/05/20(Mon) 18:46:04 |
【人】 従業員 ルミかわいいから別に良いんだけどぉ……。 [ 許す側になる方が何かと都合も良い。 " 許してもらった "過去を突き付けられるし、 なにより他の女に目移りさせずに済む。 受け入れて甘やかして許してあげられる、 そんな彼女はわたしにしか出来ないでしょう? ] (8) 2024/05/20(Mon) 18:46:09 |
【人】 従業員 ルミ[ 自分の世界には別に、他の人はいなくて構わない。 彼だけで困ることなどひとつもないのだ。 ただ、少しでも円滑に物事を巡らせるためには 時として世界の扉を開けねばならないと知っている。 一生他人を入れ続けろとは言われたくないけれど。 ] ──勘繰られて困る事でもある? [ ちら、と試すように彼の目を見上げた。 まさか再会した幼馴染を連れて来た、とか そういうつもりで一緒に行くわけではあるまい。 つまり彼には勘繰られて困ることなどないはずだ。 なにか後ろ暗いことでもあるのかと言いたげに、 乱れた髪を整えながら、はふ、と息を吐いて ] (9) 2024/05/20(Mon) 18:46:14 |
【人】 従業員 ルミまあ、石鹸どころか甘い匂いのしかないけどね。 残念でしたぁ、隠せないですよーだ。 [ 生憎シャンプーもボディソープもライン使いだ。 甘い花のような匂いがするもの。 勘繰られるどころかアピールも同然になるだろうと、 勝ち誇ったように笑ってみせた。 ] (10) 2024/05/20(Mon) 18:46:18 |
【人】 従業員 ルミ[ 髪は結ばずにおろせば良いだろうか。 服は──レースやフリルが目立つものが多いけれど、 やや可愛い寄りに収められる組み合わせがあったはず。 算段を組み立てながら、彼の手を引いた。 ] ほら、早く浴びよ、お兄さん ──彼女です、ってちゃんと紹介してよね。 [ 忘れないでよ、と念押しをするようにそう言って どこか照れたようにはにかんだ。** ] (11) 2024/05/20(Mon) 18:47:31 |
【人】 従業員 ルミ[ "かわいい"は不服らしい。 無自覚な甘え癖があってもなくても、 好きな人は可愛く見える時があるのではないだろうか。 ──他の女にも同じことをしていたら、 それは途端に憎らしい仕草にもなるけれども。 ] えぇ? お兄さん、そんなこと考えてたんだ。 別にいいのに。 好きだなって思ったら、可愛く見えちゃうんだよ。 ……ヤならやめるけど。 [ 五歳差という空白は、幼い頃は大きく見えて 大人になった今も決して追いつけはしない。 進学も就職も先を行ったくせに、 恋慕を知るのが自分より遅かったずるいひと。 ] (15) 2024/05/20(Mon) 22:20:52 |
【人】 従業員 ルミ[ 構って欲しくてお兄さんと呼び始めた。 そう呼べば年下の幼い自分を無下には出来ないことを、 小さな頃から本能で悟っていた。 ────浅はかな策略だ。 ] ……分かんないや。そうなんだ。 偉いねお兄さん、家族、大事にしてて。 [ 家族という集団への概念などは知っていても、 生じ得る自他の境界線には乏しい。 自分にとって家族は血の繋がった他人だ。 多くは語らず、己の解釈を補完して完結させる。 勘繰られるのが嫌なら恋人と思われたくないのか、とか どうしても自分はそうやって不信に寄ってしまうから そこを少しは矯正する必要もあるのだろう。 ] (16) 2024/05/20(Mon) 22:20:57 |
【人】 従業員 ルミ────……、……一応ないこともないよ。 男の人用のやつ。 [ 誰の為に買ったわけではない。 顔も覚えていないような相手が置いていったものだ。 聞き分けのいい子の振りをして、 隠しておくつもりだった選択肢を出しながら ] でも、わたしはお兄さんとお揃いがいい…… ……わがまま言わずに家に行かせてあげるんだから お兄さんも、今回はお願い聞いてよ。 [ ここで機嫌を悪くして「やっぱり嫌」を言わないだけ、 彼への好意分、大人になっているつもりなのだ。 " 二人で "一緒にいたいの、と喚いて 手首にナイフを持って来ない理性を褒めて欲しい。 ] (17) 2024/05/20(Mon) 22:21:02 |
【人】 従業員 ルミ[ 別々にシャワーを浴びることは頭になかった。 もし先に浴びるかなどと聞かれていれば、 それは流石に声が冷えていたに違いない。 一緒にいたがっているのは自分だけか、と。 そりゃ好きの年月も重さも違うから仕方ないよね、 けど家の中くらい最初から別じゃなくていいじゃんか それってほんとに好き? どれくらい好き? ────などと言葉を連ねる未来が容易である。 ] やぁだ、恥ずかしいもん してくれるなら抱っこがいいな。 [ しかし現実は幸いなことにルート分岐に至らず、 白雪姫はフローリングを踏みながらそう言った。 さすがに歩けないこともないけれど、 足腰は重く、だるさが尾を引いている。* ] (18) 2024/05/20(Mon) 22:21:14 |
【人】 従業員 ルミえ、えぇ……? ……ふふ、お兄さん、わたしより我儘。 そういうとこがかわいいって言ってるんだけどなぁ [ 一瞬「確かに」と頷きかけた論理は、 よく考えなくても破綻している。 それとこれとはまた別では……と思ったけれども 都合が悪いことは口にしない。賢いので。 ] ……ぁぇ、あ、……ぅん お、お兄さんのかわいい、わたしなんだ …………そっかぁ。えへへ……。 [ にま、と緩んだ頬を抑えずに笑った。 自分が可愛いと思う人は彼だけだから、お揃いだ。 ──アイテムの類はまた別で許して欲しい。 ] (24) 2024/05/20(Mon) 23:37:26 |
【人】 従業員 ルミ────うん。 [ 頭を撫でられ、こくん、と頷くに留める。 家族だからという前提で成り立つ事象は沢山あって そこに適応するのはきっと難しい。 大事にしてくれる人を大事にするという、 愛の返報も決して上手く出来るわけではないけれど。 諦めない未来があればいいな、──なんて 柄にもないことを考えて、掌を受け入れた。 シンプルな事柄も自分にとっては複雑だ。 けれど彼と一緒にいて直面する事実であるなら、 決して嫌な気はしない。 ] (25) 2024/05/20(Mon) 23:37:29 |
【人】 従業員 ルミ[ 交換条件のお願いは無事に成立したようだ。 他の女性陣が希望を打ち砕かれるくらい、 甘ったるい匂いでマーキングする気満々だけれども 一度そう言ったなら撤回は聞かない。 ] 約束ね。忘れちゃ駄目だよ。 忘れさせないけど、わたしが。 [ 余計な虫は生まれる前に潰すに限る。 或いはもう芽生えてしまった後だというのなら、 匂いで命を奪ってやってしまえばいいのだ。 会社で彼の笑顔や優しさにつられた虫たちを、 わたしの縄張りで呑み込んで殺してやるの。 ] (26) 2024/05/20(Mon) 23:37:36 |
【人】 従業員 ルミ[ おんぶが恥ずかしいのは、 幼い頃の記憶が同時に蘇ってくるからだ。 大きくなった今、子ども扱いは流石に羞恥を覚えるし それくらいの感覚はある。 ──が、だからといっておんぶも抱っこも 全て拒否したいわけでは勿論ない。 なんならあまり記憶にない抱っこをされてみたいし、 隙あらばひっついていたいのだ。 ] んふふ、どうしようかなー 後でからかうネタにしちゃおっかな。 [ などと意地の悪い、猫のような一面を見せながら 上肢を預けてくすくすと笑う。 そのままゆっくりと抱き上げられ、 バスルームがまるで遠くにあると錯覚するほどに 遅い足取りへ、楽しそうな声を零して。 ] (28) 2024/05/20(Mon) 23:37:45 |
【人】 従業員 ルミ[ りんごは重力と一緒に地面へ落ちた。 森の中の小屋に、七人の小人はもういないし 助けてくれた狩人も毒林檎を盛った魔女も闇の中。 出会った二人に原初の罪があるというのなら 偽物の運命を背負って生きていく。 本当の運命に出逢わない道を選んで、 ──そうして二人だけの世界になれば 贋物だって、ただの運命になれるでしょう? 傷も痛みも過去も全部互いの指にはめて、 一生外せない誓いにしようね、お兄さん。 ] (29) 2024/05/20(Mon) 23:37:54 |
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