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【人】 内科医 カナ───始まり:大学時代の記憶─── [無事に医学部への進学を決めた後のこと。 どの大学だろうと医学部は優秀さの象徴。 けれどその中でも更に優秀であろうとする人と 進学をゴールだと思ってしまう人に別れるものだ。 それは当然学生生活にも影響が出てくるもので、 進学してもなお切磋琢磨し続ける学生を尻目に 私は良くも悪くもない、普通の成績を収め続けた。] (48) 2022/06/07(Tue) 1:07:46 |
【人】 内科医 カナ[そんな私とは正反対にも思える彼。 私よりもずっと優秀なはずなのに 私よりも何かに追い詰められているような 危うさと激しさを秘めたようなその姿。 どうしてか分からないけれど なぜだか強い興味を惹かれて。] (49) 2022/06/07(Tue) 1:09:35 |
【人】 内科医 カナ[それは入ったサークルの歓迎会でのことか。 それとも同じ講義で一緒になったときか。 きっかけは些細なもので。 尋ねた後、鮮やかに一礼すると 隣の席へと座ろうとする。 それが、彼との出会い。]* (51) 2022/06/07(Tue) 1:13:15 |
【人】 医者 サキ[ 『東雲医院』 良くも新しいとは言えないが、 親父の代からの地域密着型。 小児科、内科、皮膚科、 使われどころの集まった場所だ。 今在籍してる医者は院長の親父と、俺と、妹。 それと雇ってる数年前から 少々頭皮が見えがち… な叔父さんが1人の4人だけ。 っても叔父さんは非常勤だし 実質3人みたいなもので。 典型的な家族経営…と言っていい。 ] (52) 2022/06/08(Wed) 1:35:48 |
【人】 医者 サキ[ 当初は共に勤めていた院長の妻── 母が15年前に表から姿を消したこと 当時跡継ぎと期待されていた兄だけが この病院に勤めていないこと 知る人は少なくないだろう事実だが それらは触れてはならない話題として 暗黙の了解的に仕舞われている。 ] (53) 2022/06/08(Wed) 1:35:53 |
【人】 医者 サキ[ 密着型ゆえにその日によって 担当医が変わるなんてことはなく、 患者さんは初診を受け持ったのが担当医になる。 …彼女らと出会ったのは、偶然か、 必然 か。 ] (54) 2022/06/08(Wed) 1:35:57 |
【人】 医者 サキ[ 研修医の期間を終えて、ここに勤め始めたのは6年前。 常勤で働いていた雇われの人と 入れ替わるように滑り込んだ。 彼女らは双子の姉妹。 初診からか、入れ替わりの引き継ぎでか、 俺の思う初対面はその日だったけれど。 ] ────よろしくね、 アユミちゃん、マユミちゃん。 [ 医者なんてよろしくすることがない方がいいけど、 そこは社交ってことで。 …医者でない俺と会ったことはあったかな? 昔はよく手伝い件見習いの見習いくらいで 近所の爺ちゃん婆ちゃんに挨拶がてら 病院に顔を出すこともあったから 小さい時からなら、見ていたかもしれないね。 顔はよく似ているけれど、 性格は真反対そうな2人だから 見分けるのはさして苦でもなかったっけ。 ] (55) 2022/06/08(Wed) 1:36:00 |
【人】 医者 サキ[ ───2人の定期的な症状は片頭痛。 他に病気はしないでいてくれるに 越したことはないけど、 あれば都度見ていた。 特筆するとすれば、 姉──アユミの方が症状が重かったことか。 頻度が違えば、来る回数も変わる 彼女らが大学に進学する歳を過ぎて、 元々頻度の多くなかったマユミが あまり来なくなったことは環境の変化だろうと、 それほど気にしてはいなかった。 ] (56) 2022/06/08(Wed) 1:36:04 |
【人】 医者 サキ[ 時の流れの間に、姉ほどに酷くなった頭痛と ただ事ではなさそうな火傷を負って現れたマユミ。 違和感を覚えるなとまでは無理だな、 でも確かに追求する程じゃなかった。 俺の前に現れたのは正真正銘、船越真結実だったから。 ……そう、この時、俺は間違えた 間違えたが、正しかったのか。 船越さんです、と渡されたカルテの名を はっきりと確認しないまま声をかけたんだ。 ] (58) 2022/06/08(Wed) 1:36:12 |
【人】 医者 サキ───ユミちゃん? …久しぶりだね。 [ アユじゃ魚っぽいだろ、なんて理由から ユミと呼んでいたのはアユミの方だけで。 略称といえば頭2文字と、 マユミは例に漏れることなく マユと呼んでいた。 間違えたのは呼び方だ。 マユミにとって は前とは違う呼び方のはずだけど── …さて、どんな反応だったか。 ] (59) 2022/06/08(Wed) 1:36:15 |
【人】 医者 サキ[ もし人を "テセウスの船" と喩えるのなら義手、義足、義眼、人工臓器… ありとあらゆる人工物で身体を作り替えようとしても、 唯一取り替えることの出来ない物が脳。 それは考えと人格をつくり 人をその人たらしめるもの。 脳が変われば 人は変わる。 ならば作り替えられた人はもはやその人ではない。 …と、俺は思う。 "テセウスの船と名付けられた船" ではあっても元の "テセウスの船" にはなれないのだろう。…けれど、パラドックスに正解はない。 様々な外的要因さえ揃ってしまえば、 名付けられただけの船 もテセウスの船 と足り得るのかもしれない。 ] (60) 2022/06/08(Wed) 1:36:20 |
【人】 医者 サキ[ 時は流れて、今。 ] ああ、いらっしゃい。 頭痛の頻度と程度はどう? あと火傷も軽く見ようか。 [ いつも通り、物腰柔らかな笑みを向けて 俺は船越真結実に声をかける。 医者がすべきは真相究明ではなく、 目の前の病に取り組むことだと 理解っているから。 ]** (61) 2022/06/08(Wed) 1:36:23 |
医者 サキは、メモを貼った。 (a4) 2022/06/08(Wed) 1:49:37 |
【人】 会社員 ツグアキ[ 日本の平均水準をずっと下回る家庭で生まれた。 当たり前に与えられるはずの悉くを 手に出来ず育った自覚はあるけれど 趣味や習い事に割く余裕も得られなかった 子供時代、出来ることといえば勉強だけだったから それがひいては下層から這い上がるための 努力と術に繋がったらしい。 幸いにも悪くなかった地頭のためか、 砂山から砂金を掴み取るように掠め取った。 日の当たるところへのチケットは、医学部合格。 ] (62) 2022/06/08(Wed) 4:55:54 |
【人】 会社員 ツグアキ[ その時点で 俺は、人生において 『本物』の『幸福』を、手にしたはずだった。 ─── だのに嗚呼、剥がれた爪の痕を隠した手で 握った『幸福』は、かくも脆く。 (63) 2022/06/08(Wed) 4:57:19 |
【人】 会社員 ツグアキ[ だから今日も俺は『エデン』を立ち上げる。 支給されたイヤホンで外音を遮断すれば 不幸など知らない誰かが書き込んだ、 きらきら輝く幸福があっという間に脳を染める。 義務的に与えられる『幸福』は 確かに己を一時の安寧で包み、 人肌に温い夢に揺蕩い、救われる。 生きている。 ああこれは、誰かの恋が実った日のことかな いいな、きらきら、きらきら、脳が眩しい。 ] (64) 2022/06/08(Wed) 5:01:00 |
【人】 会社員 ツグアキ……ええと、 失礼しました。 どうぞ、隣はご自由に。 俺は佐々岡です、あなたは、その─── [ 動揺を削いで、口角をゆるりと上げた。 手の中で転がるイヤホンを握り隠す。 渇望してやまない幸せは 持っているフリをして。 ] (66) 2022/06/08(Wed) 5:06:30 |
【人】 会社員 ツグアキ[ 何不自由なく育ってきた同期の面々が さくさくと実績を積み、見出され、 苦労無く敷かれたレールの上を スキップで駆け抜けていくのを 目の当たりにする日々だったよ。 いくら努力を重ねても基盤のない己が 光を浴びることはほぼ無いのだと言う 現実を知った頃。 ] (67) 2022/06/08(Wed) 5:11:12 |
【人】 会社員 ツグアキ神に問う。信頼は罪なりや。 果たして、無垢の信頼心は、罪の源泉なりや。 神に問う。無抵抗は罪なりや? いまは自分には、幸福も不幸もありません。 ただ、一さいは過ぎて行きます。 (68) 2022/06/08(Wed) 5:12:20 |
【人】 会社員 ツグアキ[ 血を吐き泥水を啜るようにして 仕上げた論文が、 理事長の一人息子のものとして学会に発表され 華々しい評価を得た場面を目にする。 自分の口座に記された見たこともない桁の 入金記録と引き換えに 己の医師としての未来が 永久に閉ざされたことを自覚するのは、 あの頃のこと、だったね。 ]** (69) 2022/06/08(Wed) 5:15:20 |
【人】 医者 サキ[ 東雲は典型的な医の一族。 祖父か、いや曾祖父だったか とかく医者を始めた誰かが積み上げた資産を、 子孫世代が使った分以上に重ね 先祖代々─── 2200年に至るこの時まで 不自由らしき不自由はしたことが無かった。 "そうなるべき" だと生まれ出た時より定められている幸せを抱えていることさえ除けば。 ] (70) 2022/06/08(Wed) 13:14:46 |
【人】 医者 サキ 『 医者になりなさい 』 [ 東雲に生まれた子は皆、そう言われて育つ。 現代に生きる俺たち3人も例外ではなく、 幼い頃より医者になるのが当たり前だと思っていた。 教養は知識のみにあらず、 然し得る方法は限られる。 金という対価で用意された階段を 一段一段と上って 医学部合格の門をくぐる それが定められた幸せだ。 出来ないはずがなかった。 ] (71) 2022/06/08(Wed) 13:14:54 |
【人】 医者 サキ[ 兄は調子に乗っていた。 跡継ぎだと周りから囃し立てられて、 自分は出来る人間なのだと勘違いしていた。 母はずっとそんな兄に忠告をしていたが まるで聞く耳も持たず。 怠惰に身を落とした 人間を食い破らんとする者は 溢れんばかりにいるというのに。 目に見えているだけで手が届くと勘違いして 上の大学に手を伸ばしたんだ、あの愚兄は。 ] (73) 2022/06/08(Wed) 13:16:05 |
【人】 医者 サキ 「 不合格 」[ 奴の眼前に叩きつけられた始めての挫折。 18に至るまで用意された階段の先は 続いていると信じて疑っていなかったのか。 当たり前にくぐるはずだった門は閉じられて、 手に残ったのは薄っぺらい三文字の言葉だけ。 兄の落ち込みようと言ったらそれは酷く、 沈みきって泣いていたと思えば、 突然癇癪を起こして物や人に当たり散らし 母がもっと強く言っていればと一人泣いていて ああ、地獄ってこんな心地なのかな? 俺の高校合格なんて何の薬にもならず、 暫くは重苦しい空気のまま。 結局、兄は父に諭され もう1年、門が開く時を待つことになって。 ] (74) 2022/06/08(Wed) 13:16:09 |
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