人狼物語 三日月国


59 【R18RP】花韮の咲く頃

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【人】 上原 隆司

>>1上原は、振り返る矢川の視線を追った。そこには誰もいないように見えたが、昨日見た姿や聞いた話からは、視界にいないからといって安心できなかった]


  いや……気にすることはないよ。

  それより、自転車のことなんだが……
  かえって危なくねえか?

  ぶつかられて転んだり……怪我させられたり、
  体力が尽きるまで追われたりしないかと。


[バスにまで付きまとう相手が自転車に乗られたくらいで諦めるとも、上原には思えなかった。
 悪く考え過ぎかとも思うし、他の対策と言われても警察ぐらいしか思い浮かばないのだが]
(3) 2021/03/01(Mon) 8:30:25

【人】 上原 隆司

  勢いで行動するより、先に対策考えないか。

  場所は任せるが、矢川さんが嫌でなけりゃ
  個室のあるところがいいな。


[個室に難色を示されたなら、矢川の行きやすい店に向かうことになるだろう。

 と言っても高校生の思いつく「個室のある場所」というとカラオケなのだろうか。
 個室のある喫茶店や飲食店も近隣にはあるはずだが、上原は相談にあまり時間はかけたくなかった。

 もし矢川に行きたい場所があればそこに。矢川が思いつかなければ、取材でときどき使う個室のあるカフェバーに向かうだろう]**
(4) 2021/03/01(Mon) 8:31:48

【人】 上原 隆司

  カラオケは……高校生が入りやすいからな。


>>5良さそうなところと言われ、上原は馴染みのカフェバーに矢川を案内することにした。
 学校からは離れているし、駅からもちょっと歩く、隠れ家的な場所である。名は『サンセット』。
 バーメニューは20時からで、それまではカフェとして営業している。

 バーを兼ねることもあって、ハーモニーとはまた違う大人向けの雰囲気の店で、BGMはいつもジャズ。
 客の年齢層は高めで、カフェタイムであっても高校生には少々入りにくいだろう店だった]
(7) 2021/03/01(Mon) 16:20:30

【人】 上原 隆司

  大丈夫。今は酒が出ない時間だ。


>>6店に着くと、不安そうな矢川にはそう伝えて、個室を頼む。複数ある個室は、突然来ても大抵どこかが空いている。
 店の性質上、禁煙席は無かった。だからどの部屋も煙草の匂いはどうしてもするだろう。

 顔馴染みの店員には取材かと思われたらしく、不審に思われる様子なく個室に着くことになった]
(8) 2021/03/01(Mon) 16:20:51

【人】 上原 隆司

  とりあえず、これ。


[個室に入って席に着くと、上原は矢川に冊子を1冊差し出した。
 待ち合わせの前に立ち寄った警察署で手に入れてきた、ストーカー問題について書かれたものである>>0:101


  警察に相談するのが一番だと思うんだよな。

  警察が動いてくれるほどの事態かは……わからないが。


[明らかに矢川の心労になっていることも、日常生活を送る上で支障になっていることも間違いないが、命の危険があるほどではない気がする。
 そのくらいでも警察が矢川の身辺を見回ったりしてくれるものなのか、上原には判断しかねた]**
(9) 2021/03/01(Mon) 16:21:17

【人】 上原 隆司

>>10矢川が並べる相手の“罪状”に、上原は深くため息をついた]


  想像以上にひでぇな……。
  大丈夫か、本当に。


[直接命を脅かされたわけではなさそうだが、相当に悪質な相手だと感じた。
 それでも被害の詳細を聞き出そうとは思わなかった。

 店員が水を持って入ってくるのを見て、上原はメニューを見ることすら忘れていたことに気づく。
 よく頼むブレンドコーヒーをホットで頼んで、矢川には無言でドリンクメニューを差し出した。コーヒーのほか、紅茶やハーブティー、ソフトドリンクも同じページに載っている。料金はカフェとして標準程度である]
(12) 2021/03/01(Mon) 17:21:43

【人】 上原 隆司

  同じ高校だから厄介だよな。
  卒業までは間があるしなぁ……。


[自分の分の冊子を眺めながら、上原の頭にどうしても浮かぶのは、すぐそばで彼女の身を守れる人がいたほうがいいだろうということだった。
 できれば校内に、それが無理でも近所に。
 相手もそうだが、矢川も簡単に転校とはいかないのだろうから]


  一緒に行くのは構わないが……、
  俺は何者としてついていけばいいんだ? それは。


>>11同行をリクエストされて、上原が一番困るのがそこだった。
 現状、「矢川が加害者に暴力を振るわれたかもしれない場所に偶然居合わせた一般人」ぐらいの立ち位置である。
 それ以前から顔見知りだったから、あまり抵抗なく行動を共にしてはいるが、人に説明するには微妙な関係だろう]**
(13) 2021/03/01(Mon) 17:22:19

【人】 上原 隆司

>>14注文を聞いた店員は、すぐに去っていった。
 >>15一人で頑張ると言いながら、途中で言葉を切ってしまう矢川。彼女が泣き出しそうに思えてもどう声をかけていいか、上原は掴めずにいた]


  ……いっそ本当に付き合っちまうかぁ?
  「フリ」じゃなくて。


[手詰まりの中で安易に選んだような選択肢。それが答えとして正しいと言えるのか。
 彼女の身を守れる保証もない。

 けれど、少なくとも、彼女の痛ましい姿を見ながら無力感に苛まれることはなくなる気がした。

 彼女を一人の女性として愛せるかどうか、見当はつかないままだ。
 それでも彼女の苦しむ姿を見たくないという思いは、上原の中に確かに存在していた]**
(16) 2021/03/01(Mon) 18:00:58

【人】 上原 隆司

[彼女の身を守れるかもしれなくて、その上、嘘の関係を取り繕おうとしなくてもいい。
 見抜かれないか不安になりながら「恋人のフリ」を頑張るよりは、いっそ楽なのではないか。
 上原はそんな思考だった。

 向こうにだって、昨日の今日で恋心が芽生えているとはとても思えなかった。
 それでも、好きかどうか定かでないうちから付き合ってみるというのも、決して珍しい話じゃないはず。

 そんな深く考えない言葉を受けて、矢川は戸惑ったような言葉を重ねながら顔を赤くする。>>18
 それを見て今度は上原が戸惑うことになった。

 半ば勢い任せの言葉であった。
 けれど、それで赤くなられてしまっては]
(19) 2021/03/01(Mon) 20:17:23

【人】 上原 隆司

  そうだな……、だいたい事実の通りで
  いいんじゃないか?

  ハーモニーに通ううちにお互い気になってて、
  落ち込んでるのが気になって声をかけて、
  そこからお互い独り身なのに気づいて、と。


[つく嘘は少ないほうがバレにくい。
 お互いにそれなりの好意があったとすれば、今回の流れは付き合うきっかけに申し分ないだろうと。
 >>20ちょっと早口になる矢川が微笑ましくて、笑ってしまった後、上原は頼んでいたコーヒーに手を伸ばした]**
(21) 2021/03/01(Mon) 21:10:12

【人】 上原 隆司

  だな、それなら食い違いもないだろう。


[話が落ち着き始めたところで、上原はコーヒーをゆっくりと飲んだ。
 ここのブレンドコーヒーは高級豆の風味を目指して作られたものだった。それが見事に成功している上、ブレンドらしい味わい深さもあり、この豆でないと飲めないという人までいるという]


  デートらしいデートなあ……。
  一緒に食事するのもデートの定番だが……、
  俺たちの場合は打ち合わせみたいなもんだしな。

  ……例のストーカーの目にはついたほうが
  いいわけだよな?


[諦めてくれる可能性を考えるなら、後をつけやすい場所を選んで見てもらったほうがいいのか……と作戦会議じみてしまう。
 もちろん、純粋に行きたいところでもいいのだろうけれど]**
(23) 2021/03/01(Mon) 21:55:06

【人】 上原 隆司

  ん。蛍で決まり、な。
  じゃあもう少し撫でてるか……。


[呼び捨てを受け入れるのを聞いて、上原はそのまま矢川の頭を撫で続けた。
 優しく髪を撫でて、指で梳く、ゆっくりとした仕草の繰り返し]


  個室のある店で2人きりで過ごしてるって
  客観的にはデートだと思うぞ……。

  他は……美術館、水族館、テーマパーク、
  映画や観劇、カフェじゃなくしっかりした食事とかか……?
  一緒にやりたいことがあれば、何でもデートだろう。


[本来行きたくないところでも、好きな相手となら行ってみたい。
 好きな相手と一緒に時間を過ごせるなら、場所はどこでもいい。
 そういうものがデートだとするなら、今の2人がデートらしいデートをするのは難しいことなのかもしれない]
(26) 2021/03/02(Tue) 8:16:57

【人】 上原 隆司

[「自宅に入ってしばらく出てこない」>>25
 その言わんとするところを理解して、上原は唸った]


  それは……、どう転ぶかわかんねえな。
  親しくなったばかりなのは知られてるだろうし。
  蛍が押せば簡単にヤれる女だと思われないかが心配だ。


[もしそう思い込まれて、そばにいられない時間に何かあったら。
 それを考えると空恐ろしいものを感じて、上原は不安を押し流すように残りのコーヒーを一気に飲み干した]**
(27) 2021/03/02(Tue) 8:17:37

【人】 上原 隆司

>>28唇を尖らせる矢川はとても可愛らしく見えて、上原は優しく髪を撫で続けた。そこを不満に思ってくれるのは、悪い気はしなかった]


  そうだな、デートのつもりで来たわけじゃないし。
  水族館は確かに無難かな……。


[自然と高校生の目にもつくかもしれない場所。そして、冬でも行ける屋内の施設。
 目的のひとつが人目につかせるためだと思うと、良い選択肢だろうけれど]


  ジャズバーか。夜遅くならなきゃ大丈夫だったよな?
  どこか気になってる店はあるかい。


[未成年はその手の店に入ってはいけないと条例で決まっている時刻は、何時だったか。
 デート先にそこを選べば、矢川が高校生のうちにバーに入る貴重な機会となりそうだった]
(32) 2021/03/02(Tue) 15:18:25

【人】 上原 隆司

>>30>>31矢川に悲鳴かと思うような声を上げられると、上原は脅かしすぎたかと心配にはなった。それでも無視できないリスクである]


  おう……それに俺も行きづらいからな。
  知り合ったばかりの高校生の、親と同居の自宅……。


>>0:87あの家の大きさで一人暮らしのはずがない。人目の気になる年齢差でもある。
 だからそういう時期までは距離を保とうという話をしているはずが、ぴったりと身を寄せてくる矢川を見ていると、その無防備さが上原の不安を呼び起こした]


  ……ずっとくっついてなくてもいいんだぞ?


[二人の仲は、まだ名目上の関係と言える。
 それでもこれだけ警戒心なく接するのなら、ストーカーが発生してしまった原因の一端には矢川の態度があるのかもしれない……そんな考えが浮かぶのが抑えられなかった]**
(33) 2021/03/02(Tue) 15:18:46

【人】 上原 隆司

  ん、なら近いうちに……と言っても。
  俺、土日は仕事なんだよな……。


>>34水族館行きが決まったところで、上原はふと思い出す。高校生と休日が噛み合わないことを。
 今日明日は休みだとは既に伝えてあるが>>0:95


  警察へは寄っていこう。
  このまま有耶無耶にはしないほうがいい。


[付き合ってみたところで、向こうが落ち着く保証もない。矢川の高校卒業まで、二人の関係が安定し続ける保証もない。
 だったら他の手段でも安全は確保したほうがいい。
 上原に自然と浮かぶのはそういう思考だった]
(36) 2021/03/02(Tue) 17:42:41

【人】 上原 隆司

>>34 >>35ひとりで抱え込んできたことを明かす矢川が、自然と口にする「恭介」という名。
 彼女の中で大きな存在らしい、と上原はなんとなく察する。“大事な幼馴染”>>0:53とは彼のことかもしれないとも思った。

 そして、その彼に特別に思うことが、今は無いことにも気付いた。

 まだ、恋ではない。それがはっきりとしたのは、良いことなのだろうか?]
(37) 2021/03/02(Tue) 17:43:25

【人】 上原 隆司

[甘える彼女を見ながら、思い返す。

 >>34「作りに行っても良い」
 その言葉を聞いたとき、上原はほんの少しだけその光景を想像した。
 下手に自炊するより栄養面でも効率的だと惣菜を買って帰る日々だが>>0:93、味気ないのも事実。

 ――食事を作って待っていてくれる人が、もしいたら。

 それは、まだ諦めるには早い気がする憧れでもあり、今から叶えるのも難しい気がする夢物語でもあった。

 真剣に探せばどこかにはいるのかもしれなくても、その度に取材で見聞きした修羅場の数々が思い浮かんで気後れする。
 そうしていつも通りの日々を繰り返していた。

 その日々を変えるためのきっかけを作ろうと上原が動くことはなかっただろう。
 誰かが腕の中に転がり込んでくるような、今みたいなことでも起きなければ]**
(38) 2021/03/02(Tue) 17:44:40

【人】 上原 隆司

  学校帰りに水族館か。
  あまり行かないよな。


[かえってデートとして面白い気はした。
 同じように学校帰りに水族館に向かう人がいるのかはさておき。

 店を出るとき、上原は飲み物1杯ずつだしと深く考えずに全額支払った。
 >>40服の裾を掴まれて、その先にいる“ストーカー”に気付いて眉を顰めた]


  ……なわけねえだろ……。


[上原は矢川の呟きを否定して、服を掴む手にそっと触れた。手を離させようと思ってのことだったが、もし握り返されても拒むことはないだろう]


  こうなったら、この先までついてくることを期待するか。


[警察署まで入ってしまえば逃げられてしまうだろうけれど。もしそばに留まってくれたなら、そのまま事情聴取ぐらいしてもらえるのではないか。

 そんなことを考えながら、歩いて警察署へ向かうことにした。
 そこそこの距離はあるが、ここからなら矢川の家から学校までとさほど変わらない時間で着くだろう]**
(41) 2021/03/02(Tue) 19:16:18

【人】 上原 隆司

[離させようとして掴まれた手を、上原はそっと握り返した。
 なにせ、振り返ればそこにいるとわかる状態でストーカーがついてくる。
 心細いだろうと思えば、振り払う理由などあるはずがなかった。

 警察署にたどり着けば]


  現行犯で注意してもらえるいいチャンスだぞ。
  蛍の言うことも信じてもらえるだろう。


[期待>>41に込めた内容を矢川に伝えて、相談窓口を探した。
 事情はほとんど矢川に説明してもらうことになっただろうけれど、先日の店では公衆の面前で暴力を振るいそうに見えたことを上原も付け加えた。>>0:70 >>0:71

 やがて、事情を聞かれ終わって、校区の見回りを強化するとは言ってもらえて、警察署を出ることになるのだろう。
 >>43それまでの付きまといぶりから、早速注意されるだろうことは想像できた]
(44) 2021/03/02(Tue) 21:12:00

【人】 上原 隆司

[そうして警察署帰り。
 矢川が歩き出すならそれに合わせて、すぐには移動しないなら共に留まって、これからの懸念を口にする]


  今日も送って帰るけどさ。
  明日から……学校、どうするよ。

  明日は休みだし、朝迎えに行って
  学校まで送ってもいいが……。


[あれだけ付きまとわれたのでは、矢川が独りになれば手出ししてくるとしか思えなかった。
 家も当然知られているだろう。
 警察の見回り強化はどのくらい当てにできるものだろうか。
 安心できる理由を、上原はどこにも見つけられなかった]**
(45) 2021/03/02(Tue) 21:12:34

【人】 上原 隆司

  ……一時避難ねえ。


>>47家族と同居である以上、引越しは難しいだろうし、矢川が単身で家を離れるのは安全とは程遠いだろう。
 が、「恋人の家に寝泊まり」ならありなのかもしれない。
 ……想い合った恋人同士ならば、の話である]


  噂は確かに。目立つだろうな……
  蛍は困るか。


[それに毎日同行するわけにもいかない。
 繋いだ手と反対の手で、上原は頭をかいた。
 校内で噂になったとき、一番不利益を被る可能性があるのも彼女ではないかと思った]
(49) 2021/03/02(Tue) 22:14:33

【人】 上原 隆司

  明日以降は蛍に合わせるとして……
  今日は送ってく。


[微笑む矢川を見つめ返して、安心させるように微笑む。繋いだ手を優しく握り返すと、矢川の家の方角へ歩き出した。

 あまり目立ちすぎないほうが良いのかもしれないし、注目を浴びたほうが手を出しづらくなるかもしれないとも思える。

 やりたいようにやりながら様子を見るのがいいだろう……上原はそういう結論に達していた]**
(50) 2021/03/02(Tue) 22:16:32

【人】 上原 隆司

  あぁ、困らないんならいいんだ。

  俺は困ること……たぶんないと思うが。
  何か起きたときは相談する。


[上原が困るとしたら、社内で噂になったときに偏見の目で見られたら困りそうというくらいだった。
 それも罪に問われるわけでないなら構わないか、と思っていた。

 登校時間や道のりを話して、明日の朝に迎えに来る時刻も決まっただろうか。
 玄関で言われるままに待つと、矢川が紙袋を差し出してきた>>51


  お、……おお。
  ありがとな、家帰ったらいただく。


>>52突然の手作りお菓子の出現に少し戸惑いつつ、素直に受け取ることにした]
(53) 2021/03/03(Wed) 7:02:02

【人】 上原 隆司

  じゃ……また明日な。


[最後に軽く頭を撫でて、上原は矢川に微笑みかける。
 何もなければそのまま立ち去るだろう]**
(54) 2021/03/03(Wed) 7:02:38

【人】 上原 隆司

>>56顔を覆う矢川に別れを告げて立ち去った後、駅に向かって歩きながら、「ココアパウンドケーキ」と言っていたのを思い出す。>>52

 上原の家には買い置きのコーヒー豆があったが、しばらく前に開封したきり、放置状態だった。
 豆のままだし密閉しているし、そこまで酸化はしていないはず。

 たまに家でハンドドリップするかと思って帰路につきながら、そういうゆとりを近頃はすっかり失っていたことに上原はやっと気がついた]
(58) 2021/03/03(Wed) 8:13:26

【人】 上原 隆司

[翌朝。
 学校の始業時刻は、会社よりも早い。だから出社より遥かに早く家を出ることになった。
 朝食はいつもメニューが決まっているから、困ることはなかったけれど。

 学校に向かう学生らしき人々が疎らに歩いている中、流れに逆らって矢川の家まで進むのは複雑な心境だった。

 そうして矢川の家に着いたのは、待ち合わせの時刻よりほんの少し前。玄関から顔を出した彼女にお弁当と問われて>>57


  ……え?


[上原の想像の範疇になさすぎる言葉だったせいか、きょとんとして問い返すことになった]**
(59) 2021/03/03(Wed) 8:18:43

【人】 上原 隆司

  ああ……、そうだ、ケーキ。
  美味かったぞ、コーヒーに合って。


>>60弁当の解説を聞いて、まず先にそっちが上原の口から出た。豆も思ったほど悪くなっておらず、なかなか良い休息になったのだった。

 そして家族の分のついでというお弁当は、受け取ることに抵抗感がなくて、素直に手を差し出した。
 元々自炊はほとんどしない。休日でも滅多なことがなければしなかった]


  なら、もらっとく。
  わざわざありがとな。


[微笑んで受け取ったのはスタパの紙袋。中身が何かはわかりづらいだろうことも、受け取りやすい理由のひとつだった]
(62) 2021/03/03(Wed) 9:13:10

【人】 上原 隆司

  親御さん、夜勤もあるのか。


>>61大きな家に、夜、独り。
 それも、ストーカーが身辺をうろついている状態で。
 それを想像するとどうしても心配になって、上原は歩きながら矢川のほうを見た。
 歩くペースは合わせているから、彼女は隣にいるのだろう]


  アレルギー無いんだよな俺。
  花粉もなんともない。
  花粉症はいつも他人事だ……。

  蛍は?


[なんでもない世間話は、昨日まではしていなかった。だからかえって新鮮に感じるくらいで。
 話しているうちに、あっという間に学校に着くのかもしれない。

 学校が近づくと物珍しげな視線を受けることになって、上原の気は少し重くなった。
 けれど自分から言い出したことだけに、不満を言う気は無かった]**
(63) 2021/03/03(Wed) 9:13:38

【人】 上原 隆司

  チョコは……そうだなあ、
  コーヒーに一番合うと思ってるな。
  定番なんじゃないか?


[上原の職場には自由に使えるコーヒーメーカーがあるが、しばしば妙に苦いコーヒーができている。
 お湯が少ないのか、それとも粉が多いのか、それともその両方なのか。一定の味ができるはずなのに、作る人によって味が違った。

 そこで個包装の一口チョコレートを上原がコーヒーメーカーのそばにこっそり置いたら、いつの間にか常時補充されるようになっていた。

 「コーヒーにチョコレートは定番」と元々思っていた上原は、改めてそう認識したのだった]
(67) 2021/03/03(Wed) 13:12:40
 




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