【人】 司書 エルナト>>+10 バレンタイン 「…そう、よかった。」 いつも少し眠たげな声。 先日ははきはきとした声。 今はそのどちらでもなく、何の感情もない電子的な声。 どうしたって、いつものように微笑むことはできない。 可愛がっていたペットが、補助具を付けないと 歩けなくなったような……そんな気持ち。 「……謝らないでよ。別にいいんだ。」 「最後まで読もうとしてくれたなら嬉しいな。」 「本は、最後まで読まないと意味がないからね。」 物語なんて、ラスト一ページで急に変わったりするものだから、と。 少し眉を下げながらも、微笑んで。 「……まだわかんないよ。何か起きるかもしれないさ。」 「……そうだ!本、今どこにある?」 「良かったら、読み聞かせしてあげようか?」 結構、初等部の子達にも好評なんだよ、なんて。 今度はしっかりと笑いかけて見せて。 (9) 2022/05/07(Sat) 19:31:32 |
【人】 司書 エルナト>>+11 バレンタイン 「……うん、よかった。」 「君が、ただの器だけになってしまったらって、心配だったけど。」 「ちゃんと君が、そこにいるみたいで、良かった。」 動かぬ体、電子の声。 人と呼ぶには些かばかり冷たくなりすぎてしまったけれど。 でも、きちんと心は君のまま。 それに、何もかもを投げ捨てたりしてるわけでもない。 君が落ち込んでいないのならば。 自分が悲しんでいてはいけないなと、緩く首を振り。 「………それ、図書室から持ってった本じゃないよね?」 「数か月前から転々と帰ってきてない本があるけれど…」 すこしじと……っと君を見て。 それから、大丈夫だよ、と仕方なさそうに笑って。 「じゃあ、探してくるから少し待ってて。」 そうして一度、君達の部屋まで。 何事も無ければそれなりの時間の後、帰ってくるだろう。 (12) 2022/05/07(Sat) 20:08:04 |
エルナトは、パンの香りを良いとは思えないし、味なんてわかりもしないけど。でも、パンを食べる皆の顔は好きだった。 (a20) 2022/05/07(Sat) 20:09:18 |
エルナトは、そこかしこに置いてある本に溜息をついて、目当ての本を探す。 (a22) 2022/05/07(Sat) 20:31:24 |
エルナトは、ベッドの上にあったそれを拾い上げる。今まではここで寝ながら読んでいたのだろうか。 (a23) 2022/05/07(Sat) 20:44:46 |
エルナトは、少しだけ部屋を見まわしてから、君の元へと戻らないと、と足を出口へ向けた。 (a24) 2022/05/07(Sat) 20:56:48 |
エルナトは、本を両手で抱えて、来た道を戻る。 (a25) 2022/05/07(Sat) 21:25:33 |
エルナトは、この本の結末は、そんなに大きなどんでん返しもない、普通のものだけど。 (a26) 2022/05/07(Sat) 21:26:07 |
エルナトは、その普通をしっかりと受け止めることが、大事なのだと思うから。 (a27) 2022/05/07(Sat) 21:26:40 |
【人】 司書 エルナト>>+13 バレンタイン 「ん、じゃあ124ページからかな。」 「結構読んではいたんだね。」 残りはそんなに長くない。 夕ご飯までには読み終われるくらいの量。 例え君から何の反応もこなくとも。 きちんと、最後まで読み終えよう。 それが友達として、君にしてあげられる事だろうから。 縮まった距離。 文字が見えた方が良いかな、と隣に寄り添う形にして。 二人で本を覗き込む姿勢になって。 「………うん、いいよ。」 「ちゃんと読むなら、いくらでも時間をかけて。」 「きっと本たちもそうしてもらいたがってる。」 にっこり微笑んで。 それから、ゆっくり、穏やかで柔らかな。 変声期の来ていない、ボーイソプラノの声で読み上げていくのだった。 (15) 2022/05/07(Sat) 22:07:39 |
エルナトは、「太陽には烏、月には兎───」「三つ足の烏は玉兎めがけてついに羽根を広げ────」 (a28) 2022/05/07(Sat) 22:08:55 |
エルナトは、静かに、読み進めていく。 (a29) 2022/05/07(Sat) 22:09:09 |
エルナトは、淀みなく読み上げていく。空が赤く染まる頃、ついに指は最後のページを捲り。 (a30) 2022/05/07(Sat) 22:30:06 |
エルナトは、「────めでたし、めでたし。」金烏玉兎の話を、君に聞かせたことだろう。 (a31) 2022/05/07(Sat) 22:31:03 |
【人】 司書 エルナト>>+15 バレンタイン 当たり前の物語が、当たり前の結末を辿る。 ありふれた恋物語。 どこにでもある、普通の。 辿るべきところを辿った物語。 きっと世の中の全ての事は、同じように。 何一つ気にかけずとも、流れていくはずで。 「………?センセイ?」 君がどこかに語った言葉は、少年宛ではなくて。 だからそれの理解はできなかったけれど。 「……満足できたかな、なら、よかった。」 「…そろそろ晩御飯時だ。バレンタインくんは、ご飯は食べられないかな。」 「顔くらいは出しておく?」 出すなら、君の車椅子を押して共に食堂に向かうし。 そうでないなら、またね、と微笑んで。 本は図書室に戻すため、抱えて。 建物の中へ歩を向ける事だろう。 (16) 2022/05/08(Sun) 0:27:32 |
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って (a35) 2022/05/08(Sun) 0:44:08 |
エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。 (a36) 2022/05/08(Sun) 0:45:03 |
エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。 (a37) 2022/05/08(Sun) 0:45:36 |
エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。 (a38) 2022/05/08(Sun) 2:06:03 |
エルナトは、人が にしか見えない。 (a39) 2022/05/08(Sun) 2:06:23 |
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。 (a57) 2022/05/08(Sun) 20:58:15 |
エルナトは、人が家畜のお世話をするように。 (a58) 2022/05/08(Sun) 20:58:32 |
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