人狼物語 三日月国


110 【身内】腐ったリンゴを元に戻すには【R18】

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視点:


【人】 麻央



[ 麻央、改め本名久遠春翔という男には
  母親と4歳下に弟がいる。
  父親は春翔が小学生の頃に突然消えてしまった。
  死んだわけではない。いなくなったのだ、突然。

  つまり、母子家庭で彼は育ったということ。

  母親の愛情というものは分け隔てなかった。
  そう見えていたけれど、そうじゃないと
  春翔が実感したのは高校1年の冬。

  弟が私立中学校を受験して合格した。
  
そこは春翔が行きたかったところ。

  受けることさえ叶わなかった春翔は
  弟の合格を
羨ましい
と思い
  母親の喜びを
妬ましい
と思った。      ]



(0) 2021/11/24(Wed) 18:24:45

【人】 麻央



[ 兄は公立に行き、弟は私立に行く。

  母子家庭だから仕方がないという人がいるなら
  弟も公立に行かせてくれ、と春翔は言うだろう。
  高校生になってから、春翔はアルバイトを始めた。
  それは勿論弟の学費を捻出するため。

  春翔が自由に使うことができた金額は
  今の給与からしてみればほんの少し。
  成績優秀者として学費を免除されているから
  アルバイトをしつつ、勉強をしないわけにはいかない。
  だから高校を卒業するまで、
  あまり友達と普通の高校生がやるようなことは
  やった記憶がなく、現在は疎遠になっている。  ]


(1) 2021/11/24(Wed) 18:25:28

【人】 麻央



[ 大学だけは自分が行きたいところを選んだ春翔。

  だからこそ莫大な学費を自分で払わなければいけない。
  そして、20万円の仕送りを母親にするために
  春翔は今の世界を4年間のアルバイトとして選んだ。
  実力主義のこのホストの世界は
  春翔の脳内をカネへとシフトさせてしまったが
  その分麻央のことを高みへと連れていった。   ]


(2) 2021/11/24(Wed) 18:33:57

【人】 麻央



[ 手料理を作ってほしいとお願いしたときの彼女は
  いつかの日の春翔を見ているようで苦しかった。
  けれども、優しい彼女は作ってくれて
  愛情というものを示してくれた気がした。

  だからこそ、麻央は彼女を掌で転がせたのだ。
  愛情を返せば、パブロフの犬同様に
  そうすることで愛情がもらえると
  彼女の普通を変えていくことができる気がして。  ]



(3) 2021/11/24(Wed) 18:35:10

【人】 麻央



[ 囁いた言葉の真贋は麻央にしかわからない。

  けれど、小遣い稼ぎの話を切り出したとき、
  彼女の声色が困惑しているように感じて
  まだ正常な判断ができるのかもしれない、と
  麻央は何も言わずに彼女のことを抱きしめた。 ]


(4) 2021/11/24(Wed) 18:36:10

【人】 麻央

──────


[ 部屋に入れば机には水がある。
  飲んでくると思われていたのだろう。
  実際に飲んできたのだから仕方ない。
  酔いを醒ますために一口をそれを飲めば
  耳に聞こえてくる彼女の返事。

  麻央は、ほっとした表情を見せながら
  彼女に対してこう返す。        ]



(5) 2021/11/24(Wed) 18:45:07

【人】 麻央




[ 視線を合わせてまじめな表情で言えば
  人は簡単に騙されていく。
  これは麻央の気持ちであって、
  春翔の気持ちではない。
  春翔という人間は、実に冷めた人間で
  今すぐにでも通うのをやめてしまえと言いかねない。

  そして彼女のケーキを所望するけれど、
  彼女が離れてしまう前にその手の中にいいものを。 ]



(6) 2021/11/24(Wed) 18:46:00

【人】 麻央



[ お祝いだからとケーキを食べるのなら
  麻央として3周年の記念の日。
  春翔として彼女へ同棲を打診した日。
  受け入れてもらえたなら、ケーキをせがみ
  そうでなければ、悲しそうに彼女から離れる。

  夢と現実をうやむやにする場所
春翔の家

  彼女を招待してしまう覚悟はとっくの昔にあった。 ]*



(7) 2021/11/24(Wed) 18:47:07

【人】 麻央




[ 彼女がまともでないなら、麻央もまたまともではない。
  だから彼女を抱き込んで金なる木にした。
  そうすれば彼女は麻央から離れられなくなり
  望む限りそばにいることが確約されるから。

  だから、麻央は彼女に愛を伝える。

  たとえそれが麻央にとっては嘘でも、
  春翔にとっては本当だから。
    ]



(12) 2021/11/26(Fri) 21:35:05

【人】 麻央

──────



[ ヘルプを少なめに置くのもあって
  彼女が頼んでくれたボトルはほぼ麻央がこなす。
  だからこそ、彼女は時折心配しながら
  ボトルを下ろすタイミングをずらしてくれる。

  そんな優しさも、ひとりの人として
  春翔が彼女に惹かれていった理由なのかもしれない。
  でも、彼女は麻央というホストに惹かれている。
  覆すことが出来ない事実は、
  2人の間に越えることが出来ない壁を築いているような。
  
  今は何を言っても、変えられないもどかしさ。   ]



(13) 2021/11/26(Fri) 21:35:43

【人】 麻央




[ 自ら切り出しておいて軽蔑するなんて
  そこまで下衆な男ではない。
  けれども、彼女の欲しい言葉を探すのは
  彼女を縛りたくて堪らない鬼畜だから。

  笑みを見せて、麻央
春翔

  彼女にそう囁きかけた。       ]



(14) 2021/11/26(Fri) 21:37:56

【人】 麻央




[ このとき食べたショートケーキの味を
  麻央は鮮明に覚えている。
  すごく甘くて、しょっぱい。

  彼女の笑顔が眩しすぎて、
  引っ越しの日程をすぐに決め、
  彼女を受け入れてしまった麻央。

  彼女とのここからの1年弱の間の生活は
  愛おしさと罪悪感との入り混じりで
  どれだけ香奈太に怒られたことだろう。   ]



(15) 2021/11/26(Fri) 21:39:26

【人】 麻央




   愛衣ちゃん、もうお店に来なくていいよ。

 



(16) 2021/11/26(Fri) 21:40:12

【人】 麻央




[ これを言うときは全てが終わり
  初めましてを彼女に言う時。


  でもまだ、それをいうときは来ない。


  腐ったリンゴはまだ
腐り
続ける。

  周りにいるリンゴも一緒に腐らせながら。  ]**




(17) 2021/11/26(Fri) 21:40:48