人狼物語 三日月国


58 【R18】しんこんりょこう

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一日目

村人:1名、念波之民:2名、皇狼:1名

【人】 ダミー フォウ



 ウキャアアアアア、ゴ、ゴゴゴゴゴキb……!!
 ややややっぱ北海道いきたい!!

 
(0) 2021/02/20(Sat) 10:04:20

【人】 ふくろう ホウスケ

[そして修羅場を乗り越えてやってきた新婚旅行の日。
 正直、ドタバタで二人の時間は減ってしまっていたし
 準備もかなり瑠璃人に頼ってしまって
 大変申し訳なかったけれど……

 当日、瑠璃人は機嫌良さそうに喋り倒していて
 その張りのある声を聞いていたら、おれも元気になっていった。
 正直、修羅場の残渣はちょっと残っているのだけれど
 それは帰ってきてから処理しよう。
 ……まぁ、現場がどれだけの地獄と化そうとも
 あとは残った人間が何とかしておいてくれるだろう、
 恨み言も離れれば聞こえない、
 空の上までこれるもんなら追いかけてこいワハハ。 

 空を飛ぶのは好きだけど、飛行機は初めてだ。
 鉄の塊での飛行がどんな感じなのか、少し興味がある。
 おれは渡らないから、長い時間海を眺める機会もないし……
 瑠璃人の世界を、上空から見下ろせるのも楽しみだ。
 これがペットや野生のふくろうだったりしたら
 雑踏に怯えて細長くなっていたかもしれない。

 だったのだけれど……]
(1) 2021/02/20(Sat) 12:38:04

【人】 ふくろう ホウスケ

[「まもなく離陸します。シートベルトを……」
 というアナウンスと共に飛行機が揺れ始めると
 瑠璃人は急に目を瞑ってしまった。]


 ……え?


[一瞬びっくりしたけれど。すぐに心配に変わった。
 寝る、というわりには眉間にしわが寄っているし
 つないだ手は、爪先が白くなるぐらい強く握られている。
 何もできない自分を歯がゆく思いながら
 おろおろと瑠璃人のことを見上げていた。

 ……だいじょうぶかな、と声をかけるのも
 かえって気を使わせてしまいそうで
 瑠璃人が本当につらそうになったら
 せめてすぐに人を呼べるようにしておこう……
 と、係の人間の居場所を常に把握しておいて
 何度も瑠璃人の様子を伺い見ていた。]
(2) 2021/02/20(Sat) 12:39:28

【人】 ふくろう ホウスケ

[幸い、がたがたという揺れが収まってくれば
 きゅっと上がっていた肩から力が抜けてきて
 やたらと可愛いことを言い始めた。>>0:46


 ……こんな高くは飛べない……


[夢あるセリフに身もふたもない返事だったな、と気づいたのは
 すでに口に出した後。

 だけど、ちょっとほころんだ口元に
 同じように口元を緩めたりしながら。
 着陸の時には一枚のブランケットを借りて、
 二人で一緒に包まった。

 ぎゅっと抱きしめることはできなくても
 布地の下で強く手を握り返して、
 同じ温もりを分け与えた。]
(3) 2021/02/20(Sat) 12:39:40

【人】 ふくろう ホウスケ

[北海道は意外と暖かかった。
 というよりたぶん、空調と防寒ガラスが本気を出していた。
 ちょっと足元がおぼつかない瑠璃人と一緒に
 カフェで温かいものを飲んで、一息ついてから
 彼女の育ての親の元へと案内してもらった。]*
(4) 2021/02/20(Sat) 12:40:08

【人】 ふくろう ホウスケ

[そして見晴らしの良い高台の家を訪ねるなり
 強烈な歓迎を受けた。>>0:47


 ……うぉそちゃん?


[瑠璃人の育ての親は思ったよりも若い……というか幼かった。
 若く見られるおれよりも更に幼い容貌にも驚いたけど
 それ以上に「よく来たわね」の後ろに続く言葉の
 意味が分からずに瑠璃人を見上げた。

 ウォーターソーセージ、と説明になってない説明を受けて
 やっぱり首を傾げた。
 意味は分からなかったけど
 いつもなら(主に偏った内容を)延々と語ってくれる瑠璃人が
 その時はやけに言葉短だったから、深追いしなかった。
 瑠璃人の名前を呼ばない理由をもしも聞いていたら
 ちょっと納得はしたかもしれない。
 AV(アニマルビデオ)の女優さんがいくら好みでも
 母親と同じ名前だとしおしおするってじいさんも言ってたし。

 ……ウォーターソーセージが何なのか気にはなるから、
 もしもスマホを持っていたらググってたと思う。
 そろそろ買ってもいいかもしれないな……不便。]
(5) 2021/02/21(Sun) 0:27:14

【人】 ふくろう ホウスケ

[ふりふりスカートのすそをふりふりさせながら
 少女は近づいてきた。
 挨拶をしようとしたけれど、少女はおれを素通りして
 瑠璃人の前に向かった。>>0:48

 早速の洗礼にぐっとひるむ。
 いやいいんだ、可愛がっていた娘さんの横に突然現れたオスだし
 そりゃ複雑な気持ちだろう……
 としょぼしょぼ頭を垂れようとしたら
 ぶちぶちと瑠璃人のボタンを引っぺがした。]


 な、……!?


[奥さんの育ての親に挨拶に行ったら
 親御さんが奥さんのおっぱいを揉み始めた。

 何が起こっているのか分からなくて
 瑠璃人と一緒に困惑する。
 けれど次の瞬間にはハッとして]


 やめろ……!


[おれだってそんなに激しくしたことないのに!]
(6) 2021/02/21(Sun) 0:29:05

【人】 ふくろう ホウスケ

[少女の肩を掴んで引っぺがそうとしたけれど
 少女はますます意固地になるようで
 瑠璃人が痛みを訴えた瞬間、思わず力を緩めてしまった。
 嫌がってるだろ、と止めようとして
 ……嫌がってるよね? と若干不安になってしまったけど
 とりあえずこの状況はよろしくない。よろしくない!

 再び止めようとした時、初めて少女がおれの方を見た。
 ……ちょっと言ってる意味が分からない。]


 ……瑠璃人は最初から女の子だったけど……


[それはそれとして手を退けてほしい。]
(7) 2021/02/21(Sun) 0:29:19

【人】 ふくろう ホウスケ

[だけど少女は瑠璃人の胸を揉みながら
 何やら葛藤しているようで>>0:49
 瑠璃人を人質に取られたような気持になっておろおろする。
 引きはがしたいけど痛い思いはさせたくないし……
 やがて少女は熟考を終え、名乗ろうとしたところで
 瑠璃人が言葉を遮った。
 なんか知らんが名前呼ばない方が良いなら呼ばんどこ。
 もともと、あんまり呼ぶつもりなかったし……]


 ……日高ホウスケ。


[何しろファーストコンタクトが強烈だったものだから
 どんな顔すればいいのか分からなくて
 少女に負けないぐらい複雑な顔をしながらも
 会ったらこれだけは伝えよう、と思っていたことを口にした。]


 ……瑠璃人を育ててくれてありがとう、お義母さん。


[瑠璃人は亀のおばちゃんと呼べというけど
 やたらと見た目が幼いので抵抗がある。

 それに、彼女が瑠璃人を育ててくれなければ
 瑠璃人にあの動物園を勧めてくれなければ
 今おれは瑠璃人の隣に立てていないわけだし……]
(8) 2021/02/21(Sun) 0:30:48

【人】 ふくろう ホウスケ

[積もる話は中で、とありがたく中に通してもらって
 海産物の味に目を白黒させた。

 おれが今まで食ってたうにはなんだったんだ……
 うにって鼻にくる刺激臭あるナーと思ってたのに
 やたらクリーミーで、口に入れた瞬間溶けるし、一切臭くない。
 恐るべし北の大地。

 瑠璃人の次の勤め先があるか、とか
 ってかそもそもシール追い出しちゃ駄目なんかな(過激派)とか
 ところでジェンヌって何? とか
 そんな風に話に花を咲かせただろう。]*
(9) 2021/02/21(Sun) 0:31:57

【人】 ふくろう ホウスケ

[“亀のおばちゃん”は最初の印象こそ強烈だったけれど
 しばらく話してみれば、どこにでもいる、
 ごく優しい母親だった。
 ちょっとベクトルがずれているとはいえ
 ちょっと不思議な夢を見ているとはいえ
 我が子との久しぶりの再会を喜び
 結婚を祝福してくれているようにも見える……多分。

 素敵な男性だった我が子が女になって帰ってきたことは
 複雑そうにしているけれど……
 瑠璃人は会った時から男の恰好をしていたけれど
 それは本人が好きだったというより
 亀のおばちゃんの影響だったらしい。
 瑠璃人に素敵な男性になってほしいと
 心から願っていたのだろう。

 よく聞けば、結婚したと報告した時も
「どんな女の子か楽しみ」にしていたそうだ。]


 ……おれがメスの恰好して行けばよかった?


[いやまぁ瑠璃人と違って似合わなさそうだけど。

 少女(まだ「亀のおばちゃん」も
 「お義母さん」も抵抗がある)が
 ぺらぺらと話に夢中になっているうちに
 瑠璃人にこそっと尋ねたりもしただろう。]
(10) 2021/02/21(Sun) 17:15:40

【人】 ふくろう ホウスケ

[空気が和んできたようなら
 瑠璃人の子供時代について
 ちょっとウキウキ尋ねたりもしただろう。
 赤ん坊の時は今もふわふわの毛がさらにふわっふわで
 あまりにもふわふわすぎて水に潜れないとか聞いたけど
 瑠璃人はどうだったんだろう、とか
 貝を硬いところにたたきつけて割るとき
 亀の甲羅でガンガンやったりしなかったんだろうかとか……
 施設で飼うと水槽に貝をぶつけてうっかり漏水させたり
 港で育ったラッコは船体に打ち付けてぶち割るらしいし……
 気になるじゃんやんちゃ時代。

 ちなみにふくろうの赤ん坊姿は
 かわいくないので見ないでほしい。
 ご先祖様からの言い伝えに
「友人ワシに「うち子はどんなヒナより美しい」
 って自慢したせいで
 ふくろうのヒナを見つけたワシが
「不細工だから友ふくろうの子じゃないだろ」と
 食ってしまった」というのが残っているぐらいだ。
 もうちょっと楽しい言い伝えを残してほしかった。]
(11) 2021/02/21(Sun) 17:16:49

【人】 ふくろう ホウスケ

[だけど、少女の反応が堅いようなら
 情けなくショボンとしていた。

 おれは人間基準で言えば
 いわゆるオスらしいオスじゃないから
 正直、あまり気にいられなかったかもしれない。

 見栄えだけは瑠璃人が男前に整えてくれた>>0:41けど……
 自然に任せていた時よりもむしろきれいに整った嘴は
 人に化けたときはぷるっぷるの唇として表れていた、
 しかしそれはプラスポイントにはならない気がする。

 むしろ羽ペン用に気合入れて羽むしったせいで
 若干左のもみあげは短くなっている。
 尾羽よりも翼の端っこに近い
 風切り羽が使いやすいらしくて。]
(12) 2021/02/21(Sun) 17:17:43

【人】 ふくろう ホウスケ

[それはそれとして少女は小ぢんまりとした洋館に住んでいた。
 二人泊まれるぐらいの広さはあったし
 ひょっとしたらそれを進めてくれたかもしれないが
 宿を取っていたので、しばらくすれば解散しただろう。

 洋館を出たころには、外は真っ暗になっていて
 おれの目にはかえってちょうどいい。

 丘からは海が一望できるようになっていた。
 二月、本島はかなり暖かい日も花粉も増えてきたが
 瑠璃人の育った北海道は冷たい風が吹きすさぶ。

 よく晴れた満天の星空は
 住んでいる場所よりもはるかに澄み渡っていて
 凍り付くような星々の光がよく輝いていた。

 だけど、黒い波のうねる海原は
 夜空よりも真っ黒で、墨でできているみたいだ。
 ときおりぷかぷかと昆布が浮いているのが見て取れて
 あれが天然のベッドになるんだろうけど。
 特に空は荒れていないのに、大きくたわむ水面に
 あそこに母に死なれた赤ん坊ラッコが浮かんでいたら……と
 一瞬で波に飲まれる様を思い浮かべて、ぞっとした。

 ……ありがとう、と少女にもう一度礼を言う。
 瑠璃人を助けて、育ててくれて。]
(13) 2021/02/21(Sun) 17:18:29

【人】 ふくろう ホウスケ

[宿に戻ると、荷物を置いて再びご飯だ。
 なんだか食べてばっかりな気がするが気のせいだろう、
 瑠璃人もひたすら食べ続けなきゃいけない体質みたいだし。

 北海道の食べ物は確かにすごい、
 ホタテは甘いわカニは実が詰まってるわ
 カキはぷりっぷりだわ……
 そして何より量が半端ない。
 いくらが無造作にどーんと置かれていて
 かけ放題! とか書いてあった。
 魚卵がふりかけ感覚で食える北の大地すごい。北海道最高。]


 瑠璃人、これ食い慣れててよく北海道の外に出られたね……?


[この飯にも勝るぐらい、ラッコ業が
 瑠璃人にとって魅力だったんだろうか。

 ……早く、瑠璃人の勤め先が見つかるといいな。
 見つからなかったらもっかいシール襲お。]
(14) 2021/02/21(Sun) 17:19:46

【人】 ふくろう ホウスケ

[ラウンジ(暖炉付き!)でまったり食休みしてから部屋に戻った。
 部屋に暖炉があればふくろう姿でうっとり寛げたんだけど……
 人が少ない時間帯に狙ってみようかな。

 新婚旅行探し、で紹介された宿だけあって豪華だ。
 やたらと窓ガラスが大きくて、もはや壁の一面だ。
 窓ガラスを開ければ広々としたベランダに続いていて、
 有名な湖が眼下に広がっている。
 ベランダの一角は露天風呂になっていて
 なんでも全室にこれがついているらしい。

 鏡のように磨かれた湖面は
 荒々しく波打つ海と違って星々の光を飲み込まない。
 碧い光を反射して、冴え冴えと水鏡には
 魚でも住んでいるのか、時折ゆらいでは
 瑠璃人の頬に青色の波を映した。]
(15) 2021/02/21(Sun) 17:21:41

【人】 ふくろう ホウスケ

[だけど、さすがに北の大地は寒い。
 ふるりと身を震わせて、いつの間にか体が冷えていることに気づく。
 湯気の香りがもくもくと上空の雲に向かうのを
 今更ながら目で追って、]


 ……お風呂、先に入ってきていいよ。


[どこかで聞いたようなセリフを瑠璃人に伝えてから、]


 ……それとも、一緒に入る?


[そう、いたずらっぽく見上げた。]*
(16) 2021/02/21(Sun) 17:22:46

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[……旅行の準備?ホウスケと違ってそれまでに終わらせなければいけない仕事なんてないし引継ぎとかややこしいものないし、
行く場所を決めて所要時間を調べて決めて荷物をひっ詰めるだけなので何も大変なんかではなかったけれど。
ホウスケが忙しそうで任せてもらえた事なんかがあれば、
仕方ないなぁと言いながらも嬉しそうに引き受けた。

飛行機は初めてらしいホウスケに
手荷物検査とか座席の仕様とかべらべら教えた。

でも空を飛ぼうという頃には……流石空の生き物、なんだろうか。
俺みたいに怯える事もなく、
寝ると目を閉じても多くは聞かず、
俺の目の利かないところで配慮をしていてくれた様だ。

心配をかけたなんては気付かないまま、
飛び立った空からの景色に感想を漏らせば、
ホウスケから驚きの返事が返った。>>3
微笑むホウスケに、え?そうなのか?とぱちぱち目を瞬いた顔を向けて、じゃあホウスケはこの世で一番高く飛んだふくろうだな、いや輸入とかでは他にも飛行機に乗ったふくろうは居るか何にせよこの景色を見たふくろうはきっと他にいないぞ、と笑った。

以前乗った時は空を見ている余裕もなかったが……いや別に今が余裕がある訳でもなかったが……
ホウスケと会って、彼の生きる世界を知れた事を嬉しく思う。
空を飛ぶ感覚も、彼の体感する世界の片鱗だと思えば楽し……く思うには、まだ遠そうだったが、

同じブランケットを分けたり、
温かい手で握り返してくれた事は、
この旅行の思い出のひとつになった]
(17) 2021/02/21(Sun) 21:50:08

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[意外と寒がらないホウスケにちょっと安心したりしながら、寄り道もしてからやたらおしゃれな亀の棲み処へと向かった。

ウォソちゃんって意味わからないよな……うん。
亀がてこてこ向かって来る間に話し終わる気がしなくて、
首を傾げるホウスケには悪かったが詳しく説明はできなかった。
いや、時間があったってウォーターソーセージが何かとか答える気にはならなかったけど。だってまぁ、笑うだろこんなの。
赤ん坊の俺は今とはまた違うかわいさがあった、という話ならできたんだが。

目の前まで来た亀のおばちゃんにスルーされてホウスケはしょぼくれた様だったが、
俺は俺で「おばちゃん元気そうだな」とか考えながら久し振りの再会に挨拶をしようと思った。
でも彼女は俺の胸に向かって結構な挨拶をかまして来たものだから、流石に驚いた。

ホウスケが声を荒げて止めてくれようとしたから、
「ホウスケ……、」と困った様な頼る様な目で彼を見遣ったが、
彼女は俺を解放してくれなかった。

おばちゃんはホウスケに顔だけ向けて流れ弾を喰らわせたが、ホウスケの言葉>>7を聞いているのかいないのかわからない様な微妙な反応をして、ひとりで考え込んだ。

そうして抑え込んでいるものがあったかもしれないが、
俺とホウスケを見る瞳は穏やかになったから、少し安心した。

ホウスケに名乗られたおばちゃんは「ひだか」と呟き返して、]


 「……この子の苗字になったのね。
  ……本当に夫婦になったのね。」


[眉を優しく下げて笑ったが、寿司の入った器は大半をホウスケに持たせて運ばせようとしただろう]
(18) 2021/02/21(Sun) 21:50:24

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[家に入ればリビングのテーブルの向こう、白い大きな階段が目に入るだろう。一軒家にあるのは奇妙なくらい幅の広い階段は、勿論宝塚のステージを意識して作られたもので、あの階段から降りて来る姿を見たいからと、俺の部屋は二階に用意されたりしていた。

そんな記憶が蘇る俺を差し置いておばちゃんはさっさと寿司を広げ、ホウスケの色々を聞きたがった。
「あらふくろうちゃんなの?ふくろうって美味しいのかしらアタシ食べた事なくってまぁプラスチックごみよりは美味しいわよねアハハッちなみに聞いてると思うけどアタシはウミガメ、元の姿はかわいくないからこの格好で失礼するわアラもふもふのくせに亀より堅いお仕事してるのね偉いわねこの子を頼むわね」とか、
最後にはさり気なく虫の良い事を言ったりしたが、
美味しそうに寿司を食べるホウスケには、
俺もおばちゃんもにこにこと笑っていた]
(19) 2021/02/21(Sun) 21:50:31

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[俺の勤め先については
いくつか水族館や動物園にコンタクトをとっておいてくれたらしく、施設名と担当者を書いたメモを渡してくれた。
……多分大っぴらにはされてないだろうが、こんなにどろんする動物に理解がある施設があるのかと正直驚いた。
ホウスケと離れないで済む圏内となると数は限られたが、
正直ルトリスを要らないと言う施設はないと思ったから、
案外すんなりと決まりそうでめちゃめちゃ希望に満ちた顔になった。ありがとうおばちゃん、と素直に感謝を伝えた。

シールを追い出すとか言い出すホウスケには俺は驚いたが、おばちゃんは「へえ、過激な子はキライじゃないけど」と口端を上げて笑った。
ラッコの移動にはリスクが伴うし、絶滅危惧種だから、ペアリングとかでない限り批判が起きそうだとか、虎乃がもし戻ってきたらウォソちゃんはやりにくいんじゃない?とかホウスケを宥めようとしただろう。

ジェンヌの事を聞かれたら「観る!!!?」と、背中に花を背負った様な笑顔になって、大きなテレビにDVDをセットしに向かった。
ジェンヌとはいわゆるタカラジェンヌ……宝塚の団員さんを指す言葉で、その説明で足りるだろうにおばちゃんは大画面に大音量で主に男役のジェンヌさんの魅力を見せ付け、時に解説を付け、時に「そう言えば」と急に俺達の話を聞きたがったりした。

「テレビの音が大き過ぎて喋れない」と音量をぽちぽち下げた時はおばちゃんは不満そうだったが、ホウスケとの馴れ初めや、今一緒に居て楽しい事を話せば、おばちゃんは「フーン」と口を尖らせながらも嬉しそうにしていた]


  俺はそれ、見てみたい気もするがな。


[「おれがメスの恰好」とのホウスケの小声を聞けば、ふっと笑った。多分おばちゃんは似合わない女装も男装も好まないだろうからおすすめしないけど。
……というのも、
出会った頃はまだしも、俺にはホウスケはどう足掻いてもオスにしか見えていないから。
背は低めだしオスにしては華奢だと思うし、
着飾らせて多少メスに近付ける事はできるかもしれないのだろうけれど、俺がホウスケをメスにするのは、きっと無理だろう]
(20) 2021/02/21(Sun) 21:50:39

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[ホウスケがショボンとする様な対応を、亀のおばちゃんがする事はなかっただろう。むしろ初対面の割にかなりフレンドリーだったと思う。

ウォーターソーセージの昔話について聞かれたら、
「見る?!」とさっきより随分落ち着いたトーンでアルバムを持って来た。
俺は、ヴッ、とイカを詰まらせそうになったが、
止めようとするまでに至らなければおばちゃんはホウスケと同じ様にウキウキとアルバムを開いた。
……まぁ、ちょっと気恥ずかしいけど、ホウスケにならいいかと思って大人しくしておいた。

本当の母親の様に、幼い頃からの写真を彼女は沢山残していた。
かなり小さい頃から人間に化ける術を身につけていて、
男の子の格好をする人間の子供の姿の写真もあっただろう。
赤ちゃんラッコの写真を指して「ウォーターソーセージに似てるでしょ?ウォーターソーセージってね、」と説明しだして、遂に名前の由来をホウスケに知られたかもしれない。

「水に潜れないかはどうだったかしら、救い上げてから大きくなるまで海に戻してなかったし」とか「アハハお世話する時はアタシは人間の姿だったしそういうやんちゃはなかったかしらね〜」とか、ホウスケの疑問に答えた後、
「ふくろうちゃんってペニスないって本当なの?」と質問を返し、
「ラッコって15pくらいあるのすごくない?亀も大きいけどラッコって背丈の割にスゴいわよねウォソちゃんも大きいのが生えるんだと思ってたけどそうはならなかったわね〜小さい頃からさらし巻かせてた割には育ったみたいだけど」とさっき揉んだ俺の胸を見て来た。

「今日は泊まっていって」と彼女は言って来て、
そうかそういう選択肢もあったな、とちょっと反省した]


 「そっか事前に言っておけばよかったわね……
  ちょっとウォソちゃん借りるわ。」


[僅かに目を伏せた彼女が、俺の手をぐいぐい引っ張って隣の部屋へ連れて行く。ドレッサーの前に座らせて、「髪の毛綺麗にしてあげるわ」と掛けた声は、扉を開けたままだったのでホウスケにも聞こえただろう]
(21) 2021/02/21(Sun) 23:01:47

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[リボンを外し、俺の手持ちよりずっと質の良さそうな櫛で髪を梳かしてくれる。
その手付きがひどく優しくて、彼女の温かい親心に触れた様で、
何だか幸せだ……と思ったのに、]


  ……なに?


[シャツの衿元に指を突っ込んで開こうとしてくるから、
嫌な予感がして彼女を振り向いた。
「キスマークとかないかなと思って」と真顔で言う彼女は、「どんな下着つけてるの?」とか言いながら服の中に手を伸ばして来るから、やめろ、と肩を掴もうとしたけれど、裾からするりと手を忍び込ませてきた]


  
いい加減にしろ!怒るぞ、るみか!!!



 「あーらもう怒ってるじゃない
  ってか怒った時にババアとか言わないで
  るみかって呼んでくれるなんて
  アタシの育て方が良かったのかしらね!」


  何喜んでんだ……あっ、
  ちょっと、どこ触っ……


[しばしバタバタと暴れる音が響いた後、「ぎュ〜!!」という獣の声が上がった]
(22) 2021/02/21(Sun) 23:02:28

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人



 「ラッコに戻るなんて考えたわね!
  でもその姿じゃアタシには敵わないわよ!」


[逆どろんしたるみかに乗っかられて、ぎゅぷ、と変な声が出た。
可愛らしい人間の姿から、ウミガメはウミガメでもヒメウミガメを思わせるるみかの正体は、それよりずっと大きいアカウミガメだ。
乗っかられたら重い。
ばたばたしても逃げられないから、結局また人間の姿になる。
それでも重いけど、踏ん張って逃げ出す事は出来る]
(23) 2021/02/21(Sun) 23:02:34

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人



  もう帰る!!


[ぎゃんぎゃん喚いて、リボンを取り返してからホウスケを連れて出て行こうとした。
るみかはくすくす笑っていたが、
見送りの際、何やら包みを俺とホウスケにそれぞれ渡して来た。

俺には「後で開けてね」と、
ホウスケには「少ないけど」と添えた。
どうやら結婚祝いにお金を包んでくれた様だ]


 「また来てね。
  瑠璃人、ホウスケくん。」


[にっこりと笑いながら俺達を送り出してくれた。
丘で礼を言われた時>>8に何も答えなかった様に、
もう一度繰り返されたとしても>>13、るみかはそれには答えず、ただ微笑んでいた。
俺も星空の下で「また手紙書く」と微笑み返した]
(24) 2021/02/21(Sun) 23:02:52

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[俺の事をウォソちゃんとか呼んで来るくせ、あの見た目で歳くってるのにるみかとか何か呼びたくなくておばちゃんって呼んでた、とか説明して、すっかり冷えた丘の道をホウスケに寄り添いながら下って行った。
夜が近付いていたが、星が明るくて道を見失う事がない。
満天の星空も、きんと冷えた空気も、海の波打つ音さえ聴こえる静寂も随分久し振りだったから、
懐かしくて、るみかの名前の話以降は黙って歩いていただろう。

駅やらに着いて人影もぽつぽつ増えれば、「おばちゃん、ホウスケの事気に入ってくれてよかった」とか話した後、「あ、お土産渡すの忘れたな……」と手荷物の中に包みを見付けて頭を抱えたりした。明日郵送するか。

宿に着けば、実家に戻った時とは違った気の抜け方をした。
向こうは向こうで懐かしかったり落ち着いたりしたけれど、
至れり尽くせりでホウスケと過ごせる時間がたっぷりあるなんて、贅沢だし、ふわふわと浮かれた気持ちになる。

俺は年中海鮮でも飽きないけど、
ホウスケはどうかなとちょっと心配したので、
ほっぺをふくふく膨らませるホウスケに胸を撫で下ろし、それから故郷を褒められて胸を張った]


  ふふっ美味しいだろう?
  俺自身、すぐ帰るんだと思ってたんだよな……


[まぁ、こんなに質の良い海鮮を毎日食べていた訳ではないけども、ラッコ業が魅力的だったのはその通りなんだろう。

海の幸も美味しくて仕方なかったが、
ホウスケのふくふく笑顔をもっと見ていたくて、
目線はほとんど下へは向かなかっただろう]
(25) 2021/02/22(Mon) 0:38:59

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[おしゃれなラウンジで少し休んで、
広々としたデザイン性の優れた部屋やベランダから見える景色を堪能していたら、ホウスケが小さく震えた。「お風呂に」と言おうと思ったら、先を越された。>>16

それは俺のセリフだ、と思いながらくすりと笑ったが。
最近、よく見る様になった気がする表情で
ホウスケが見上げて来た]


  ……ホウスケは、
  見られるの嫌なんだろう?


[あれからそういう事はなくなったかもしれないが、
博物館のシャワー室で前を隠したホウスケの事を引っ張って来てそう返した。笑う俺の顔は少々挑発的だったかもしれないから、
さっさと脱衣所に向かったが、俺が機嫌を損ねた訳ではないと伝わるだろうか]
(26) 2021/02/22(Mon) 0:39:09

【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人

[外は寒くて湯の中だけ温かい。
この非日常的なつくりのお風呂に入って、
ゆっくり疲れを癒すのではなく、
頭の中を支配しているのは包みの事。

ぐるぐる考えていると茹だりそうだったので比較的早めに湯から上がって、脱衣所でため息をついた。悩んでいる内に身体が冷えてしまいそうだったので、勢いでタグを切って、それを身につけた。
紐の具合がよくわからなくてちょっと喰い込ませてしまったが、
何かもう鏡に映す勇気がなくて備え付けのガウンを羽織って帯を締めて、折角着飾った格好を早々に隠した]


  ……ぅ〜……


[寝間着で隠しても、何だか変な気分だ。
ここでうだうだしていたら水不足で倒れそうだと思ったから、また勢いの力を借りて、部屋に戻った。「ほ、ホウスケ、次、どうぞ」と歯切れ悪く風呂をすすめて、グラスに注いだ水を飲み、氷を口に含んでぼりぼりしながらベッドの上で髪を乾かした。

ぼりぼり……
ホウスケがその気か知らないけど、
今脱がされたらきっと恥ずかしくて死ねる……
ぼりぼりぼり……
脱がされるより脱ぐ方がマシな気がする……
ぼりぼりぼりぼり……
よし。

がばがばラッコは何となくなビジョンを思い浮かべた。
ホウスケが戻って来たら、
どうにかしてホウスケを押し倒して、襲おう。**]
(27) 2021/02/22(Mon) 0:41:55