人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【人】 渡りに船 ロメオ

木製の両開きの扉に提げられた『開店中』のプレート。
晴れたって曇ったって、雨が降ったってこのベーカリーは開いている。

『poco a poco』の看板を掲げた店の中。
店番の男が、今日も欠伸をしながらカウンターの向こう側で足を組んで座っていた。
来る人はまばらながらも客が来るのは事実。
なのでこの態度はよろしくないのだが、ここの店長は寛大なのであった。
男はいつもこんな感じであるし、クビにはなっていない。

「…………」
「今日はちょっとあちーな……」

よっこらしょ、と立ち上がりクーラーのリモコンを探す。
棚のパンは今日もつやつやと誇らしげに並んでいる。
庶民的な店内に、ピッと電子音。
少しだけ涼しい風が、そよそよと吹き始めた。

#パン屋
(7) 2023/09/11(Mon) 21:36:51

【人】 渡りに船 ロメオ

>>31 ヴィンセンツィオ

軽やかなドアベルの音、扉の開く音。
クーラーのリモコンを置いてカウンターへと戻る途中、
振り返りざまに「いらっしゃいませ〜」と緩く店員らしい挨拶を。
──癖のように自分より下げられた視線は、
少しの驚きを以て開かれると同時に自分の上の方へと修正された。
なんせ自分より背の大きい人は珍しいもので。


「……今日のおすすめ。
あー、今日のパーネ・ディ・リーゾは米粉で焼いてるからいつもより食感がいい。チーズとハムのピッツァ・ビアンカもあるし、なんか旦那が朝からさくらんぼのパネットーネも焼いてる」
「場所はそこ、そこ、あとそこ。値段は札見てください」

その驚きも一瞬に、尋ねられればすらすらと答える。
表情も声の抑揚も愛想のいいものではないが、瓶底眼鏡の奥の視線だけはきちんと貴方に合わせられていた。
一つに束ねられた薄いレモン色の髪を揺らしながら定位置の席へと付けば、背は貴方よりも大分低くなる。

#パン屋
(78) 2023/09/12(Tue) 22:47:29

【人】 渡りに船 ロメオ

>>96 ヴィンセンツィオ

笑みを向けられれば、ロメオは一回、二回。
ぱち、ぱち、と間を開けて大きい瞬きをして、きょとんとした顔になり。
熱心の言葉に「どーもぉ」と今度はこちらが薄く笑って返した。

……本当に熱心かどうかはさておき、出勤の度に当然の如く今日はどのパンがおすすめなのかを選んで覚えているのは事実。
店長に言われたわけでもないが、その方が客とのコミュニケーションが円滑に運べるだろうという考えだった。
それに味見をして決めているので、ハズレはないと自負している。

トレーに乗せられたパンがカウンターに置かれ、会計の途中。

「お客さん、あんま来ない人っすよね。それともオレが非番の時に来てたり?」
「誰かの紹介とかー……」

ふとそんな事を尋ねてみる。
店員としての話題作りもあるが、ここにはあんまり新しい客が来ることは少ないから、興味があった。

#パン屋
(99) 2023/09/13(Wed) 9:35:23

【人】 渡りに船 ロメオ

>>142 ヴィンセンツィオ

「ああ〜……成程。ありがたいもんすね、口コミって奴だ。
 話題になるくらいは美味いっても分かりますけど」

オレも最初はただの常連客だったすから、とこれは客目線の同意。
自分も最初は歩き回って焼きたてのパンの顔を覗き見ては選ぶ立場だったけれど、今はバイトとしてカウンターでじっとしている。
必要があれば棚にパンを足し、並び替え、会計をする。そのくらいだ。

「まあ。人の顔覚えんのは得意で」
「わざわざ客に覚えてんぞとまでは伝えないすけど。
 来てくれる人の顔はまあ、大体。意識してるわけでもないすけど」

──これは少し嘘だ。
街の人間の顔を覚えておいて損な事は無い。
人の暮らしの中に自然に寄り添うこういう店では色々な人が来る。
酒場や賭場には来ないような人間でも、こういう場所には来たりする。
マフィアとしてのちょっとした情報収集も兼ねてこの仕事をしている面はあるのだ。
そしてそれがどんな風に響くかは分からないのも、また事実だった。

「覚えておいたらサービスもできるしね」
「常連贔屓したりして。あんまよくないけど」

真っ当らしい理由はいくらでも言える。
表情も声音も相変わらず。
レジに金額が表示されれば、木製のカルトンをコン、と置いた。

#パン屋
(155) 2023/09/14(Thu) 20:35:09