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【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[父のかわりに一人で猟に出るようになって少しした頃。 早朝から森に身を潜めて獲った獣の肉や毛皮を パンと交換してもらって帰ってきた後に 弟とチャンバラをするようになっていた。 それは、遊びを兼ねた修行だ。 父から家族を守るように言われていたから 彼が「勇者になる」なんて言い出した時には 母ともども猛反対しちまったけれど、 一度決めたことを曲げる性格じゃねぇのは 家族だからよぅく承知していた。 結局は折れて、目標を応援する形に。 少しでも強さを身につけて、 俺や母さんを置いて行ったりしないように。 獣も出来るだけ高く売れるのを獲るようにして 中古の魔法書や武術の指南書を手に入れて……、 兎に角、がむしゃらに毎日を生きてた。] (1) 2022/09/16(Fri) 18:53:50 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[そんなある日、ちっこいのが混ざりたがって来た。>>0:20 女の子がやりたがるような遊びじゃないから、 一瞬、聞き間違いかと……。 邪険にはしなかった。 一度やらせれば満足して帰るだろう、と そんな打算があったりしたのだけれど。] 「いいけどお嬢ちゃん、怪我するなよ……?」 [そう言って木の棒を渡してみれば 存外スジがよく、驚かされたもんだ。 二人がぐんぐんと吸収して上達していく傍ら 自分には剣の才能がないと気付かされて 戦闘にも銃を活かして行くようになったのは余談だが。] (2) 2022/09/16(Fri) 18:53:55 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[汗と泥に塗れて、時間を惜しむように話をして。 彼女はその日以降も会いに来てくれた。 家の方針を気に入っていなかった様子だが やることはきっちりやって 貴重な自由時間に来てくれてたらしく 互いの親に阻まれることなく交友関係は続いていった。 ヘンリ、って縮めるんでなく ヘンリー、って男性名で呼ぶようになったのは 男顔負けの腕っぷしと 意志の強さを認めてのこと。 弟とヘンリーは、ちょっと似てる気がする。 言いつけを守るばかりで 無難に生きようとしがちな自分には眩し過ぎる 二つの太陽だ。] (3) 2022/09/16(Fri) 18:54:11 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[二人のすることは大抵笑って許したけど 森の奥に行こうとするのだけは 大人より真剣に止めちまったはずだ。 だって父さんは、そこで……。] (4) 2022/09/16(Fri) 18:54:22 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[魔王軍が支配する地から遠く離れた村。 だが力を増して行く奴らの影響は ついにこの辺りにまで表れていた。 いなかった筈の魔物が彷徨く森。 自分が猟で潜る時も細心の注意を払っている。 誰かを守る余裕までない。 ……その頃は俺もまだまだ子どもだった。 必死の形相で事情を話せば ヘンリーはわかってくれたように見えた。] (5) 2022/09/16(Fri) 18:55:03 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[そんな折だったかな。 折角探検を楽しもうとしていた所 空気を悪くしちまって 申し訳ない気持ちだったが……。 沈みそうな心を、笑顔が掬い上げてくれた。>>0:26 世界でいちばんきれいに咲いた、花。 暫し 見惚れて] (6) 2022/09/16(Fri) 18:56:02 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス「俺たちにできるかな……。 ……いや、やる。……やろう……! 母さんが、みんなが安全に暮らせるように……」 [「ゆうしゃになる」「まおうをやっつける」 まるで夢のようなこと。 だけど彼らの言葉には、 胸が熱くなる不思議な力があった。 俺に、勇気を与えてくれるんだ。] (7) 2022/09/16(Fri) 18:58:44 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[……ヘンリーが引っ越してしまえば 心にはぽっかりと穴が空いたみてぇになった。 オトコノコだから泣いたりしねぇけどよ。 ……嘘、ひとりでこっそり泣いた。 ああそうだ。 落ち込んでるヒマがあったら、 約束を果たせるよう、一歩でも前へ。*] (8) 2022/09/16(Fri) 19:00:00 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[心配する母さんを何とか落ち着けて出た旅。 世の中には魔物の被害に苦しんでる人が沢山いて。 面倒ごとに自ら首を突っ込んでいくアスベルには 一層冷や冷やさせられただろうか。 でも、そこも弟の良いところだ。 責任感だけは強いから一度引き受けて仕舞えば 俺も放っておくことなんかできなかった。] (9) 2022/09/17(Sat) 7:55:09 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[旅が進むにつれて魔物は数も強さも増していく。 サポート役のセシリーが仲間に加われば パーティの安定感は増したが、厳しい戦闘が続いた。 先立つものがない貧乏旅だった。 貧しさに冒険者ギルドへ依頼ができないような 人々を救いながらの旅であるから、当然だ。 それでも魔物を倒して得た報酬を手に 寄ったとある街、とある酒場。 ────ヘンリエッタと再会した。] (10) 2022/09/17(Sat) 7:55:31 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルスヘンリー……!? エドゥアルトだ、こっちはほらアスベル…… 久しぶり。元気してたようで安心した ……ああ、人手な ちょうど欲してたところだぜ とびきり強くて、頼もしいのをな! [声をかけられたのはアスベルだったが>>0:24 黙ってられず、興奮気味に返事をしていた。 彼女には都会で平穏に暮らす道もきっとあっただろうに。 だけど同じ方向を向いたままで居てくれたのが 有り難く、そして誇らしかった。] (11) 2022/09/17(Sat) 7:58:43 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[会わない期間の努力と経験が物を語る。 棒が当たったくらいではヘコたれず 何度も向かって来たヘンリーは ますます強く頼もしくなっていた。 四人となったパーティ。 何年も会ってなかったのが嘘かのような 前衛二人の息の合ったコンビネーションが 望めるようになって……。] (12) 2022/09/17(Sat) 7:59:46 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[後衛、それも狙撃手として 戦況を常に俯瞰で見ているからかな。 ある日ふと、気づいちまった。 ヘンリーのアスベルを見つめる目が 幼馴染に向けるものと……、 自分に向けるものと、 性質が違っているような気がすることに。>>0:27] (13) 2022/09/17(Sat) 8:01:03 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[胸んとこにもやもやしたものが生まれて。 怪我してねぇのに苦しくて。 もう一つ、気づいちまった。] (ああ、俺、ヘンリーのこと……) [自覚するまで随分かかっちまったけど 思い返せばこれまでの辛い状況 自分を支えてくれたのは、彼女の笑顔や、声で。 ……特別、なんだ。幼馴染って以上に。] (14) 2022/09/17(Sat) 8:01:42 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[そんな彼女が想う相手は自分の弟なんて。 悔しいけど、でも仕方ねぇって思う。 身内の贔屓目を差し引いても良いやつだ。 いつの間にか背も抜かれちまったし 心も身体も強くて、求心力がある。 いつだって人が集まって来て……。 ……ああもう、敵いっこねぇよ。] (15) 2022/09/17(Sat) 8:02:34 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[似たところがあって、 息があっていて、 自分を持っていて。 苦しいほど二人はお似合いに見えた。 少なくとも俺はそう思った。 ……だから、俺は。 自覚したばかりの気持ちを封印して 二人の仲を応援することにした。] (16) 2022/09/17(Sat) 8:05:51 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[暗闇に支配されつつある世界を照らしてくれる 大切な大切な二人だ。 誰より幸せになってくれなきゃ……、嫌だぜ。*] (17) 2022/09/17(Sat) 8:05:57 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス── 決戦を前に ── [いよいよ数日後に敵の本拠地に乗り込むって時か。 この頃には自分らは勇者一向として 結構なひとたちから認められてて。 兵士たちが見張ってくれる中、夜の休息を取っていた。 交代で寝る癖が抜けず……、 と言うより武者震いってやつか。 なかなか寝付けずに 屋上に出て武器の整備をしていると、 ヘンリエッタの姿。] お前も外の空気吸いに来たのか? [俺には外套があるけど、夜風は冷えるから。 余り長居はするなよな、と保護者ぶりながら たわいのない話を二、三して。] (18) 2022/09/17(Sat) 9:17:30 |
【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス[戻って行こうとするとき、 あっと思い出したように呼び止めた。 死んでも仲間たちのことは守るつもりだけど。 敵は強大で、何が起こるか予想もつかない。] ぜってぇ生きて帰るけどな 万が一ってことも、ある だからその、…… 悔いはないようにしとけよ …… アスベルのこと、とか [背中を押そうとする、 そんな一幕があったりしたかも……。*] (19) 2022/09/17(Sat) 9:18:25 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリア── 仕立て屋 ── [ドレスを着て髪を結い上げたヘンリエッタさんは 想像以上に素敵でした。>>0:36 鍛え上げられた健康的な肉体に 妖艶なドレスが良くお似合いです。] 〜〜っさいっこうにお似合いですわ! わ、わたくしに劣……っ?! まあまあ、なんてことでしょう……っ それどころか全ての目線が ヘンリエッタさんに釘付けですわよ [褒められた気がしてぽっと顔を赤らめますが わたくしが慕うあの人の視線だって 奪われてしまうかも知れませんね。 ……あっ、考えたら少し凹みました。 でも、本当にそうなっても仕方ないくらい 無骨な鎧を脱いだ彼女は魅力的だったのです。] (20) 2022/09/17(Sat) 13:00:01 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリア[彼女の家から来てくれた王国騎士は 何方も優秀な方だったと 前々王のお祖父様から聞かされていました。>>0:19 とある酒場で護衛を申し出てくれた時には 家名をきいてもしや、と思ったものです。 世間知らずなわたくしは彼女に戦闘内外で 何度助けられたことでしょう。 少し間はあいたようですが 何代にも渡って王家を支えてくれている ストゥディウム家。 彼女の家がなければ、 王家の血筋はもしかしたらもうとっくに……。 不思議な縁を感じ、深い感謝を抱いています。] (21) 2022/09/17(Sat) 13:00:06 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリア[旅は終わってしまいました。 魔王による支配に終止符を打った、 その事は、間違いなく良いことなのですが。 ……まだ続いていて欲しかった。 そんな気持ちも少しだけ、ありました。 ヘンリエッタさんのこと かけがえのない仲間であり はじめて出来た大切なお友達だと わたくしは思っております。] (22) 2022/09/17(Sat) 13:00:35 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリア[これはとてもワガママなことですが。 彼女さえよければ、専属の騎士となって 護衛を続けてくださらないかしら。 平和を取り戻しましたが一国の王女。 誰もつけないという訳には参りません。 どうかこれからもわたくし たち の、傍で……。] (23) 2022/09/17(Sat) 13:00:57 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリアはい、参りましょう あら、もしかして走って向かうおつもりでしたか? ふふっ、今日だけはお控えくださいね [着せ替えに付き合わせてしまったぶん 御者の方には急いで貰えるようお願いして。 ヘンリエッタさんと歓談しながら 馬車に揺られ、城へと戻りました。] (24) 2022/09/17(Sat) 13:02:00 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリア── 王城の客間 ── アスベル様、エドゥアルトさん お二人もとっても素敵ですわ 装いを揃えると、より兄弟らしいですわね [エドゥアルトさんが外套を外しているのは 珍しい気がします。 よく似た金髪の頭が二つ並んでいて 後ろから見たら見分けがつかないかも知れません。] (25) 2022/09/17(Sat) 13:02:38 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリア[セレモニーの話になるとアスベル様のお顔が 僅かに強張ったように見えました。>>0:39] 頑張りましょうね、アスベル様 ほら、生贄作戦のときも ばっちり成功して見せてくれたじゃないですか 何の問題も起きませんよ わたくしは裾を踏んで転んだりしないよう 気をつけて参りますわねっ! [少しでも緊張を解せたらと思い笑いを誘ってみました。 何もせずともきっと貴方は 今回だって完璧に遂行して下さるでしょうけれど。 わたくし、貴方の役に立ちたいんです。] (26) 2022/09/17(Sat) 13:10:23 |
【人】 白魔術師 セシリー・ラミナリア (27) 2022/09/17(Sat) 13:10:35 |
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