【人】 帰宅部 津崎絵音[ 何も見えないように頭を抱え、オレがまた逃げる前の千葉は 驚くでも他の奴みたいに同情を浮かべるでもなく、 顰めたままの顔でいた。>>328 経験の無い反応の上、心が乱れきっていたから もう今度こそ駄目なのかもしれないって思った。 こんなに手を尽くしても恩知らずに怒鳴り散らしてくる奴は 嫌われて当然だろうな、と。 ちょうどいい距離では自分を繕えていた。 そのオレは多分、暇潰しの話し相手程度にはそう悪くもなく 変に千葉を困らせるようなことも無かった筈。 踏み込まれたくない、知られたくない その拒否感にはきっと、 そうなれば自分を嫌いになるかもしれないこともあった。>>327 プライドとは無関係の、個人の弱さ。 ] (363) 2022/10/20(Thu) 3:09:32 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ 酷いことを言われ自分は知るわけもなかった事情で否定されて、 何も知らないことを認めた上で>>329 それでもまだ、なんで まだ伝えることを諦めずにいられるの、見捨てないの。>>330 消えることは考え直した上で新しい願いを受け入れてほしがった。 なら分かったって言って黙って見送れば、 死ぬことは止められて相手の言う通りにして 全て解決とだって、出来るはずじゃん。 ] でも、だってオレは…… [ 駄々を捏ねる子供みたいだね。 どうにかして否定しようとしてしまう。 でもろくに続きが出てこなくて割り込むのを諦めた。 千葉の言葉の一つ一つに響き過ぎるくらいの力がある。 自分の未来を降って湧いた機会になんて託そうとしてない その強さが表れている気がした。 同じようにはなれない。 でも、強さを見せつけられてるんじゃなく 助けようとしてくれているんだ、と。 漸く受け止められた気がする。 (364) 2022/10/20(Thu) 3:10:58 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ 不意に右手に触れた感触に少し身を強張らせ、 けれど抵抗はせずに恐る恐ると抱えを解き見上げた。 いつもと逆だ。なんて少し日常じみた思考が戻って来る。 オレは弱いから、千葉にはなれないから 縋ってしまってもいいのかな。 常にいっぱいでパンクしてバグを引き起こす頭は またピアノに触れ一生懸命になったら整理出来るのかな。 ……消えたらよかったと後悔せずに生きられるかな。 ] ──千葉、 [ 距離を取ることを許してくれていた気遣いの千葉にとって こうやって否定されながらも呼びかけ続けるのは、 あまり自己を肯定出来る行いではないのかもしれない。 それでも、止めないでいてくれたのかもしれない。 消滅へ希望を見出すことは普通の人間にとって間違いだと 分かっていながら望んだオレには 多分そういう言葉じゃないと響かない。 ] (365) 2022/10/20(Thu) 3:11:19 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ 不思議だな。 何もかも吐き出し最悪の醜態を見せてしまった後でも 落ち着いた今は、お前の側は息がしやすいや。 ] ……自分が言ったことの責任取れよな 卒業したらはいさよならなんて許さねぇぞ [ なんて、千葉は昨日からその先の未来の話をしてくれていたのに オレがガキでしかない屁理屈と揚げ足取りで否定したのに。 隠したがり逃げたがりは中々、冷静に素直になるのは難しく。 未だ残る不安を今は秘めておこうと、 態と憎まれ口を叩くような言い方で、果たした心変わりを示した。 挑発する笑みでも浮かべられたらより良かったけど、 まあ、意図した表情変化の不得意さはお互い様。 ] (366) 2022/10/20(Thu) 3:11:43 |
【人】 帰宅部 津崎絵音進路、一緒に悩もうか ……オレはまず三年に上がれるかなんだけどな [ もし本当に元の道に戻れるなら そうでなくとも、千葉の道の応援をして 乗れる相談があれば一緒に悩みたいと思う。 多分サボってきた勉強よりは役立つよ。 いいだろそれくらいの役目はオレにくれたって。 いつも怯えていた、何も信じられなかった。 未来にはまだ不安が残っているけど 千葉が変わらないことは信じられるよ。 ] じゃあ、行ってくる [ 少しだけ目線をフェンスの向こう側にやり、 また千葉を見た時、自然に笑っていた。 着いてきてとか情けないしさ、 自分で決めて自分で歩き出すところを見送ってほしい。* ] (367) 2022/10/20(Thu) 3:12:07 |
帰宅部 津崎絵音は、メモを貼った。 (a46) 2022/10/20(Thu) 3:15:25 |
【人】 秋月壮真[ 「 小学生の子らしいわよ 傍に高校生の子もいたみたい。 」 「 助けられなかったのかしら。 」 「 貴方が近くにいながらどうして……! 」 「 こんな小さい子が可哀想に。 」 「 車道側にいたんですって。 」 「 危ないってわかるだろうに。 」 「 貴方のせいよ。 」 「 お前のせいだ。 」 「 きみのせいだ。 」 あれは誰の言葉だった? ] (368) 2022/10/20(Thu) 3:16:01 |
【人】 秋月壮真[ 学校の帰り道。 小学生の弟の手を引いて 公園でバスケをするつもりだった。 弟と一緒にするバスケは楽しかった。 どんどん上達して 俺と同じ中学で、高校で バスケをすると楽しそうに話してくれた。 青信号が点滅する。 急ごうとした弟を俺が止めた。 次の信号まで待とうと。 運 命 その選択が の 分岐点。 ] (369) 2022/10/20(Thu) 3:16:15 |
【人】 秋月壮真[ 横を見た瞬間 弟の体が飛んだ。 投げ出された、体の形が歪んで 声も出せないまま血が花火のように飛び散る。 全てがスローモーションだった。 音のない世界。 宙に舞いゆっくり落ちていく弟の躰。 何も聞こえなかった。 全ては一瞬だったのだから。 ] (370) 2022/10/20(Thu) 3:16:22 |
【人】 秋月壮真[ 途切れそうな心臓の音。 体が考えられなような方向に曲がって。 それでも俺は弟を抱きしめた。 途切れないで…… 消えないで…… 必死に祈る、けれど──…… 放心なんかしていられない 通報を、救急車の手配を。 止まっていられない。 判断を鈍らせてはいけない。 俺が動かなければ……俺が。 ] 誰が助けてくれるというんだ…… (371) 2022/10/20(Thu) 3:16:28 |
【人】 秋月壮真[ 助けられなかったのは俺のせい 俺の注意が足りなかった。 俺が車道側に居れば ……居れたら。弟はもうバスケが出来ない体になった。 そう医者が淡々と述べた。 生きているだけで凄いことだと。 歩けるかどうかもわからない。 意識が回復するかもわからない……。 ] (372) 2022/10/20(Thu) 3:16:32 |
【人】 秋月壮真[ 弟の病室で何度も謝った 外も中も傷ついてしまった弟 コードに繋がれて……機械音が部屋に響く。 父も母も疲労してしまっている 俺は……。 俺は弟に全部を渡すつもりだった。 足が動かないのなら俺の足を 目が見えないのなら俺の目を 臓器が使えないなのならその代わりを 血が足りないのなら俺の血を 全部使ってくれ、俺が痛さを背負うはずだった 心臓すら渡したって構わない 弟が助かるのなら俺はなんだってやる。 ] (373) 2022/10/20(Thu) 3:16:36 |
【人】 秋月壮真[ 加害者は休み無しの過重労働での 居眠り運転。 世間は加害者に同情した。 被害者に同情していた者も 手のひらを返して叩き始める。 「 小学生なのでしょう?飛び出したのでは? 」 「被害者だからって同情を求めるな。」 「 どうせ金でしょ? 」 「 加害者の金搾り取る家族こえ〜!」 違う、 違う! そんなこと……思ったことはない。 ただ、日常を返して欲しかっただけだ。 それだけなんだ……。 ] (374) 2022/10/20(Thu) 3:17:24 |
【人】 秋月壮真[ バスケットボールに触れられなくなった。 弟がバスケの出来ない体になったと聞いた時から 体が拒絶した。 俺の記憶の弟と二人でしていた バスケの記憶が割れた。 パラパラとガラスのように砕けて落ちて 破片が刺さる。 どうにもならないんだ 俺の力ではどうでも だから願うことは───────……。 ] (375) 2022/10/20(Thu) 3:17:38 |
【人】 秋月壮真─ 回想:2day: 午後教室(健人) ─ [ 眠りの王子は荊の森 触れれば手が切れ血が滲む。 たとえ荊の森の中に君がいても 俺は荊を掴んで君を奪いにいくよ。 さて、俺は君の王子になれるかい? それとも従者かな、 姫……? 言っておくけど 姫は冗談だからね。 ] (378) 2022/10/20(Thu) 3:50:23 |
【人】 秋月壮真[ メッセージの返信を見て 消しゴムを人質ならぬ 物の質にされてしまった。 これからの授業に書き損じは許されないという プレッシャーがかかったのは言うまでもなく。 ] (380) 2022/10/20(Thu) 3:51:44 |
【人】 秋月壮真やっぱり二択だったじゃないか 君も嘘はつけないのだな 健人のこと考えた 君なら何を願うか でも考えれば考えるほど 知らない君が見えてきた 君は隠すのが上手いな でも、俺は君がなんとなく ”兄”なのだろうなと思っていたよ そうか、決めたのか……君は (383) 2022/10/20(Thu) 3:52:40 |
【人】 秋月壮真[ 弟か妹か。 いるのだろうなとは思っていた。 一人っ子みたいに自由奔放で、 でも面倒見が良い健人。 でも俺がわかったのはこれだけだ。 確かめてもいない言うならば 同じ兄だからわかったこと。 ] (384) 2022/10/20(Thu) 3:52:49 |
【人】 秋月壮真さよなら ……するわけないだろ [ 健人の肩を掴んで引き寄せる。 体同士が密着して 抱きしめたことが君にもわかるはずだ。 ] もっと早くこうしていたら良かった 今はもう君の顔を俺は隠せるよ 情けない顔していいんだ 俺に縋って……泣いてもいいよ 俺は逃げないよ 健人から、君の過去から [ なんで話してくれなかったのか。 そう思う心はきっとお互い様になる。 ] (386) 2022/10/20(Thu) 3:53:13 |
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