【人】 薬屋 テレベルム― 祭り一日目:真珠堂 ― [裏街の方にまで祭りの喧騒は幾らか聞こえてくる。] 仕込みの邪魔だ、退け。 [相変わらず我が家と勘違いしていそうな野良猫を追いやり、 店の裏で腕を抜き出し、乱雑に縛る事で血管を浮かせ 注射器を用いて血を抜き、幾つかの瓶へと詰める。 この躰が金になると知ってから至った手段には もはや慣れたものだが、採血が好きかと言われたら否だろう。 眉間をきゅっとさせて不快を隠す事は無く。 今日こそはアップルパイを買いに行くのだと決め込んでいる。 さっさと目安の分だけ終わらせねばと考えて 雑念で時折手元が狂い、皮膚を引っ掻いては舌打ちをした。*] (44) 2021/12/10(Fri) 20:21:56 |
【人】 薬屋 テレベルムもう少し洒落気に意識が向けば家具も探す所だが…。 [居抜きで元あった家具だけの並ぶ店。 扱うものが並べる程では無いのと 望むものが明確な手合いが訪れるのが相場であるから 店内の内装に難癖をつけるような客があまりいない為 なかなか機会を得れない、というのが本音。] そういうことも、聞かないと身につかないものだな。 客商売は考える事が多いらしい。 ――あんたはその点、心得ていそうだが。 [店に立つ者の外見的特徴に対する気遣いの有益さは 先人たる女店主の示唆を受け、納得した。>>0:383 男が口にした通り、美貌で評判の彼女に関しては なにを取り繕う必要も片方が盲であれ感じない。] (47) 2021/12/10(Fri) 20:44:13 |
【人】 薬屋 テレベルム本来はこういった物を挨拶に使うべきでは無いだろうから ……そう遠くない頃に、何か持っていくさ。 生憎、物は思いつかないが。 [この『白』はあくまでオーダ―であった事もあり>>0:384 相手を敬っての引き出物、とは呼べない為、 考えておく姿勢は見せることにして。] ん。悪いな。 …、……っう。 [木製だが表面加工された義眼は軽くて瞼にも馴染むものだが 扱いをまったく知らない人になりたてにとっては 過ぎた積み木とあまり変わらず、彼女の世話になる。 窪地となった瞼の疵はとっく癒えているから はめる為に広げても痛くはないのだけれど 目という場所に近い手に怯え、生理的な涙が右目を伝った*] (48) 2021/12/10(Fri) 20:44:25 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a19) 2021/12/10(Fri) 20:47:10 |
【人】 薬屋 テレベルム― 前夜祭:真珠堂 ― この道を通って愛猫をあずけたがる奇人もそう居まい。 祭りの間方々はせわしなくなるだろうから 猫の手も借りたくなる――のは、分かるが。 [先刻首輪付きの一匹が迷い込んでいたものの。 今此処で集会を開くは、どれも首輪の無い野良ばかり。 流石に言葉の真意を疑われる羽目にならずに済んで>>51 猫の話はこのあたりで良かろうと切り上げる。 彼女もまた、求めるものが猫で無い>>53のならば尚の事。] ……ん? [どこかそわそわしい娘>>54に、こちらもまた疑問を抱くが 流石に猫に混ざって床で遊びだすまでの低落が無ければ ちいさな違和として頭に留め置くのみに。] (64) 2021/12/10(Fri) 22:08:44 |
【人】 薬屋 テレベルム ――…物分りは良いんだな。 [小声の忠告に明朗な返答があったので、ふぅん、と。 相槌程度の仕草で返しはしたが、 更に意味を突っ込んで来るような幼さは無い。 どうやら小柄な体格と釣り合わないだけに 男の見立てよりかは長く生きているのだろうか、と。] まあ、時間としてはまだ 部屋も空いているから…大丈夫だろう。 [雪が降っていても彼女が訪れた頃合は昼。>0:55 理想を追い求めるなら朝一番の屯所探しが一等良いが 部屋に困る事は恐らく…まぁ、無いだろうと。] (65) 2021/12/10(Fri) 22:09:15 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a23) 2021/12/10(Fri) 22:15:57 |
【人】 薬屋 テレベルム風邪でも引いて祭りがつまんなくなるのは あんたも困るだろう。 冷え切る前に入んな。 良い夜を。 [ちいさな娘が宿の奥へ消えていくのを見送り。 白い世界に溶け込むようにして、 白絹纏う男は街の風景の一部になり、 ――暗がりの道へ戻る**] (95) 2021/12/10(Fri) 23:35:19 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a29) 2021/12/10(Fri) 23:41:08 |
【人】 薬屋 テレベルム[品を用意し、客が足を運ぶ頃合としては やや早い時分であるのをいいことに、店を留守にして 積もった雪の絨毯を足跡を刻みながら歩き出す。] (100) 2021/12/11(Sat) 0:05:25 |
【人】 薬屋 テレベルム― 「ゲイザーのパイ屋」 ― [名物のミートパイを始めとして、ジャガイモとポテト ベーコンに卵とチーズといった惣菜のパイから 林檎に桃、ベリーといった果物の菓子パイの中には 札に記されているが祝祭一日目の新作であるらしい 葡萄のコンポートとカスタードチーズのパイも並んだ。] ……ひとりで食べきれるか? [猫は店に戻れば居るだろうが、食べさせていいものかと 疑問を抱きながらも、それはそれとして。 贅沢な悩みに顎へ手を宛行い、頭を悩ませる。 この世の果てでも探すような真剣な眼差しを 硝子のウィンドウに注いでいるが―――… 好物の林檎と新作何方を選ぶべきかという 平穏な二者択一を男は迫られていた。*] (101) 2021/12/11(Sat) 0:05:40 |
【人】 薬屋 テレベルム ― 「ゲイザーのパイ屋」 ― [目当てを買い求めた客足もいくらか去って、 彼此蝋燭が一本尽きようかという刻限まで 黙して考え込む男に店員が気を砕いてか声を掛ける。 試食されますかと、数種のパイを一口サイズに揃えたものを 提供皿に並べてカウンターに提示してくれた。] ありがとう。 [おそらくは一番の売れ筋であるミートパイは……。 肉食では無いから、避ける事にして。 代わりに、目当てのアップルパイと葡萄のものを。 林檎のパイを口に入れるとバターの香りが広がって、 さくりとした口あたりの良い記事は歯を喜ばせ ぎしりと詰まった林檎は加熱によって蜜の甘さは やや薄まっているものの、ジャムに練られた林檎煮が 砂糖と練られた製法で甘味を補強し くどすぎないシナモンのアクセントが効いている。] (120) 2021/12/11(Sat) 8:19:36 |
【人】 薬屋 テレベルム[生の林檎と違う歯ごたえ。 シャリ、とはいかず、しっとりと、やわらかい心地。 さくさく、と栗鼠のように試食をもひとつと手を付けかけ 流石に二つ三つと手をつけるのは…… 人であるなら流儀に反するのだろうと想像を膨らませたので 遠慮をしなければ、と自制を掛けた。] ……こっちも、貰っていいか? [――だが、迷いの好敵手である葡萄の新作に指を向け 不安そうな右目で店員を見つめる。 窺ってはいるものの、拒否をしづらい物言いと視線。 どうぞ、と返さざるを得ない確認にイエスを貰い 今度は葡萄の方にも手を伸ばす事にした。] (121) 2021/12/11(Sat) 8:19:50 |
【人】 薬屋 テレベルム[皮ごとコンポートにした葡萄。紫と緑の色彩に食指が誘われる。 パイと名はついているがビスケットに近い 薄めのタルト生地の上に実が飾られている。 あくまで試食なので見た目はいまいちではあるが ウィンドウに飾られた完成の形は愛らしいものだった。 皮ごとの葡萄だが蜂蜜を隠し味にした砂糖に煮られて 苦味はあまり感じられず、つるんと賞味出来てしまう。 こちらの方が生地は薄いせいか香ばしさも感じられて 幾つでも入りそうだ、と雑感を抱いてしまう。 カスタードチーズのまったりとした甘味は癖を感じるが 少なくとも男の舌には合うものだった。] (122) 2021/12/11(Sat) 8:20:12 |
【人】 薬屋 テレベルムじゃあ、こっちを…いや、林檎もやっぱり。 [試食で心が決まったかと思えば、逡巡を巡らせて。 決断力に欠けた精神で、結局は両方購入してしまう。 何処かに土産として持参するのも少し考えた。 土産物なら、と好みを告げた店主>>115や、 居候の際に食卓にパイを並べてくれた魔術師の顔を なんとなしに思い出すが、… 前夜祭より人が増えている町並みを思えば 祭りの後のほうが商売の邪魔にならないだろう、とか。 食べ慣れたものを持参して果たして喜ぶか、だとか。 ―― 包まれていく二枚のパイを横目にしながら まあいいか、と考えは霧散していった。] (123) 2021/12/11(Sat) 8:20:34 |
【人】 薬屋 テレベルム[侵入者たちと密やかに口にするのも良いと思い直したから。 それはそれで、欲望の渦巻く街でありながら、 ひとつの楽しみ方、祝い方ではないか…とも。 不思議なものだ。 寒波は厳しくも平穏を絵に書いたようなこの地も かつては魔王の軍勢に踏み荒らされて 焦土に近い状態で、瓦礫ばかりの廃墟であったのだから。 その時代のエオスの街を余所者の男が知る機会は無いけれど 一度だけ海の魔物を退治する勇者一行の船旅を 遠目に眺めたことはある。 あれはそう、妹が生まれる前の時代だから、 何百年前だったか…思い出せないが。] (124) 2021/12/11(Sat) 8:21:14 |
【人】 薬屋 テレベルム[マーケット通りのはずれに簡易の休憩所として 設置された屋根付きのベンチへと腰を下ろす。 祝いの歌が何処かからまた聴こえて―― それを少し聞いて居たいから 店への帰路を少しだけ遅らせたかったのだ。 途中で勧められたホットワインを伴に。*] (125) 2021/12/11(Sat) 8:21:25 |
【人】 薬屋 テレベルム― 回想 ― それが謙遜かどうかは俺には分からないが 何を見ても珍しいと感じるだろうな。 [海の中にあるもの以外は珍妙だと感性が訴えかけるのだから 価値があろうと無かろうと関心は満たされよう。>>110 情報の出処には首を縦に振ることで示し。 内装が居抜きのままであるのも一つの味であろうと 先人が見立て>>112るのなら そういうものかと信じてしまった。] そうだな。 以前は……ええと、肉体労働というべきか。 [彼女の問いかけに一度沈黙を挟んでから、 思いつく限りの表現を伝える事にした。>>114 貝類や海藻を取っていたと仔細に伝えたら 肌の黒さもあってか漁師かと勘違いされそうで。] (134) 2021/12/11(Sat) 14:16:53 |
【人】 薬屋 テレベルム だから解らない事のほうが多い。 世間話も、客の扱いも。 [飲食店のように茶や菓子を振舞う必要は無いとは思うが 表情をそう動かさない接客になってしまう。 それもまた裏の業界では普通であるかもしれないが。 流石に未知の接触を受けた時ばかりは>>115 冷静沈着とはいかなかったが 自分で嵌めようとしたらこうスムーズにはいかないだろう] ………、いや、なんだ。すまない。 ありがとう、使い方を教えてくれて。 [黒目にあたる部分の位置も調整して貰えば はあ、と一息をついてぱちぱちと瞬きをした。 その際に右目から溢れる涙も散って、 態々添えられたハンカチに水分は含まれる。] (135) 2021/12/11(Sat) 14:17:09 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a49) 2021/12/11(Sat) 14:19:47 |
【人】 薬屋 テレベルム …………あ、 [暫し表の街の賑やかな気配を遠巻きに楽しみながら ワインを口にし時間を過ごしていたが よく考えずともパイが冷める可能性をはた、と思い出す。 もう少し浸っていたい気持ちもあったものの 折角なら固く冷たくなる前に賞味したい。 残念ながら、魔法の類にはからっきしで パイを温め直す方法を持たないもので。 その足で通り慣れた裏路地に続く道を歩き、 店の戸へと手を掛けて、開けば若干の埃っぽさと パイの甘い香りを損なう獣臭に苦笑を浮かべた。] (137) 2021/12/11(Sat) 14:45:45 |
【人】 薬屋 テレベルム― 真珠堂 ― [何処に行っていたのかと言いたげないくつもの黄色い光。 蝋燭を灯さないと不気味な光景だが慣れたもの。] …………そう、揃って睨むな。 土産がある。 [客用があればベルを鳴らせるようにカウンターに鈴はある。 奥へと引っ込み、猫の群れをいなしながら 葡萄とカスタードチーズのタルトを食べやすいようにし 結局どの部分を食わせると腹を壊すのかが解らないので ビスケットの生地を砕いて猫用の皿にいれておく。 マタタビさながらの男の肉への関心はあるのだろうが 食欲が優ったようで、猫らは皿を取り囲み餌を食べ始めた。] ん……、うまい。 [降り積もった外の雪を一望しながらタルトに舌鼓を打つ。**] (138) 2021/12/11(Sat) 14:46:00 |
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