【人】 部隊長 シュゼット[地面や壁に咲いている、小さな花をつけた 常に淡く輝く植物の光が、徐々に光度を増していく。 これがこの世界で言う"朝"というものであり、 住民たちは色とりどりに輝く光の満ち引きで、 一日の時間というものを決めて生活している。 辺りを照らす光は自然のものだけではない。 例えば、昼間はどんな光よりも強く輝いて、 夜は地面や土壁で輝く植物と同じように弱く輝く 天上近くにあり『太陽』や『月』なんて呼ばれる人工物。 植物の輝きと同じ周期であることから、 地下世界での生活を前提に作られたものだろうけれど。 それは大昔に作られたロストテクノロジーの産物で、 いつ誰が設置したのか、住民の誰もが知らないのだ。 町を照らす程度の明かりや火の扱いは進歩していて "夜"になっても人工的な明かりを使って 夜遅くまで活動する者も少なくはないし、 完全に昼夜が逆転している夜行性の者も居たり。] (21) 2020/05/15(Fri) 2:42:49 |
【人】 部隊長 シュゼット[耳や尻尾……それに付随して備わる身体能力の違い。 様々な動物の特徴を持つこの地下世界の住民たちは 些細な見た目の違いなど気にする者も少なく。 地下世界のそこかしこで見つかる ロストテクノロジーの品々の研究を行ったり、 独自に娯楽や食文化を発展させていったりもして。 何不自由なく、平和に生活を送っていた。] (22) 2020/05/15(Fri) 2:45:38 |
【人】 部隊長 シュゼット[しかし、そんな平和は、脆くも崩れ去ることになる。 地下空間の大地から遥か高く遠く、天に広がる土壁に 突然、巨大な穴が開いたのが……全ての始まりだ。] (23) 2020/05/15(Fri) 2:45:58 |
【人】 部隊長 シュゼット[天高くに開いた、巨大な大穴。 あれが開いたのはだいぶ前のこと。 最初は、調査のために建てられたこの調査拠点も 月日が経つにつれ、状況が変わり。 穴から"外敵"が降りてくるようになってからは この場所は、調査拠点というよりも、 防衛のための前線基地の役割が強くなってしまった。] (24) 2020/05/15(Fri) 2:46:26 |
【人】 部隊長 シュゼット[当時の『調査拠点』を襲った、一番最初の怪物と戦ったのは 周辺の野生動物から拠点を警備するためだけに雇われた 強大な敵と戦うことなど想定にない、警備隊達だった。 様々な武装と機械を混ぜこぜにして固めたような 機械の獣と呼ぶのが相応しい、そんな怪物は。 当時の警備隊のほぼ全員の命と 逃げ遅れた研究員達の命を引き換えに、 やっと動きを止めたのだという。] (25) 2020/05/15(Fri) 2:48:50 |
【人】 部隊長 シュゼット[……"殆ど"と言うからには理由がある。 その時、包帯ぐるぐる巻きの状態で目が覚めた僕は 聞いた話の意味が分からず、首を捻った。 僕が大怪我をして気を失った後に出来た組織だという この地下世界の軍の総司令が言うには、 警備隊の中、たった一人だけ生き残ったのがこの僕らしい。 当時の現場は悲惨な状態で、 逃げ伸びた研究員は現場を知るわけもなく、 生き残りは倒れていた一人しかいなかったわけで。 敵や当日の出来事についての情報はゼロに等しかった。 だから。 その豹の耳と尻尾を持つ総司令が 機械獣が襲ってきたときの状況について、 頭を下げて、僕に聞いてきたのは当然の話なのだが。] (26) 2020/05/15(Fri) 2:55:37 |
【人】 部隊長 シュゼット[考えても、考えてもーーー 記憶の中はがらんどうで。 何も、思い出せることなどなかった。] ……僕。 …………何も覚えていない…です。 [自分でも驚くほど、乾いた声だった。 空っぽの体に響くような、そんな音だ。 自分は何者なのだろうか。 少しでも、思い出せることは無いのだろうか。 右腕の肘から先は銀色の金属でできた義手だというのに 痛み始めた頭を押さえようと手を伸ばした時に、 片手が義手であることに違和感がなかったのは。 生身の腕が片方無いこと以上に、 記憶の欠落に動揺していたからかもしれない。] (27) 2020/05/15(Fri) 3:06:32 |
【人】 部隊長 シュゼット[結局、その時から今までの間に思い出せたことと言えば 自分の名前が『シュゼット』であることぐらい。 昔のことはなんにも思い出せていないし、 元々天涯孤独の身だったのか、身寄りもないのに この基地の人たちは皆僕に優しくしてくれてーーー そして。それから今までずっと。 僕は、人並外れた身体能力の高さと、 ロストテクノロジーの遺物が多くあるこの世界においても 軒並み外れて貴重な『戦闘用義手』を 最高の適応力で自在にあやつれることを買われ、 この前線基地の攻撃部隊でお世話になっている。 最初はこの地下世界の常識すら無くしてたのだけど (食べれる物と食べれない物の違いとか、 本当にそういう基本的なところからだ) それも徐々に慣れることができた。と思う。] (28) 2020/05/15(Fri) 3:21:06 |
【人】 部隊長 シュゼット[周りにも馴染めて戦果もあげ、部隊長になった今でも。 常識はなんとか身に着いてきた一方で、 どうも、僕は戦闘以外では抜けていることが多いらしい。 誰かに指摘されてやっと気づくことは、今も珍しくない。 そんな僕の一面が、 ここで働くお手伝い端末のペンギン達と肩を並べて この緊迫した前線基地を和ませる風景の一つになってるとか。 『第一攻撃部隊の部隊長は普段と戦闘のギャップが凄い』とか。 ……よく、部下や他部署の人に言われるんだけど、 研究班の人たちの語る機械類の小難しい研究成果と同じぐらい、 僕は全然理解できてないんだ。]** (29) 2020/05/15(Fri) 3:38:24 |
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。 (a3) 2020/05/15(Fri) 3:50:25 |
【人】 兄 エーリク─二人の魔術研究─ カミラ、これ。 [いつものように手渡したのは黒味がかった紫色の本。 辞書や魔術書のように分厚いそれを手渡せば カミラはすぐさまそれを開き、図を指でなぞり始める。] 術式と論理自体は合ってると思う。 間違ってたところは直しといたけど それで解決するかは実験してみないと分からないから、 自分でちゃんと確認しておいて。 [一方が思いついた魔術や術式、 うまくいかない点や相手の意見が欲しい時。 こうして白紙本に直接書き込み、 メモ書きのように互いの意見を交換する。 こうして二人、知恵を合わせながら独自の魔術を編み出すのだ。] (30) 2020/05/15(Fri) 6:29:47 |
【人】 兄 エーリク 『そういえば兄様がセレン嬢に告白した際、 あの方に贈ったショール…… こんな感じの色でしたわよね?』 [カミラが本を開きながら右手をぐっと握りしめ、 再度開くと贈り物と同じ見事な色をした こぶし大サイズのエメラルドがカミラの手中に出来ていた。] 『兄様って本当不器用なのね。 好きだと告げるのに、あんな時間が掛かるだなんて。』 (31) 2020/05/15(Fri) 6:30:21 |
【人】 兄 エーリク 煩いな……。 [妹のからかいを一蹴しながら 忌々しげに呟けば、それがお気に召したのか すぐにご機嫌な顔でエメラルドを宙に放り投げた。 真上に投げては、落ちてくるのを受け止めての繰り返し。 まるでボールでも扱うかのようにエメラルドを宙に投げては 『兄様のヘタレー』 とか言ってくる。] (32) 2020/05/15(Fri) 6:30:51 |
【人】 兄 エーリク[僕が初恋相手のセレン嬢に告白した時、 カミラは魔術で姿を消して僕の後をついてきたので その一部始終をバッチリ眺めてて。 だからカミラは今でも当時について何かとからかってくる。 僕だってそれはそれは鮮明に覚えてるとも! 内心カミラがによによしてたであろう感情と] (33) 2020/05/15(Fri) 6:31:32 |
【人】 兄 エーリク[恋心を自覚してから想いを告げて。 時が経った今でもからかう目の前の妹が 自身の恋を真剣に応援してくれているのは知っている。 いつだったか、あれは。 魔術や術式の話が主だったこの本のやり取りに混じり 恋の話やセレン嬢の話題が上るようになったのは。 時折「人選間違えたかな」と思ったりしてるなんて ]**本人の前では決して言えないけど。 (35) 2020/05/15(Fri) 6:32:08 |
兄 エーリクは、メモを貼った。 (a4) 2020/05/15(Fri) 6:34:14 |
兄 エーリクは、メモを貼った。 (a5) 2020/05/15(Fri) 6:36:31 |
兄 エーリクは、メモを貼った。 (a6) 2020/05/15(Fri) 6:40:19 |
【人】 神置 穂村雨は蕭々と降っている ぽつりぽつりと寄り集まった雨粒は 地表に溢れて道や畑や庭との境界線を たちまち曖昧にしてしまった 果てが分からない水溜りは 今の季節、村や島でよく見る光景で ひとも鳥も他の獣も動くものは他に何もなく ── 雨だけが、ただ蕭々と降っている (36) 2020/05/15(Fri) 12:50:20 |
【人】 神置 穂村雨粒は水溜りに数多の波紋を作っていき 波紋は互いにぶつかり合いながら 輪郭をすぐさま相殺していった 空はしばらく晴れる気配はない どんよりとした雨雲は上空に居座ることを 決めたようで、分厚く色濃く空を覆っている 水溜りに無数の波紋を作りながら 雨は静かに全てを閉ざしていた (37) 2020/05/15(Fri) 12:51:25 |
【人】 神置 穂村どうしても夢でないと悟らねばならなかった時、 自分は茫然とした。そうして懼れた。 全く、どんな事でも 起り得るのだと思うて、深く懼れた。 しかし、何故こんな事になったのだろう。 分らぬ。全く何事も我々には判らぬ。 (39) 2020/05/15(Fri) 12:53:36 |
【人】 神置 穂村自分は直ぐに死を想うた。 しかし、その時、眼の前を一匹の兎が 駈け過ぎるのを見た途端に、 自分の中の人間は忽ち姿を消した。 再び自分の中の人間が目を覚ました時、 自分の口は兎の血に塗れ、 あたりには兎の毛が散らばっていた。 (41) 2020/05/15(Fri) 12:56:34 |
【人】 神置 穂村 ── 空港にて ── [数えきれない人々が通り過ぎていく 人々は川のように通路を流れていた 生み出す雑踏は、天井と床に反響し 長く広い通路の中に漂い満たしていた そんな通路の一画に ロープで区切られた空間が設けられ 一台の飴色のピアノが置かれていた 自由に弾いていいと書かれた札が立ち 椅子にに座って鍵盤カバーを上げれば 通りすがりの旅行者たちが 思い思いに弾いて、立ち去るのが常だった が、しかし ──] (43) 2020/05/15(Fri) 12:59:23 |
【人】 神置 穂村穂村、もう少しだからな …いい子で待っててくれよ [蓋やカバーが分解され、 ピアノはその内臓を剥き出しにされていた 近くにはナイロン製のキャリーバッグと リュックサックから出された大量の工具が 敷布の上にバザーかと思う状態で並んでいた] (44) 2020/05/15(Fri) 13:00:13 |
【人】 神置 穂村[離れた壁際にある椅子にかけて 本を読んでいたこどもは、無言で頷いた 父の作業はすぐに終わるものではない そういう仕事なのだというのは分かっている 故に、いつものこととも分かっている そのまま、視線を本に戻して 文字の作る言葉や文章を追い始めた] (45) 2020/05/15(Fri) 13:01:07 |
【人】 神置 穂村[父の神置燈夜は「ピアノ調律師」であった どんな仕事かと問われれば 「ピアノのお医者さんみたいなもの」と 穂村は答えていたし、そう彼から教わっていた 違いといえば、ピアノが自ら来るのではなく 島の診療所の先生みたいな往診がほとんどで 調律師自身が歩く診療所であること それから、楽器店勤務ではなく 調律師を抱える事務所に所属している関係で 主に一般家庭のものではなく 学校やホテル、コンサート会場やホール それから、駅や空港、街中に置かれている 多くの人々が行きずりで弾いていくピアノ それらを調律することもあった] (46) 2020/05/15(Fri) 13:02:35 |
【人】 神置 穂村[いつもは学校があるから留守番だ しかし、ちょうど夏休みだったのもあり 本やゲーム、宿題道具などを持ってきて 父につきそい空港の通路の片隅で過ごしていた こんな時は漫画はかさばるから 大抵小説をもっていくことにしている ハードカバーやソフトカバーも荷が重くなる そう考えた結果、こども文庫と呼ばれる 新書サイズの本や文庫本に落ち着いたのだった] (47) 2020/05/15(Fri) 13:05:03 |
【人】 神置 穂村[読んでるシリーズものも既に最終巻 あと数ページで結末が分かる そこまで読み進んだ時のこと 流れる雑踏から、ひとりの男が現れた そろそろ、作業が終わったのか 父はピアノを元通りの姿に組み終えて ピアノもすっかり綺麗に磨かれており 仕上げの弾きの作業に入っていた] (48) 2020/05/15(Fri) 13:05:57 |
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