【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 『 大蛇 』は神などではない。 たとえ村の者達が神と敬服しようとも 『 大蛇 』はただの『 大蛇 』に過ぎない。 本来村の人間を襲わないことも 彼らを外敵から守ることも 『 大蛇 』にとっては守る価値の無い契。 だが『 大蛇 』は村の人間の言葉を聞き入れる。 己の主が『 大蛇 』に遺した言葉がそうさせるのだ。 (39) 2021/06/15(Tue) 22:40:57 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ しかし『 大蛇 』は神などではない。 だからこそ村の申し出を聞き入れることに 代償を強いることに固執する。 無償の善は人の心を腐らせる。 自身の平穏は誰かの犠牲の上に成り立つのだと それを彼らに忘れさせないために。 「我の力を借ろうならば オマエ達の中から一人、 その命運を我に差し出せ。」 蛇の姿で数百年前の村人に伝えたという逸話が 今なお村の者達に語り継がれているかは不明だが。 村人達が首を縦に振ったのをきっかけに 『 大蛇 』は村を守る存在へと成っていく。 (40) 2021/06/15(Tue) 22:43:41 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ*** 人間の子というのは奇怪な生き物だ。 危ないからよせと言うのに凝りもなく森の中へと やってきては『 大蛇 』の声に説教を受ける。 中にはそこが危険だと知っていたにも関わらず 足を踏み入れた子供もいる。 (こいつらは死なねば分からぬのか......?) 数百年と森に入る者を叱りつけている内に 『 大蛇 』はしきりに顔を顰めていた。 (41) 2021/06/15(Tue) 22:44:55 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグそしてある時もまた子供が迷い込む。>>31 そんなに外に興味があるのならば いっそ行って死ぬのもよかろう。 それとも人攫いに連れて行かれて売られるも良い その時は.....それがその子供の運命だ。 そう思い始めていた頃、 子どもの声が『 大蛇 』にも届く。 同時に鳥の声が止まり、空気の流れが変わる。 目を閉じて神経を張り巡らせれば 『ただの子供』がどこにいるかなど すぐに知ることが出来るのだが。 しかし......この子どもは他の子どもとは 明らかに目的が異なっている。 『ただの子供』の呟き>>33は それを物語っているようにも感じられた。 (42) 2021/06/15(Tue) 22:48:47 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ (―――面白い。) この子供の真の目的など『 大蛇 』にはわからぬ。 しかし村の人間に犠牲を強いる『神』とやらに 逢おうなどというのだから。 『 大蛇 』は『ただの子供』の内なる心を知る為に 自ら人間の元へ歩みよろうとする。 (43) 2021/06/15(Tue) 22:53:53 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 「―――子どもよ。」 『 大蛇 』の声があたり一面に木霊する。 暗がりの中に影を作る蛇が人の姿へと変わる その瞬間が『ただの子供』に見えていたかどうか。 「そこで何をしている。 貴様のような子どもが 立ち入っていい場所ではないぞ。」 『 大蛇 』は未だ姿を隠したまま 子を叱るように声を響かせ始めただろう。* (44) 2021/06/15(Tue) 22:56:39 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ元々姿を見せる気など毛頭なく、 ただ「帰れ」と告げるつもりであった。 帰り道が分からないとあれば 村までの道を示すことも吝かではない。 子どもの消え入りそうな声になど>>111 『 大蛇 』の感情は動きはしないのだ しかし子どもが顔を上げたその瞬間>>112 『 大蛇 』は思わず息を飲むことになる。 (126) 2021/06/16(Wed) 15:10:48 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ子どもの容姿が星に消えた主の幼き頃と瓜二つで それはまるで擬似的な再会を果たすかのごとく。 『 大蛇 』は主と子どもが別人だと理解しつつも どうしてもその姿を重ね見てしまう。 「ここに神などおらぬ。 在るのはただ、怪物一匹。」 『ただの子ども』の小さな勇気は どちらかと言えば村に帰るより神との謁見にあり、 つまりは己を神と見てその姿を目に焼きつけること。 『 大蛇 』にはそのように聞こえてならず ついには人の形をした姿で子どもの前に姿を現す。 (127) 2021/06/16(Wed) 15:12:15 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 「村への帰り方ならば教えよう。 だが――――――。」 かつん、かつん、と歩が進む音と共に 座り込む子どもの前にたどり着けば 子どもの目を覗くように片膝をついてしゃがむ。 「お前の言う神は...... 夜な夜な迷い込む子どもを攫う 悪魔のような存在だ。 それでもお前は...まだ探したいと、 会うてみたいと、そう思うのか?」 子どもに神様の根城に泊まろうなどと 無邪気な思惑があることなど知らず。 子どもに恐怖を与えて二度と近づかせない。 そう思ったが故の虚言を語りかけてみせるのだ。* (128) 2021/06/16(Wed) 15:14:15 |
『 大蛇 』 ラサルハグは、メモを貼った。 (a14) 2021/06/16(Wed) 15:29:44 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 「いい?ラサルハグ。 世界は愛で満ちているんだよ。」 神に裁かれると知った主が最期に遺した言葉を 『 大蛇 』は一度足りとも忘れたことは無い。 「愛に代償なんていらない。 代償なんてなくても皆幸せになれる。 いつかきっと。君にもわかる日がくる。」 『 大蛇 』が代償を得ることを 主はこれまで何度も『 大蛇 』を叱り 言い聞かせてきた。 たとえ自らを侮辱した人間が何食わぬ顔で 主の救いを受けようとしていても。 主はその考えを決して曲げはしなかった。 (170) 2021/06/16(Wed) 22:30:50 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ (私には分からない。 人間がそんな高尚だというのならば あなたが消える事もなかったではないか。 ―――我が主、アスクレピオスよ。) (171) 2021/06/16(Wed) 22:32:39 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ*** 「そうだ。」 『 大蛇 』は子どもの疑問を肯定する。>>144 胸の前で握られる手が子どもの心情を語る。 幼子には酷かもしれないが許せ、と。 『 大蛇 』の思惑の通りに事はすすむ。 身体の震えを露にする子どもを前に いたたまれない気分が微かに湧き立つ。 どうしてもその身なりに主を思い出すのだ。 ただの子どもには抱かぬ感情は 『 大蛇 』の心にひどく絡みつく。 (172) 2021/06/16(Wed) 22:33:56 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグただひとつ誤算があるとするならば 『ただの子供』はただの子どもよりも 叡智(Sophia)に富む素質を秘めていた事か。 子ども一人には通じる嘘は 子どもの口から疑念となって零れる。>>147 何かしら疑問を抱くその時点で既に 『 大蛇 』の知る子どもとは違うのだ。 その心何を思うか。 躍動と道筋を知る術を持たぬ蛇は 先に示された終着地を目印にその道程をなぞる。 元来人間に興味を持たぬ『 大蛇 』には 慮る品性などさしたる問題ではない。 (173) 2021/06/16(Wed) 22:35:17 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 「おかしな子どもだ。 我がそんな心優しき獣に見えるか?」 最も、彼女に叡智の素質を感じた時点で 己の狙いを完璧に読まれていることは明白だ。>>149 この子どもの言う通りであると、認めざるを得ない。 聡明さと危なさを兼ねる少女を前にして 『 大蛇 』は声を和らげて問うた。 「お前、名はなんという。」 『ただの子供』に対して 『 大蛇 』は珍しく興味を示す。 この子どもがいつか成長した時 この者ならば主の言葉の真の意味を 理解できるのだろうか。 そんな疑念を胸に秘めて。* (174) 2021/06/16(Wed) 22:41:19 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ不器用な『 大蛇 』の言葉は どうやら子どもを困惑させたようだ。>>233 相手がいくら聡明であろうとも子どもは子ども。 その事を忘れてはならないと頭では理解しているが 『 大蛇 』には塩梅というものがよく分からず。 「............いや、いい。気にするな。 面倒な故、怯えさせて村に引き返させようと そう思うていたのだが。 お前に子供騙しは通じないらしいからな。」 悩み首を捻る子どもに『 大蛇 』は観念して 己の魂胆を暴露する。所謂種明かしだ。>>234 子どもの純粋な視野を持ちながら ただの子どもとは違い理解が早いのだから 実に奇妙で、不思議な子どもだと舌を巻く。 趣きを異にせど未知を怖がるというのは お互い様だったのだろうか。>>235 (254) 2021/06/17(Thu) 19:57:08 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 「ソフィアか。良い名だ。」 『 大蛇 』がそう呟いていると、 『ソフィア』がこちらを見つめ水と裏葉柳が結び合う。 その目は、『 大蛇 』の心を安らげる。 主と瓜二つでありながら異なる目の色。 この少女は主ではないと、『ソフィア』に対して 勝手な染色をせずに歩み寄れるように思えたからだ。 「我の名はラサルハグ。 お前達が神と呼ぶ、ただの蛇だ。 今はこうして人の姿形をしているがな。」 ソフィアの名を問うなら己の名も答えねばならぬ。 はぐらかすことに意味が無いことを 『 大蛇 』は今しがた痛感したところだ。 (255) 2021/06/17(Thu) 20:00:23 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグそして『 大蛇 』は問いを続ける。 間もなく夜も更けるだろう。 己にはソフィアを村へ返す義務がある。 だがその前に。 少女の目的の真意を聞かねばならない。>>112 『 大蛇 』は子どもへ威圧する声色を沈め きっと村の誰もが聞いたことがないであろう 『ラサルハグ』の声色を響かせる。 「それで、お前は私に会ってどうしたい。 何か私に頼み事でもあったのか。」 何も無ければあとは村へと送り返すだけだと 少女が拒まなければ『 大蛇 』はその手で ソフィアの頬へと触れよう。 自身が与えてしまった無意味な恐怖を 削ぎ落とすために。* (256) 2021/06/17(Thu) 20:04:23 |
『 大蛇 』 ラサルハグは、メモを貼った。 (a20) 2021/06/17(Thu) 20:07:01 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグソフィアと出会う少し前から顕著であるが。 元来男女や年齢を問わなかった贄が 気づけば女だけになっていた。 送られてくる女は覚悟を決めた者も居れば 村を恨む者や、さらには己を討とうとせん者もいた。 大数の幸福のために少数の犠牲を。 己が要求したとはいえ抗いもせずに従い、 誉れに朽ち果てるより同族に犠牲を強いる。 実に人間らしい。 (303) 2021/06/18(Fri) 11:22:32 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグしかしそれは偶然か必然か。 腹立たしくも村の者達は 『 大蛇 』の唯一の弱点をよく突いていた。 いつしか女を嫁がせるという風習に変われば こちらが契約を反故にすることは出来ない。 『 大蛇 』は幸か不幸か、 女や子どもという生き物に少々甘いのだ。 (304) 2021/06/18(Fri) 11:23:02 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 男であれば贄として屠るだろう。 元来贄というのはそういうものだ。 しかし女の方が美味であったとしても 『 大蛇 』にとってはそもそも食事など 嗜好品に過ぎず、それが途絶えたところで 生命の危機など起こりえない。 結果として女や子供がこの世から消える そんな結末は無に等しい物となる。** (305) 2021/06/18(Fri) 11:23:59 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ子どもは純粋だ。 相手にどう見られるか考え振る舞うことの無い その姿は、取り繕われないその人間の本性を その身一つで体現してみせる。>>297 とはいえその純粋さ故の言葉に>>298 『ラサルハグ』は思わず顔を顰めて言った。 「お前達が勝手に神と呼んでるだけで 我が神と名乗ったことはないのだが...。」 目を丸くして気の抜けたソフィアを前に 『ラサルハグ』はやれやれと肩を竦める。 こんな犠牲を強いる神様などいるわけなかろうに。 なぜ己を神様だと思えるというのか。 犠牲がどう言い伝えられているのか。>>301 聞けば『ラサルハグ』は腑に落ちたような表情で 冷ややかな笑みを浮かべることになるのだろう。 (306) 2021/06/18(Fri) 11:26:00 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 正直なところをいえば 『ラサルハグ』の想定ではソフィアといえど 己が神だとはすぐには信じないと思っていた。 「嘘だ」など、そんな言葉が来るとばかり。 そう思っていたが結果は想定を超えて訪れる。 頬に伸ばした手は柔らかなものを捉えて 人間らしからぬ冷たい手は 形容しがたくも心地よい暖かな感触に包まれる。 ソフィアもまた人間であると言うのに、 抱くはずの嫌悪が現れないのは何故なのか。 言葉の詰りを流すような少女の呼吸を余所に 『 大蛇 』の興味はなおも引かれゆく。 (307) 2021/06/18(Fri) 11:28:53 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ水面に映る裏葉柳は問う。>>301 『ラサルハグ』の冷ややかな笑みは ソフィアにはどう捉えさせたものか。 『ラサルハグ』の応えは淡白なもので。 「―――ない。 当人達もそれを覚悟している。」 ソフィアの問いをただ否定する。 村の手伝いならば帰れるはず。 少女の疑念は至極真っ当なものだ。 にも関わらず帰れないということは 神の手伝いをしに行っているわけではないのだと。 少女が悟らない事を祈ることとしよう。 (308) 2021/06/18(Fri) 11:30:54 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 過去嫁いできた女達は村には戻れない事。 そして決して死んでいるということはなく 今は他の村で暮らさせていること。 少女が抱くかもしれない疑念には出来る限りを 答えようとはするだろう。 明確な疑問を抱く聡明な者には鮮明な答えを。 元来世界とはそうあるべきものなのだから。 少女は『神』とやらを軽蔑するだろうか それとも別の感情を持つのだろうか。 それもひとつ、『ラサルハグ』の興味であった。 (309) 2021/06/18(Fri) 11:32:41 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ少女の問いに答えきったあたりだろうか。 次第に『ラサルハグ』の口数は減るも 『ソフィア』と『ラサルハグ』だけの世界は ひたすらに静寂が続く。>>302 そこは一切の立ち入りを許さない領域。 月明かりは互いの姿形を鮮明に照らし、 まるで嘘偽りを許さぬと暴き明かすように。 それは人間を嫌悪する『ラサルハグ』にも 思わぬ感情を与えることになる。 (310) 2021/06/18(Fri) 11:35:15 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 森の中で薄く照る裏葉色の少女は 美しいという形容が相応しかろう。 主と容姿が瓜二つだからでは無い。 それに、主の瞳は裏葉柳ではなくロベリアだ。 何も知らないであろう少女は 何物にも染まらない芯を感じさせるも 何物にも染まりそうな魅力を持つ。 不意に『ラサルハグ』は触れた頬を優しく撫で その髪を指先で梳いていく。 『ソフィア』を指先に刻むがごとく、触れる。 (311) 2021/06/18(Fri) 11:36:53 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ思わずそう吐息混じりの声で囁いた後。 絡み合っていた視線を最初に解いたのは 『ラサルハグ』だった。 人間よりも鋭敏な五感はたとえ森の入口であっても 人間達が森に立ち入ったことにはすぐに気づく。 恐らくはソフィアを探しに来ているのだろう。 そうだ。この少女には帰るべき場所がある。 にも関わらず村の者達はこの場所に来る前に 引き返していくのだ。 それはつまり『神』を恐れたからで あの者達にとっては村娘よりも神の怒りが怖いと。 『 大蛇 』にはそう思えてならない。 (313) 2021/06/18(Fri) 11:41:25 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ『ラサルハグ』はソフィアに視線を戻し。 「どうやらお前を探しに来た者がいる。 しかしここには辿り着けないようだな。 まったくもって...救いようのない連中だ。」 『ラサルハグ』は呆れたようにため息をつく。 もし少女が不安がるようならば必ず村に帰すと 宥めることにするだろう。 『 大蛇 』は立ち上がれば その片手をソフィアに差し出して。 「こう夜が更けていては 本当に蛇が子どもを攫いかねん。 お前を村まで送り返してやろう。」 そう、少女の答えを待つのだ。* (314) 2021/06/18(Fri) 11:46:39 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグたとえば『ソフィア』が見える世界だけを語り、 深く疑うことを知らなかったとして。>>324 犠牲 だとすれば、この話を知るにはまだ早いのだろうか。 今教え伝えることが正しいのか否か。 『ラサルハグ』はその答えを知らずにいる。 「いや...謝るな。お前じゃない。 少しばかり昔を思い出しただけだ。」 すごい人 (蛇だが) なんて大層な存在ではないとここで否定したところで意味はなく。 『ラサルハグ』はソフィアの質問には答えず ただ狼狽える小さな身体を宥める。>>323 (330) 2021/06/18(Fri) 16:32:30 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ「覚悟」の本当の意味 即ち、死 を恐らくソフィアはまだ知らないだろう。>>324 本来ならば教えなければならないのだ。 「覚悟」と犠牲が皆の平和を作っていると。 知らぬことこそが『 大蛇 』の逆鱗。 知らねば、知らしめる他ないのだから。 (331) 2021/06/18(Fri) 16:34:17 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ しかし『ラサルハグ』は少女に残酷な仕打ちを しようなどとは毛ほども思えない。 彼女が犠牲となった者を忘れていないから。>>325 『ラサルハグ』が望む在り方を少女は実現している。 『 大蛇 』が牙を向く道理も残酷な 事実を突きつけることも、この少女に対しては不要。 ともなれば『ラサルハグ』が取る行動は 厚情に満ちたものとなっていく。 (332) 2021/06/18(Fri) 16:35:57 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ(世界がお前のような人間で溢れていれば 私もあんな過ちは犯さなかったかもしれない。 お前のような子を、私はずっと.....。) (333) 2021/06/18(Fri) 16:39:51 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ「あぁ。元気だ。恐らくはな。 今は違う村に住ませているせいで 正確な事までは私にも分からぬ。」 他の村へと送った後のことは『 大蛇 』にも 正確には辿ることが出来ない。 とはいえ訃報はすぐに届くはずなのだから つまり皆不幸の道はまだ辿ってはいないのだろう。 だがこの小さな子どもに真実を全て打ち明けるには 幾許かの時を要する。 「いつかまたお前と会う時があるとして お前が今よりも大きく育っているならば その時は.........お前に全てを話そう。」 つまりはまだ幼子に話せることでは無いのだと ソフィアは納得してくれるだろうか。 そのVまたVを数奇な巡り合わせが連れてくると、 それは『ラサルハグ』にとっても誤算に違いない。 (335) 2021/06/18(Fri) 16:42:03 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ*** 戸惑いを声に漏らすソフィアがこちらの機嫌を気遣い 口を噤んでくれているとなどとは気づきもせず、 横槍は結局『ラサルハグ』の呟きを曖昧に溶かす。 「便利なことばかりじゃない。 聞きたくなくても耳を塞げぬのは 時として拷問に近しいものだ。」 安堵に微笑む少女に『ラサルハグ』も苦笑が浮かぶ。 たとえ少女に対する厚情はあれど村に情はない。 もしも己の険しい表情がその身を竦めさせていたと 知らされたとしたら。 『ラサルハグ』は密かに反省をすることになるだろう。 (336) 2021/06/18(Fri) 16:46:02 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグこの少女を前にすると妙に調子が狂うのは、 己の考えている人間の枠組みから外れた少女が 『ラサルハグ』の知る常識を覆していくからか。 少女の手を引いて村を目指す間 『ラサルハグ』の放つ雰囲気は幾分も柔らかく。 さしずめ少女の陽気に当てられたというべきか。 (337) 2021/06/18(Fri) 16:47:47 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグしばし歩み続けた先。 森をぬけて村の入口が見えるところまで来れば 『 大蛇 』はソフィアの手を離す。 「私のことは他の者には言うな。 言えば混乱を招きかねん。」 村人達のことをよく知らない『 大蛇 』は 神様を知っているという理由でソフィアが 奇異の目に晒されることを危惧していた。 少女の反応を伺いつつも ソフィアから離れるように一歩後ろに後退り。 (338) 2021/06/18(Fri) 16:50:29 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ「これに懲りたら...もう森には近づくな。 さもなくば、今度はお前を攫うぞ。」 ソフィアにそう言い残して 『 大蛇 』は少女に背を向ける。 『ただの子ども』はこの日を境に 『神の招待を知る子』であり 世界でただ一人の『蛇に魅入られた娘』となる。 ── ▷ 蛇と花嫁 ──** (339) 2021/06/18(Fri) 16:51:53 |
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