人狼物語 三日月国


175 【ペアソロRP】爽秋の候 【R18G】

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視点:


【人】 妖もどき 辰沙


 ―――――…。

 
 ……それ、本気で言ってます?


『いちおう七割くらいはな。
 ……んだよ、信用ないなぁ。
 
 まぁさっき言ったことはうちの上層部の見解だが。
 全部が全部、あちらの見当違いってわけでもないんだろ?』


 それはまぁ、そうですが…。


[ 言いながら首を微かに動かして周囲を伺う。
 微かな星明かりの中、先生の影が小さく肩を竦めて。 ]

 『悪いな。此方もサシで話したいと頼んだんだが
 お偉方はそういうわけにはいかないってさ』

 ……ですよね。


[ 此方も先生に合わせるように小さく肩を竦める。 ]
(17) 2022/09/26(Mon) 21:59:55

【人】 妖もどき 辰沙


 『…で? 答え合わせと行こうか。

  まー個人的な見解をいうと、
  お前があの隕石の化身だとか、そういうのはともかく、
  禍の種っていうのは個人的には非同意なんだよな。
  そんなんだったらとっくの昔に滅ぼしにかかってるだろ』

  …………。

 『待て待て待て、何その顔。
  今のどういう心情?』

 …いや。
 そこまであなたに信用してもらえてたとは思わなくて。

 『は?』

 あ、いえ……。


[ こほん、とその場を誤魔化すように咳払いをすると
 頭上に輝く赤い星を見上げてから。 ]
(18) 2022/09/26(Mon) 22:01:03

【人】 妖もどき 辰沙



 ……僕があの星の化身というのは、少し違います。

 正確には、僕はあの星の欠片。
 僕とあの星の関係を例えるなら…親子とか、銃と弾丸というか、
 とりあえず、そういうふうに言い表せるかと。


 あの星…ソラナキは、この世界、いえ、
 この星の命と魂の系統樹の観測を目的として
 星の海…この星系の外から派遣されてきた存在です。
(19) 2022/09/26(Mon) 22:03:41

【人】 妖もどき 辰沙

[これから語るのは、少し永い昔話。]


 この星は、星の海の外からやってきた者たちによって
 それこそ気の遠くなるような昔から、
 数多くの干渉を受けてきました。

 彼らがこの星に入植し、生態系に干渉した結果、
 この地は人間等の肉の命を持った生命体と
 妖など闇に属する者たちで溢れることになりました。>>0:43
 この星は、ソラナキの主たちにとって
 有益な存在を生み出すための研究所であり、実験場でした。
 だから、なんといえばいいのか……。

 『…要はあれだろ?
  ソラナキはこの星に生きるモノ全てにとっての造物主か、
  その化身みたいなものだ』

 …そう、ですね…。

 『だからまぁ、仮に祟り神なんて名乗らなくても
 あの子に神様って名乗ってたのは強ち間違いでもなかったな』

 …。
(20) 2022/09/26(Mon) 22:05:08

【人】 妖もどき 辰沙

 
 
 ソラナキは星の海の外にいる彼の創造主に情報を送るため、
 この星や他にも実験場にしていた星々を見回り観測していました。

 時に個々人やそのときの文明に干渉し、混乱を呼び寄せ
 或いは闇の者たちに干渉し、その数を増やしたり減らしたり。
 
 …そうしてあるとき、ソラナキと観測者たちは考えたのです。
 「人間という生き物を少し試してみよう」と。

 既に何度か試したことのある実験でしたが、
 今回はこの小さな島国で試してみよう。
 彼らは、そんなことを思いついたみたいです。

 ……そうして、ソラナキは自身の外装の一部を削り、
 この島国へと投下しました。
 
 
[ 空から落ちてきた異能の力を持った石を
 この地の人々はどのように扱うか。
 それを、ソラナキと観測者は見たかったらしい。 ]
 
 
 ……ですが、星から分離した星の欠片は
 自我を持ち始めました。
 そして、自身の組成を変えて動き始めたんです。
 

[ ―――それが、僕。 ]
(21) 2022/09/26(Mon) 22:07:38

【人】 妖もどき 辰沙



 僕は、この星の人間たちにとって異物でした。
 
 ……それはそうですよね。
 人間にしてみれば、空から落ちてきた隕石が
 勝手に動いているようなものでしたから。
 僕を見つけた人間たちは、きっと怖かったろうなと思います。


[ 思い出すのは、赤い夕焼け。
 人の温かさに憧れて、叶わなかったときの記憶。 ]

 
 そうして、長い時間彷徨った後に
 僕は渡守の道具として利用され、封じられました。
 其処から先は貴方たちが知っている通りです。
(22) 2022/09/26(Mon) 22:10:50

【人】 妖もどき 辰沙

[ そこまで話したところで、
 ふと気になっていたことを口にする。 ]


 ……『幽明門』は、僕の身体は見つかりましたか?


[ 身体は『幽明門』を封じるための依代として利用し、
 精神は身体から分離したうえで、神として奉じることで
 その力を自身の身体と結界の強化のために利用する。
 …僕が言うのもなんだけど、よくできたシステムだと思う。 ]

 『…ああ』

 『厳密には、見つかったはいいが発見から間を置かず、
 捜索隊の目の前で再度ロストしたそうだ。

 そのときに採取できた微量の破片の分子構造と
 ソラナキの分子構造の一致、
 そして幽明門のロストと同時刻に観測していた天文所から
 ソラナキの移動速度の上昇と進路変更が確認された。

 これらの情報から合わせて、
 お前とソラナキの関連性が疑われたわけだが』

 
[ そこまで話したところで携帯灰皿にタバコの火を押しつける。
 そうして、辺りにはただ、闇だけが残った。 ]
(23) 2022/09/26(Mon) 22:15:17

【人】 妖もどき 辰沙



 『……お前さんの話に嘘はなさそうだな。
  ま、それはそれで面倒な話ではある、が』
 ……。

 『表向きには発表されてないが、
 おそらくソラナキはこのまま地球へ落下する。

 いや、お前の話が本当なら落とされるのかもな。
 創造主様からの文字通りの「天罰」として』  


[ そこまで語られたところで、
 不意にぽん、と彼に肩を叩かれた。 ]


 『なんにせよ、あとは大人の仕事だ。
 お前は、あの子の傍にいてあげな』
(24) 2022/09/26(Mon) 22:19:20

【人】 妖もどき 辰沙


 ……でも。

 『ま、これからどうなるかはわからないが、
  あの星が落ちてくるのが、人間やら
 この星の生き物に対する天罰だっていうのなら。
 
 これはな。
 俺たち自身が解決しないといけない話なんだよ、辰沙』


 『何より、お前もあの子ももう十分傷ついてきた。
  俺も、うちのかみさんも
  あの子に幸せになってほしいと想っているが。

  それと同じくらいお前にだって、
  俺たちは幸せになってほしいと思ってるんだよ。

  それは、どうか忘れないでくれな』

 …。
(25) 2022/09/26(Mon) 22:21:42

【人】 妖もどき 辰沙



 『さ、話はこれでしまいだ。
  さっさと部屋に戻って寝なさい。
  あの子のそばについていてやってくれ』


[ そう促されれば、
 それ以上何も口にすることもできなくて。

 ひとつ、こくと頷いてからその場から姿を消した。 ]
(26) 2022/09/26(Mon) 22:22:32

【人】 妖もどき 辰沙

[ 寮の部屋に戻れば、
 すやすやと穏やかな寝息がベッドから聞こえてくる。
 転がり落ちそうな彼女の体勢を再度整えて
 先程部屋を出たときと同じように毛布を掛け直す。 ]


 ……理音。


[ 彼女の髪を撫でて、そのまま頬へと手を滑らせる。

 もし、彼女と出逢うことがなかったら。
 あのとき。>>3:D37彼女に受け入れられなかったら。
 きっと、今の僕はここに存在しなかった。

 人間を無条件に善いものだとは決して思わない。
 それは今でも変わらない。
 ……それでも。
 僕は、あの夜の闇の中、彼女に見つけてもらって。
 『あたたかさ』を、教えてもらった。]
(27) 2022/09/26(Mon) 22:25:40

【人】 妖もどき 辰沙

[ 僕が、ソラナキの欠片である以上、
 彼に伝えなければならないものがある。

 この星に落ちてから、ただ、人から忌み嫌われ
 利用され続けるばかりたったけれど。


 それでも、たとえ千年の時のなかの
 ほんの十年に満たないような時間であったとしても、
 この心に刻まれた温かな記憶を。
 ―――僕は、彼に、伝えなければならない。 ]**
(28) 2022/09/26(Mon) 22:27:03