人狼物語 三日月国


149 【R18身内村】LOVE OR ALIVE

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【人】 宮々 蓮司

 
 「 泣かないでくれ、
   わからないけど、
   どうしてかはわからないけど、
   瀬里に泣いてほしくないんだ。」
 
(92) 2022/05/29(Sun) 0:49:46

【人】 宮々 蓮司

胸が押し潰されそうだった。
これは蓮司≠フ残滓なのだろうか。
瀬里≠愛した男の恋の欠片なのだろうか。
(93) 2022/05/29(Sun) 0:50:23

【人】 宮々 蓮司

 



 ──────── ちがう。


 
(94) 2022/05/29(Sun) 0:50:50

【恋】 宮々 蓮司



 ぜんぶ俺なんだ。


(?1) 2022/05/29(Sun) 0:51:23

【人】 宮々 蓮司

昨日まで瀬里を愛していた事実は消えない。
彼女を愛していたのも、それだって俺なんだ。

記憶を失っても、恋心を失っても。

──── 全部俺なんだ。
 
(95) 2022/05/29(Sun) 0:51:58

【人】 宮々 蓮司

 
 「 こんな終わり方は嫌だ。」


理由を聞かれてもわからない。
だけど、こんな終わり方は絶対に嫌だった。
昨日までの蓮司≠ェとかじゃない、昨日も今もなく俺が嫌だと思っている。*
(96) 2022/05/29(Sun) 0:52:15

【恋】 宮々 蓮司

涙を拭った手をそのまま瀬里の頬に当てた。
柔らかで暖かな感触。
ゆっくりと、そっと撫でた。
(?2) 2022/05/29(Sun) 10:36:43

【人】 宮々 蓮司

 
 「 恋人に、……ならないか? 」
 
(101) 2022/05/29(Sun) 10:36:59

【人】 宮々 蓮司

それは提案。

恋心がなくても、かつての二人に関する記憶がなくても、二人が恋人同士でお互いを深く愛していたのなら。
中身が伴わなかったとしても、
その形がもしかすると何かのキッカケになるかもしれない。

そうは言っても、恋心のない二人だ。
だから、少しずるい理由を付け加える。



 「 きっと、
   瀬里≠熈蓮司≠烽サれを望んでいるはずだ。」


たとえ、まるで別人の様に感じていても、
やはりそれは二人にとっても過去であることに変わりはないはずだから。

*
(102) 2022/05/29(Sun) 10:37:20

【人】 宮々 蓮司

涙が止まったのを見て手を頬から離した。


 「 宮々蓮司だ。
   よろしく、っていうのも何か変だな。」


はにかむ瀬里に同じ様な笑顔を見せていたと思う。
不思議なもので、恋をせずに恋人になるというのに、恋人になったと思えば、そうであることが当然の様に思えた。
(106) 2022/05/29(Sun) 19:09:23

【人】 宮々 蓮司

 
 「 ドライブデートか。
   恋人の第一歩としてはいいかもな。」


そうと決まればシートベルトを着け直して、車を走らせようか。
ドライブのBGMには聴き覚えのある歌、透明な歌声。


お互いの知らないことを話しながら。
不思議な感覚は知らないのに新鮮味がないこと。
本当は知っていたはずのことだからか。


そんな他愛のない話。
無くした記憶を埋めていく様に。
そうやって全てを埋め直したら、また以前みたいに慣れるのだろうか。
(107) 2022/05/29(Sun) 19:09:37

【人】 宮々 蓮司

そんな時間はきっとあっという間に過ぎていく。
そして気づけば瀬里の家まで辿り着いて、辺りはもう昏くなっていた。*
(108) 2022/05/29(Sun) 19:10:17

【恋】 宮々 蓮司


助手席の方へと身を乗り出す。

着けたままのベルトが伸びる。


 「 フライングするぞ。」


顔が、唇が、ゆっくりと近づいていく。*

 
(?3) 2022/05/29(Sun) 22:16:12

【恋】 宮々 蓮司


 
 この暖かな気持ち知らない気持ちが、
 
 恋でなければ、恋とは一体どんな気持ちだと言うのだろう。

 
(?5) 2022/05/30(Mon) 12:19:28

【人】 宮々 蓮司

諦めていた。
朝、目を覚ました時に記憶が曖昧なことに気づいた。
ぽっかりと胸の中に穴が開いたような心地。

自分に何が起きたのかはわかっていた。
彼女に関する記憶をなくしていること。
抱いていたらしい恋心を失っていること。

昨日までの自分がどう思っていたのかはわからない。
ただ、きっと上手くいかなかったのだろうということは理解できた。

そして、
それならば仕方ないのだと。
失った記憶も、恋も、仕方のないことと受け入れた。
(117) 2022/05/30(Mon) 14:36:26

【人】 宮々 蓮司

だけど、彼女は違った。

連絡してもいいかと聞いてきた。
そんなこと意味がないと思った。


彼女は、瀬里は自分のことを諦めなかった。
自分のことを取り戻そうとしていた。
彼女だって恋心なんて無くなっていて、蓮司≠フことなんて覚えてもいないのに。


そして涙を流した。
悲しみなのか、悔しさなのか、蓮司≠ネらわかったのだろうか。
(118) 2022/05/30(Mon) 14:36:52

【恋】 宮々 蓮司

 

  そうして俺は、
   もう一度、瀬里に恋をした。

 
(?7) 2022/05/30(Mon) 14:38:28

【人】 宮々 蓮司

それは嫉妬に近かった。

昨日までの俺が、瀬里に愛されていたということ。

今の自分ではないことが、

無性に悔しくて、

このままでは終わらせたくないと思ってしまった。
(119) 2022/05/30(Mon) 14:39:17

【人】 宮々 蓮司


結局、
彼女の元を後にしたのは、
太陽が高く高く上ってからのことだった。

 
(120) 2022/05/30(Mon) 14:41:40

【人】 宮々 蓮司

そのメールには短く、
『 もちろん 』とだけ返信をした。


不思議な感じがした。
記憶もない、
以前の
恋心もない。
だけど、今たしかに彼女に恋をしている。
かつての恋ではなくても、今たしかに。

だけど
変化が訪れたのは、それから丸一日のあと。
(121) 2022/05/30(Mon) 14:42:14

【人】 宮々 蓮司


 記憶にかかっていた靄が、

   少しずつ、段々と晴れていった。*

(122) 2022/05/30(Mon) 14:42:50

【人】 宮々 蓮司

高速を飛ばして、それから下道も飛ばす。
そうして短いようで長い道のりをやってきた。
山間には余り似合わない車を停めたのは、夕日が地平線にだいぶ近づいてからだった。

今日は
はじめて
の週末デート。

エンジンを切って車を降りる。
もうあと数歩の距離がもどかしい。


ドアの前。
一度シャツのヨレを直して、それから三度ノックした。
(126) 2022/05/30(Mon) 20:38:41

【人】 宮々 蓮司

今はもう頭にかかっていた靄はすっかりと晴れていた。
でも、それを瀬里に伝えてはいない。

今ここにいる自分はいったいどの蓮司≠ネのだろう。
瀬里に会う前?
それとも恋人になってから?
記憶をなくして、もう一度瀬里に恋をした男?
それとも────

どの蓮司¥o会っても構わないし、
それを決めるのは自分自身ではない気がした。

それは、これから目にする愛しい瀬里おまえが決めればいい。*

 
(127) 2022/05/30(Mon) 20:39:16

【人】 宮々 蓮司

ドアが開いて俺の両目が瀬里の姿を映す。
それだけで鼓動が強くなっていく。

 『 蓮司さん 』

瀬里の声。
俺は両手を開いて華奢な瀬里の身体を包む。
会いたかった。
この一週間はまるで何ヶ月にも感じられた。
お前を思い出してから、こうして会えるのが何よりも待ち遠しくて。


お前に会うたびに、お前に触れるたびに、恋をしているのかもしれない。

 
(131) 2022/05/30(Mon) 22:42:20

【人】 宮々 蓮司

 
 「 そうだな、まずは飯にしようか。 」


今日はどこがいいだろう。
和食?中華?イタリアン?
肉がいいだろうか、魚介にしようか。

きっとそれが何でも何処でもきっと楽しい時間になる。


 
「 ……今日は、泊まっていってもいいんだろ? 」



耳元に唇当てて、そっと囁いた。*
 
(132) 2022/05/30(Mon) 22:42:44

【人】 宮々 蓮司

それはとても不思議な感じだった。

記憶を取り戻した今でも恋心は無くしたままだった。
あのお見合いで雨宮瀬里を選び、兼光と灯歌によって結ばれた恋は治療と共にたしかに霧散してしまった。

だけど


今もたしかに
をしている。

記憶を取り戻したからこそ理解できる。
瀬里が目の前にいる、瀬里が隣にいる、瀬里に触れている、その一分一秒ごとにもっと好きになっている、夢中になっている。

俺は雨宮瀬里が大好きなんだ。
(141) 2022/05/31(Tue) 6:46:36

【人】 宮々 蓮司

薄暗い部屋の中。
肌を寄せ合いながら、瀬里の言葉を聞いていた。

相変わらず蓮司さん≠ニ呼ぶ瀬里は、記憶が未だ戻らない。
なぜ二人にそんな違いが生じたのかはわからない。
瀬里にとって、思い出したくない何かがあったのだろうか。


相槌を打ちながら、時折返した言葉に瀬里は首を横に振った。
(142) 2022/05/31(Tue) 6:46:52

【人】 宮々 蓮司

緩く抱きしめていた瀬里の身体が離れる。

それは、よく知っている赤いマニキュア。
二人を結びつけたきっかけ。


瀬里は知らないまま。
俺はよく覚えている。



 「 つけてみたらどうだ? 」


何気なく口にする。
見覚えがあるとも、ないとも言わず。


それがきっかけで記憶が戻るかもしれない。
そう思ったわけじゃない。
記憶の中にある恋を失う前の瀬里がつけていたからでもない。

ただ単純に、瀬里にそれがよく似合うことを知っていたから。*
(143) 2022/05/31(Tue) 6:48:01

【人】 宮々 蓮司

『 これを? 』
俺は小さく頷く。


『 似合うかな 』
似合うに決まってる。


『 不思議ね 』
そう、たしかにあった。
俺はスマホを手に取るとライトをつけて瀬里の指を照らす。


そうして、瀬里おまえがようやく目を覚ます。

 
(154) 2022/05/31(Tue) 9:37:48

【人】 宮々 蓮司

 
 
   「 おかえり。」

** 
(155) 2022/05/31(Tue) 9:38:53