人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


エルヴィーノは、イレネオの電話を鳴らした。
(a21) 2023/09/29(Fri) 23:38:24

エルヴィーノは、イレネオに通話が繋がる事はない。
(a22) 2023/09/29(Fri) 23:39:50

エルヴィーノは、不思議そうにその紙袋を見た。
(a30) 2023/09/30(Sat) 15:54:07

エルヴィーノは、が上げたその慟哭は真昼の庭に響いた。
(a31) 2023/09/30(Sat) 15:58:36

【人】 花浅葱 エルヴィーノ

ゆっくり、上がる。
病院の階段を、一歩ずつ。

それはまるで天国へ続く道のようで、あの屋上への扉を開いたら、あなたが居そうで。

ルチアーノと別れ病室に戻された時は満身創痍だった。
絶対安静の人間が、受けるべき点滴を受けずに外に居たのだから、ナースも医者も皆が青い顔をしていたのは仕方のない話だ。
すぐにまた点滴に繋がれ、青白い顔に生気が戻ってくるのにまた数日を要したに違いない。

歩けるようになって、リハビリを始めた。
手先はなんとなく動くようになったけれど、肘を動かそうとすると痛みが響いて動かない。
砕かれた肩はミリも動かせる気がしない。

本当は、ベッドの上にいるのが一番楽だけど、今はすごく屋上に行きたかった。
金色に輝く太陽の下、広がる青い空を見たい。

だって。

寂しいんだ。
心に空いた穴はルチアが埋めてくれるけど、ずたずたになった心臓が今も血を流しているから。

#BelColletto
(98) 2023/09/30(Sat) 23:13:14

【人】 花浅葱 エルヴィーノ

「やっとついた」

白く輝く扉を開いて外に出れば、涼しい風が男の髪を柔らかく揺らした。
ゆっくり、一歩ずつ前に進んで、
柵に手をかけたらもうだめで、ずるずるとその場に膝を折って座り込む。

身体の辛さよりも、今は、心の震えが止まらないのが酷くつらい。

手の中にあるたった一つだけの贈り物を見つめて、

……ぱた。
ぱたり。


静かに雨が頬を伝った。

「……忠犬は、主を待ち続けるものだろう?」

「な……んで、キミが先に、僕を置いていくの」

僕がもっと、あなたの手綱をしっかり握ってたならこんなことにはきっと、ならなかった。
僕がちゃんと、あなたがしている事を知っていたなら、あなたの頬を打ってでもそれを止めていた。
僕が撃たれてなんてなかったら、あなたを助けに行ったのに。

――知らないことは、罪だ。

だからこれは、全部僕のせい


#BelColletto
(99) 2023/09/30(Sat) 23:14:13

【人】 今更、首輪を外されても エルヴィーノ

「……レオ……」


あの日約束したその名を呼ぶ。

「レオ………ッ」

何度も、何度だって、その名を呼ぶ。
天国への道を閉ざす、格子の前で。

「約束、守って……る、だろ」
「なのになんで、応えてくれない……っ」

だけどそこに、あなたは居ないのだ。
今更、その首輪を外されても、僕はもう上手く歩けそうにない。

#BelColletto
(100) 2023/09/30(Sat) 23:15:34