人狼物語 三日月国


246 幾星霜のメモワール

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視点:


【人】 番犬 グノウ

教会の端。
壁に背を預けていた機械彫刻のようなオートマータが、金属の擦れる音を立てながら顔を上げる。一通りの説明を終え、自己紹介をする者、出ていく者、様々な人間の様子を視覚素子から見つめていた。

「……………グノウだ」
「………力が必要なら、一声掛けるがいい」
「………盾くらいにはなろう」

皇都。教会。そして、集められた顔ぶれと痣。

「……………」
「………そういうこと、か」
(9) 2024/01/27(Sat) 2:06:41

【人】 番犬 グノウ

飛び接吻の発送と受け取り拒否をするシヴァやエリーの様子を見ながら俯き、静かに低音を零す。

「……………口の上手い」
「…………良く、舌の回る者が、多いな」

何を生業にするにしろ……それは処世に必要な技能かもしれない。特に、今この祭りの中では猶更。
(12) 2024/01/27(Sat) 3:17:36

【人】 番犬 グノウ

……目も利くか、と瞑目したまま感想を述べる。

「…………いかにも」
「………出自は俺にも分からんがな」

それはシヴァに伝えているように見えて、この場に居る全員に伝えているような言葉だ。不審で不遜な外面の自覚が、せめて判断は公平に行えるよう与えている情報のようでもあった。或いはそこまでを織り込んでいるとするのならば、この遮光眼鏡の男、舌だけではなく頭も回るが……。

「………この身は、生ける鎧(リヴィングデッド)と何も変わらん」
「…………魂の存在の在不在を証明することすら出来ん」
「……木偶に話しているか、生物に話しているか」
「………各々で決めてもらっていい」

鎧の中を反響するような音が響く。

「……男子だろうが、興味は持たぬほうがいいだろうな」
「………この中身に貴殿の期待するような物は入っておらんよ」
「……探って愉しい胎ではないことは確かだ」

何かの駆動音と共に、シヴァにシニカルに言葉を返す。
(26) 2024/01/27(Sat) 13:22:09

【人】 番犬 グノウ

>>31 シヴァ

「………そうか」

人として扱われることと造物として扱われることに感覚として差はないらしく、抑揚のない言葉が返る。周りを周られていても触れられていてもさして気にしないのは、己の身体の頑強さへの信望か、或いは自己保身に頓着がないかのどちらかだろう。
痣は獣を模した顎の下に存在する。故に参加者であることは明白ではある。一通り喋り離れていくシヴァを見ながら再び瞑目する。

「……………不思議な男だ」

何より、その自由な振る舞いをもってしても、他人に嫌気を抱かせないことが。過去に逢った誰よりも、造物に"不思議"という理解をさせた。
(34) 2024/01/27(Sat) 16:16:23

【人】 番犬 グノウ

「……これは」
「………聖印と呼ぶには容赦がなく」
「………烙印と呼ぶには優しすぎる」

自分の刻印があるであろう顎の裏を機械の指で撫でながら言う。自分で確認することはできない、装甲の薄い致命の場所に浮かぶものかとも思っていたが、それならば人の身なら背中か胸に浮かぶはずでもある。

「…………どの道、生身では」
「……刃で殺ぎ取ることも容易ではなかろう」
「………影響がはっきりするまでは」
「……………希望的観測をするしかないだろう、な」
(100) 2024/01/28(Sun) 21:41:15