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【人】 碧き叡智 ヴェレス[若きリーダー、ジェイクの牽引により 限られた資金で初めに発表された発明が 誰でも扱える、大衆向けの写真機だった。 “プロトタイプ”の段階では度々発生していた 予期せぬ事象が写り込む『不具合』は解消され 人々は切り取ったままの風景を残す事が可能になった。 島民は勿論、外部からの旅行者や 復興に手を貸すボランティアまでもが訪れる 一種の観光地として成立している。 家族写真などの撮影は勿論、 ギャラリーとしての鑑賞も出来る施設の壁には 厄災の戒めとなる無数の写真が展示されている。] (71) 2022/11/17(Thu) 21:07:16 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[────その、片隅に。 災厄をきっかけに解体・移転した保存施設の 敷地内を写した数枚の写真がひっそりと飾られている。 緑の多い風景を撮ったものが殆どだったが、 唯一、人物が映り込んでいるその写真に 心当たりがある者はもう、殆ど居ない。 居た所で、彼がこの発明の祖であると 今更口に出せる人間も居ないのだろう。 ……いや、言える筈がないのだ。] (72) 2022/11/17(Thu) 21:07:30 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[その日限りの記憶を、永遠の一枚へ。 写真館を訪れる人々は今日も絶えず。 美しく手入れされた植木が立ち並ぶ庭園には、 事件の際に何処かの施設から逃げ出した青いカナリヤが いつの間にか住み着いているようだ。*] (73) 2022/11/17(Thu) 21:07:41 |
【人】 住職 チグサ[寺院にたどり着くよりも早く、きな臭い香りが鼻を突きました。 いつでも見守ってくださったご本尊様。 幼少期から繰り返し体に刻み込んだ経典。 我が子と定めて育て上げた、傲慢になってもなお可愛いお弟子さん達。 それらいっさいが炎に包まれ、赤い舌先で夜空を舐めています。 周囲の木々は熱風に煽られ、表や裏を見せながら木の葉が散ってゆきます。 逃げ惑う人々の中に在って、唯一静かな目でその惨状を見つめておられる方が在りました。 それは、思いもよらぬ方でした。] あなたがやったのですか──何故? [欲に狂った街を見た後で、なんという愚問でしょうか。 彼は内側にどのような欲を飼っていたのでしょう。一体どのような衝動の果てに、寺院を燃やすという行動をなさったのでしょう。 お医者様の傍に、あの愛らしい助手の女性もいらしたでしょうか。 そうだとしても、ぱちぱちと爆ぜる音に微動だにせず、またいとし子の宿るはずの腹部は赤く濡れそぼっていて、狂ってしまわれたのはむしろ幸いという有様でした。] (74) 2022/11/17(Thu) 22:37:10 |
【人】 住職 チグサ[のろしが、雨を呼んだかのようでした。 視界が霧に包まれ、しとしとと雨が降り注ぎます。 その雨には、欲を雪ぐ力がありました。 しかし、火の勢いを止めるにはあまりにも頼りないのでした。 赤い炎は霧雨に阻まれ、その境界を曖昧なものにしていました。 ぱち、ぱちん、と。火の粉が爆ぜて、私の頬を炙ります。 私が命を燃やして守り、築き、育て上げた、掛け替えのない執着の塊。 放下着。それらは全て捨て去られ、煙となってしまいました。 本来であれば、私が自身の手によって捨て去らねばならなかった。けれどその修行も果たさぬままに、彼が成してしまいました。 もはや、その存在は、私の胸の中だけ。] (75) 2022/11/17(Thu) 22:37:51 |
【人】 住職 チグサ[そう。お弟子さんとの時間は、見守ってくださったご本尊様は、生きる智慧を授けてくださった経典は、未だに消え去っていません。私の胸の中に刻まれています。 私の自我が在る限り、それらは存在し続けるのです。 私はノーヴァ様の手首を掴み──爪が食い込むほどに強く、掴み。 玻璃のように澄み渡った、何物にも焦点を当てない瞳に、老いさらばえた我が瞳を合わせ。 あなたはそれでいいのですか、と暗に問いかけたのでした。] 、、、、、、、、、、、、 まだ、私が残っていますよ。 [と。] (76) 2022/11/17(Thu) 22:38:47 |
【人】 住職 チグサ[ここで果てるならば、彼の手にかかりましょう。 災難に逢う時には災難に逢えばいい。 死ぬときには死ぬのが良い。 それこそが災難を逃れる妙法といえましょう。 けれど、彼が迷いの果てにこの寺院を頼ってくださったならば。 救ってくれる神もなく、見守ってくれる御仏もなくとも、僧侶は確かに在ります。 ならば、迷い足掻く方に耳を傾けるのは、僧侶の務め。 私は彼に丁寧に合掌すると、その場で座禅を組みました。 ただ、しとしとと降り注ぐ小雨のように。 彼の話に静かに耳を傾けるため。 あるいは彼に毀されるため。]** (77) 2022/11/17(Thu) 22:40:21 |
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