【人】 未國 聖奈長くて短い三日間。 それが過ぎ去るまで、隠れていたい気分だった。 高校三年間、あんまり授業をサボったことはないけど 昨日から碌に、授業内容なんて頭に入ってこない 遠くにいけるなら、それでもいいな、って あたしは、もうすぐ授業が始まるというのに 昇降口で、逃げ出すための靴を履いている。 * (90) 2022/10/17(Mon) 8:13:39 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a12) 2022/10/17(Mon) 8:15:48 |
【人】 未國 聖奈── 午前中:世良と ── 「 ………一分??? 」 靴紐を結び終えて立ち上がろうとしたその時に メッセージのアイコンに新着マークがつく 返事は簡潔に「あと一分待って。」それだけ。 1分待ったら何かが変わるんだろうか。 1分待ったら…きっと授業のチャイムが鳴る。 眉間に皺寄せて、その言葉の意味を考えて 何かスタンプでも送り返してやろうかと、 せっせと適切なスタンプを探している間に 一分経った ─── チャイムが鳴った。 (116) 2022/10/17(Mon) 14:08:50 |
【人】 未國 聖奈「 とりあえず走ろ! 」 早口でそう言うと、どこに行くかも決めぬまま まっすぐに校門まで走り出す。 部活を辞めて鈍った体が全速力で悲鳴を上げる 足の速さ、やっぱり世良には勝てないよ。 どこに逃げようか、って提案したのは 校門の外に飛び出して、人の目が無くなってから 逃げたいって言ったけど、どこに行くか思いつかなくて 世良ならどこに逃げるのがおすすめ? (118) 2022/10/17(Mon) 14:10:21 |
【人】 未國 聖奈だから、あたしは聞くの。 「 人が少なくて息はしやすいけど 神様には見つかりやすい静かなとこと、 人が多くて息がしにくいけど 神様には見つかりにくい騒がしいとこ、 世良ならこういう時、どっちに逃げたい? 」 ほら学校の近くにはおあつらえ向きな 静かな公園も人の多い繁華街も、どっちもあるでしょう?* (119) 2022/10/17(Mon) 14:11:06 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a19) 2022/10/17(Mon) 14:13:34 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a23) 2022/10/17(Mon) 19:29:48 |
【人】 未國 聖奈── 午前中・世良 ── 走って、歩いて、逃げて、隠れて 辿り着いた公園は、息が聞こえるほど静かで。 お守りのお詫びには首を横に振って大丈夫って>>238 話す場所に選んだのは滑り台 場所なんて天の神様の言う通り、で選んだって きっと微々たる差だった。 見てるものが違う、に少し微笑んだ 人間ってたぶん早々分かり合えない 馬鹿みたいに何も考えないで生きてきてたら そんなこと、どうでもよかったのに 考えちゃうから、人間の違いによく気付く。 「 …両方かな 」 聞いて欲しいのか、聞きたいのか。 あたしは、そう答えてからゆっくり息をする。 (278) 2022/10/18(Tue) 2:42:25 |
【人】 未國 聖奈「 世良はさ、 願い事って、すんなり決まりそう? 」 暗に含ませた、じゃああたしの願い事は ── そういうニュアンスを込めた声色で、世良に尋ねる すんなり決まらない、というのなら、 多分少しだけ、意外そうな顔をしてみせた。 首を縦に振るなら……そっか、って。 (279) 2022/10/18(Tue) 2:43:09 |
【人】 未國 聖奈「 なーんも考えないで生きてたから。 突然、三日間を与えられて、 正直さ、困惑してる。 幽霊半信半疑だったし、付き添いだったし 行けたら行く、だったし。 」 滑り台の階段を登っていく。 スカートだから、当然そのへん気を遣いながらだけど。 たぶん、見えてない。大丈夫。 (280) 2022/10/18(Tue) 2:44:28 |
【人】 未國 聖奈「 ひとつ。 みんなが何を願ってるんだろって、 突然、みんなが知らない人になっちゃった 幽霊に頼み込んでまで叶えて欲しいこと そうじゃないと、叶えられないこと ほら、代償が必要みたいな噂もあるじゃん そうまでして、願いたいこと …あたし、お節介だからさ 誰かの力になりたい、って思っても 踏み込めなくて、踏み込み方が分からなくて そしたら世界が全く知らないものになっちゃった …これが、ひとつ。 」 滑り台のてっぺんは、空に近い。 ……見つかっちゃうな、こんな場所だと。 あたしは、空を仰ぐ。 (281) 2022/10/18(Tue) 2:45:31 |
【人】 未國 聖奈「 でもそうするほどの余裕すらない、ってのが 多分もっと大きい、もうひとつ。 人に言われて、気づくよ あたし、願い事叶えてもらいたいんだって だから必死に自分の中、探すけど 探せば探すほど自分が空っぽなことに気付く それがね、怖いんだ 周りのみんなは悩んで、迷って生きてるのに あたしにはなんもなくて、 それを…幸せだね、って言葉で括られたりして こんなに。こんなに何も無いことが、 あたしにとっては、怖いのに。 」 あたしはきっと、1ミリも幸せそうじゃない顔で言うよ (282) 2022/10/18(Tue) 2:46:33 |
【人】 未國 聖奈「 毎日楽しいよ。 誰かの幸せを祈って生きることも あたしの、性にあってるよ。 でもあたしは、自分の幸せだとか想いだとか そーゆーの、大事にしなきゃって、 ぽん、と三日間の猶予を与えられて 考えさせられて ……探しても、探しても、見つからなくて 」 (283) 2022/10/18(Tue) 2:47:04 |
【人】 未國 聖奈「 なのにね。 この後に及んでも、 やっぱり自分優先じゃなくて、 誰かのことも、考えようとしちゃうから …だから、パンクする 何事もなく三日目が過ぎちゃえばいい、って 思って……… いまここ。 」 滑り台を一気に滑り降りる。 こんなふうに、一気に三日間が過ぎたらいい。 …過ぎたら良いって、言葉では言うけど 多分あたしの顔はそんなふうに思ってる表情じゃない 過ぎてしまったら、後悔するんだろう。 何も出来なかったこと、何も願えなかったこと ……それも、わかってるから、しんどいんだよ。 ** (284) 2022/10/18(Tue) 2:50:08 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a39) 2022/10/18(Tue) 2:55:12 |
【人】 未國 聖奈 誰かを助けたい 願い事を叶えたい 誰も助けられるはずない 願い事なんてひとつもない そのどれもが、あたしで 矛盾ばかりが自分の中に混在する だから、苦しい。 ** (347) 2022/10/18(Tue) 7:54:35 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a43) 2022/10/18(Tue) 7:55:30 |
【人】 未國 聖奈「 …ッ 、忘れることなんてできるわけな、 」その言葉に驚いて目を見開いて、世良の方を見上げて 今日イチ大きな声を出して、反論しかけて、ああ…… ああそうか、って気づいてしまう 目が左右に泳ぐ。短く息を吸い込む。 あたしはそれができるって気づいてしまう。 『 忘れさせてください 』それだって、充分願い事になるということ 気づけないほど、浅はかではなかった。 (382) 2022/10/18(Tue) 14:52:54 |
【人】 未國 聖奈 自分の願いを叶えなくていいのなら、 いいのなら ─────── ? 何かが言葉になりそうで、ならなくて 自分の中で浮かんでは消え、浮かんでは、 そんなもの、普通はないんだよ。 世良の声が、耳に届いて、 ぱちん、と弾けた。 ──── 言葉が、色彩を取り戻す。 (384) 2022/10/18(Tue) 14:54:19 |
【人】 未國 聖奈「 普通は? 」 多分まだ、泣きそうな顔をしてたと思う。 だけど目はしっかり世良のことを見ていた。 モノクロの世界の中で、言葉に想いが宿る。 「 世良には、あるの? 」 さっきは踏み込まなかった願い事。 だけど、あなたの言葉で目が覚めた。 はぐらかすのかな。 その噤んだままの口は、 あたしには、開かれないままなのだろうか。 (385) 2022/10/18(Tue) 14:55:48 |
【人】 未國 聖奈自分の願いを叶えなくていいのなら 世良が言う通り、今はその時じゃないのなら ……あたしには 誰かのことを想う余裕ができるんだよ。 世良は、気づいてた? (386) 2022/10/18(Tue) 14:56:38 |
【人】 未國 聖奈「 踏み込み方がわからなかった 踏み込む余裕がひとつもなかった 世界が全く知らないものになっちゃった でも 世良は、余裕がないなら願わなければいい、 世良は、全部忘れたらいい、って言ったよね それでも、何もできなくて、忘れるのは嫌だよ それなら、何もかも知って、忘れたいよ 普通は、ない、って世良は言った。 じゃあ、世良はどうなの。 そんな意味ありげなこという友達のこと あたしがほっとけるわけないじゃん。 」 (388) 2022/10/18(Tue) 14:58:05 |
【人】 未國 聖奈「 約束する。 あたしのおせっかいじゃ抱えきれないほどの 重たい大荷物だったなら。 世良が、忘れてほしい、と願うなら。 あたしは『 必ず忘れるよ それでも。 すこしでも、荷物が軽くなるのなら。 あたしにだって、手伝わせてよ。 今だけは、一緒に抱えたいよ。 」 (389) 2022/10/18(Tue) 14:58:25 |
【人】 未國 聖奈「 おせっかいでごめんね。 でも今こんな場所じゃ、神様とあたししか、 世良のこと、見てないから。……大丈夫だよ。」 根拠のない大丈夫を口にして 滑り台の下から、あたしは世良のことを見上げている。* (390) 2022/10/18(Tue) 14:58:57 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a50) 2022/10/18(Tue) 15:02:33 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a54) 2022/10/18(Tue) 19:46:23 |
【人】 未國 聖奈── それはずっとずっと夜遅く ── それはその日のずっとずっと夜遅く。 ねえ、その日、あたしには何があっただろう 何を見聞きして 何を見聞きしないで 何を決意して 何を諦めて あたしはこのメッセージを送るのだろう 送り先は、ひとりしかいなかったはずだ ずっと、向き合うのを避けてきた あたしは向き合うことにしたのだろうか それとも、逃げることにしたのだろうか どちらにしろ。 どちらにしろ、変わらなかった。 あなたに送る文面は、ただひとつ。 (449) 2022/10/18(Tue) 22:17:16 |
【人】 未國 聖奈 あたしは何を願うのだろうか あたしは何を願わないのだろうか あなたは何を願うのだろうか あなたは何を願わないのだろうか 既に心に決めた願い事があったかもしれない もしかしたらかなちゃんを止めるために、 あたしは旧校舎に誘っているのかもしれない ──── その種明かしは、また、明日。 ** (450) 2022/10/18(Tue) 22:18:18 |
(a56) 2022/10/18(Tue) 22:19:37 |
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