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【人】 木峰 夏生── 翌朝 ─── [ 背中で寝返りを打つ気配に、瞼を上げた。 ぎしぎしと軋む身体を動かして、 後ろからそっと抱きしめる。 ] ……おはよ。 [ 明るい日が差しているのに、どこか気怠げで 寂しげな室内。 子供のころのように、丸く体を擦り寄せる海斗は すっかり牙を仕舞って猫のよう。 ] まだ、時間あるから、 ……寝な。 [ 背を、髪を、優しく撫でた。 醒めなくていいなんて、言えなかった。 ] (103) 2021/07/17(Sat) 22:02:24 |
【人】 木峰 夏生[ この恋心を自覚した時から、所謂 普通の幸せとは縁遠いことになるとわかっていた。 両親のことを思えばそれなりに胸が詰まるけれど。 それ以上に、まだ二十歳そこそこの 海斗の未来を奪うことの意味を 考えずにはいられない。 いつだって、ただしいことは、めにはみえない。 だから、言葉を、温もりを、 俺は縋るように求めてしまうのだと思う。 ] (104) 2021/07/17(Sat) 22:03:16 |
【人】 木峰 夏生[ はらへった、と言う海斗にぶは、と笑って、 ] マジかよ…… 俺は無理だ……食えねーわ。 [と頭を大袈裟に抱えながら、可愛らしい おねだりに応えようか。 昨夜のダメージなどどこ吹く風か、 次々胃に消えていく食べ物に笑って、 幸せを感じるくらい、 今は許されてもいいよな。 ] (105) 2021/07/17(Sat) 22:04:13 |
【人】 木峰 夏生── それから ── [ 海斗はどうだかわからないが、俺はあの日から ずいぶん変わったと思う。 夜遊びは封印したし、帰りは早くなったし。 ちゅー♡と唇を突き出すうさぎのスタンプの 登場頻度は増えたし、 たまーに返信が返ってくることがあったり。 ] (106) 2021/07/17(Sat) 22:04:59 |
【人】 木峰 夏生なに、海斗、 おれのことがすきだって? [ 多分、お前の言いたいことはわかってる。 俺ら、きょーだいだから。 だから、俺はその唇を塞ぐ。 ダメな兄貴だって、笑って、 いつか、お前が、 俺を嫌いになってくれる日が来ればいい、なんて こころの片隅で願ってるってバレたら、 きっと俺は殺されるんだろうな。 ]** (107) 2021/07/17(Sat) 22:08:28 |
【人】 木峰 夏生*** ─── いつかのはなし ─── [ 相変わらず仲の良い両親は不在。 件の先輩に頼まれた仕事をやりかけて、 リビングのソファでタブレットを操作していた。 空気に混ざる匂いにはすぐ気付く。 バレないようににやりと唇を歪ませていれば、 視界を遮るのは愛しい弟。 俺の腿に跨って、首に回されて絡める腕に、 かたんと音を立てて仕事を強制終了する。 ] ……いくら親がいないからって、 リビングのソファで盛るのはお兄ちゃん ちょっと、 背徳感でぞくぞくしちゃうんだけど。 [ 耳を食んでくる唇の温もりにぞくりとしながら くすくす笑ってするりと衣服の下へ手を滑らせる。] (113) 2021/07/17(Sat) 23:25:05 |
【人】 木峰 夏生[ いつもの合図が鼓膜を揺する。 ] 家族の共有スペースで、 いつからこんな淫乱になったの 俺のかわいい弟は。 [ その時は、気ままな王子様は どのようなご気分でいらしたのか。 多少態度のデカくなった忠実なしもべは、 耳朶を食んで返し、硬い歯を当てて、 背の窪みに爪を立てて下半身へ滑らせて。 ] ─── 抱いてくれんの? なら、さ…… (114) 2021/07/17(Sat) 23:26:15 |
【人】 木峰 夏生結腸、掘らしてやろーか。 [ くるりと体を入れ替えて、海斗の上に俺が跨って。 あの高級なホテルで踏みとどまった、 腸の行き止まりのその奥を、海斗に抉らせる そんなことも、あった。 ……ひとつ経験談として言うならば、 少なくとも布製のソファの上でやるもんじゃない。 ソファが新しい革張りのものにかわっていて、 何も知らずに帰宅した両親が喜んだ話は、 そうだな、またいずれ。 ]** (115) 2021/07/17(Sat) 23:27:37 |
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