曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a18) 2020/07/15(Wed) 18:33:41 |
【人】 曳山 雄吾― 1日目から2日目へと ― [ このクルーズ船内の設備もスタッフも、 雄吾が欲した水準を満たしているとは疑いなかったが、 中でも満足を覚えたのは食事や飲料といった 本能に直接訴えかけるものだった。 神戸の港の出発とあって、レストランでは 上質の神戸牛を用いたステーキやカレー、シチュー等を 取り揃えているのは勿論のことだったが、 小籠包や豚饅頭を始めとした各種点心が作り立てで 提供されると知って、足りている筈の腹がくぅと鳴くような 錯覚を雄吾は覚えた。 南京町で豚饅頭といえば老祥記が随一であるが、 小籠包となると各地に名店があって一つには絞れない。 百貨店のレストラン街に鼎泰豊を見つければ、 ランチの選択肢に必ず含めるほどの好物だったのだ。] (38) 2020/07/15(Wed) 23:28:54 |
【人】 曳山 雄吾[ そういう訳で空席のひとつを確保した大男の前には 湯気を上げる蒸籠が3つ並んでいた。 小籠包と豚饅頭、海老焼売である。 まずは小皿に黒酢を入れて、小籠包をひとつ箸でつまみ、 そっと上下を逆さにした。 黒酢は2個目以降につかうことにし、そのままを味わう。 逆さにした小籠包のもっちりとした皮の端を前歯で わずかにかじり取ると、中から旨味と滋味たっぷりの 熱々のスープが溢れ出た。 逆さにするのがポイントである。 上下をそのまま同じように齧ると、その時に スープが零れ滴り落ちてしまうのだ。 もちろん、一つまるごとを口に入れることも可能ではあるが あまり推奨されることではない。 いかに雄吾と言えど粘膜そのものを鍛えることは出来ず、 蒸して熱されたスープの温度は火傷を起こさせるに十分なのだ。] (39) 2020/07/15(Wed) 23:30:59 |
【人】 曳山 雄吾[ ともかく、ぱくぱくと点心を味わいつつ、 知った顔が辺りにないのを良いことに 雄吾はスマーとホンを取り出した。 短い内容のメッセージを考えて、二つの宛先に送信する。 といって、片方だけでも同じことかもしれなかった。 送信相手は同部屋に泊まっていただろうからである。] (40) 2020/07/15(Wed) 23:31:31 |
【人】 曳山 雄吾『 クルーズ船の1日目、どうだった? 楽しんでるか?』 [ アドレス帳の順番に、吹雪、雪菜と同じ文面を送信した。 何処かで誰かと楽しんでいる最中なのかもしれないが、 それなら少なくともマナーモードにはしているだろう、と 別段気にすることもなく。]* (41) 2020/07/15(Wed) 23:33:22 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a24) 2020/07/15(Wed) 23:42:32 |
【人】 曳山 雄吾――過去の話・時雨のバーで――>>4>>5>>7>>8 [ちょっと意外、と口にした時雨の感想>>4に 雄吾はいくらか視線を伏せたのみ。 しばらくの後、涼やかな目元を見開いた青年の声にもまた、 じっと黙して聞き止めるだけだった。 独白めいて語られる声>>5へは 視線を向けることこそ無かったが、 時雨が想う相手へ明かせなかった「もしかしたら」を 聞き取ると、苦い笑みで頷いた。] 欲しい気持ちばかり大きくなって、 ……きみの場合は、吐き出せなかったんだな。 [ たしか雄吾が子供の頃に街で流れていた歌だったか、 そんなフレーズが歌詞の一節にあったように思う。 小さく首を振り、それから時雨の方を見た。] (48) 2020/07/16(Thu) 2:29:57 |
【人】 曳山 雄吾[ 上げられた青年の視線と雄吾のそれとがしばし交わる。 やや左下に目を逸らし、白いカクテルを口にした。] ……おれの場合は、伝えて、振られたからな。 [ だから、時雨が恋人にその願いを言えたと仮定して、 現在が変わっていたかどうか。 雄吾にとって確信できる言葉を見つける術はなかった。] ……白が似合う女性だったよ。おれより年上で。 [追憶の姿を見るように、半分ほどになったホワイトレディの グラスに視線を移して。] 頭が良くて、気が利いて、行動力のあるひとだった。 尊敬してたし、色々と教えて貰ったな。 本当に特別なひとだ、と思ったんだ。 他の誰とも違う。他の誰よりも魅力的で、綺麗だった。 だからこそ、おれの傍にずっと居てほしい。 貴女をおれに、全部、くれ。そう伝えたよ。 [ 幾つかの感情が混ざりあった笑みが雄吾の頬に浮かぶ。 その相手の姿を思い返すようでもあり、 そう思いつめていた頃の熱情を懐かしむようでもあった。] (49) 2020/07/16(Thu) 2:30:35 |
【人】 曳山 雄吾でも、「私は特別な人間じゃない」、そう言われた。 ごく普通の、どこにでもいる人の一人。 おれが見てるのはただの幻想だ、って。 理想を被せられ続けたら、重みできっと潰れてしまう、と。 [ は、とため息を吐いた。長く話しすぎた気がしていた。 酒量のせいもあるのだろう。 杯数を数えるのは多少怪しかった。たしか、8,9杯。 カウンターの向こう、青年の様子を見れば、 雄吾の声はおおよそ届いているようだったが、 しだいにぼんやりしつつあるようにも見えた。] [ グラスを空けて、チェイサーを、と頼む。 それまでよりもゆっくりとした、覚束なさげな手付きで 冷たい水が供される。 それからも幾らか会話は続いていたが、 その詳細まではあまり記憶にない。 ただ、無邪気な表情で笑いかける青年の笑顔は>>7 翌朝になっても、次に此処を訪れたときも、憶えていた。] (50) 2020/07/16(Thu) 2:32:25 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a29) 2020/07/16(Thu) 2:47:44 |
【人】 曳山 雄吾[ 徐々に暗さへ順応した夜目が、その何者かを判別する。 表情がいくらか窺えた。 もの思うような雰囲気。 一足の距離を開け、声を掛ける。] どうした、雪菜。 一人か。 [ その格好であれば、おそらく情事のあとということなのか。 彼女の姉の姿がないのは納得がいくも、 ではその吹雪はどうしているのだろうか。 手摺に手を起き、夜の海をを一瞥する。 返事を待つように雪菜の方へ首を向けた。]* (68) 2020/07/16(Thu) 20:27:09 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a35) 2020/07/16(Thu) 20:29:59 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a36) 2020/07/16(Thu) 22:12:28 |
【人】 曳山 雄吾─ 1日目・オープンデッキ ─ >>87その3Pの前は、楽しめた相手だったからな。 丁度その相手とラウンジでしてた時、俺を見かけたんだと。 [ 雄吾を3Pに誘った相手とは、 ラウンジ前>>1:73で見かけた赤いドレスの長身の女性だった。 交渉に応じて女の連れを見れば、これも確かに覚えのある 背の高い初老の男性。 聞かれればざっとは話すが、それ以上は別に深く聞きたい話でもあるまい。] 姉離れ? どっちかというと俺からは、吹雪の方が雪菜を必要に してるように見えていたがな。 [ そうであれば妹離れと言うべきだろう。 ほとんどいつも吹雪と一緒に居たとは記憶しているが、 さてそれが実際彼女の本心からだったのかは、 むろん雄吾には理解の及ばぬ範囲であった。] それを、「いい夢」と。 お前は言ったみたいに聞こえたんだが。* (91) 2020/07/16(Thu) 23:47:35 |
【人】 曳山 雄吾 ・ ・ ・ >>95─ 2日目 午前零時・オープンデッキ ─ 本来出来た人間もクソもあるか。 吹雪にふさわしい相手かどうかは お前が判定することじゃないだろう。 吹雪が自分で決めることだ。 [ 頭の中で、怒りの導火線がジジッと音を立てていた。 含む笑いを乗せた雪菜の口元、そして頬を見て。] 雪菜に目移りする奴ら。 それはお前からも、誘ったんだろうが? だから、姉離れということか。 [ ふと一息大きく吐く。] お前は 、それを良い夢だって思うのか。 姉にあてがう相手を妹が、探して、選んで、判定してた。 それを吹雪が知ったとして、喜ぶと思ってんのか。 (103) 2020/07/17(Fri) 0:35:04 |
【人】 曳山 雄吾もひとつ、言わせろ。 聞いたら勝手に何処へでも行け。最後の審判でも何でもな。 [ ぐいと、カーディガンの襟首を掴むようにして。 雪菜が身を引けば、容易に躱すことは出来るだろうが。] ・ ・ ・ 雪菜。 おまえはどうなる。 おまえを心底欲しがるやつが目の前に居たら? 一体どうやって、その判定を下すつもりだ。 [ 怒気を孕んだ目つき。 じっと雪菜の瞳を捉えて、睨みつけてた。 それは彼女がもし去ってしまったとしても、 尚、しばらくの間続いていただろう]** (108) 2020/07/17(Fri) 0:40:23 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a44) 2020/07/17(Fri) 0:49:13 |
【人】 曳山 雄吾オールイン。 [ ここ数時間、雄吾が発する言葉といえばそれのみだった。 ホールデムのテーブル。 客は入れ替りつつ三人から六人。 オールインとドロップの二つしか選択肢が無いような荒れたプレイ。 大半のケースは配られた二枚を見て手を伏せるのみ。 無言のまま勝負から下りる。 発声はディーラーボタンが数巡する間に一度あるか。 手元のチップ全てを前へ押し出す度、その全てに勝った。 同席者はすぐに呑み込む。 オールインと聞こえたらすぐ下りてしまえば良いと。] (125) 2020/07/17(Fri) 7:04:39 |
【人】 曳山 雄吾[ そうして同席者がショウダウンを避けるようになれば、 雄吾か勝負に向かう頻度は増えていく。 露骨な変化に怪しみつつも下りる客、 確かめようとコールする客。 当然、手元全部を賭ければ雄吾に他の選択肢は無くなる。 カードが開かれれば互いに役無しのままであってさえ、 カードの強弱は雄吾が勝った。 にこりともせずチップの山を眺め、 雄吾は再び沈黙に戻る。 ディーラーボタンが巡るたび、徐々にチップは減っていくが それだけで削りきられる程に少なくはない。 ただ配られた手札を眺めて伏せる。 テーブルに一人欠けたようなプレイが続いた。]** (126) 2020/07/17(Fri) 7:15:32 |
(a52) 2020/07/17(Fri) 12:31:15 |
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