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【人】 魔王 ウロボロス──魔王城・フォルクスの私室── [ハロウィーンは過ぎ去った。 美しきかの都を再び滅茶苦茶にし、一人の死者を出すことも無く。] ……まあ、そういうわけだよ [人類側に無許可で行った人狼族の配置問題、 以前より政権に反抗的であった二つの種族が襲撃に加わった責任。 各国の王侯貴族が集まる場であった式典で起きた事件だ、 非難の声は大きく無視も出来ない。暫くは開催も見送られるだろう。 復興に加わるのが配下達なら、 上の者はひたすらに説明や謝罪に追われる。そうして国は動くのだ。] (29) 2020/11/02(Mon) 2:00:51 |
【人】 魔王 ウロボロスでも、悪いことばかりじゃない。 あの場に居合わせてしまった民からは、支持の声のほうが大きい。 それに、王族の一部も擁護に回ってくれている。 それもこれも、君達が力を尽くして戦ってくれたからだ。 ……ありがとう、フォーク。皆を、僕を助けてくれて [世界は変わり続けている。良くも、悪くも。 休養を余儀なくされた配下への報告も、 最後だけは明るい話で締めくくることが出来た。 自分が脇に腰掛けている寝台の主は、 足を伸ばし身体を起こして座り、じっと話を聞いている。 そちらを一度見て、微笑みかける。] (30) 2020/11/02(Mon) 2:01:04 |
【人】 魔王 ウロボロス君は本当に仕事熱心だな。 いい加減休息も知るべき時期じゃないかと、思うけどね。 [何気なく響く返答で、語るその先を予測して遮った。 400年と言ってしまえば本当に短いものだ。 しかし、絶えず共に在れば人格を知るには充分な時間と言えよう。] これは良い機会になるんじゃないかな? [表情を変えぬまま、首に手を伸ばし痕を隠す。 魔族には些細な攻撃を受けた、それだけだ。 治癒能力を下げる呪いこそ掛けられていたものの、 人間と変わらない程度の速度でやがて消えるだろう。 その先で起きたことも、忌むべきものでは無い。 自分の意思で彼を誘った。かつての先代のように、血を与えた。 誰にも文句など言わせはしない。当人にすらも、だ。] (33) 2020/11/02(Mon) 2:02:25 |
【人】 魔王 ウロボロス[再び話を試みてこないように。 徐に靴を脱ぎ、上体を捻り彼の方を向いて横たわった。 そのまま下半身も寝台に乗せてしまい、腰を上げて 横に重ねた足が両方柔らかなシーツに触れるように姿勢を変えれば、 俯せから肘をついたような姿でゆっくりと距離を詰め。] ふふっ……ねえ、これ何だと思う? [いつの間にか、この手には君の捜し物。 紙切れを指先で摘む手と頭だけを上げて、態とらしく小首を傾げる。 満面の笑みで見上げ意地悪を始めたのは、 あと少し詰めたら鼻先が腹部に付きそうな程近くになってから。 重いなんて文句は勿論許していないし、君はそれを理解している。] (34) 2020/11/02(Mon) 2:02:56 |
【人】 魔王 ウロボロス駄目。ちゃんと僕に隠していたことを白状してね。 それから君のウロボロス様にきちんとお願いするんだよ? [深まる笑み、覗く牙。指を離れて天井近くで浮かぶ紙切れ 見せつけるように見やすい位置でそれは止まっている。 こんな意地悪を今まで何回繰り返してきたっけ あと何回出来るんだろうな。 どうすることも出来ない思考は、口に出さないまま。] (38) 2020/11/02(Mon) 2:04:39 |
【人】 魔王 ウロボロスそれでいい [珍しく、短く愛想の無い声で応える。 表情が見えないように俯いて、更にまた彼の上で這い寄る。 そのまま腰に手を回し、抱きつくような姿勢になり。] 僕は疲れたから暫くこうして休むよ [許可は取らない。ただの報告だ。] (39) 2020/11/02(Mon) 2:07:42 |
【人】 魔王 ウロボロス……ふふっ。フォルクス、面白いね [全てを傍観していた少年が、笑いながら声を掛ける。 己の座すべき玉座よりも更に上、壁を構成する蒼の結晶に腰掛けながら。] (55) 2020/11/03(Tue) 1:17:46 |
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