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【人】 勇者 アスベル・レイフェルス[ 宴は終わり、セシリーとの婚約を正式に王に認められ その後はディナーでしばらく身動きが取れずにいた。 いざディナーが始まると、会場にヘンリの姿は無かった。 兄さんに聞いてみると、体調が悪いとか。 兄さんもヘンリも気遣ってくれたのだろう、と 優しさに感謝しながら時は流れ、気付けばこの時間。] ヘンリ、体調は大丈夫? [ 落ち着いた頃、ヘンリの部屋の扉をノックする。 昔からあまり病弱なイメージは無かったから、 素直に心配だった。] (29) 2022/09/27(Tue) 20:42:27 |
【人】 勇者 アスベル・レイフェルス[ 何故か扉を開けない様子に首を傾げるも 夜中に女性の部屋に強引に入る訳にもいかない。 しかも自分は、王女と婚約中の身であり 変な噂でも出たら目も当てられない。 結果、扉の前に立ったまま話を聞くことにした。] 体調悪いって聞いてたけど 大丈夫……? [ 彼女の声はどこか震え──怯えたように聞こえて 体調不良が続いているのかと、不安になり始めた頃。] (31) 2022/09/27(Tue) 20:44:57 |
【人】 勇者 アスベル・レイフェルス…………え、っ。 [ 予想もしなかった言葉が、告白が 扉の奥から聞こえてきた。 彼女とは同い年で、何でも気軽に話せる間柄で 前衛同士のコンビネーションも文句無し。 小さい時は、二人で兄さんに悪戯を仕掛けたり その後一緒に怒られたり。 兄弟のようでもあり、失いたくない大切な仲間だ。 とはいえ、俺に恋愛感情を持っていたとは寝耳に水。 仲間、幼馴染の関係と思っていたから。] ヘンリ、開けてくれ……! [ 扉を強く、激しくどんどんとノックするが 開く気配は、一向に見えぬまま。] (34) 2022/09/27(Tue) 20:53:09 |
【人】 勇者 アスベル・レイフェルス[ 拳が赤く腫れ上がる程にドアを叩き続けるが、、 やはり反応は無い。] ヘンリ……。 [ こんな経験、過去に経験したことが無いものだから どう声を掛ければ良いのか分からず、沈黙が続く。] なあ、好きなら開けてくれよ……。 俺の頼みを聞いてくれよ……! [ 沈黙を破り、振り絞って出した言葉はか細く、小さく 既にドアの前から離れた彼女には、聞こえない。] (36) 2022/09/27(Tue) 21:02:24 |
【人】 勇者 アスベル・レイフェルス俺のことを好きになってくれて……ありがとう。 そして……君の純粋な想いに応えられなくて ………ごめん。 でも、俺は昔からヘンリのことが大事で、 それは今も、この先も。 ずっと変わらないままだから。 それだけは覚えていて欲しい。 また、話せる時を、楽しみにしている……から。 [ 既に彼女には聞こえていないだろうけど 心からの礼と謝罪を残し、部屋の前を去っていった。*] (37) 2022/09/27(Tue) 21:07:08 |
【人】 勇者 アスベル・レイフェルス[ セシリーと契りを交わした宴の日から暫くが経過し あの日から、俺を取り巻く環境は一変した。 結婚式をなるべく早く行って欲しい、と国中が躍起になり 式の予行練習から勉学やら作法やら 山のように勉強や覚えることが増えた。 しかも小さな村育ち、作法なんてほぼと言ってもいい程に 分からないのだから。 最初の方は全てが新鮮で、やがて訪れる未来を思えば 楽しさが勝っていたけれど、いかに俺が勇者であれ 当然、疲れもすればだるさを覚えることもある。 それでも、傍には常に妻のセシリーがいてくれたから 毎日を幸せに過ごすことが出来た。 正確に言えば未だ妻では無いのだが、既に気分は夫婦。 なんていえば惚気だと思われそうだが。] (38) 2022/09/27(Tue) 21:10:17 |
【人】 勇者 アスベル・レイフェルス[ 兄さんとヘンリは、あの後旅に出たらしい。 結局ヘンリとは別れの言葉も言えないまま、 直接話せないままだったけれど きっといつか話せる時が来ると思う。 生まれてからずっと俺を見守り続けてくれた兄さんと 苦楽を共にした昔からの仲間が居なくなって寂しいけど きっとふらっと立ち寄ってくれるだろう。 その時には、昔に戻り 皆で笑って時を過ごせるだろうと信じている。 それまで、俺は待ち続ける。 その頃には、俺達はどうなっているだろうか。 式を無事終えて、婿入りが終わった後か。 父を知らぬ俺が、父親となった後か。 ……この先訪れる未来は、きっと明るいものだから。] (39) 2022/09/27(Tue) 21:12:53 |
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